著者
阿部 純大 久末 遊
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.63-65, 2022-06-25 (Released:2022-06-29)
参考文献数
8

We newly record Foenatopus cinctus (Matsumura, 1912) from Honshu, Shikoku, Kyushu, Yaku Island, and Iriomote Island, Japan. The variation on this species is reported by Hong et al. (2011) as vein 2-cu1 is 0.5–1.2 times as long as vein cu-a. However, some specimens we examined have vein 2-cu1 less than 0.5 times as long as vein cu-a or almost disappeared. We identified them as F. cinctus based on other characters.
著者
金谷 明浩 山内 正憲 江島 豊 阿部 望
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-26, 2016-04-01 (Released:2016-04-07)
参考文献数
4

東日本大震災後,病院危機管理の一つに震災対策が重要な位置を占めている。今回われわれは,手術中に発生した震度6の地震を想定した避難訓練を行った。隣接した2つの手術室で行い,参加したスタッフは医師,看護師,臨床工学技士,医療クラークを含め総勢32名であった。訓練担当看護師により災害発生時のフローチャートやシナリオが事前に説明された。今回の訓練ではアクションカードを用いた初期対応及び避難経路の確認,さらに,手術や麻酔覚醒の方針について震災状況を考慮して麻酔科医と外科医の間で協議してスムーズに決定することができた。手術室における災害訓練は必要不可欠であり,今後も継続して行うことが重要である。
著者
岩崎 有良 石黒 桂一郎 大隅 敏光 相沢 敏晴 米沢 道夫 工藤 勲彦 杉村 文昭 鵜浦 達也 阿部 政直 林 貴雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.692-699, 1979-06-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
22

胃潰瘍および十二指腸潰瘍の再発について両者を比較しながら検討を行った.胃潰瘍の再発率は36.7%,十二指腸潰瘍は35.6%で,両群ともほぼ同様の傾向である.再発の傾向は両群に多くの共通点がみられる.即ち両群とも男性,治癒遷延例,初回開放例,多発例,および治療中止例に再発率が高い,また累積再発率も同様の傾向を示し,治癒後1年以内の再発は胃潰瘍50.8%,十二指腸潰瘍44.5%,2年以内では胃潰瘍75.0%,十二指腸潰瘍75.5%となっている.また胃液分泌能については両群とも活動期→治癒期→瘢痕期と潰瘍が治癒に向うごとに低下がみられるが,時相別に比較しても再発例と非再発例との間に差は認められなかった.両群を比較して大きな違いをみせたのは年代別の再発率で,胃潰瘍のピークが50歳代であるのに対し十二指腸潰瘍では29歳以下となっており,逆に再発率の一番低かったのは胃潰瘍では29歳以下に対し,十二指腸潰瘍;は60歳以上と非常に対称的であった.
著者
阿部 武尊
出版者
スポーツ史学会
雑誌
スポーツ史研究 (ISSN:09151273)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.31-40, 2017 (Released:2018-06-20)

The purpose of this study is to clarify the process of labor negotiation by Japan Professional Baseball Players Association (JPBPA) in order to capture the change of the status of the players, who are the important persons concerned in the professional baseball world. This article focuses the period from 1993, when a free agent (FA) system was introduced to 2004, when the JPBPA went on strike for the first time in baseball history in Japan. After introduction of a FA system, the JPBPA continued to succeed in a certain level of improvement of the working conditions. And, since 1999, the JPBPA addressed the structural improvement of the baseball world as new movements. However, the Nippon Professional Baseball Organization (NPB) often made the player’s working conditions worse without the JPBPA’s recognitions. The worst of them was the baseball alignment in 2004. The JPBPA engaged in collective bargaining and strike with their legal rights as a labor union. As a result, they stopped reduction of the number of the clubs, stopped making their working conditions worse, and obtained the chances of discuss about structural improvements of Japanese professional baseball with the NPB. We should pay attention to having gained such achievements by the JPBPA under the condition which the NPB seems to lead the process of the negotiation.
著者
富井 啓介 門脇 徹 北島 尚昌 福井 基成 永田 一真 堀江 健夫 阿部 博樹 奥田 みゆき 丞々 弥生 坪井 知正 仁多 寅彦 蝶名林 直彦
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.291-297, 2019-11-30 (Released:2020-01-28)
参考文献数
33

慢性呼吸不全に対する在宅長期ハイフローセラピーは,解剖学的死腔の洗い出し,相対湿度100%の加湿,呼気時陽圧換気,低侵襲のインターフェイス,高流量システムによる安定したFIO2供給などにより,COPD,気管支拡張症,拘束性換気障害などで有効性が期待される.特にCOPDに関しては夜間就寝中の使用で夜間及び日中のPaCO2低下,QOL改善,増悪抑制などがランダム化比較試験で示されており,PaCO2が 45 mmHg以上 55 mmHg未満,もしくは 45 mmHg未満でも夜間低換気を認めるような場合が適応と考えられる.臨床試験における長期ハイフローセラピーの有害事象は軽微なもののみであったが,導入にあたっては入院の上,動脈血ガスや経皮酸素飽和度,経皮CO2分圧,バイタルサインなどをモニターしながら適切な流量とFIO2,加湿温度を設定し,さらに鼻カニュラの装着や加湿用水,機器の管理教育などを十分に行う.
著者
阿部 康久
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.694-714, 2000-09-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
30
被引用文献数
2 1

昭和初期の東京とその周辺地域を対象として,中国人労働者の集住地区が衰退していった過程を,政府や地方自治体の外国人政策の変化や,、都市労働市場の状況との関係から検討した.1920年代前半に日本へ来住した中国人労働者の就業構造は,昭和恐慌の発生によって一変した.1930年には中国人建設・運搬労働者の半数近くが失業するほどになり,彼らに対する排斥運動も深刻化しっっあった.そのため,この年には,失業者を中心に帰国希望者が相次ぎ,日本政府の斡旋により中国人労働者の大量帰国が実施された.1920年代後半期には,政府による中国人に対する強制送還も厳格化された.まず,1926年末頃から,窃盗などの検挙者を中心に送還者数が増大した.1929年頃からは主な送還対象者が不正入国者や無許可労働者に拡大され,1930年には送還者数が最大になった.これらの政府の諸政策によって,隅田川・荒川沿いの地域などに居住していた中国人労働者は帰国を余儀なくされ,彼らの集住地区は衰退していった.
著者
萩原 純二 掛本 勝治 阿部 健蔵 上原 義昭 町田 彌
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.469-473, 1983-10-20 (Released:2011-11-08)
参考文献数
11

汚泥乾燥炉やZimmermann Processプラソトからの排ガス中に含まれる高濃度のアルデヒドを亜硫酸ナトリウムとの付加反応を利用して除去するため, 水溶液中の亜硫酸ナトリウムの空気酸化 (分解) を防止する実験とアルデヒドの吸収条件について検討した。水溶液中の亜硫酸ナトリウムの空気酸化防止剤はグリセリンが最も適しており, アルデヒドの最適吸収条件は, 常温で, ガス空塔速度は1.0~1.7m/s, 液ガス比は2l/m3以上, 吸収液のpHは7前後, グリセリンの添加量は3%前後, 亜硫酸ナトリウム濃度はアルデヒド250PPmに対して5×10-2mol/l (Na2SO3/R・CHOのモル比9) であった。この吸収条件でZimmermann Processのプラントから排出される高濃度のアルデヒド (約170PPm) は臭気濃度500以下でほぼ完全に除去できた。
著者
阿部 修士
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.404-410, 2018-11-30 (Released:2018-11-30)
参考文献数
19

人間にとって,生きるということは意思決定の連続に他ならない.食事のメニューや着る洋服を決めるといった日常的なことから,進学先の選択や配偶者の決定といった人生における重大事まで,意思決定は途切れることなく続く.こうした意思決定は,論理的思考や合理的判断に基づいて行っていると,我々は考えがちである.ところが,実際にはわたしたち人間の意思決定は,意識の外で自動的・無意識的に起こるこころのはたらきにも大きく依存している.すなわち,わたしたち人間はいくら理性的に意思決定をしようとも,容易には抗えないバイアスの影響を受けている.本稿では,主に人間を対象とした心理学や神経科学から得られた知見に基づき,意思決定の基礎的なメカニズムとその背後に潜むバイアスについて,具体例を交えながら概観した.さらに,こうした知見に基づき,どのようなストラテジーを用いることで,より良い意思決定を実現できるかを,特に健康教育の視点から考察した.
著者
阿部 彩 東 悠介 梶原 豪人 石井 東太 谷川 文菜 松村 智史
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.145-158, 2019-11-30 (Released:2021-12-02)
参考文献数
19

本稿は,2016年に筆者らが行ったインターネット調査のデータを用いて,一般市民が生活保護制度の厳格化を支持する決定要因を分析した。具体的には,貧困の要因に関する自己責任論と,貧困の解決に関する自己責任論に着目し,その二つを峻別した上でそれらが人々の生活保護制度の厳格化に対する意見に影響するかを検証した。 本稿の分析から,まず,従来指摘されてきたようなワーキングプアが生活保護受給者を非難する対立構造についてはそれを裏付ける結果は得られなかった。次に,自己責任論については,貧困者当人に対して要因責任を求めるものと,解決責任を求めるものの二つが混在しており,両者は必ずしも一致しないことがわかった。生活保護制度の厳格化支持に対しては,両者ともに影響力を持っているものの,解決の自己責任論の方が要因の自己責任論よりもその影響力が大きいことがわかった。
著者
阿部 玄治 平山 和哉
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.3-8, 2022-03-31

本学理学療法学専攻では,2020年度より将来スポーツ分野での活躍を志望する学生を集めてスポーツサポートチームを創設し,2021 年度より活動の一環としてフェンシング部のサポートを行っている.本稿では,スポーツサポートチーム創設の経緯,フェンシング部へのサポートに対する準備や,選手へのフィジカルトレーニングの指導・提案,またメディカルチェックの概要について述べる.今後の課題としては,フェンシングの競技特性を十分に理解し外傷・障害予防に役立てること,本専攻学生の継続的な関わりを提供するための環境を整える必要性があげられる.
著者
許 鳳浩 阿部 哲朗 鈴木 信孝 太田 富久 川端 克司
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-8, 2017-03-31 (Released:2017-04-05)
参考文献数
16

シイタケ菌糸体抽出物は癌化学療法との併用時に,患者のQOLを維持・改善することが報告されている.本研究では,様々な治療背景および様々なステージのがん患者のQOLに及ぼすシイタケ菌糸体抽出物の影響を検討した.16施設で73症例を対象にシイタケ菌糸体抽出物を4週間(1,200 mg/day)連日経口摂取させ,摂取前後のQOLをEORTC-QLQ-C30調査票でスコア化した.シイタケ菌糸体抽出物摂取後のQOLスコアは被験者全体では,摂取前スコアに比べ,心理的,疲労スコアで有意に改善した.特にステージ3,4の被験者では,総体的,身体的スコアの改善も観察された.シイタケ菌糸体抽出物の経口摂取の併用は,進行性がん患者のQOLを改善することが示唆された.
著者
阿部 史郎
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.4, pp.67-75, 1955-12-30

Lo studio dell'evoluzione del pensiero del De Sanctis sul realismo e in sostanza quella del verismo. E degno di nota che questa evoluzione e divisa dall'anno 1848, in due, l'anno della revoluzione di Parigi. La sua posizione prima della rivoluzione e quella di un dirigente del Romanticismo. Quella dopo il 1848, sotto l'influenza dell' Estetica di Hegel, tradotta dal Bernardo nel 1850, la filosofia di Compte e sopratutto di Zola tende verso il verismo. Le relazioni fra il De Sanctis e lo Zola cominciavano dopo il 1877 ed e un fatto molto interessante e degno di studio, ma io qul prendo in considerazione solo la posizione del De Sanctis circa il realismo.
著者
阿部 眞理子 伊藤 裕之 尾本 貴志 篠﨑 正浩 西尾 真也 安徳 進一 三船 瑞夫 当金 美智子 新海 泰久
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.843-847, 2014-11-30 (Released:2014-12-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

症例は71歳女性.40歳で糖尿病と診断され,近医で経口血糖降下薬による治療を受けていたが血糖コントロールは不良で,2014年4月よりイプラグリフロジン50 mgが追加された.以後,強い口渇を自覚し,投与後9日目に小脳・脳幹梗塞を発症して入院した.血糖値は219 mg/dl, HbA1c 9.8 %であり,ヘモグロビン13.4 g/dl(3月には,11.0 g/dl),ヘマトクリット40.6 %(同35.3 %)より,脱水が示唆された.心電図では虚血所見があり,ABIは0.85/0.76と低値で,超音波検査で両側の前脛骨~後脛骨動脈に狭窄・閉塞がみられた.同薬を中止し,エダラボンと濃グリセリンの投与,インスリン治療を行い,軽快退院した.本例は高齢,非肥満,利尿薬併用の糖尿病で,脱水により脳梗塞を発症したと推察された.同薬の投与前に,動脈硬化のスクリーニングを行うことが望ましい.
著者
山根 雅司 山崎 淳 阿部 正佳
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.1-10, 2008-10-27

本発表では,自動エラーリカバリ機構を持つパーサジェネレータ yayacc の設計と実装を述べる.yacc や bison をはじめとして,現在広く使われているパーサジェネレータでは,文法中に特殊なエラーリカバリ動作を指示するトークンを手動で挿入させることで,エラーリカバリパーサを生成している.この古典的な手法は本来の文法定義を変えてしまうことに起因する深刻な問題があり,正しいエラーリカバリを行うパーサを生成させるには,多くの勘と経験が必要とされる.一方,yayacc ではエラーリカバリのために,文法を修正するというこがいっさい不要であり,生成されるパーサは従来の error トークン手動挿入によるパーサでは理論的に不可能な優れたエラーリカバリを自動的に行う.さらに yayacc では意味動作の Undo も自動で行うことが可能である.これは先行研究における自動エラーリカバリパーサでは扱われていないが,字句解析が完全に分離できない文法,たとえば C 言語に対しても自動的なエラーリカバリを行う場合に必要となる重要な機能である.yayacc は筆者らが開発している SCK コンパイラキットのツールの 1 つとして作成されたものである.現在 ANSI C言語,および小規模な関数型言語のパーサは yayacc により自動生成されたものを使っており,きわめて優れたエラーリカバリが行われている.