著者
高田 明子 佐藤 久夫
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.94-107, 2012

地域で生活する視覚障害者の社会参加の促進を目的に,ある地方都市の視覚障害による身体障害者手帳取得全数(201人)に郵送アンケート調査を実施した(有効回答49.3%).結果は,視覚障害の程度にかかわらず「危険な外出」状況が70.4%あり,33.7%は転倒・衝突によるけがを経験していた.「閉じこもり」者は42.4%であり,年間を通してほとんど外出していない者が21.2%いた.「閉じこもり」には障害等級,移動能力,外出形態が強く関連していた.多くの視覚障害者は「危険な外出」を繰り返し,視機能が重度に低下した場合「閉じこもり」生活へと移行していた.「閉じこもり」者の59.5%は精神的健康が低かった.視覚障害者の8割は中途視覚障害であったが,福祉サービスの対象になることは少なくそのニーズは潜在していた.家族介助も安全な外出への促進因子というわけではなかった.地域における視覚障害者への外出支援の必要性が示唆された.
著者
竹野 真帆 計良 桃子 塩澤 可菜 高田 明典
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.18, pp.1-6, 2012-03-19

今日では,MMORPGに代表されるようなオンラインゲームが広くプレイされるようになっている.しかし,若年者がオンラインゲームを利用する際の問題は広く議論されているものの,有効な解決策は見出されていない.本研究の主たる目的は,若年者(特に小学生)のオンラインゲームの利用の実態を知ることにある.そのため本研究ではオンラインゲーム「アメーバピグ」での小学生の利用がどの程度あるかを調べ,また,そのゲーム中で小学生プレイヤーにインタビューを行なって,実態の把握の第一段階とした.おおまかではあるが小学生の利用実態の概要を示しつつ,さらなる問題に関して考察を加えた.Online games such as MMORPG are popularly played nowadays. Although the issues about the use of online games in young people are broadly argued, we do not have effective solution to these problems. The main purpose of this researh was to know the real circumstances about the use of online game in young players, especially in elementary school students. We have collected data about elementary school students playing online game "Ameba pigg" by means of a method of half structualized interviews. We also investigated the ratio of elementary school students in the game. A general view of the students in the game was roughly presented and furthur issues were discussed.
著者
竹野 真帆 高田 明典
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-6, 2013-03-08

筆者らは,これまで,MMORPG やアメーバピグの調査・分析を通して,若年層プレイヤーの実態把握に務めてきた.しかしながら,コンテンツ側の検討のみでは,その利用実態の把握が十分ではないことから,本研究においては,中学生 3000 人程度に対してアンケート調査を実施し,当該層におけるネットコミュニケーションの現状把握を試みた.アンケートへの回答には,トラブルに実際あったというものも存在しており,どのような属性を持った利用がトラブルに遭遇しているのか等のケース別の検討を,併せて行なった.We have tried to grasp real circumstances about young players' use of online games by surveying and analyzing MMORPG and Ameba-pigg. Analyzing method we have used was only for narrative structure of the contents, therefore we could have understood the partial aspect of the users actual circumstances. The main purpose of this research was to know the real circumstances about the use of online communication tools in young players, especially in junior high school students. For this purpose we surveyed more than three thousands junior high-school students. There were some students who had experienced troubles in the Internet, also we tried to determine the aspect of troubled students.
著者
竹野 真帆 高田 明典
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2761-2771, 2009-12-15

コンピュータゲームやアニメーションや映画などの娯楽制作物は,今日では,私たちの生活に深く影響を及ぼしている.私たちはそれらをプレイもしくは視聴することによって価値観を形成し,その価値観とともに生きている.娯楽に関する分析的研究の主たる目的とは,したがって,それによってどのような価値観が,どのようにして形成されるかを知ることにあるといえる.ゲーム研究や物語論の分野において作品の分析手法に関しての多くの議論が行われてきたが,実際にコンピュータゲームの分析に適用可能な手法が提示されている報告は少ない.一方で,物語構造分析の分野には,多くの手法の蓄積が存在している.本研究の目的は,それらの物語構造分析の手法をコンピュータゲームの分析に適用しうる手順を模索することにある.Barthesによって用いられた標準的な構造分析の手順を検討し,そこで用いられている手法に若干の変更を加えた手法を提案している.さらに,RPG “テイルズウィーバー” の分析例を示し,そこで抽出された訴求構造について検討を加えている.
著者
中村 善行 高田 明子 藏之内 利和 増田 亮一 片山 健二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.62-69, 2014-02-15 (Released:2014-03-18)
参考文献数
24
被引用文献数
4 6

糊化温度が通常のサツマイモ品種・系統より著しく低いデンプンを含有する品種「クイックスイート」における加熱に伴うマルトース生成の機序を通常のサツマイモ品種「ベニアズマ」と比較検討した.50°Cから100°Cまで10°C毎に変えた温度で加熱した塊根から組織液を採取し,その糖度ならびにマルトースおよびスクロース含量を測定するとともに,同じ塊根から調製した粗酵素液の β-アミラーゼ活性を可溶性デンプンを基質として定量した.また,塊根組織細胞内のデンプン粒の形態を走査型電子顕微鏡で観察し,糊化度を β-アミラーゼ-プルラナーゼ法で調べた.「クイックスイート」では β-アミラーゼが高い活性を示す60°Cから塊根細胞内のデンプンが糊化した.また,デンプンが完全に糊化する80°Cにおいても β-アミラーゼの活性は維持されていた.他方,「ベニアズマ」では加熱温度が80°C以上からデンプン糊化が確認されたが,この温度域では β-アミラーゼ活性は大きく低下していた.両品種の β-アミラーゼに対する温度の直接的影響はほぼ同じであったことから,80°Cで加熱された「クイックスイート」塊根で β-アミラーゼ活性が未加熱塊根なみに維持されたことは当品種のデンプンが温度の低い加熱早期から糊化することと密接に関連すると推察される.すなわち,「クイックスイート」では「ベニアズマ」に比べ,より低い温度約60°Cから80°Cを超える高温に至るまでの広い温度域でマルトース生成が持続するため,「ベニアズマ」より糖度が高くなると考えられた.
著者
高田 明 荻島 央江
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.275, pp.78-82, 2007-08

自ら通販番組に出演し司会を務め、年間1000億円を稼ぎ出すジャパネットたかたの高田社長。"通販業界のカリスマ"のセールストークは、なぜ顧客の心をつかめるのか。本人のインタビューとともに、高田流「伝える力」の秘密を解剖する。※ ※ ※テレビで商品説明するときですか? 全く緊張しません。
著者
竹野 真帆 大槻 一彦 高田 明典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.79, pp.1-6, 2014-03-06

過去,主として民俗学や社会学・哲学などの分野において,多くの研究者が神話・祝祭・遊戯・舞踊などなどの文化現象の意味を見出そうとして研究してきた.今日においては,コンピューターゲームのような新しいタイプの遊興物が,新たな文化現象を形成しつつあると言える.しかしながら,一方で,かつて隆盛を極めた当該分野の文化現象にまつわる研究状況とは異なり,学術的にコンピューターゲームを研究している研究者は多くない.そのような状況は,文化研究にとって好ましいものではない.その理由としては,この分野で用いられる分析手法によって実利的な研究を構成することが必ずしも簡単ではないことがあげられる.その状況を改善するために,マーケティング調査などにおいても利用可能な,訴求力を分析するための訴求構造分析の手法を構築し提案することを本研究の主たる目的とした.その目的に沿って,ヒットしたゲームの要素を項目化し,数量化 III 類列の分析を施すことによって,その訴求構造の抽出例を示した.There have been various studies to know meanings of cultural phenomena. Tn old days, many researchers mainly in the area of folklore, sociology and/or philosophy have studied cultural phenomena such as myth and legend, folk tales, festivals, playing, dances, and so on. Nowadays people have seen new types of cultural phenomena like computer games, but researchers in this research area are not so many as compared to old days and these situations are not desirable for academic research and studies of cultural phenomena. There exist difficulties to construct practical research, and that is the reason why many researchers have not engaged in this research area. Therefore main aim of this paper was to construct a method to analyze appealing structure of computer games that can be utilized in marketing research. To accomplish this aim we categorize factors of top seller games and used Quantamanized Theory III, and then we analyzed an appealing structure of those games.
著者
弘中 和憲 石橋 憲一 小疇 浩 小林 祥則 森 元幸 津田 昌吾 高田 明子
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.9-14, 2005-01-31

3品種の国産加工用ジャガイモを5および12℃で90日間貯蔵し、インベルターゼ、スクロース-6-リン酸シンターゼ(SPS)およびUDP-グルコースピロホスホリラーゼ(UGPase)活性を測定した。この研究の目的は、それらの3酵素に及ぼす貯蔵温度の影響の検討である。5℃貯蔵のジャガイモは12℃に比べ多くの還元糖を蓄積した。さらに、低温(5℃)はインベルターゼおよびSPSは活性を増加させた。これらのことより、加工用ジャガイモの低温における還元糖増加に、この2つの酵素は重要な役割をになっているものと推察された。
著者
三原 芳秋 松嶋 健 花田 里欧子 岡本 雅史 高田 明 太田 貴大 鵜戸 聡 比嘉 理麻 高梨 克也 中川 奈津子 中谷 和人 アンドレア デアントーニ 赤嶺 宏介 川上 夏林
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

「(人間)主体」の諸機能=学科を軸に制度化されてきた人文学を「生きている存在」一般の学として再編成する(=「生態学的転回」)ために、多様な専門の若手研究者が集い、「共同フィールドワーク」や芸術制作・コミュニティ運動の〈現場〉とのダイアロジカルな共同作業を通して従来型ではない「共同研究」の〈かたち〉を案出することが実践的に試みられ、その〈プロセス〉は確固たる端緒を開くに至った。また、環境・社会・精神のエコロジーを美的に統合する「エコゾフィー」的思考を共有する基盤となるべき「新たな〈一般教養〉」構築を文学理論の「生態学的転回」を軸に試みる企図も、国際的・学際的に一定の承認を得ることができた。
著者
高田 明典
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2009-EC-14, no.2, pp.1-4, 2009-08-14

コミックやアニメーション,コンピューターゲームやコマーシャルフィルムや映画などの娯楽制作物は,今日では,私たちの生活に深く影響を及ぼしている.私たちはそれらをプレイもしくは視聴することによって価値観を形成し,その価値観とともに生きている.娯楽に関する分析的研究の主たる目的とは,したがって,それによってどのような価値観が,どのようにして形成されるかを知ることにあると言える.本研究の目的は,それらの娯楽制作物の訴求構造を知るために,物語構造分析の手法を適用可能であるように精緻化することにある.コミック 『DEATH NOTE』,『CHANEL No.5』 のコマーシャルフィルム,RPG 『テイルズ・ウィーバー』 についての分析結果を提示し,それらの訴求構造に関して検討した.