著者
松浦 康之 高田 宗樹
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.2-11, 2016
被引用文献数
1

The use of stereoscopic images has been spreading rapidly. Nowadays, stereoscopic movies are nothing new to people. Stereoscopic systems date back to 280 A.D. when Euclid first recognized the concept of depth perception by humans. Despite the increase in the production of three-dimensional (3D) display products and many studies on stereoscopic vision, the effect of stereoscopic vision on the human body has been insufficiently understood. However, symptoms such as eye fatigue and 3D sickness have been the concerns when viewing 3D films for a prolonged period of time; therefore, it is important to consider the safety of viewing virtual 3D contents as a contribution to society. It is generally explained to the public that accommodation and convergence are mismatched during stereoscopic vision and that this is the main reason for the visual fatigue and visually induced motion sickness (VIMS) during 3D viewing. We have devised a method to simultaneously measure lens accommodation and convergence. We used this simultaneous measurement device to characterize 3D vision. Fixation distance was compared between accommodation and convergence during the viewing of 3D films with repeated measurements. Time courses of these fixation distances and their distributions were compared in subjects who viewed 2D and 3D video clips. The results indicated that after 90 s of continuously viewing 3D images, the accommodative power does not correspond to the distance of convergence. In this paper, remarks on methods to measure the severity of motion sickness induced by viewing 3D films are also given. From the epidemiological viewpoint, it is useful to obtain novel knowledge for reduction and/or prevention of VIMS. We should accumulate empirical data on motion sickness, which may contribute to the development of relevant fields in science and technology.
著者
奥山 徹 高田 光正 柴田 承二 保尊 正幸 川田 忠典 正木 久朗 野口 輝彦
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌 (ISSN:00374377)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.p147-152, 1987-06

Some Chinese herbal prescriptions employed for a syndrome expressed in oriental medical concept as chest paralysis (Kyohi) and heartache (Shintsu) are thought to be effective for angina pectoris. We investigated the effects of 5 Chinese medicinal prescriptions, Kuolon-Xiebai-Banxia Tang (Karo-gaihaku-hange-to), Guizhi-Shenjiang-Zhishi Tang (Keishi-shokyc-kijitsu-to), Jupi-Zhishi-Shenjiang Tang (Kippi-kijitsu-shokyo-to), Renshen Tang (Ninjin-to) and Guizhi-Renshen Tang (Keishi-ninjin-to) and 6 individual herbs contained in these prescriptions on a human platelet aggregation induced by 2 μM ADP. All the prescriptions mentioned above showed a strong inhibitory effect in the secondary wave aggregation, while Jupi-Zhishi-Shenjiang Tang and Guizhi-Renshen Tang gave less effect in the primary wave aggregation. Of these herbs, Shenjiang (Zingiberis Rhizoma), Ganjiang (Zingiberis Siccatum Rhizoma) and Renshen (Ginseng Radix) showed a strong inhibitory effect, while Jupi (Aurantii Nobilis Pericarpium) promoted the primary wave aggregation. Gancao (Glycyrrhizae Radix) and Baizhu (Atractyloides Rhizoma) showed no activity.
著者
高田 彰
出版者
筑波大学図書館課
雑誌
つくばね : 筑波大学図書館報 (ISSN:02850117)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.1-3, 1998-10-01

医学図書館は昭和53年に開館しているが、その設計の段階から日本で最も先進的な医学図書館をめざしていたものと推察される。例えばその特徴として、当時としては画期的な210平方メートルもの広い視聴覚室を設置すると共に ...
著者
高田 忠敬 内山 勝弘 安田 秀喜 長谷川 浩 里井 豊 国安 芳夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.627-631, 1985-05-20

はじめに 1935年Whippleら1)が乳頭部癌に対し,はじめて二期的膵頭十二指腸切除を行つた.しかし,当初胆管および膵断端の消化管への吻合はなされておらず,1943年Whipple2),Child3),Cattelら4)により胆管および膵断端と消化管の吻合を同時に行う一期的膵頭十二指腸切除術が考案された.これらの術式の特徴は,重篤な合併症としての膵腸吻合部や胆管空腸吻合部の縫合不全,逆行性胆管炎などの対策として,これらの吻合部に食物を通過させないようにしたことである.これに対し,1960年今永5)は縫合不全や胆管炎の発生と食物の通過経路とは関係がないとし,Braun吻合を付加しないCattel変法とも言われる再建法を報告した. 膵頭十二指腸切除後の再建法で長年問題となつていたのは,膵腸吻合部の縫合不全であることは言うまでもないが,再建法ならびに吻合法,素材の種々の工夫,膵管外瘻の付加,さらに高カロリー輸液法などの栄養管理が進み,縫合不全は以前に比べ激減してきており,実際われわれも最近3年間に施行した膵頭十二指腸切除57例では1例も経験していない.しかし,Fortnerら6)の提唱以来,積極的に郭清を行う拡大膵頭十二指腸切除の普及により,頑固な下痢の発生など消化吸収障害の問題が新たな合併症としてクローズアップされてきた7)こともあり,膵頭十二指腸切除についても術後の消化機能を温存する術式が望まれるようになつてきた.
著者
高田 昌慶
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.31-34, 2016 (Released:2018-04-07)
参考文献数
7

小学校 4 年生の「人の体のつくりと運動」で,腕を曲げ伸ばししたときの筋肉の様子を実験器で説明してきた。しかし、従前の実験器の筋肉部分はゴム製である。そのため,腕を曲げると上腕二頭筋相当部分が縮むように見えるが,元の形に戻るだけで体感的には力が抜け,上腕三頭筋相当部分が伸びて,体感的には元に戻ろうとする力を感じる。つまり,このモデルで児童が体感するイメージは、実際とは相反するもので,指導者としてフラストレーションを感じていた。そこで、腕の筋肉の収縮と弛緩に伴って腕が曲がったり伸びたりする様子を模式的に説明できる実験器を考案し,ケニスで商品化された。まず,筋肉チューブとして付属している非ゴム素材で「力が入って縮む・力が抜けて緩む」ことを体感させる。その上で腕モデルを曲げ伸ばしすることで,感覚的に「縮む・伸びる」とインプットされたイメージを,実感を伴って「縮む・緩む」と正しく再認識させることに効果があったと推察される。
著者
都築 夏樹 吉田 則裕 戸田 航史 山本 椋太 高田 広章
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.2_97-2_103, 2020-04-23 (Released:2020-05-20)

ソフトウェアのテスト手法の1つであるファジングでは,テストケースを自動で生成,実行し,テストを自動化できる.現在,カバレッジに基づくファジングツールの開発が盛んに行われており,後発ツールの方が優位であることを示すために,ツール同士の比較評価が行われている.しかし,ベンチマークが評価ごとに異なることが多く,評価に用いられたベンチマークとは別のベンチマークを適用した場合に同様の性能を示すか不明である.そこで,カバレッジに基づくファジングツールの評価に利用された実績がある3つのベンチマークに対して4つのツールを適用した.その結果,一部の例外があるものの,統計的には後発ツールが優れていることがわかった.
著者
川口 暁生 小名 国仁 合羽 輝彦 高田 倫行
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.3_119-3_124, 2008 (Released:2010-08-18)
参考文献数
10

CAEを利用した自動形状最適化システムと、品質工学におけるSN比の考え方を融合、ロバスト最適化手法を構築。これをディーゼル吸気ポートに適用、誤差因子として中子型ずれに着目し、このときのスワール安定性をSN比とした。GAによる多目的最適化の結果、流量・スワール・SN比の同時向上が可能であることが示された。
著者
春山 英幸 高田 知芋 近藤 三千男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.11, pp.1604-1606, 1986-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
10

The three-dimensional structure of rifamycin SV in solution was constructed by the combination of distance geometry and NMR spectroscopy. The dihedral angles derived from the analysis of the vicinal coupling constants and NOEs were used to restrict the possible conformations of the ansa chain moiety. The restricted spatial arrangements of the ansa chain and the naphthohydroquinone ring were demonstrated by the NOEs observed at H3 on irradiating 20-CH3, 24-CH3 and 26-CH3 group. Based on the above observation a set of the upper and the lower bounds of the interatomic distances was assigned and converted to the corresponding three-dimensional coordinates. Fig.3 shows the three-dimensional drawing of the resulting geometry, which is consistent with the observed NMR data as shown in Tables 1 and 2.
著者
高田 昌幸
出版者
一般社団法人 日本外科感染症学会
雑誌
日本外科感染症学会雑誌 (ISSN:13495755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.669-677, 2018-12-31 (Released:2019-04-20)
参考文献数
22

腎移植における周術期管理についてはいくつか気をつけなければならないことがあるが,以下の 3点はとくに注意が必要である。①免疫抑制療法下で行う手術である,②腎不全患者に対する手術である,③拒絶反応,である。免疫抑制剤を用いることで免疫機能が抑制されるため感染症には注意が必要である。一旦感染症が起こると重症化しやすく,拒絶反応を引き起こすこともあるため感染予防が大切である。ドナー,レシピエントとも術前に感染症のスクリーニング検査を行っておくこと,可能な限りワクチン接種を施行しておくことが有効である。腎不全患者は(とくに生体腎移植では)腎移植手術を受けた後,比較的早期から利尿がみられる。血圧などを中心とした全身管理や十分な補液で尿量を確保することが大切である。近年免疫抑制剤の進歩により急性拒絶反応は減った一方,免疫学的リスクの高い腎移植も行われるようになってきており拒絶反応は今でも腎移植手術の重要な課題の 1つである。周術期を無事乗り切ることが移植腎予後に大きく影響するため,免疫抑制療法下で不測の事態に対応できるように移植に特有な感染症や拒絶反応など合併症によく精通しておく必要がある。
著者
高田 兼則 谷中 美貴子 池田 達哉 石川 直幸
出版者
日本育種学会
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.41-48, 2008 (Released:2011-01-21)

日本の麺用小麦はオーストラリアからの輸入小麦銘柄(ASW)と比べて製麺適性が劣っている。西日本の小麦品種には高分子量グルテニンサブユニット(HMW-GS)がGlu-A1座の対立遺伝子がコードするサブユニットが欠失型(null)でGlu-B1座が7+8、Glu-D1座が2.2+12や2+12をもつ品種が多数を占める。そこで、これらの高分子量グルテニンサブユニットの小麦粉生地物性への影響を小麦品種「ふくさやか」を反復親として、8種類の準同質遺伝子系統を作出して分析した。Glu-D1座が2.2+12をコードする系統では、Glu-A1座が欠失型の場合、Glu-A1座がサブユニット1をコードする系統と比べて不溶性ポリマー含有率が有意に低く、小麦粉の生地物性も弱かった。とくに日本品種に多く見られるnull、7+8、2.2+12のサブユニット構成は最も弱い物性を示した。一方、Glu-D1座が2+12をコードする系統では、Glu-A1座のサブユニットの有無による不溶性ポリマータンパク質や生地物性への影響は小さかった。これらのことからGlu-A1座とGlu-D1座の対立遺伝子の組合せが、小麦の加工適性に大きく影響していることが明らかになった。これまでHMW-GS構成はSDS-PAGEを用いて判別するのが一般的であったが、サブユニット構成によってはGlu-A1座のサブユニットの判定が困難な場合がある。そこで、Glu-A1座のサブユニット1(Glu-A1a)、2(*)(Glu-A1b)およびnull(Glu-A1c)を判別するPCRマーカーを開発した。
著者
粕川 昌子 松浦 蔵人 梅沢 聡子 佐藤 由紀江 斉藤 亜希子 石井 梨奈 清水 めぐみ 大河 友佳 工藤 めぐみ 石田 枝里香 竹村 寛子 高田 裕文
出版者
筑波大学図書館課
雑誌
つくばね : 筑波大学図書館報 (ISSN:02850117)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.4-5, 2000-12-13

今年は9 月11日(月)~29日(金)の3 週間,\n図書館情報大学実習生12名が実習をしました。\n粕川 昌子\n 情報が氾濫している今,それらを収集し管理し\nていくことは思った以上に大変で,大切であると\n感じた。筑波大学の様に広く所蔵量の多い図書館\nでは,まぎれこんだ資料は簡単に探し出せない。\n ...
著者
津谷 和紀 小倉 加奈代 ビスタ ベッドバハドゥール 高田 豊雄
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.499-500, 2018-03-13

近年,スマートフォンの普及やPC端末の小型化が進み,電車など人目につく場所でログインをする機会が増え,それに伴い肩腰から入力中の認証情報を盗み見るショルダーハックと呼ばれる攻撃により認証情報が読み取られる危険性が増大している.この攻撃に対し,ユーザは複雑で,推測困難な認証情報を利用する対策が有効であるが,認証情報を忘れやすいという問題がある. 本稿では,ショルダーハックに耐性があり,ユーザの認証情報に対する想起性を有する類似画像を用いた認証手法を提案し,記憶保持性と安全性を評価する.
著者
藤本 隆弘 房前 浩二 岡本 昌規 高田 光代 藤原 宏美 岩田 昌太郎 合田 大輔
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.145-156, 2004-03-22

本校では1982年より「生涯体育に視点をおいた授業実践」に取り組んできた。「体育の学び方を学ばせ,体育・スポーツの生活化」を目指し,「自ら学び,自ら考え」,自己を成長させていく「自己教育力」の育成をねらいとして実践してきた。今回の授業では,サッカーを通して,個やチームの課題を明らかにし,課題を解決するために意欲的に思考し,工夫する授業に取り組んだ。攻撃戦術(壁パス,オーバーラップ,スルーパス,スイッチプレー)を学習し,ゲームを楽しむために「練習(2対1)-試合(4対4)-課題練習-試合(4対4)-課題練習-試合(8対8)」というプログラムを組んだ。4対4,8対8のゲームの中で相手を意識したプレーを課題として思考し,工夫し,技能を高め,また,攻撃に対しての防御の仕方についてもグループで考え,課題をみつけ,工夫し,学ぶことができた。個・チームが課題解決のために,意欲をもって思考したり,メンバーの特長を把握したり,戦術を考えることができた授業になったと思う。