著者
阿部 雅人 杉崎 光一 中村 一樹 上石 勲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.1, no.J1, pp.217-220, 2020-11-11 (Released:2020-11-18)
参考文献数
15

積雪状態を評価することは,建物の屋根の雪下ろしや路上などでは除雪など路面状態の管理のために重要である.特に積雪深の評価は目視で行う以外にはレーザーなど高価なセンサを利用する必要がある.近年深層学習などの画像処理技術が向上しており,監視カメラなどの画像を利用して積雪状態を評価する検討が多く行われている.特に,沿線カメラによる路面や路肩の監視画像は,撮影場所が固定されているため位置情報は明確であり,画角の変化も比較的少ない.本研究では,監視カメラを利用した路肩にある積雪の積雪深の評価についてAI手法を適用した.
著者
李 瑾 阿部 雅人 杉崎 光一 中村 一樹 上石 勲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.1, no.J1, pp.210-216, 2020-11-11 (Released:2020-11-18)
参考文献数
13

近年、低頻度降雪地域では、降雪の際に、道路での車両の大規模滞留が見られる。道路管理者による異常事態の監視や路面状態の判別は、主に目視で行われているため、異常検知の効率がやや低い。本研究は、道路管理者が迅速に異常検知や処理判断をするための支援ツールとして、ドライブレコーダーの画像をもちいて、道路路面を「乾燥」、「湿潤」、「浸水・冠水」、「湿雪」、「圧雪」の 5種類へ目視分類した教師データを作成した。また、自動で路面状態を判別する AIモデルを構築し、昼と夜を合わせた 26199枚の画像で検証した結果、概ね 85%の正答率であった。
著者
秋田 修 大城 衣賀 伏木 愛香 境野 佑 阿部 真紀
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 = Bulletin of Jissen Women's University Faculty of Human Life Sciences (ISSN:13413244)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.37-44, 2017-03-10

Aspergillus luchuensis and A.luchuensis mut. kawachii (=A.kawachii) are used for koji-making in Japanese distilled liquor “awamori” and “shochu” production. The origin of these domesticated strains is thought to be a contaminant of wild black-Aspergillus from natural environment. We isolated black-Aspergillus from a fields. Isolated strains were identified as A.tubingensis (=A.saitoi) by the genomic structure analysis. Thai rice koji was prepared using two isolates and four commercial strains. The characteristics such as acidity, citric acid content, amount of myceliums of koji made by isolates were not remarkable different compared with that of A.luchuensis and A.kawachii. The activities of enzymes (α-amylase, acid tolerant α-amylase, glucoamylase, neutral protease, acid protease and acid carboxypeptidase) in koji of isolates were slightly lower than that of commercial strains. From these results, it is estimated that the present commercial A.luchuensis strains originated from black-Aspergillus living in the natural environment.
著者
田中 裕士 本間 伸一 今田 彰浩 菅谷 文子 阿部 庄作 西 基
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.64-69, 1995-02-28 (Released:2017-02-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

霧の発生が気管支喘息患者に及ぼす影響について検討する目的で, 45歳, 女性の喘息患者のピークフロー値と, 霧などの気象条件との関係について検討した. 患者は以前より, 香水, 野焼き, 工場からの煤煙などの臭気で発作が誘発されていたが, 2年前に転居してから発作が頻発するようになり, 霧との関係が疑われた. 平成6年6月から71日間のピークフロー値 (n=251) の中で, 霧と臭気のない時間帯 (n=195) の値は403±40L/分 (平均±標準偏差) であった. 霧の発生時間帯 (n=40) では347±60L/分, 臭気のあった時間帯 (n=5) では333±60L/分, 霧および臭気が同時に発生した時間帯 (n=11) では340±53L/分であり, いずれも有意(p<0.01)に低下していた. また, 1日の平均気温, 最低気温, 平均相対湿度, 気圧, 風向きとは有意な関連性はなかった. 気管支喘息患者において, 霧の吸入によりピークフロー値は低下し, 発作誘因の一つとなりうることが示唆された.
著者
三島 英換 阿部 高明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.919-925, 2017-05-10 (Released:2018-05-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2

腸管と腎臓の連関「腸腎連関」が近年明らかになりつつある.腸管および腸内細菌叢は腎臓病の病態に相互に関与する.慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)では腸内細菌叢や腸管機能が変化しており,この変化は腸内細菌由来尿毒素,炎症反応,免疫制御などを介して腎臓病の病態に影響を及ぼす.そのため,プロバイオティクスやバイオティクス,緩下剤などにより,腸内細菌を含む腸内環境を是正することが腎臓病の新しい治療介入になる可能性が期待されている.
著者
福原 淳示 住友 直方 谷口 和夫 市川 理恵 松村 昌治 阿部 修 宮下 理夫 金丸 浩 唐澤 賢祐 鮎沢 衛 麦島 秀雄
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement4, pp.28-33, 2008-11-30 (Released:2013-05-24)
参考文献数
10

15歳,女性.3歳時にWPW症候群と診断され,6歳時より動悸を自覚,7歳時に当院でカテーテルブレーション(RF)を行い,顕性の右室後中隔ア副伝導路(RPSAP)を介するorthodromic房室回帰性頻拍(AVRT)で,RFに成功した.13歳時に再度動悸を訴えた.心臓電気生理学的検査(EPS)ではISP1μg/分投与下の右室高頻度刺激で頻拍が誘発された.頻拍は減衰伝導を有するRPSAPを順伝導するantidromic AVRTであり,頻拍中の心室最早期興奮部位への通電でRPSAPの途絶に成功した.通電直後一過性に2:1房室ブロックを認めたが1:1伝導に回復したため,1分間の通電を加えRFを終了したが,その後II度房室ブロックが再出現した.約3カ月後に房室ブロックは自然に消失した.Antidromic AVRTを起こした機序として副伝導路に対する通電により,副伝導路もしくはその周辺組織に減衰伝導特性を与えた可能性が示唆された.房室ブロックを起こした機序としては,後中隔部位への通電がcompact AV nodeに影響を与えたことが考えられた.同部位へのRF時には,His束との距離のみならず,わずかな心電図変化にも細心の注意が必要と思われる.
著者
阿部 隆志 丸山 秀徳
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.449-455, 2021 (Released:2021-07-30)
参考文献数
21

ドパミンアゴニスト(dopamine agonist,以下DAと略記)が原因で幻覚・妄想を発現したと考えられるレボドパ服用中のパーキンソン病(Parkinson’s disease,以下PDと略記)患者11例に対し,DA減量・中止と同時にゾニサミドを新規投与し,精神・運動症状への影響を評価した.その結果,MDS-UPDRS Part 1.2(幻覚と精神症状)及びPart 3(運動症状)のベースラインから12週後のスコア変化量(LS Mean ± SE)はそれぞれ−2.4 ± 0.2,−5.1 ± 0.9であり,共に有意なスコア低下が認められた.以上の結果から,幻覚・妄想の発現・増悪への対処としてDAの減量・中止した時のゾニサミド追加療法は,PD患者の精神・運動症状のコントロールに有用な戦略になる可能性が考えられた.
著者
阿部伸太
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.121-129, 2006-03-09

風致地区制度は1919(大正8)年公布の旧「都市計画法」を根拠法として創設されたもので,地域制緑地としては最も歴史ある制度である。都市化の中で一定の効果をあげてきたが,第二次世界大戦期間の風致行政の中断,および戦後の取締り再開後に高度経済成長期を迎えたことで形骸化した地区も多く存在するようになった。本研究は,創設期における風致地区制度の都市計画上の意義を明らかにし,当初,風致保全育成のシステムを制度としてどのように仕掛けていたのかを明らかにすることを目的とした。研究課題は,第一に風致地区制度の都市計画的意味の把握,第二に風致の保全・維持,活用・育成概念の風致地区制度における内包状況の解明,第三に風致育成をねらいとした風致協会の意義の解明とした。その結果,風致地区制度は,風致保全が目的であるが,これは都市化の進行を受け止めとめることを想定しており,その過程には地域住民による組織を形成することによって風致を育成していく計画体系でもあったこと,つまり,風致地区制度は指定することによってのみ風致の保全を図ろうとする制度ではなく,指定の後,その地区を維持管理していく組織を設立し,これを機能させることによってはじめて,変化する地区の都市化の実状を踏まえた風致の維持を可能にしようとした制度であったことを明らかにした。
著者
矢竹 一穂 阿部 學
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.265-277, 2022 (Released:2022-08-10)
参考文献数
37

From February, 1984, to June, 1986, twenty-one Japanese squirrels (Sciurus lis; 11 males, 10 females) were reintroduced into Shinjuku Gyoen (58 ha) in central Tokyo. However, squirrels were not observed since December 1987. This report summarizes the issues related to the reintroduction of squirrels based on the results of this project and the ecological knowledge on squirrels produced by subsequent research. Approximately 36 ha of the forest were used by squirrels. The main foods were walnut and Lithocarpus edulis acorn from feeding stands, seeds of Pinus thunbergii, P. densiflora, exotic conifer trees, and Castnopsis cuspidata var. sieboldii acorn. Three carcasses of squirrels predated by Felis catus were confirmed, and Corvus spp. chased the squirrels. The squirrels did not settle because the forest area of the site was not sufficient considering the home range of squirrels; there was no habitat to move to close by, and dependence on acorns as forage was overestimated. Issues: 1) forest area of the site corresponding to the home range size of squirrels, 2) conservation of forests with diverse tree species, and 3) management of feral cats and crows as predators.
著者
中西 襄 阿部 光雄
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.445-450, 1993-12-15 (Released:2017-04-08)
参考文献数
3

The Heaviside-Mikusinski operational calculus for constant-coefficient linear ordinary differential equations is extended to the case in which the unknown function is noncommutative with the coefficients in the differential equation.
著者
氷見 徹夫 高野 賢一 亀倉 隆太 坪松 ちえ子 阿部 亜由美 山下 恵司
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.19-24, 2016-03-31 (Released:2016-06-23)
参考文献数
11

唾液腺腫脹を伴う疾患は日常的に遭遇する疾患から非常にまれな疾患まで多彩である. 鑑別診断を容易にするため, 一側性と両側性腫脹を示す疾患の概略を述べ, 次に, 両側性腫脹を示すいわゆる非腫瘍性のミクリッツ症候群を示す疾患と IgG4 関連疾患であるミクリッツ病とキュットナー腫瘍についての最新の知見を紹介した. 感染性疾患では HIV 関連唾液腺疾患についても言及した. 唾液腺腫脹を示す非腫瘍性疾患は原因不明あるいは病態も明らかになっていない疾患が多いため, 歴史的変遷も含め最近の考え方を解説した.
著者
阿部 晋吾 高木 修
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-8, 2006 (Released:2018-06-29)
参考文献数
8

In this study, participants (229 students) responded to a questionnaire on how they express and are expressed anger. Results indicated that the anger expression caused by “broken promise and betrayal” occurred more often in the intimate relationship than in the estranged relationship. It was also suggested that the anger expression caused by “broken promise and betrayal” tended to be evaluated more justifiable, and had more positive interpersonal effects. Therefore, it could be said that the prior promise has important implication for the social function of anger expression.
著者
星野 未来 本村 美月 阿部 友杏 上野 古都
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第37回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.54, 2021 (Released:2021-09-22)

高校生は夕食後,授業の復習や予習,課題など就寝前に活動する時間が長く,眠気を解消するためにカフェインを摂取する機会が多い。一般に,カフェインは眠気を抑制し,覚醒する作用があるため,摂取する時間によっては夜間の入眠に影響を及ぼすと言われている。本研究では,夜間の睡眠の質に影響を及ぼさないカフェイン摂取方法を検証することを目的とする。 実験は,平日5日間の夜間に設定し,カフェイン120mg を含む無糖ブラック缶コーヒーを1日目は8時間前,2日目は6時間前,3日目は4時間前,4日目は2時間前,5日目は就寝直前と摂取時間を変えて摂取する計画で行う。被験者は,実験期間中,睡眠日誌を記録し,23時から6時の7時間睡眠を確保する介入調査にする。夜間の睡眠の質として,覚醒回数と入眠後最初の徐波睡眠の長さに着目をし,Smart Sleepディープスリープヘッドバンド(Philips 社)を用いて測定し,専用アプリSleep Mapperで記録する。高校2年女子4人を被験者に実験を行った結果,覚醒回数とカフェイン摂取時間に関係があることが示された。8時間前,就寝直前では覚醒回数が2回未満であったが,2時間前,4時間前では3回以上記録され,特に,2時間前では覚醒回数が4回以上記録された。入眠後最初の徐波睡眠の長さは,4時間前,2時間前,就寝直前で短くなることが確認された。本研究の結果から,就寝直前のカフェイン摂取は覚醒回数への影響は少ないものの,深睡眠である徐波睡眠の長さに影響を与え,2時間前,4時間前のカフェイン摂取は覚醒回数及び徐波睡眠の長さに影響を与えると考えられる。夜間の睡眠の質に影響が少ない方法は就寝前4時間以上のカフェイン摂取が適すると考えられる。今後は,睡眠時間や就寝時間を設定する介入調査をせず,高校生の普段の生活リズムにおけるカフェイン摂取と睡眠の質の関係性を明らかにすることが展望である。
著者
宮津 進 吉川 夏樹 阿部 聡 三沢 眞一 安田 浩保
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.479-488, 2012-12-25 (Released:2013-12-25)
参考文献数
12
被引用文献数
7 1

本研究では,田んぼダムの効果算定を目的に,農業主体の低平地における内水氾濫現象を適切に評価する新たなモデルを構築した.本モデルは,1)各土地利用からの流出量を計算する地目別流出モデル,2)排水路網の流れを計算する河川・排水路網モデル,3)氾濫水の伝播を計算する氾濫流モデルの3サブモデルで構成される.これらは相互に連動しており,それぞれのサブモデルの計算結果である水位が,互いの境界条件もしくは計算条件となる.本モデルは,浸水規模および浸水継続時間が計算できるうえ,「地形適合セル」の導入によって,低平地の地形的特徴を効果的かつ効率的に表現できる点に基本的特徴がある.構築したモデルを異なる地形的特徴をもつ田んぼダム取組実施2流域に適用し,モデルの妥当性を検証するとともに,田んぼダムの効果を検証した.