著者
長谷川 健治 秦 玲子 秦 玲子
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学留学生センター教育研究論集 (ISSN:13406493)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.191-216, 2007

This oral history focuses on the experiences of Togawa Yoshio as a student member of the JCP during its military interlude in Korean War period Japan. Although the effect of the Korean War as an economic boon has been well-emphasized, narratives of postwar Japanese history tend to treat activities by the JCP during this period as a minor footnote to the period. This is not surprising. Even specialized histories of those who conducted these activities-the JCP, zainichi Koreans, and the student movement-pass over this period as an unfortunate mistake. By introducing the experiences of Togawa Yoshio, this oral history seeks to contribute to the process of giving voice to this long-silenced history.
著者
長谷川 健
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.129-136, 2016 (Released:2019-02-01)
参考文献数
25

パーフルオロアルキル(Rf)基をもつ有機フッ素化合物は,炭化水素化合物では実現し得ない独特なバルク物性を示す。しかし,その物性が発現する機構を分子の一次構造と関連付けて理解することは長年の課題であった。本稿では,階層双極子アレー(SDA)理論と電磁気学によりこれまでの混乱を取り除き,Rf化合物の物性を,1分子とバルクに分けて統一的に理解可能にする新しい考え方について述べる。
著者
出口 順子 長谷川 健司 清川 健一 菊池 秀夫
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.13-32, 2021 (Released:2021-01-30)
参考文献数
91
被引用文献数
2

Relationships between team identification, fan community identification and team-support behavior can be explained using organizational identification theory (Ashforth and Mael, 1989; Mael and Ashforth, 1992). According to Mael and Ashforth (1992), for an individual to identify with an organization, it must enhance the appeal of its collective identity through clear delineation of in-group and out-group memberships as a distinct organization, while increasing self-esteem through association with the organization’s prestige, meaning that the antecedent factors are the organization’s distinctiveness and prestige. Additionally, in social identity theory, which represents the theoretical background for organizational identification theory, support behavior is expressed for an organization that embodies the supporter’s identity. Accordingly, Mael and Ashforth (1992) consider organizational support to be a result factor. Based on the above, the aim of this study was to use organizational identification theory to clarify the relationships between team identification, fan community identification, and team-support behavior. Specifically, we developed a hypothetical model in which the factors of team distinctiveness and prestige were the antecedent factors and the non-transactional support behavior of fan engagement was the resulting factor. Data collected from spectators at a V. Premier League were used for verification. Analysis using the bootstrap method revealed that impact relationships were not found for all hypotheses. Nonetheless, certain relationships were found between leading and result factors, thus supporting the conclusion that organizational identification theory can be used to explain spectator support behavior.
著者
柴田 翔平 長谷川 健
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

摩周火山は,北海道東部に位置し,山頂部に径7.5 km×5.5 kmのカルデラを有する.このカルデラは約7,600年前の大規模噴火(噴出量約20 km3)によって形成された(岸本ほか,2009,山元ほか,2010).従来の研究によるカルデラ形成噴出物の層序は,降下火砕堆積物(Ma-j~Ma-g)とそれを覆う火砕流堆積物(Ma-f)からなる(Katsui et al.1975).摩周カルデラ形成噴火の推移は,岸本ほか(2009)によって,マグマ水蒸気噴火(Ma-j)からはじまり,プリニー式噴火に移行,3層の降下軽石(Ma-i~Ma-g)を堆積させた後,噴煙柱崩壊による火砕流(Ma-f)が流下,摩周カルデラが形成されたと考えられている.一方,長谷川ほか(2017)は,Ma-fを層相の違いから7層(上位からMa-f1~Ma-f7)に細分し,摩周カルデラ形成噴火は従来の噴火推移よりも複雑であった可能性を指摘した.そこで,著者らは地質調査,カルデラ形成噴出物の粒度分析および構成物分析を行い摩周カルデラ形成噴火の推移を再検討した.粒度分析は-5Φ~4Φまでの範囲を1Φ間隔で行い,構成物分析は2~32 mmの粒子を肉眼観察で分類し,重量%を求めた.Ma-f6,Ma-f7は層相の類似する火砕物密度流堆積物(以下,堆積物を省略)で灰色軽石,縞状軽石に富み(それぞれ40~60wt%,5~21wt%),中央粒径(以下,MdΦ)は-1.00Φ~0.89Φ である.Ma-f5(降下火砕物)およびMa-f4(火砕物密度流)は火山豆石を多く含み(それぞれ89wt%,82wt%),軽石,石質岩片には例外なくシルト質火山灰が付着し,マグマ水蒸気噴火堆積物の特徴を有する.Ma-f4のMdΦは,-0.55Φ~3.22Φ であり,下位のMa-f6,Ma-f7よりも細粒な火砕物密度流である.Ma-f3は石質岩片を大量に含む(90wt%以上)礫支持の火砕物密度流で,デイサイト質岩片のほか,深成岩片,変質岩片も含み,しばしば下位層を著しく削り込む.MdΦは,-3.47Φ~-1.37Φ で,極細粒砂~シルト粒子を欠く.Ma-f2はしばしば斜交葉理をともなう火砕物密度流で,細礫サイズの石質岩片を多く含み(70wt%),軽石も含まれる(30wt%).MdΦは,-1.84Φ~1.16Φである.Ma-f1は褐色の火山灰層で,軽石および石質岩片を含み(それぞれ52wt%,48wt%),Ma-f2との層境界は不明瞭で漸移的に色調・粒径が変化する.MdΦは,-1.22Φ~1.80Φである.Ma-f3の上位には例外なくMa-f2,Ma-f1が堆積し,これらは分布域の広さからMa-fの体積の大部分を占めることが分かる.Ma-f下位の降下火砕物の構成物に目を向けると,Ma-i~Ma-gにかけて優勢な本質物質が白色軽石から,縞状軽石,灰色軽石へと変化する.Ma-f1~Ma-f7は,粒度組成および構成物組成からMa-f7~6,Ma-f5~4,Ma-f3~1にグループ分けすることができ,それぞれの境界で噴火様式が変化したと考えられる.Ma-f7~6は灰色軽石と縞状軽石が優勢で,これは下位のMa-i~Ma-gにかけて見られる本質物質の量比変化と連続的であることや石質岩片の種類も一致することから,Ma-i~Ma-f6までは一連の噴出物であると考えられる.噴出率の低下により噴煙柱が崩壊し,Ma-f7,6が流下したと考えられるが,その後,火道への外来水の相対的な流入量が増加し,噴火様式がマグマ水蒸気噴火に変化してMa-f5~4を発生したと考えられる.つづくMa-f3~1では石質岩片量が急増することと, Ma-fの大部分を占めることからカルデラ陥没開始が示唆される。Ma-f3の上位にはMa-f2,Ma-f1が例外なく堆積しており,これらに含まれる構成物は石質岩片の量比が変化するものの,その種類は変化せず,上位にかけてMdΦが細粒になることから,Ma-f3~Ma-f1は高速の火砕物密度流の流動単位,Layer 1~Layer 3(Wilson,1985)に対応すると考えられる.従来の噴火推移と合わせると,摩周カルデラ形成噴火はマグマ水蒸気噴火(Ma-j)にはじまり,プリニー式噴火に移行,降下軽石(Ma-i~Ma-g)を堆積させ,噴煙柱崩壊による火砕物密度流(Ma-f7~Ma-f6)を流下させた.その後,マグマ水蒸気噴火に移行(Ma-f5~Ma-f4),カルデラ陥没にともなう岩塊の放出と火砕物密度流が流下し(Ma-f3~Ma-f1),摩周カルデラが形成されたと考えられる.
著者
長谷川 健太 大石 哲 佐野 哲也
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.108, 2010

本研究では山梨大学の二重偏波ドップラーレーダーを用いて,短時間の定量的降雨予測における精度不足の要因の一つとされる降雨の落下過程の解明について考察する.レーダーエコーの強い部分における鉛直からの傾き(以下では仰角と称する)に着目し,各高度の雨滴の落下速度とドップラー速度を用いて仰角を表現するモデルを開発した.2009年8月2日の事例を用いて,モデルの結果と観測したエコー画像を比較したところ,エコーの仰角の時間変化をよく表現することができた.この結果から,強エコーの傾きは雨域の移動速度に対する各高度の相対的な速度差から形成されていることが示唆された.
著者
長谷川 健 中川 光弘 伊藤 順一 山元 孝広
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.12, pp.686-699, 2011-12-15 (Released:2012-03-26)
参考文献数
30
被引用文献数
7 6

テフラを用いて北海道東部の釧路地域に分布する第四系の編年を試みた.釧路地域の海成層(上位から,大楽毛層,釧路層)の各模式地において複数のテフラを記載・採取し,火山ガラスの主成分化学組成などの岩石学的特徴や層位関係から,阿寒・屈斜路火山地域のテフラと対比を行った(阿寒および屈斜路テフラはそれぞれ上位から,Ak1~17およびKpI~VIII).大楽毛層の上位にはKpVIが見いだされ,また大楽毛層上部と下部に挟まる2層の火山灰層は,それぞれAk5および給源不明の広域テフラ(LowK-1)に対比される.一方,釧路層中に含まれる軽石礫・溶結凝灰岩岩塊は,すべてAk13~Ak17由来である.以上の対比結果と既報のテフラ年代から,大楽毛層の堆積は,少なくとも,0.8 Maに開始し0.1 Maより前に終了したと推測できる.釧路層の堆積時期は,1.5 Ma以降,1.0 Maより前と考えられる.
著者
長谷川 健司 福尾 秀一 宮崎 徹郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.971-974, 2001-07-20

大気中に突発的に発生するスポラディックE層によって起こるテレビ放送受信障害について解説する.スポラディックE層の発生のメカニズム, 障害の現状, 近年の発生状況, 現在行っている対策施策, および今後の課題などを説明する.
著者
長谷川 健司 清川 健一 出口 順子
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.63-70, 2017

本研究の目的は,ファンコミュニティ・アイデンティフィケーションが,チーム・アイデンティフィケーションや行動意図とどのような関係にあるのか,試合満足・サービス満足が行動意図に対してどのように影響を与えるかを検討することである。具体的には、V・プレミアリーグ堺ブレイザーズのホームゲーム観戦者から収集したデータを用い,検証を行った。その結果,ファンコミュニティ・アイデンティフィケーションは,チーム・アイデンティフィケーションに対して,バレーボールへの愛着や選手への愛着よりも強い影響があることが示された。また行動意図に対しては,試合満足やサービス満足からは有意な影響が示されず,チーム・アイデンティフィケーションおよびファンコミュニティ・アイデンティフィケーションは有意な影響を及ぼしていることが明らかとなった。
著者
長谷川 健 中川 光弘
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.269-274, 2014-12-31 (Released:2017-03-20)

This paper introduces a practical use of outcrop data in determining the correlation, stratigraphy and distribution of large-scale pyroclastic flow deposits (PFL). The studied area is the Akan and Kutcharo volcanic zone in Eastern Hokkaido, Japan, which have had a long and complex history of more than 20 caldera-forming eruptions during the Quaternary. A database of the stratigraphy and glass chemistry for the more than 20 PFL can be established by studying a sufficient number of representative outcrops. We found representative outcrops where stratigraphic relationships between several PFL can be observed at the same time. We analyzed glass chemistry of juvenile pumices (>10 clasts) of the PFL. The database enables to identify all exposed PFL in this area, thus allowing us to draw detailed maps of the distribution for each PFL. The database can be also used for correlation and chrono-stratigraphic determination of reworked volcanic deposits, such as terrigenous marine deposits in Kushiro region, located on the plains at the foot of Akan and Kutcharo volcanoes.
著者
櫻田 顕子 枌原 直人 黒田 麻利子 辻本 勝 杉本 義彦 長谷川 健
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.33-38, 2017 (Released:2017-09-06)
参考文献数
8
被引用文献数
2

Recently enormous amount of data can be obtained from running ships, so that the needs of the analysis of the data are increasing. For the analysis, the relationship among ship speed, engine revolution and engine power in calm sea is important. In order to estimate the relationship accurately, data in calm sea distributed widely in terms of ship speed are necessary, but ship speed does not change much in some voyages. In the paper, The method of correction for the displacement using Admiralty coefficient and weather correction method is explained to obtain more accurate relationship among ship speed, engine revolution and engine power in calm sea. Using the methods, the voyages of different displacements are investigated and the range of application of Admiralty coefficient is revealed.
著者
長谷川 健 橋山 智訓 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.153-153, 2013

近年、ゲームに登場するCGキャラクタモデリングは高精細化しており、その動きにもいっそうのリアルさが求められるようになっている。これらのキャラクタの動作は、単に行動を表すだけでなく、プレイヤのキャラクタに対する印象やゲームへの没入感を向上させる重要な役割を果たす。従来、これらの動作を生成するために、モーションキャプチャの利用や、GUIでポーズを作成しキーフレームとして用いる手法などが利用されている。しかし、人手で作ることができる動作の量には限界があり、動的に変化する環境のすべてに対応する動作を作成することは難しい。そこで本研究では、キャラクタの状況に応じて任意の動作を自動生成するシステムを開発することを目的とする。
著者
長谷川 健 中川 光弘
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.53-72, 2007-02-15
被引用文献数
3 12

北海道東部,阿寒カルデラ周縁の火砕堆積物を調査し,その層序・年代を明らかにした.対比にあたっては本質物の岩石学的特徴も活用した.阿寒カルデラ起源の火砕堆積物は,古土壌などの介在によって,少なくとも40の噴火ユニットに区分できる.さらにこれらは,層序が連続し,かつ岩石学的特徴が類似する17の噴火グループにまとめられる(上位からAk1〜17).Ak1〜17の間には,阿寒火山以外に給源を持つ複数の火砕物が挟在する.Ak2とAk3の間には東燐の屈斜路カルデラから噴出した古梅溶結凝灰岩(0.34 Ma)が,Ak14の中には北海道中央部起源である十勝火砕流(1.3-1.46 Ma)の遠方相が堆積する.このことから,阿寒カルデラは前期更新世から活動を開始し100万年以上にわたって火砕噴火を頻発していたことが分かった.この期間,阿寒火山では,噴火グループごとに異なるマグマ系が活動していた.