著者
高橋眞一編著
出版者
京都府商工經濟會
巻号頁・発行日
1944
著者
岡 健太郎 高橋 志達 神谷 茂
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.177-185, 2015 (Released:2015-11-03)
参考文献数
44

Clostridium difficileは芽胞形成性のグラム陽性偏性嫌気性細菌で,主に抗菌薬投与後に下痢や偽膜性大腸炎(pseudomembraneous colitis, PMC)などのC. difficile関連下痢症/疾患(C. difficile-associated diarrhea/disease, CDAD)を引き起こす原因菌として知られている.本菌は一部の健常者の腸内に定着する常在菌の一種であり,通常は他の腸内細菌により抑制されているが,抗菌薬の投与により正常腸内細菌叢が撹乱されると異常増殖と毒素(トキシンAおよびトキシンBなど)産生を引き起こしCDADが発症する.抗菌薬関連下痢症(antibiotic-associated diarrhea, AAD)のうち,5-20%が本菌によるものと考えられており,治療には原因抗菌薬の中止とバンコマイシンまたはメトロニダゾールの経口投与が有効であるが,10-35%に再発が認められ,近年では再発を繰り返す症例が問題となっている.CDADは,腸内に定着した常在性C. difficileによるものの他に,保菌健常者やCDAD発症者の糞便を介した接触感染が主な感染経路であり,特に芽胞を形成する菌であることから,芽胞が長期間にわたって環境中に生残して院内感染や再発の感染源となることが考えられる.特に入院患者では,本菌の検出率は入院期間と相関することが知られている.また,芽胞は抗菌薬に抵抗性であることから,再発例の一部では,治療後に芽胞の形態で腸内に生残して再発を引き起こすものと考えられる.従って,CDADあるいは再発性CDADの治療および予防法としては,原因抗菌薬の中止やバンコマイシンまたはメトロニダゾールの経口投与による治療や接触感染予防策や環境清掃などによる一般的な感染予防法に加え,抗菌薬の使用制限による正常腸内細菌叢の撹乱防止や,何らかの方法による正常腸内細菌叢の維持および早期回復が重要となる.これまでに,正常腸内細菌叢の維持および早期回復を目的としたプロバイオティクスによる予防の有効性が多数の研究者により報告されており,CDADの治療および予防においては,主に抗菌薬の補助療法としてプロバイオティクス製剤等が使用されている.プロバイオティクスには病原性細菌の生育阻害作用と腸内細菌叢の改善作用があることから,C. difficile腸炎の予防や治療補助に有効であると考えられるが,その効果や作用機序はプロバイオティクスの菌種や菌株によって異なり,菌種あるいは菌株ごとの大規模臨床試験による科学的検証が望まれている.
著者
高橋 武則
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第4回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.36, 2011 (Released:2012-03-14)

「紙ヘリコプター」を題材とした、技術者向けのSQM(統計品質管理)教育カリキュラムについて論じる。複葉型紙ヘリコプターを使ったカリキュラムは筆者が提案したものであり、複葉型紙ヘリコプターは15を超える設計要素、上下2つのローターから構成される。
著者
平沢 尚彦 高橋 晃 渡辺 興亜 佐藤 夏雄 Naohiko Hirasawa Akira Takahashi Okitsugu Watanabe Natsuo Sato
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.255-258, 1996-07

本研究小集会の目的はSARデータを使った南極氷床・氷河に関する最近の研究成果, 及び今後の研究計画について議論することである。本会は1996年2月6日, 極地研究所講義室において行われ, 出席者は約30名であった。SAR画像に見られる様々な模様にについての紹介, 飛行機観測や可視画像との比較, 現地氷状観測との比較, インターフェロメトリの今後の課題などが議論された。The main purpose of the workshop is to discuss recent results of Antarctic research using SAR data. It was held on February 6,1996 at the National Institute of Polar Research (NIPR), the number of participants being about 30. The contents of the workshop are demonstration of various SAR images, comparison with pictures from an airplane and visible images, comparison with observational data on ice conditions and demonstration of problems in interferometry.
著者
福長 将仁 高橋 幸江
出版者
福山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

地理的隔離により生物が適応進化することが知られている。本研究ではライム病ボレリアと媒介マダニが隔離状態において共進化していることを明らかにした。すなわち、北海道と長野の2地点で捕獲したマダニについてリボソームRNA遺伝子間配列(ITS2)領域とミトコンドリアリボソームRNA遺伝子塩基配列を比較、寄生ボレリアでは鞭毛蛋白遺伝子ならびに菌体表層蛋白遺伝子の塩基配列をそれぞれ比較して、2地点間における両生物種の遺伝的変化について定量的に検討した。その結果、ボレリアの鞭毛蛋白遺伝子ならびに菌体表層蛋白遺伝子の塩基配列についてそれぞれ両地域に特徴的な遺伝グループが認められ、あわせて媒介マダニのミトコンドリア遺伝子についても地域特異的な遺伝グループが存在し、両生物がそれぞれの地域に適応進化していることが裏付けられた。さらに遺伝子の変異率は、マダニのそれに比較してボレリア細菌で高く、高い変異率を持つボレリア細菌がマダニの変異進化に適応しながら変化していることが推察された。ボレリア細菌はマダニの吸血行動にともなって小型脊椎動物とマダニ体内を行き来しながら生活する生物である。このうち小型脊椎動物は種類を問わず保菌動物となることが出来るので、ボレリアの感染はマダニの性質に深く関わっていると考えられ、ボレリアの生存はマダニへの適応が必須条件となる。本研究で明らかにした事実はボレリアが変異多様化することは、地理的隔離により地域に適応進化していくマダニに適応するためであることを証明している。
著者
高橋 薫
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.79, pp.1-39, 2014-09-16

かつてウェルギリウスがローマ帝国のひとびとのアイデンティティを高めるべく、トロイア戦争の落ち武者アエネアスを建国の雄としてその生涯を歌ったのに倣って、フランスでも中世以来アエネアスの同輩フランクスがフランス建国の祖であったという伝承が存在した。一六世紀最大の天才詩人ロンサールもこの主題にのっとった叙事詩の完成を目指したが、改革派対カトリック信徒という、国家のアイデンティティそのものの崩壊と当時の歴史学の発展により、所詮は虚構であるその叙事詩『ラ・フランシヤード』は完結の域には程遠い状態で出版された。世紀をあらためて一七世紀初頭、三人の韻文家がこの物語の完成を目指した。そのうちのひとり、クロード・ガルニエはロンサールの弟子を名乗って未完の叙事詩の続編を歌った。本稿で扱うのはロンサールとは異なり、より近代的な歴史記述のなかにフランクス伝承を組み入れ、いまだ尾を引く夢の国家的叙事詩の作成を目論んだ、ガルニエ以外の「遅れてきた」一六世紀詩人ふたりの作品である。本国での評価も低いため作者・作品の梗概に紙幅を割かれ、予定の枚数を大幅に超えたため複数回にわたって連続論評することをお赦しいただきたい。まず第一回はニコラ・ジュフランの作風を取り扱うものとする。
著者
高橋 覚二
出版者
日本イスパニヤ学会
雑誌
HISPANICA / HISPÁNICA (ISSN:09107789)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.31, pp.116-130, 1987-12-31 (Released:2010-06-11)
参考文献数
28
被引用文献数
1

En las gramáticas tradicionales los tiempos gramaticales se dividen en tres grupos basados en el tiempo cronológico: pasado, presente y futuro. Pero los rasgos que presentan los tiempos futuros “amarás”, “habrás amado”, “amarías” y “habrías amado” demuestran que éstos no se oponen, como tiempos verbales, a los tiempos presentes y a los pretéritos, sino que son subcategorías, respectivamente, de “amas”, “has amado”, “amabas y amaste”, y “habías amado” del modo indicativo. Los tiempos futuros son tiempos intermedios, con valor de conjetura, entre los tiempos presentes y pretéritos del indicativo y los del subjuntivo qued ándose en el marco del modo aquel. El español tiene dos tiempos: pretérito y presente, y dos aspectos: perfecto e imperfecto. El sistema es cúbido como vemos en el siguiente esquema.
著者
高橋 衞
出版者
福山大学
雑誌
福山大学経済学論集 (ISSN:02884542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-25, 2002-10-31
著者
常岡 由美子 藤野 佳代子 月成 愛華 山本 勝己 大坪 由佳 岡松 加恵 森永 健三 長島 義之 松永 興昌 城戸 寛史 高橋 裕 佐藤 博信 松浦 正朗
出版者
福岡歯科大学学会
雑誌
福岡歯科大学学会雑誌 (ISSN:03850064)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.51-59, 2006-06-30

Treatment with mandibular bone-anchored implant bridges can solve long-term problems of prosthetic rehabilitations in totally or partially edentulous patients. However, a bone-anchored bridge creates a narrow and deep space between the base of the super-structure and alveolar ridge, and therefore, a patient's personal hygiene with a bone-anchored bridge is more difficult to perform than with an implant-supported overdenture. The aim of this study is to evaluate the oral hygiene status of patients with mandibular bone-anchored bridges, and to analyze their problems. From September 2000 to April 2004 in our hospital, 10 cases (5 males and 5 females; average age 48.9 years) with totally and partially edentulous mandibles were treated using implant-supported bone-anchored bridges with immediate or conventional loading. Oral hygiene instructions were given immediately after delivery of the superstructure, and follow-up examinations were provided for a period ranging from 9 months to 4 years and 5 months. The oral hygiene status of each patient was classified into one of 4 levels ("excellent", "good", "marginal" and "poor") at the follow-up observations. As a result, 1 patient (44 year-old female) was evaluated as "excellent", 2 (average age; 58.5 years) were "good", 5 (average age; 44.4 years) were "marginal" and 2 (average age; 53.0 years) were "poor". The ages of the patients with bone-anchored bridges were relatively young (26-70 years), and therefore, no observable tendency was recognized among different generations in the ability to perform oral hygiene. As a result, the patient's skill involved in cleaning and understanding the importance of oral hygiene was considered important for maintaining a healthy oral condition. We conclude that continuous professional oral hygiene care by dental hygienists is needed for patients with bone-anchored implant bridges.
著者
高橋泰
雑誌
病院
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.786-787, 2007
被引用文献数
1
著者
上田 泰史 鈴木 則彦 古川 徹也 竹垣 友香子 高橋 直樹 宮城 和文 野田 孝治 廣瀬 英昭 橋本 智 宮本 彦四郎 矢野 周作 宮田 義人 田口 真澄 石橋 正憲 本田 武司
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.110-121, 1999
被引用文献数
8

1994年9月4日の開港から1996年12月まで, 2年4カ月の調査期間における関西空港の検疫人員は11, 44a534名であり, 検疫時に下痢を申告したものは22, 187名であった。そのうち9, 299名について下痢原因菌の検索を行い, 以下の成績を得た.<BR>1) 下痢原因菌が検出されたのは3,096名 (33.3%) であった.これらの症例から検出された病原菌は<I>Plesiomonas shigelloids</I>が最も多く2,066名 (66.7%), 次いで<I>Aeromonas spp.</I>484名 (156%), <I>Vibrio parahaemolyticus</I>358名 (11.6%), <I>Shigella spp.</I>291名 (9.4%), Salmonella spp.183名 (59%), <I>Vibrio choleraenon</I>-O1 121名 (39%) の順で検出された.下痢原因菌検出例のうち, この6種類の病原菌が検出されなかった症例はわずか2.8%であり, 上記の6種類が海外旅行者下痢症の主原因菌であると考えられた.なお, <I>enterotoxigenic Escherichia coli</I>については検査対象としなかった.<BR>2) 2種類以上の下痢原因菌が同時に検出された症例 (混合感染) が502例みられ, 下痢原因菌検出例の16.2%を占めた.<BR>3) 1995年2月~3月に, インドネシア (バリ島) 旅行者に集中してコレラ患者 (13例) が発見されたその他は, 各菌種とも検出頻度に季節的な大きな偏りは認められなかった。<BR>4) <I>Vibrio spp</I>.の推定感染地はアジア地域に限定され, <I>Shigella spp., Salmonella</I> spp.および<I>P.shigelloides</I>の感染地は広範囲にわたっていたが, <I>Shigella spp</I>. ではとくにインドおよびインドネシアに集中していた.<BR>5)<I>Shigella spp</I>.のうちわけは, <I>S.sonnei</I>が最も多く, 次いで<I>S. flexneri, S. boydii, S.dysmteriae</I>の順に検出された.また, インド・ネパール旅行者から<I>S.boydii</I> provisional serovar E16553が検出された.<BR>6) <I>Salmonella</I> spp.の血清型では, <I>S.</I>Enteritidisが最も多く検出され, 49例 (25.7%) を占めていた.<BR>7) 薬剤耐性株の頻度は<I>Shigella</I> spp.89.2%, <I>Salmonella</I> spp.27.2%, <I>V.cholerae</I>O195.0%であった.<BR>8) <I>V.cholerae</I>01はすべてEI Tor Ogawa型コレラ毒素産生株であった.<BR>9) <I>V.parahaemolyticus</I>の血清型は03: K6が最多数を占めた.耐熱性溶血毒遺伝子 (tdh), 易熱性溶血毒遺伝子 (trh) 保有株がそれぞれ89.8%と14.6%に確認された.
著者
高橋 純平 森 聰明
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.262-267, 2006 (Released:2006-11-01)
参考文献数
20
被引用文献数
7 9

バイオマスからの水素製造システムを確立するために,Ni系水蒸気改質触媒を用いた流動床反応装置によりりんご搾りかすの高温水蒸気改質を行った。Ni系触媒はりんご搾りかすと水との反応を促進して水素を生成した。反応物と生成ガスの物質収支および原料の熱分析結果より,高温水蒸気改質反応において,Ni触媒ではりんご搾りかすの分解が先行し,その後分解生成した析出炭素が水と反応すると考えられた。析出炭素と水蒸気との反応を促進すると考えられるカリウムやカルシウム化合物をNi触媒に添加すると,りんご搾りかすの水蒸気改質におけるガス化率は顕著に向上するが,このような事実は上の考えと合致する。バイオマス水蒸気改質による高性能水素製造システムの開発にとって,析出炭素と水蒸気との反応を促進することが有効な方策になり得る。
著者
吉川 一紀 津村 裕昭 黒目 学 迫本 実 田中屋 真智子 植松 周二 高橋 浩一 山本 剛壮 三上 素子 横崎 宏 田中 義淳
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.8, pp.969-972, 1999-08-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
9
被引用文献数
1

47歳男性が下血のため入院し,下部消化管内視鏡検査にてBauhin弁より口側6cmにある回腸憩室からの消化管出血と診断された.開腹による回盲部切除では同部位の憩室に魚骨の刺入がみられ,病理学的には刺創周囲に化膿性炎症と血管破綻像をともなう真性憩室であった.大変まれな魚骨による回腸末端の真性憩室からの消化管出血と診断され,若干の文献的考察を加えて報告する.