著者
阿部 真美 張 力 羅 麗斯
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.469-488, 2016

<p>Ferlie, Fitzgerald, Wood, and Hawkins (2005) は専門家組織としてのヘルスケア組織に焦点を当て、8事例のイノベーションを調査した研究である。その結果、専門家組織でイノベーションの拡散が進まないのは、専門家や専門家によって作られる実践共同体の間に「社会的境界」と「認知的境界」があり、イノベーションがその境界を越えることができない場合であることがわかった。Ferlieらの議論は後続研究においてさらに発展しているが、いまだに解決されていない課題や新たな解釈の可能性が残されているため、そこに今後の研究方向性がある。また、Ferlie et al. (2005) は複数事例を比較した質的研究の手本として取り上げられることもあるが、その事例分析にはいくつかの問題が残っている。</p>
著者
阿部 竜
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.93-100, 2009-03-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

新規な可視光応答型光触媒として,白金と酸化タングステンの複合型光触媒を紹介する.酸化タングステンは,その伝導帯レベルが低く,単体では励起電子による酸素分子の還元が起こりにくいが,白金を高分散に担持させることにより,白金上において酸素の多電子還元が促進され,結果として正孔による有機物の酸化分解が高効率で進行する.この光触媒は蛍光灯の下において従来の酸化チタン系光触媒に比べて極めて高い活性を示し,室内空間での脱臭や抗菌作用への応用展開が期待される.
著者
片瀬 一男 阿部 晃士
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.163-183, 1997
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to show accumulativeness and complexity in causes of regional inequality in educational attainment. Although numbers of studies have been made on inequality in educational attainment, little is known about accumulativeness and complexity in causes of inequality. The main reason is that many of these studies neglect the effects of geographical determinants, regional history and regional culture on education. To solve this problem we examine the formation processes of parents' educational hopes for children and students' educational aspirations in the Sendai area and Kesennuma city, considering these factors.<BR>We conducted surveys on students at 13 high schools and their parents in the Sendai area (including Sendai, Tagajou and Natori City) in 1987 and on students at 10 high schools and their parents in three other cities in Miyagi Prefecture (Shiroishi, Furukawa and Kesennuma City) in 1988. The results may be summarized as follows:(1) in comparison with the Sendai area, parents' status (according to educational and occupational status) is lower in Kesennuma city;(2) in general, higher parental status promotes their educational hopes for children, but this effect is weaker in Kesennuma city.<BR>We used historical and statistical materials and conducted hearing from informants to clarify cultural and historical backgrounds to these results. Kessennuma is located on the south coast of the Tohoku area, and the main industries are fishing and marine product-processing, so before World War 2, educational credentialism permeated later in Kessennuma. Because educational attainment is not a beneficial strategy in a coastal area, parents attach greater importance to practical science. On the other hand, regional culture may cause changes in the meaning of modern education. We conclude that interaction between school education and regional society is needed to elucidate the social function of education.
著者
阿部 信一
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
JAPANESE CIRCULATION JOURNAL (ISSN:00471828)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.1035-1048, 1971 (Released:2008-04-14)
参考文献数
50
被引用文献数
4 2

The aim of the present report is to investigate the pathogenesis of the shoulder-hand syndrome (SHS) coming after myocardial infarction and frequent anginal attacks. Methods The incidence, onset, sex difference, age and the site of infarction were observed as for the cases of myocardial infarction and coronary insufficiency accompanied by SHS, admitted to The 2nd Tokyo National Hospital during past 5 years. EMG were recorded in 14 myocardial infarction and 2 coronary insufficiency cases followed by SHS concerning the following muscles ; Mm. trapezius, deltoideus, biceps brach., triceps brach., brachioradialis, flexor carpi radialis, extensor digitorum communis, abductor digiti quinti, flexor pollicis brev., and extensor pollicis brev.. Moreover, complement fixation reaction (CFR) for the antigen of necrotic heart muscle and cervical cord died from myocardial infarction, electrophoresis and immuno-electrophoresis were attempted in 15 SHS cases. On the other had, to clarify the pathogenesis, animal experiments were performed. Myocardial infarction was artificially made by ligation of the branch of coronary arteries in 55 rabbits. ECG, EMG, evoked EMG, gel diffusion test (Ouchterlony's method) and CFR against the antigen of necrotic heart muscle and involved cervical cord were followed up in these rabbits before and every 2 weeks after the infarction. Then, they were exsanguinated from 4 to 8 weeks after the infarction and pathological studies and immunological studies with fluorescent antibody technique were attempted in these excised section preparation of ischemic heart muscle and cervical cord. Anti-rabbit γ-globulin goat serum conjugated with Fluorescein isothiocyanate was used in that technique and blocking test was simultaneously carried out with unlabelled anti-rabbit γ-globulin goat serum.
著者
阿部岳
雑誌
ミツバチ科学
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-8, 1995
被引用文献数
2
著者
阿部 恵利子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.58, 2009 (Released:2009-09-02)

目的 近年、医学や発達心理学の分野において乳幼児期の視覚の発達の経緯が明らかにされつつある。これによると、色彩感覚や空間認知能力は乳幼児期の視覚体験によって獲得され、それ以後は訓練しても習得は難しいとされている。しかし、こうした視覚に関する知識を、乳児をもつ母親は認識しているのであろうか。そこで本研究は、乳児をもつ母親の空間認知に関する意識について調査・分析を行い、子どもの色彩感覚や空間認知の発達を促すための基礎的研究とすることを目的とする。 方法 子育てサークルの母親、20代16名、30代14名、計30名を対象にアンケート調査を行った。調査対象者の平均年齢は29.6歳である。 結果 月齢別の視力に関するアンケート調査では、1ヶ月の赤ちゃんが明るい色彩に反応することや、4ヶ月の赤ちゃんが目で物を追うことに対する母親の認知度は高いが、具体的な視力については認知されていないことが確認された。赤ちゃんの視覚については70.0%の母親が「関心がある」と回答しているが、空間認知や色彩感覚の発達を理由とする回答は得られなかった。また、乳児は黒・白・赤などの極端な配色や図柄に反応を示すことを認知している母親は少数であり、多数の母親が赤・青・黄の三原色を使用している玩具を「良い」と認識している傾向が示された。視覚と聴覚の発達に関する工夫をしているか否か、の質問については、視覚では66.7%、聴覚では52.3%の母親が「工夫していない」と回答している。このことは、住まいの色彩に関する質問項目において、母親の好みが優先されており、乳児の発達が考慮されていない現状と一致する。 乳児をもつ母親は、視覚に関心はあるものの、視覚に関する具体的な発達については認知しておらず、空間認知や色彩感覚の発達を促す意識は低い傾向が確認された。
著者
阿部 順子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.283-289, 2006 (Released:2007-10-05)
参考文献数
6

心理士は,認知リハビリテーションとして,認知障害を改善するための訓練および,障害への対処法を学ぶ訓練を行う。さらに,本人を取り巻く支援の環境を作るために心理教育を行う。これらのトータルなかかわりによって高次脳機能障害者の社会生活への適応を支援している。実際,モデル事業において心理士は,リハスタッフの中で高次脳機能障害に対する関与時間がもっとも多かったが,関与時間の 4割がカウンセリングで占められていた。名古屋リハでは高次脳機能障害データベースの分析を通して脳外傷後の高次脳機能障害の回復について検討した。神経心理学的検査の結果,脳外傷者の認知機能は受傷後 1年までの回復がもっともよく,早期に訓練を開始した場合および若い年代の回復がよいことが示された。最終的に,脳外傷者の社会生活への適応の様相を GAFの評定を通して明らかにし,適応を改善するアプローチの実際について事例を報告する。
著者
羅 羽哲 阿部 浩和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.677, pp.1633-1642, 2012-07-30 (Released:2012-07-31)
参考文献数
20

There were many historical buildings and Urban Traditional Houses in the downtown of Daegu where had been established in the old castle district in 1737. Recently, more Urban Traditional Houses have been disappearing by the progress of urbanization and modern life style in Daegu. This paper will examine the current condition of the Urban Traditional Houses including converted one, and it will identify the habitants' perception for conservation or development of the houses and townscape in the old castle district of Daegu. The results are as follows. 1) The number of family member in 75% of the houses is three and below. And the age of 67% householder is sixty years old or more in this area. 2) Some remaining Korean houses in Jingorumok Area are split type of houses which were large Urban Traditional Houses constructed before 1920. 3) Regarding the rooms and equipments of Urban Traditional Houses, the level of satisfaction of almost inhabitants living there is very low. In contrast, regarding the townscape, the level of satisfaction of almost habitants living or working there is relatively high. 4) Many habitants living in the Urban Traditional House are adverse to the conservation of this area. However, Many shop owners using the Urban Traditional House are agree with the conservation of this area.
著者
阿部 好恵
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.99-116, 2013-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
10

本研究は,精神障害者が福祉的就労において主体性を獲得した過程とその要因を仮説的に明確化することを目的とした.就労支援サービスを利用する精神障害者10名を対象にインタビューを行い,M-GTAを用いて分析した.その結果,職員からの【「頼られ」体験】と【「等身大の自分」の確立】が精神障害者の主体性獲得に不可欠な要素であることがわかった.
著者
北條 秀博 松本 禎久 久能木 裕明 阿部 恵子 木下 寛也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.542-545, 2014 (Released:2014-12-19)
参考文献数
7

【はじめに】転移性膀胱腫瘍による膀胱出血に対し,1%ミョウバン水持続灌流療法が奏功した中等度の腎機能障害例を報告する.【症例】64歳,女性.腎盂がんに対する右腎尿管摘出後に多発リンパ節転移,腰椎転移を認めていた.腰痛緩和目的の入院中に残尿感や排尿困難を認めた.膀胱内に多量の凝血塊を認め,用手的膀胱洗浄後に生理食塩水の持続灌流療法を施行したが改善せず,1%ミョウバン水による持続灌流療法を開始した.肉眼的血尿を認めなかったため,灌流は7日間継続し中止した.灌流開始後9日目の採血では,血清アルミニウム値の上昇はなく,その後腰痛も軽減し,退院となった.退院3カ月後に自宅で死亡したが,その間に肉眼的血尿や尿閉はみられなかった.【考察】腎機能障害例ではミョウバン水持続灌流療法によりアルミニウム脳症などの重篤な副作用も報告されているが,灌流量の減量により安全で有効な治療法である可能性が示唆された.
著者
阿部 隆明
出版者
日本精神病理・精神療法学会
雑誌
臨床精神病理 (ISSN:03893723)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.53-59, 2013-04-10
参考文献数
26
著者
ダグダンプレブ スミヤクハンド 光鎬 孫 重人 阿部 岳巳 松井
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.162, 2017

<p>2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行を機に,世界中の空港では赤外線サーモグラフィによる発熱チェックシステムが導入された.しかし,感染の疑いのある渡航者も解熱剤服用時には検出が困難であり,サーモグラフィの有用性を疑問視する報告までも散見される.これらの検疫における課題を克服するために,本研究では,現在空港検疫で使用されている赤外線・CMOSカメラを用いて,非接触でバイタルサインである呼吸数・心拍数・体温を測定し,画像処理により感染症をスクリーニングするシステムの開発を提案する.その有用性を検証するため,2015年高坂クリニックのインフルエンザ患者16名と対象群の22名の健常者に対してスクリーニングを行った.本システムの精度は,感度87.5%,特異度91.7%であった.</p>
著者
阿部 惠理 小林 実夏
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究
巻号頁・発行日
vol.2020, no.30, pp.380-384, 2020
被引用文献数
1

<p> 妊娠期は母子の健康のために適切な食生活を営み体重増加量を管理しなければならない.つわりは妊娠期の食生活に影響を与える要因のひとつである.母子の健康の観点からは食事摂取量の減少やつわりの悪化した妊娠悪阻に注意が払われる.しかし,吐き気を緩和させるために食事を頻回摂取するいわゆる食べつわりの症状に着目した報告は少ない.本研究では食べつわりも含めたつわりの症状と栄養摂取および妊娠中体重増加量との関連を明らかにすることを目的とした.</p><p> 対象の日本人妊産婦154名(35.2±3.7歳,妊娠前BMIは20.1±2.3)をつわりの症状別に食べつわり群,変化なし群,吐きつわり群の3群に分類した.各群の妊娠初期・中期の栄養摂取状況,および妊娠中体重増加量を比較した.その結果食べつわり群は他の2群と比較し,妊娠中体重増加量が有意に多かった.妊娠初期における3群のエネルギー摂取量は吐きつわり群が少なく有意差があった.妊娠中期には吐きつわり群のエネルギー摂取量は初期と比較し有意に増加し,3群間の有意な差はなかった.</p><p> つわりは生理的な現象であり悪阻以外は臨床的に重要視されにくいが,つわりの影響で妊娠初期の段階で食事摂取量が増した者はその後の体重管理に注意を払う必要性があると示唆された.</p>

1 0 0 0 OA 財政学講義

著者
阿部賢一 著
出版者
明善堂
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1923