著者
古澤 徹 阿部 博 小林 野愛
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.20, pp.1-8, 2021-05-06

エッジコンピューティングは,端末とクラウドの中間に位置するエッジで処理を行うことで低遅延応答や中継トラフィック削減が可能となる新しいパラダイムとして着目を集めている.近年コンテナ仮想化技術や Kubernetes,およびサービスメッシュを用いたマイクロサービスアーキテクチャ (MSA) が普及しているが,エッジにおいても同様に MSA を導入することで,エッジ基盤やエッジアプリケーションライフサイクルの効率的な管理,オートスケールの実行が可能になると期待される.しかし,エッジは利用可能なコンピューティングリソースが限られているため,個々のエッジ内でオートスケールを実行させても処理能力には限界がある.特定のエッジに処理限界を超える過負荷が発生した場合,エッジの処理能力が劣化し,大規模な遅延やサービス停止が発生しうる課題がある.本研究では,コンテナ仮想化技術や Kubernetes,およびサービスメッシュを用いたエッジ基盤における協調型負荷分散の実装手法を提案する.エッジのアプリケーションへの単位時間あたりリクエスト数をモニタリングし,エッジの処理限界を超えるリクエストをリソースに余力ある近接エッジまたはクラウドに転送するようにサービスメッシュ設定を動的に変更するコントローラを実装する.実験により,過負荷発生時のアプリケーションの平均処理時間が改善されることを示す.
著者
小暮 英輔 原 毅 大沼 剛 森山 隆 阿部 勉
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.435-437, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

〔目的〕スパイロメーターから得られた換気機能と最長発声持続時間(Maximum Phonation Time:MPT),最長呼気持続時間との併存的妥当性を調査することを目的とした.〔対象と方法〕呼吸器関連に異常がない健常者23名を対象とした.調査項目は基本属性,スパイロメーターから得られた換気機能,MPT,最長呼気持続時間とした.MPTと最長呼気持続時間と各評価指標との関係性を調査した.〔結果〕MPTと最長呼気持続時間は有意に正の相関を認めた.MPTは肺活量,%肺活量と正の相関を認めたが,最長呼気持続時間はどの換気機能とも相関を認めなかった.〔結語〕MPTは,肺活量を簡易的に評価できる測定方法である可能性が示唆された.
著者
富岡 強 阿部 隼也 長谷川 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.J151-J154, 2017

メガネ型のビデオカメラを着用して保育士が園児を撮影し,顔認証システムを用いて個人識別する.撮影された映像中に複数の園児が登場することから,これらの情報を用いて園児間および保育士の関係をソーシャルグラフで図示する.ソーシャルグラフを分析することによって,仲良しグループや孤立児の存在が分かる.ソーシャルグラフにおける各園児の次数中心性,媒介中心性,近接中心性,固有ベクトル中心性を算出し,中心的な園児を推定する.実験により,ソーシャルグラフの生成,および,中心的な園児の推定が可能であることを明らかにした.
著者
阿部 永 小林 垣明 藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.16, no.78, pp.420-422, 1961

No breeding record for Smew, <i>Mergus albellus</i> Linn&eacute;, has hitherto been known in Japan ("A Hand-List of Japanese Birds", 4th edition, 1958). Reported here are : 1. Six adults and 5 young were observed at Wakasakanai, the northern part of Hokkaido, July 1, 1961. 2. The pond, where Smews were observed, was in fir forest and about 50m. in diameter. <i>Carex curvicollis</i> and its allies were on the watersurface.
著者
阿部 学 藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.18, no.84, pp.272-275, 1968

An adult female accompanied by 8 ducklings of <i>Mergus serrator</i> and an female with 3 ducklings of <i>M. merganser</i> were observed swimming over Reservoir Iwamatsu on July 8 and 9, 1964. This reservoir, ca. 3 km long and ca. 800 m wide, lies in the central part of Hokkaido, being surrounded by summer forests of <i>Betula Maximowiczii, Quercus mongolica, Ulmus Davidiana japonica, Cercidiphyllum japonicum, Tilia japonica, Acer mono</i>, etc.; a drag road and a forest railroad run together along its eastern coast (Fig. 1).
著者
石関 沙代子 足立 吉數 鈴木 優香 小針 大助 安江 健 金澤 卓弥 青柳 陽介 阿部 由紀子 秋葉 正人 楠本 正博
出版者
日本家畜衛生学会
雑誌
家畜衛生学雑誌 (ISSN:13476602)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.85-90, 2013-11

子牛の消化器病で大腸菌感染症は重要な感染症であり、特に哺乳中の子牛で大きな経済的な被害が発生している。Escherichia属は数種の菌種からなっているが、動物で重要な病原体はE. coliのみである。この菌種は子犬、子豚、子牛、子馬、子羊の敗血症の原因になっている。そして、すべての動物で日和見感染の原因菌とも考えられている。われわれは、腸管接着性微絨毛消滅性大腸菌が子牛の腸管上皮細胞に定着する仕方に2種類あることを示唆してきた。しかし、血縁関係にある子牛の下痢についてはよく知られていない。今回、農学部附属フィルドサイエンスセンター(FSC)で発生した哺乳子牛の消化器疾患が他の農場との交流がない閉鎖空間で発生したこと、および特定の血縁関係にある牛群において2002年から斃死する子牛が認められ、2012年まで続いていることから死因を調査し対策を講じることを目的に調査研究を行った。
著者
三澤 久恵 佐口 清美 畠山 玲子 高尾 秀伸 竹田 恵子 阿部 大亮 島田 翔太郎 馬場 彪画 石川 晴菜 高山 眞帆 井上 奈南 岩崎 彩 Hisae Misawa Kiyomi Saguchi Reiko Hatakeyama Hidenobu Takao Keiko Takeda Daisuke Abe Shoutaro Shimada Hyouga Baba Haruna Ishikawa Maho Takayama Nanami Inoue Aya Iwasaki
出版者
神奈川工科大学
雑誌
神奈川工科大学研究報告. A・B, 人文社会科学編・理工学編 Research reports of Kanagawa Institute of Technology. 神奈川工科大学 編 (ISSN:21882878)
巻号頁・発行日
no.44, pp.25-30, 2020

[Purpose] The purpose of this study was to analyze the characteristics of the elderly people who participated in the "group recminiscence therapy".[Method] The group reminiscence therapy was carried out for the elderly people of S area of A city from May to August 2018. The documents written by students who participated in the recollecting method as co-leaders was analyzed. The analytic theme was taken as "the meaning in which elderly people look back upon their life." The concepts was generated by qualitative research according to the Grounded Theory Approach (M-GTA).[Results] Altogether, 19 concepts were generated.The core concept was "perception about own existence realized through support of the surrounding people". The three core categories constituting the core concept were generated as "review of own life," "pride to self," "composing mind to the future."[Discussion] "Review of own life," like the flow in a river, makes one aware of the path traversed in life and proud of one's ability to handle events at the turning points in life with support from others, which in turn leads to "pride to self" "Things to accomplish in the future" relates to the approach to the end of life through cherishing the current way of living and building smooth relationships with others.
著者
阿部 邦子
出版者
公立大学法人 国際教養大学 アジア地域研究連携機構
雑誌
国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.43-56, 2020 (Released:2020-11-13)

この小論では、江戸後期『解体新書』の木版附図の下絵を任された秋田蘭画の絵師小田野直武による「扉絵」及び一部の図の引用元本とされるアントワープで出版された1568年版ワルエルダ『解剖書』、また当時の舶載書として唯一確認されている、秋田藩医稲見家伝来のワルエルダ『解剖書』本との関連を、同時期の関係文献を通して探り、書誌学、図像学の視点から、謎の解明にせまる。
著者
住谷 昌彦 大住 倫弘 猪俣 一則 大竹 祐子 井上 玲央 土田 陸平 横島 弥栄子 東 賢志 阿部 博昭
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.19-23, 2019-03-30 (Released:2019-06-11)
参考文献数
15

The brain monitors motor outputs and sensory inputs about limb movements and information communication of limb movements between the motor system and the sensory system all along the line. This information communication of limb move­ments is called as the sensorimotor loop. In the normal condition, the sensorimotor loop maintains congruent. Recent advancement of cognitive neuroscience can propose that pathologic pain like as phantom limb pain can emerge and sustains and finally impairs patients’ quality of life when the loop becomes incongruent. We have treated phantom limb pain with the mirror visual feedback (MVF) and recently virtual reality (VR) treatment. The MVF and VR treatments can re–construct movement representations of a phantom limb and then improve phantom limb pain. We have successfully evaluated such movement representations of a phantom limb by assessing the intact upper limb movements on the basis of the bimanual coupling effect, which is physiologically equipped with the brain. The analgesic effect of the VR system is closely linked to the objectively–assessed reemergence of movement representations of a phantom limb.
著者
阿部 康久
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.694-714, 2000
被引用文献数
4

昭和初期の東京とその周辺地域を対象として,中国人労働者の集住地区が衰退していった過程を,政府や地方自治体の外国人政策の変化や,、都市労働市場の状況との関係から検討した.1920年代前半に日本へ来住した中国人労働者の就業構造は,昭和恐慌の発生によって一変した.1930年には中国人建設・運搬労働者の半数近くが失業するほどになり,彼らに対する排斥運動も深刻化しっっあった.そのため,この年には,失業者を中心に帰国希望者が相次ぎ,日本政府の斡旋により中国人労働者の大量帰国が実施された.1920年代後半期には,政府による中国人に対する強制送還も厳格化された.まず,1926年末頃から,窃盗などの検挙者を中心に送還者数が増大した.1929年頃からは主な送還対象者が不正入国者や無許可労働者に拡大され,1930年には送還者数が最大になった.これらの政府の諸政策によって,隅田川・荒川沿いの地域などに居住していた中国人労働者は帰国を余儀なくされ,彼らの集住地区は衰退していった.
著者
阿部 寿人 松山 克胤 藤本 忠博 千葉 則茂
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.121(2004-CG-117), pp.67-72, 2004-11-26

Sosorbaram等は,DLA(Diffusion Limited Aggregation)モデルを拡張した電界を考慮した放電パターンの生成モデルを提案している.本論文では,この放電パターンの生成モデルにより生成された稲妻のパターンに適合する雷鳴を自動的に生成する手法を提案する.雷鳴は稲妻発生時の大気の急激な温度変化で起こる衝撃波である.本手法では,この雷鳴を,生成された稲妻パターンに沿って,それぞれの階段状先駆に,N波を基本として構成したサウンドテクスチャを音源として配置し,受聴点に到達する波形を合成することにより,近似的に生成している.