著者
山上 明子 岩佐 真弓 井上 賢治 若倉 雅登 龍井 苑子 石川 均 高橋 浩一
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.162-171, 2021-06-25 (Released:2021-06-22)
参考文献数
23
被引用文献数
2

脳脊髄液減少症と診断された28例(男性13例,女性15例)の自覚症状,眼所見,調節力を検討した.また視力・視野障害のない症例に輸液治療施行前後で近見時瞳孔反応と調節をTriIRISとARK-1を用い測定し比較検討した. 眼科的な自覚症状は眼痛71.4%,ピントが合わない60.7%,単眼複視42.9%,両眼複視35.7%,視力低下 28.5%,羞明25.0%,視野異常7.1%であった. 視力低下例では眼内に異常所見がなく,視野異常例では半数で求心性視野狭窄を呈した.調節力は75.0%で年齢に比し低下傾向を示した.輸液治療施行前のTriIRISを用いた検査では輻湊時の視標への追従が悪い,瞬目が多いなど近見視に伴う輻湊や縮瞳にノイズが多かったが,輸液治療後は全例見え方の改善を自覚し,一部の症例でTriIRISでの輻湊時視標への追従の改善,瞬目の減少がみられたが,ARK-1の結果では調節微動および瞳孔径に差がなかった.脳脊髄液減少症に対する輸液治療後の見え方の改善は輻湊系の機能の改善を示唆している可能性がある.

2 0 0 0 OA ヘムの分析

著者
高橋 重一 増田 建
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.327-337, 2009-03-31

光合成においてヘムは,光化学系のシトクロムや活性酸素消去系のカタラーゼなどのヘムタンパク質の補欠分子族として,酸化還元や電子伝達に機能している.本章では植物組織からのヘムの抽出・分析方法について紹介する.
著者
高橋 健二 坂井 義春
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.10-15, 1982-05-26 (Released:2009-12-17)
参考文献数
6
被引用文献数
1

ミカン園の雑草対策として除草剤を散布した場合, 園内に生息しているミミズが死滅する現象がしばしば発生し, 各地で問題になっているので, その原因を究明するとともに改善策について検討した。1) 数種の除草剤をミミズ (セグロミミズ) に直接散布した場合, パラコートでは害作用は全く認められなかったが, DCPA・NAC剤は散布後短時間でミミズを死亡させ, グリホサート, ブロマシルとターバシル・DCMU剤も同様な作用がみられた。土壌中のミミズに対して地表面から除草剤を散布すると, DCPA・NAC剤は約半数のミミズを死亡させたが, 他の除草剤ではミミズに対する害作用は全く認められなかった。2) 除草剤を散布する時に希釈水に加用する展着剤をミミズに直接散布すると, SWK, ASP-30, Yでは殺ミミズ作用は顕著に現われ, 散布後短時間のうちにミミズは死亡した。土壌中のミミズに地表面からこれらの展着剤を散布した場合には, 殺ミミズ作用は認められなかったが, ミミズが地表面に這い出す現象がみられ, その程度は展着剤の主成分の濃度に比例することが判明した。地表面に這い出したミミズは約半日ぐらいで地中に潜り, 正常な活動に戻るのが認められた。3) 以上のような諸結果から, 除草剤の散布園とその周辺で大量のミミズが斃死するといった現象は, 除草剤に加用する展着剤の刺激を受けたミミズが地表面に這い出し, 逃避の過程で日陰の少ない排水路などに集積して, 陽光下で表皮の過乾燥と脱水症状を起こして死亡することに原因があると推測される。なお, 展着剤のミミズに与える刺激は雨天時で小さく, 晴天時に大きく, とくに土壌が湿潤状態にある場合に顕著であった。4) AT-BIはミミズに対する害作用が全くみられなかった。この展着剤を除草剤に加用した場合の殺草効果は他の展着剤と同等であったので, 今後は除草剤にはこのような特性をもつ展着剤の加用が望ましいと考える。
著者
高橋 浩一郎
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.66-74, 2022 (Released:2022-12-20)

初期『おかあさんといっしょ』には、飯沢匡や川本喜八郎など、外部クリエーターが多数関わっていたことが分かっているが、映像がほぼ残っていないため明らかになっていないことが多い。今回、1962~1966年に週1回番組内で放送されていた「こんな絵もらった」(脚本・筒井敬介、作画・堀内誠一)の台本と原画写真が遺族の元に保管されていることがわかった。それらの資料を基にして、これまで十分にわかっていなかった番組の演出、内容、制作状況、外部クリエーターのかかわりなどを明らかにした。また、番組は放送外の展開を見せるが、その展開を通し、他メディアと比較してテレビが持つ特性の可能性と限界について考察した。
著者
高橋 真 関川 清一 濱田 泰伸
出版者
公益社団法人 広島県理学療法士会
雑誌
理学療法の臨床と研究 (ISSN:1880070X)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.23-30, 2017-03-31 (Released:2018-02-16)
被引用文献数
2

健康寿命の延伸に(有酸素)運動の効果が期待される昨今では、安全で適切な運動を実施、 指導する場面は内部障害患者などに留まらず、障害のおそれのある人々も含めて、対象は幅広い。そのため、多くの理学療法士にとって、運動時の循環応答とその調節機序に関する基礎的知識・ 理論の理解・応用が求められると考えられる。運動時には活動筋の酸素需要に応えるため、循環系は心拍出量を増大させ、血流の再配分を行い、より効率的に活動筋への血流を増加させる。本稿では、運動時の循環調節の基本的な事項を理解するため、まず、運動時の循環応答とその調節機序について、次いで自律神経性循環調節機構について概説する。
著者
高橋 克壽
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 = THE SHIRIN or the JOURNAL OF HISTORY (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.259-294, 1988-03-01

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著者
高橋 正明 高山 英樹 山手 正彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.1-10, 1996-09-10 (Released:2017-07-25)
参考文献数
14

我が国の時刻表では、必要な情報をより得やすいものにすることと、新たな情報を収めるという相反する要求に対し、視覚伝達という視点から、様々なデザイン上の技術的回答が示された。ページ方式の採用と判型の定型化は、限られたスペースの中に情報を掲載するためのデザイン開発の誘因となった。ピクトグラムは、その代表的な例であり、我が国の時刻表では、限りある紙面の中で情報を速く分かりやすく伝達することを目的として早い時期から採用された。索引地図は、検索機能を優先した我が国独自の変形地図として、煩雑な文字情報だけでは得にくい細かな情報に、瞬時に到達させるという点において優れたデザイン上の工夫であった。また、視覚情報への置き換えが困難な文字による列車情報では、文字に微妙な変化を与えることによって見る情報としての要素が加えられた。この様に時刻表では、全体を通して「読む」から「見る」への一貫した提案が行われてきた。
著者
高橋 洋司 田澤 豊
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.25-40, 1991-05-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
20
著者
高本 亜希子 池中 良徳 杉本 真夕 岩野 まな美 福島 聡 一瀬 貴大 中山 翔太 高橋 圭介 加藤 恵介 石橋 弘志 石塚 真由美 有薗 幸司
出版者
Japanese Society of Food Chemistry
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.17-27, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
25
被引用文献数
1

In this study, we determined the concentration of seven neonicotinoid insecticides and 13 of their metabolites in 46 bottled greentea beverages, and estimated the daily intake of neonicotinoids in adults and children from these drinks. Liquid chromatography coupled with electrospray ionization tandem mass spectrometry (LC–ESI/MS/MS) analysis revealed that six neonicotinoids and two metabolites were detected in bottled green-tea beverages, and the 50th percentile concentration indicated dinotefuran > thiacloprid > clothianidin > imidacloprid > thiamethoxam > acetamiprid > N-desmethyl-acetamiprid > thiacloprid-amide. The concentration and composition profile of neonicotinoids in bottled green-tea beverages were different between brands; however, no significant differences were observed among manufacturing sites. The concentration of acetamiprid in bottled green-tea beverages was significantly correlated with that of N-desmethyl-acetamiprid. A significant relationship between concentrations of thiamethoxam and clothianidin in bottled green-tea beverages was also observed, suggesting those neonicotinoids are metabolized during the tea leaves cultivation period. The daily intake for neonicotinoids in both adults and children from consumption of bottled green-tea beverages was < 2.1% when compared with the acceptable daily intake (ADI) of neonicotinoids.
著者
櫻井 博紀 戸田 真弓 戸田 南帆 高橋 吾朗 酒向 慎貴 久野 祐功 渡邉 茂樹 佐藤 純
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.37-43, 2022-07-30 (Released:2022-09-03)
参考文献数
21

高気圧環境によるストレス軽減効果を調査するため,被験者(成人男女16名)を微高気圧(大気圧+10 hPa)と空気質(酸素,二酸化炭素濃度)を調整した空間に短期暴露し,精神気分尺度と自律神経系に与える影響について検討した.微高気圧暴露は,「微高気圧」と,空気質も変化させた「微高気圧+酸素付加」,「微高気圧+酸素付加+二酸化炭素抑制」の3条件で行った.測定項目は,不安・抑うつ尺度および気分尺度と,自律神経指標として血圧,心拍数,心拍間隔変動周波数を取得した.微高気圧暴露単独は,気分尺度,抑うつ尺度を改善させ,暴露中に副交感神経活動が賦活された.さらに,空気質を調整することで,微高気圧暴露単独の場合よりもストレス軽減効果および不安・抑うつ尺度の抑制効果が大きかった.これらから,微高気圧に加えて空気質を調整することで,ストレス緩和効果がより強く得られることが明らかになった.
著者
高橋 芳樹 鎌滝 哲也
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.288-296, 2001-06-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
22
被引用文献数
1
著者
川添 康司 高橋 由雅
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第24回情報化学討論会
巻号頁・発行日
pp.J17, 2001 (Released:2001-10-24)
参考文献数
3

We have investigated the audification of molecular information. The musical note information consists of a tone, a velocity and a type of a musical note. The sequence of this musical note information forms a musical score. In the present work, we have developed a computer program for the audification of gene. The DNA nucleotide sequence of a gene was employed for the audification. The program assigns the musical note information to each nucleotide using the transformation algorithm and then outputs the MIDI sequence as the musical score for a MIDI device. Several transformation algorithms were investigated as follows: (1) the simple mapping method that assigns notes to the DNA bases. (2) The unique mapping method that assigns the note information with the base usage on the sequence. (3) The musical-theory-based mapping method that is based on the musical theory to get a better musical score. For the third method, mapping the chord to the codon to form the bass line was employed too. It was observed that it is possible to get some advanced transformation from the DNA sequence to the musical score using the information derived from the base array.
著者
高橋 淳二 板東 央晃 ロペズ ギヨーム
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.541-548, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
19

This paper discusses quantification method of proficiency of sport skill with Iaido as a subject. Iaido is a modern Japanese martial art using a Japanese sword. A player executes a sequence of actions: drawing the sword from scabbard, cutting a virtual opponent, removing blood from the blade, and sheathing the sword. We measured motions of athlete playing the Iaido by motion capture system, then analyzed motion trajectory to predict the skill level as a score. The predicted scores were compared with the professional rating scores to evaluate the validity of the subjective assessment of professional. The comparing result shows the validity and fairness of subjective assessment of professional. Also, the results shows the validity of our proposed rating algorithm.