著者
岩本 裕真 阿部 博 遠峰 隆史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.9, pp.1-7, 2021-07-02

ネットワーク運用者やシステム管理者は,安定したシステム運用の実現やトラブル発生時の原因特定をするために,サーバやネットワーク,セキュリティ機器から出力される監視データの蓄積や解析を行う.代表的な監視データとして,ログやフロー,SNMP があり,それらは Syslog,NetFlow,IPFIX,sFlow,SNMP といったプロトコルで定義されており標準化されている.しかし,多くのネットワーク・セキュリティ機器にはサーバ機器のような高性能な CPU が採用されておらず,システム負荷を上昇させないために監視データの宛先送信数に上限がある.そのため監視データを集約する専用のネットワーク機器やシステムを用いることで,解析基盤に必要な監視データを複製して転送する手法が用いられる.本研究では,ネットワーク機器群から送信された監視データを集約し複数の監視・解析基盤に複製して転送する際に,Linux カーネルのトラフィック制御機能である TC を用いた実証実験を行った.
著者
阿部 淳子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.99, 2004

【目的】 現代の子どもたちが地域の民俗文化としての祭囃子の練習に参加し、その学習過程において周囲の人々との関わりや、祭囃子の習熟を通して成長していく姿をフィールドワークにより観察した。その観察の中で、祭囃子への子どもの参加をきっかけとして、親やきょうだいも含めた家族、さらには地域の活動へと発展していく様子に注目し、地域に伝わる民俗文化の現代的意義を探ることが目的である。【方法】 1998年から2003年の6年間にわたり、埼玉県 O町における七夕祭りの祭囃子に参加する小・中・高校生、および保存会会員を対象に観察を行っている。参加人数は年度により異なるが、40名から60名の子どもたち、15名ほどの保存会会員が中心となり活動している。観察は参加観察、ビデオカメラによる記録、インタビューを通して行い、分析をおこなった。【結果】 祭囃子の活動は、子どもたちに太鼓の指導をする保存会の大人、幼稚園・小学校低学年の子どもたちの送り迎えを行う親、毎年祭囃子を楽しみに見に来る地域の人々など、直接演奏には参加していない様々な人に支えられて成り立っている。そして、祭囃子に参加する子どもを通じて、親同士のつながりや指導者と親のつながりが生まれ、地域における交流の場としての機能が観察された。これらのことから、現代において、地域に伝わる祭囃子の活動は、現代社会が失いつつある、地域社会における交流の場を提供するものとして、大きな意義をもつと言えよう。
著者
阿部 純一
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学法学論集 (ISSN:03890813)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1-55, 2021-03-15

はしがきⅠ 前史Ⅱ 1969年非嫡出子法の登場Ⅲ 1981年 3 月24日連邦憲法裁判所判決 ( 以上 51巻 1 号)Ⅳ 1980年代以降の学説における議論 1 非嫡出子を取り巻く社会状況の変化 2 基本法上の問題 (以上 52巻 1 号) 3 比較法及び国際条約との関係 4 東西ドイツ統一 5 具体的改正提案 6 小括 (以上 53巻 1 号)Ⅴ 1991年5月7日連邦憲法裁判所決定 1 事実関係 2 連邦憲法裁判所の判断 3 決定に対する評価Ⅵ 1990年代の親子法改正論 1 諸団体による改正提案 (1)第59回ドイツ法曹大会の決議(1992年) (2)ドイツ女性法律家協会の提案(1992年) (3)ドイツ家庭裁判所大会の提案(1993年/ 1995年) (4)ドイツ・カトリック中央委員会の提案(1993年) (5)ドイツ公私保護事業協会の提案(1995年) (6)少年援助協議会の意見書(1995年) 2 連邦議会における改正提案 (1)SPDの提案(1995年) (2)同盟90 /緑の党の提案(1995年) 3 政府草案(1996年) (1)成立過程と特徴 (2)改正案の内容 (3)連邦議会法務委員会における審議 (4)改正法に対する評価むすび 1 ドイツにおける変遷史のまとめ 2 比較法的考察
著者
北村 弘幸 高井 美帆子 舟木 一夫 岡村 秀人 西嶋 力 古桧山 建吾 梶藤 いづみ 佐野 和幸 阿部 忍 森 範子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.G-142_1-G-142_1, 2019

<p>【目的】医療の高度化と地域包括ケアシステムの構築に対応するために、保健医療福祉サービスに関わる職種と協働する機会が増えている。多職種が連携するにあたり情報の共有が必要不可欠である。本調査は、多職種間の連携実態を把握するために、リハ職の栄養職間との相談意識とその実態を調査した。調査目的は良好な連携を目指すため、栄養に関するリハ職と栄養職の連携実態をリハ職種間で比較し、その課題を明確にすることにある。</p><p>【方法】対象はPT230名、OT91名、ST27名、計308名で、所属機関は病院勤務232名、施設勤務36名、在宅系勤務40名であった。方法はアンケート調査としてWeb net調査にて実施した。調査期間は2017年10~12月、回収率(会員数対)は15%であった。設問1は「日ごろの活動で管理栄養士・栄養士(栄養職)に相談したいと思ったことがあるか」に対し「よくある」「たまにある」「ない」で回答した(相談期待意識)。設問2は「身近に協働できる栄養職はいますか?」に対し「たくさんいる」「少しいる」「いない」の3件法で回答を得た(協働の実態)。回答を「たくさんいる」「少しいる」を合わせて「いる」と判定した(協働の有無)。リハ職の所属により連携実態(連携率)を比較し、統計学的解析はχ<sup>2</sup>検定を使用し有意水準5%未満とした。</p><p>【結果】相談期待意識について、病院勤務では「よくある」31%、「たまにある」56%、「ない」13%、施設勤務では31%、64%、6%、在宅系勤務では35%、55%、10%であった。所属施設による差異はなかった。協働の実態について所属別に比較すると、病院勤務では「たくさんいる」13%、「少しいる」69%、「いない」18%であった。施設勤務は14%、78%、8%、在宅系勤務は3%、43%、55%であった。病院勤務と施設勤務では「少しいる」が最も多く、在宅系勤務では「いない」が最も多かった。協働の有無について所属別に比較すると、病院勤務では「いる」82%、「いない」18%であった。施設勤務は92%、8%、在宅系勤務では45%、55%であった。病院勤務82%と施設勤務92%は有意差なく高値であった。在宅系勤務では相談できる栄養職がいる45%で、施設勤務より47ポイント、病院勤務より37ポイント有意(p<0.01)に低値であった。</p><p>【結論】リハ職の約9割が栄養職と「相談したい」と思っており、その程度は所属施設による差異がなかった。しかし、病院や施設勤務のリハ職は、栄養に関して相談できる栄養職がいるが、在宅系勤務では、相談意識が高値にも拘らず身近に相談できる栄養職の不在が大きな問題であることが解った。在宅では対象者個人の食事環境により栄養状態は左右される。病院や施設のような専門的管理が困難な生活場面であるため相談が必要と考える。本県では、県内5圏域に栄養士会が主催する「栄養ケア・ステーション」が設置され、個人の栄養指導や特定栄養食事指導、料理教室案内が運営されていることを紹介し、利用の認知度を向上させる必要があると考える。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】調査研究にあたり、「リハビリテーションにおける多職種連携調査研究事業」の一環であること、調査の目的と趣旨を書面に記した。加えて調査結果は本事業開催研修会ならびに報告書として公表することを文書で説明した。アンケートの回答は統計学的に処理し、集団として取り扱うため個人が識別されないこと、回答情報が特定できないよう十分配慮した。</p>
著者
村田 敬 伊藤 佳代子 高木 洋子 森 栄作 安藤 理子 中川内 玲子 阿部 恵 河野 茂夫 山田 和範 葛谷 英嗣
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.845-848, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

症例は2型糖尿病の男性(49歳),前医にてインスリンおよびエパルレスタットの処方を受けていたが,歩行障害悪化を主訴に来院.BMI 14.9 kg/m2, 下肢優位で左右対称な軽度筋力低下,下肢優位の小脳失調症状を認めた.HbA1c 15.6%, 糖尿病網膜症なし,神経伝導速度は運動・感覚ともに低下.入院後,次第に筋力低下と歩行機能が改善.入院時の残血清中ビタミンB1濃度は0.6 μg/dlと低値.フルスルチアミン100 mg/日の点滴を行ったところ,筋力回復し,軽快退院した.管理栄養士による聞き取り調査では白米中心の偏食傾向があり,ビタミンB1の推定摂取量は0.5 mg/日と所要量(1.2 mg/日)の半分程度であった.以上のような検査結果・臨床経過から総合的に判断して,本症例の歩行障害の主因はビタミンB1欠乏症による脚気神経炎であった可能性が高いと診断した.脚気神経炎は糖尿病性多発神経障害と症状が似ており,つねに鑑別診断として念頭におく必要がある.
著者
赤沼 安夫 繁田 幸男 井村 裕夫 七里 元亮 垂井 清一郎 馬場 茂明 堀野 正治 兼子 俊男 三村 悟郎 清水 直容 内藤 周幸 中川 昌一 工藤 守 久保田 奉幸 阿部 祐五 王子 亘由 鍋谷 登 河原 啓 安東 千代 陣内 冨男 小坂 樹徳 後藤 由夫 葛谷 健 平田 幸正 伊藤 徳治 梶沼 宏 堀内 光 坂本 信夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.9-18, 1984

ブタインスリンの化学的修飾によつて酵素学的畔合成されたHuman Momcomponent Insuliれの安全性, 有効性および免疫学的推移を精製ブタインスリンを対照薬剤とした二重盲検法にて検討した. 用いた製剤はいずれもActrapidおよびMonotard製剤である. 治験は96週間の予定にて実施進行中であるが, 今回は24週間まで投与し得ている症例を対象とした中間成績である. 対象は, 精製ブタインスリン製剤のみで治療されているType IおよびType II糖尿病患者153例であった. 解析は除外症例8例を除いた145例にて実施された.<BR>患者の年齢, 糖尿病病型, 肥満度, 糖尿病発症年齢, 糖尿病罹病期間および糖尿病性合併症など背景因子に明らかな偏りはなかった.<BR>全般改善度, 有用度とも精製ブタインスリン群の方で改善および有用と判定する傾向があった (0.05<p<0.1).<BR>インスリン1日用量, 空腹時血糖値およびヘモグロビンAiでは両薬剤群間に有意な差は認められなかった. 体重, 抗インスリンIgG抗体およびインスリン特異性IgE抗体でも両薬剤群間に差を認めなかった. インスリンアレルギーが治験開始1ヵ月頃に, リポアトロフィーが12週間頃に各1例ずつ認められたが, いずれも治験はそのまま継続し得た. これら以外に副作用は認めなかった. 臨床検査成績に治験薬剤によると思われる直接的な影響は認められなかった.<BR>以上より, Human Monocomponent Insulinは, 精製ブタインスリンとほぼ同様の安全性, 有用性を有しており, 糖尿病治療上, 有用なインスリンであると判断された. しかしながら両者間には作用特性に多少の差異がみられる可能性は残る. この点に関しては今後さらに検討される必要があろう.
著者
阿部 望 岸田 広平 石川 信一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.64-78, 2021-03-30 (Released:2021-05-01)
参考文献数
39
被引用文献数
4

本研究では,学校の実情に合わせた2つの強み介入を実施し,強み介入が中学生の精神的健康(生活満足度・抑うつ症状)に及ぼす効果について検討することを目的とした。研究1の強み認識・注目介入(自己や他者の強みを認識・注目させる介入)では中学3年生128名が対象であり,研究2の強み認識・注目・活用介入(自己や他者の強みを認識・注目させ,自己の強みを活用させる介入)では中学3年生87名が対象であった。分析の結果,研究1で実施した強み認識・注目介入は,生活満足度の向上に対してのみ効果があることが示唆された。一方,研究2で実施した強み認識・注目・活用介入は,生活満足度の向上と抑うつ症状の低減の両方に対して有効であることが示唆された。次に,効果的な強み介入の構成要素を探るために,介入の構成要素と対応する既存の強み変数の変化と精神的健康の変化の関連について探索的に検討した。その結果,強みの認識と他者の強みへの注目の変化が生活満足度の変化と正の関連を示し,強みの活用感の変化が抑うつ症状の変化と負の関連を示した。これらの結果から,生活満足度を向上させるためには強みの認識と他者の強みへの注目が重要であり,抑うつ症状を低減させるためには強みの活用が重要である可能性が示された。最後に本研究の課題と今後の展望について議論された。
著者
佐々木 武彦 阿部 眞三 松永 和久 岡本 栄治 永野 邦明 丹野 耕一 千葉 芳則 狩野 篤 植松 克彦
出版者
宮城県古川農業試験場
雑誌
宮城県古川農業試験場研究報告 (ISSN:09172904)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-17, 1994-03

宮城県古川農業試験場において、コシヒカリと初星の交配組合せから粳種の耐倒伏性極強・食味極良の新品種「ひとめぼれを育成した。本品種は東北中南部では中生の晩で、草型は偏穂数型である。耐倒伏性はやや弱、いもち病真性抵抗性推定遺伝子型はPi-i型で、圃場抵抗性は葉いもちにはやや弱、穂いもちには中、障害型耐冷性は極強である。玄米品質、食味は極めて良好でササニシキに優る。適地は東北地方中南部の平坦部、関東以西の早期栽培地帯及び温暖地、暖地の高冷地である。1991年に岩手、宮城、福島の各県で奨励品種に採用され、1992年には千葉、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡、大分の各県で、1993年には鳥取県でそれぞれ奨励品種に採用された。
著者
倉島 郁 阿部 一好 伊藤 幸介
出版者
新潟県森林研究所
雑誌
新潟県森林研究所研究報告 = Bulletin of Niigata Prefectural Forest Research Institute (ISSN:13438999)
巻号頁・発行日
no.59, pp.31-36, 2019-03

広葉樹20樹種のオガ粉を用いてナメコ菌床栽培試験を行い単独で使用した場合の栽培適性を明らかにした。収量の多少により4グループに分類した。ハクウンボク,アオダモ,キハダ,ブナ,カラスザンショウ,アカイタヤで収量が最も多く,次いでミズキ,オニグルミ,クヌギのグループで収量が多かった。最も収量が少なかったのは,ケヤキ,クリのグループだった。栽培日数の長短により4グループに分類した。最下位グループのクリ,ケヤキで栽培日数が長く栽培に不適だった。
著者
阿部 東 工藤 貢次 近藤 格 斎藤 和夫
出版者
東京昆蟲學會
雑誌
昆蟲
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.179-186, 1969

青森県内で採集されたクワガタムシ科(Lucanidae)の4属5種について雄の染色体を調べた.それらの種名, 染色体数および性決定様式を一括して第1表に示したが, 観察結果は次のように要約される.ミヤマクワガタLucanus maculifemoratusは染色体数がn=13(I, II)であつて, 第1分裂でXY対を識別できる(第1, 2, 3図).ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatusは2n=19, n=10(I), 10, 9(II)である(第4, 5, 7, 8, 19, 20, 21, 22図).この結果は利岡・山本(1937)の観察と一致する.第1分裂では, 一極に向つて先行する性染色体(X染色体)が認められる(第6, 19, 20図).アカアシクワガタNipponodorcus rubrofemoratusは2n=10, n=5(I, II)であつて(第9, 10, 11, 12図), 大型のV型染色体が精原細胞には一対, 第2精母細胞に一ケ含まれている(第9図のV, 第12図のV).またこの種でも第1分裂でXY対を識別できる(第11図).コクワガタMacrodorcas rectus(第13, 14, 15図)とスジクワガタMacrodorcas binervis(第16, 17, 18図)は染色体数は同じであつて共に2n=18, n=9(I, II)である.性染色体構成は雄がXYと推定される.従つてXO型であるノコギリクワガタはこれらのうちでは特異な種である.なお, 第1分裂でのXY対を比較すると対合様式はミヤマクワガタとアカアシクワガタがrod型であつてneo-XY型であるDorcus parallelopipedusと異つている.またアカアシクワガタとコクワガタおよびスジクワガタの染色体数の関係が注目される.
著者
三木 晴子 阿部 香澄 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.185-188, 2021 (Released:2021-03-24)
参考文献数
5

This paper proposed a developmental support system of toddlers' language skills by using a telepresence childcare robot. The childcare robot can attract toddlers' attention during interaction based on its actions. This ability is a significant advantage that differs from static devices (i.e., tablet). Our system and robot played language quizzes with toddlers to collect developmental information about toddlers' language skills. They made reports for a childcare worker to help their assessment in the visiting support program. Experimental results showed that our system has the potentials to evaluate toddlers' language development quantitatively and support childcare workers in the visiting program.
著者
阿部 るり
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.104-121,263, 1997-07-31 (Released:2017-10-06)

Since the end of the Cold War, Germany has enteren into an age of unstable conditions concerning their collective ethnic identity. Although Germany has been known for its de-facto multiethnic society, racism has been having an increasing impact on society, especially in the 90's. This study examines the representation of'Auslander' in the German mass media based on the framework of Van Dijk's dicourse analysis. It shows the media's responsibility in causing 'new racism' as one of the social factors in society. The newspapers Frankfurter Allgemeine, Suddeutsche Zeitung and Bild are analysed.
著者
阿部 穣里
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.547-551, 2016-08-05 (Released:2016-11-16)
参考文献数
16
被引用文献数
1

ビッグバン理論によると宇宙誕生時には,高密度のエネルギー状態から粒子と反粒子が同数生成したと考えられている.しかしながら,現在の宇宙は粒子からなる物質のみでほぼ形成されており,どこかで粒子と反粒子の数が非対称になったと考えざるを得ない.粒子・反粒子数が非対称になるための必要条件として,荷電共役変換Cと空間反転Pを同時に行うCP変換に対する対称性の破れ(CPの破れ)が挙げられる.CP対称性破れは,小林–益川理論(標準理論)にも組み込まれており,K0中間子,B0中間子崩壊実験においても確認されている.しかしながら標準理論や既存の観測結果から推測されるCP対称性の破れの効果は非常に小さく,現宇宙の物質優勢のシナリオを定量的には説明できない.したがって標準理論とは異なるCPの破れを含む新しい理論や,その証拠となる物理量の観測に興味が持たれており,その一つの候補として素粒子の電気双極子モーメント(Electric Dipole Moment: EDM)の観測が挙げられる.素粒子に非ゼロのEDMが存在すると仮定すると,EDMは粒子のスピン軸に沿って定義される(左図参照).EDMがスピン軸に平行と仮定し,この状態に時間反転操作を行うと,スピンの向きは反転する.一方EDMは電荷×距離の次元を持つため,時間反転の影響を受けない.時間反転操作前後を比較すると,EDMの向きがスピン軸から測って真逆になるため,T反転操作で物理描像が変化している.つまりEDMを非ゼロの値で観測できれば,T対称性の破れが観測されることになる.また,CPT定理を仮定すると,T反転はCP反転と等価であることから,EDMの観測はCP対称性破れの観測を示す.EDMの観測としては中性子,陽子,電子などの素粒子やそれらの複合粒子に対して幅広く試みられているが,核スピンゼロの常磁性原子や分子においては,電子に起因するEDMに絞って観測することができる.ただし,直接1電子のEDMが測定できるのではなく,電子EDM(de)と周囲の電場との相互作用エネルギーが観測量となる.また,この電場に相当する量(分子においては特に有効電場Eeffと呼ばれ,分子内の核や電子が作る電場に起因する)は,相対論的量子力学に基づく電子状態理論からのみ計算可能である.したがってこの研究は,“原子・分子の電子状態理論”,“原子分子分光”,および“素粒子理論”の3つの異なるフィールドの共同研究で成り立っている.分子を対象とした実験は原子に比べて歴史が浅く,これまで報告された有効電場を求める理論研究は,多くの近似を含んでいた.そこで我々は,4成分ディラック法を基にした一体レベルで厳密な相対論法を用い,また,電子状態理論の金字塔とされる結合クラスター(Coupled Cluster: CC)法に基づいた有効電場計算プログラムを開発した.本手法をYbF分子に対して適用し,有効電場を23.1 GV/cmとして決定した.さらに,有効電場が大きいほど実験感度も向上するため,大きな有効電場を持つ分子を探して提言している.
著者
阿部 俊弘 山田 知之 中山 吉則 樋口 英次郎
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.789-793, 1986

特徴ある細胞診所見を呈した子宮内膜異型増殖症の1症例を経験したので報告する.症例は52歳の閉経婦人で, 子宮腔内にポリープ状腫瘤を形成し, 組織学的には角化を示す著明な扁平上皮化生と異型腺増殖が認められた.頸部擦過および内膜細胞診には異常角化細胞とともに強いエオジン好性を示す無定形のケラチン様物質 (keration body) が多数認められた.<BR>本症例には内膜異常のrisk factorであり, hyperestrogenismと関連する肥満と糖尿病がみられたが, これらに加えて組織学的にも炎症所見が著明であったこと, 周囲環境の刺激を受けやすいポリープ状を呈したことなどにより著明な扁平上皮化生をきたしたものと思われた.
著者
吉岡 卓 塚本 雅裕 中野 人志 吉田 実 高橋 雅也 藤田 雅之 阿部 信行
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要 平成20年度春季全国大会
巻号頁・発行日
pp.63, 2008 (Released:2008-04-18)

エアロゾルビームプロセッシングにより酸化チタン皮膜を形成し、皮膜表面に高強度短パルスレーザを照射した。照射部を観察した結果、アブレーションせずに形態が変化している事が分かった。続いて、照射部にCWレーザを照射した。その結果、更に形態を変化させる事に成功した。
著者
三輪眞 木子 佐藤 正惠 山下 ユミ 磯部 ゆき江 阿部 由美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第18回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.67-72, 2021 (Released:2021-06-21)

高齢者のヘルスリテラシーと健康寿命の関係を探求するため、医療者計10名を対象に、2020年1月~6月に、対面、Web、電話により半構造化インタビューを実施した。健康維持に前向きな高齢者は家族との関係が良く、健康への関心が高く、食事や規則正しい生活に気を付け、趣味等の楽しみや目標を持ち、話し好きで仲間がいる。ヘルスコミュニケーションがとれている高齢者は治療がうまくいっており家族のサポートがあり、テレビや新聞等で健康医療知識を得ている。治療に関する意思決定に積極的に参加する高齢者は、主体的に健康医療情報を獲得する。高齢者には、かかりつけ医を作る、運動する、家族と親密につきあう、自分の健康に関心を持つ、趣味や目標を持つ、栄養バランスの良い食生活を心掛ける、外に関心を持ち仲間とともに取り組むことが求められる。健康維持への取組に男女差があり、仕事を辞めた後、地域と関連しない孤立男性に課題があることが示唆された。
著者
土屋 祐子 渡邊 慶和 阿部 昭博 南野 謙一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.80, 2005

本研究では、組織に情報システムを導入するにあたり、様々なステークホルダーの要求を取り入れる方法論を提案し、情報システムの開発に必要な組織的要件を検討することを目的とする。各々の立場により生じる要求の違いを定性的に分析していくことで、定量的分析ではとらえきれなかたステークホルダーの存在を明らかにする。その事例として、ある岩手の学習塾に導入された情報システムを取り上げ、異なる立場のステークホルダーからの定性的なデータの収集を通じて、IS導入におけるガイドラインを提案する。