著者
吉田 真美 高橋 恵美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.358-361, 2008-10-20
参考文献数
14

世界の料理書を資料として,豆を使用した料理を検索し,その内容から各国の豆料理の豆の種類,調理法,調味法,完成料理の種類などを精査した。世界には,国民1人当たりに日本よりも多量の豆類が供給される国が多く存在し,それぞれの国に伝統的な特徴のある豆料理が存在し,食文化の一端を担っていた。その中から,インド,トルコ,メキシコ,ヨーロッパ(イタリアとフランス)を選択し,豆料理の特徴について記し,その特徴をもったレシピを紹介した。
著者
高橋 賢司 稲葉 忠興 守中 正
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.399-404, 1985-10-25
被引用文献数
3

インゲンマメ(<i>Phaseolus vulgaris</i>)の初生葉にインゲンマメ炭そ病菌(<i>Colletotrichum lindemuthianum</i>)を一次接種し,その後展開した第1複葉にインゲンマメさび病菌(<i>Uromyces appendiculatus</i>)を二次接種すると,さび病菌の夏胞子層の形成数の減少,夏胞子層の形成遅延・成熟遅延,夏胞子層および夏胞子層周囲の黄化部の大きさの縮小が生じた。これらの抑制効果が現われるためには,炭そ病菌の分生胞子5.0×10<sup>4</sup>個/ml以上の濃度が必要であった。一対の初生葉の1枚に炭そ病菌を一次接種し,他方の1枚にさび病菌を二次接種すると夏胞子層の形成数および形成速度・成熟速度には影響がなかったが,夏胞子層および夏胞子層周囲の黄化部の大きさを抑制した。これらの現象はインゲンマメ炭そ病菌の一次接種によって,インゲンマメさび病に対する全身的な抵抗性が誘導されたためと考えられる。
著者
高橋 征仁
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

「若者の政治的無関心」は、これまで戦後日本における私生活主義の産物として考えられてきた。しかし、こうした時代的観点だけでは、政治的関心の加齢効果という単純な発達的傾向をうまく説明することができない。そこで、本研究では、国際比較調査などを用いてよりグローバルな観点から、政治的関心をめぐる齢間分業の普遍性と多様性について検討を行った。その結果、①政治的関心の加齢効果、②政治的関心のモジュール性、③リスクと齢間分業の関係を明らかにした。
著者
藤岡 穣 淺湫 毅 稲本 泰生 加島 勝 高妻 洋成 高橋 照彦 村上 隆
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

国内の彫刻史、金工史、考古学、保存科学の研究者との連携、協力に加え、韓国国立博物館の研究グループとの共同研究という研究体制のもと、日本、韓国、中国、ベトナム、欧米等において、 半跏思惟像および関連の金銅仏について、 蛍光X線分析 100 余件、3 次元計測 11 件 、X線透過撮影 7 件の調査を実施した。その結果、青銅の成分については、日本製の金銅仏は止利派の作例を除けば多くは自然銅に僅かに錫を混ぜた青銅を用いており、南朝作例では錫分が特に多く、百済製とみられる作例でも錫分が多い傾向をしめすこと、華北の作例では錫と鉛が同程度に含まれるとの暫定的な見解を得ることができた。また、技法面では、従来、鬆(青銅の凝固時に内部に残る気泡)が多いのは韓半島もしくは中国製とみられていたが、鬆の多寡は必ずしも製作地に関わらないこと、韓半島や中国の作例では細部の造形も基本的には鋳型の段階で表現しているのに対して、日本の作例では鏨の使用が多いことなどが明らかになった。一方、 2009 年に南京において初めて南朝・梁代の金銅仏が出土し、 2010 年にはカンボジア南部で 2006 年に出土した梁代とみられる金銅仏が紹介されたが、その一部は山東や韓半島出土ないし伝来の金銅仏に近似しており、従来、文献から指摘されていた南朝と百済との交流、さらには山東を含む 3 地域間の交流が実作例によって裏付けられた。以上の科学的調査、南朝製金銅仏の発見等の結果、日本や韓国に伝来する金銅仏については製作地を再検討する必要があること、半跏思惟像についても南朝を含めた伝播のあり方を検討する必要があることが明らかとなった。
著者
高橋 健太郎 栗岡 裕子
雑誌
思春期学 = ADOLESCENTOLOGY (ISSN:0287637X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.398-403, 2004-09-25
被引用文献数
2
著者
高橋 宏佳 今井 克美 高山 留美子 美根 潤 大谷 早苗 池田 浩子 久保田 裕子 高橋 幸利 井上 有史 藤原 建樹
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.305-308, 2011-07-01

乳児期に発症した難治性のてんかんに対して緩和ケトン食が著効した1例を経験した. 生後8カ月からてんかん性スパズムが出現し, 一時ACTH療法にて発作は消失したが, 1歳1カ月時に部分発作で再発し, 2歳以後は部分発作とスパズムの複合発作となり, 種々の抗てんかん薬に抵抗性であった. 2歳6カ月時に絶食期間をおかず, カロリー制限・水分制限をせず, MCTオイルを使用した緩和ケトン食を開始し, 20日目に発作消失かつ脳波も著明改善した. 従来の古典的ケトン食を緩和した緩和ケトン食療法は副作用が少なく継続しやすいため, 難治性のてんかんにおいて試してみる価値のある治療法であり, わが国においても再評価されるべきである.
著者
田中 博道 高橋 隆子 富樫 浩之 上田 亨
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.11, pp.3322-3329, 1978-11-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
5 8

Starting from 1-β-D-ribofuranosyl-2-oxo-4-imidazoline-4-carboxylic acid (1), obtained from uridine, various 2, 5'-O-cycloimidazole nucleosides have been prepared. The 2-oxo function of 1 was also converted to the 2-chloro and 2-thione functions. Whereas the circular dichroism (CD) spectra of 1 and related 2-oxo derivatives exhibited negative bands, their 5-bromo derivatives showed positive bands. All 2, 5'-O-cycloimidazole nucleosides showed strong negative CD bands which were in contrast to the results in the 8, 5'-O-cyclopurine nucleosides. The relationship between the sign of the CD bands and the orientation of the base moieties in imidazole nucleosides was discussed.
著者
倉持 基 高橋 信一
出版者
中経出版
雑誌
歴史読本
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.190-199,12-13, 2013-07
著者
田中 創大 田儀 和浩 藤原 健 高橋 浩之 上坂 充 草野 譲一 中村 直樹 山本 昌志 菅原 浩一郎 田辺 英二
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

腫瘍追尾型X線がん治療に用いることを想定して、ビームの線量、位置と形状をリアルタイムに計測できるガス検出器とデータ処理システムを開発した。GlassGEMで電離した電子を増幅し、二次電子の電流を測定することで線量を、電子雪崩の際のシンチレーション光をCCDカメラでとらえることで位置と形状の情報をリアルタイムで統合的に取得可能なシステムを開発した。
著者
高橋 啓子 山内 博 益子 まり 山村 行夫
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.613-618, 1990-06-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
19
被引用文献数
3 7

We studied the role of S-adenosylmethionine (SAM) as a methyl group donor in the methylation of inorganic arsenic in mammalians.The SAM and S-adenosylhomocysteine (SAH) levels in the livers of untreated hamsters were 74.3±8.2 and 40.0±6.4nmol/g, respectively. The SAM level was 63.9±6.5nmol/g following oral administration of 1.5mg/kg of arsenic trioxide, which was 14% lower than the control level (t-test, p<0.05). This fall of the SAM level in the liver presumably derived from the SAM having acted as a methyl group donor.Oral administration of 1.5mg/kg of arsenic trioxide once only to hamsters pretreated intraperitoneally with 2.0mg/kg of SAM once only gave the following arsenic levels in the liver and urine. The dimethylated arsenic (DMA) levels in the livers of hamsters treated with SAM plus arsenic trioxide were significantly high, that is, 2 times as high as the control value at 6 hours, and 1.5 times as high as the control value at 24 hours after the administration of arsenic trioxide. The urinary DMA excretion rate in the hamsters treated with SAM plus arsenic trioxide during the first 24 hours after the administration was significantly higher, that is, higher by 36%, than the control value. The urinary DMA excretion rate following pretreatment with SAM was not dose-dependent. Pretreatment with methionine failed to exert any significant acceleratory effect on the methylation of arsenic trioxide.The decreasing pattern of the SAM level in the liver following administration of arsenic trioxide and the DMA behavior in the liver and urine following administration of SAM and arsenic trioxide revealed that SAM accelerated the methylation of inorganic arsenic. In other words, it appeared that SAM could be a very potent methyl group donor to inorganic arsenic.
著者
岡田 一義 今田 聰雄 海津 嘉蔵 川西 秀樹 菅原 剛太郎 鈴木 正司 石川 勲 佐中 孜 奈倉 勇爾 松本 紘一 高橋 進
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1315-1326, 2003-08-28
被引用文献数
5 7

本邦では, 透析患者の終末期において, 血液透析 (HD) が安定して施行できている患者の自己決定を尊重し, HDを中止することについての生命倫理学的研究は殆どない. 今回, われわれは, 透析医 (552名) を対象として, 安定したHDを受けている悪性腫瘍終末期症例を提示し, いくつかのシナリオに対して, HDを中止するか, 継続するかの意識調査と, advance directives (AD), 尊厳死, 尊厳生についてどのように考えているかの意識調査を全国的規模で行った.<br>434名 (78.6%) から回答が得られたが, 有効回答は427名 (77.4%) であった. ADおよび尊厳死が法的に認められていない現状において, ADの有無で比較すると, (1) 家族がHD中止を申し出た場合, (2) 家族がHD継続を申し出た場合とも, ADがあるとHDを中止する回答は有意に増加した ((1) 48.0%→78.9%, (2) 0.2%→2.6%). さらに延命療法を中止しても法的責任は問われないと仮定すると, ADがあるとさらにHDを中止する回答は増加した ((1) 90.9%, (2) 11.9%). ADと尊厳死を必要であると回答した透析医はそれぞれ74.0%, 83.1%であったが, 法制化も必要と回答した透析医は56.4%, 63.7%に減少した. 尊厳死と尊厳生の比較では, 尊厳生を支持する透析医は, 尊厳死を支持する透析医よりも多かった (47.1%, 15.9%).<br>今回の結果は, 現状でも, 透析医および家族が患者の自己決定を尊重すると, ADによる尊厳死が行われる可能性があることを示唆し, 多くの透析医がADや尊厳死を必要と考えている. 一方, 尊厳生は人間にとって非常に大切なことであり, 尊厳死よりもこの言葉を支持する透析医が多かったと考える. すべての国民は個人として生きる権利を認められており, 本邦では, 終末期にも自分が考える尊厳ある生き方を貫くということから始め, 家族および社会が納得する範囲で, 先ず尊厳生によるADが自己決定のために重要であると認識させる努力をすべきである.