著者
人見 泰正 鈴木 尚紀 辻 義弘 高田 博弥 山田 将寛 北村 悠樹 佐藤 暢
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.167-173, 2022 (Released:2022-03-28)
参考文献数
15

【目的】シャント狭窄部に駆血を行うことで血管拡張が得られる症例とそうでない症例で,治療成績や検査基準に違いがあるかどうかを検討した.【対象】対象は,非駆血時での狭窄部血管断面積が3.14 mm2(径で2.0×2.0 mm)以下で,エコー下VAIVTを実施した96例である.【方法】対象を,駆血で狭窄部血管径が拡張する血管拡張良好群と拡張しない血管拡張不良群に分類し,両群のVAIVT前での非駆血時狭窄部断面積,FV,RI,および治療での最高拡張圧,過去3年間のVAIVT回数などを統計学的に比較した.【結果・考察】血管拡張良好群の治療効果は血管拡張不良群よりも低い可能性が高く,血管拡張良好群の非駆血時の狭窄径は見かけ上の有意狭窄である可能性が示唆された.非駆血状態で狭窄部の径計測を行い,それのみをVAIVT介入の基準とした場合,過剰な治療介入が存在する可能性がある.治療適応を考査する際には,駆血したうえで狭窄部の径計測を行う必要がある.
著者
岐美 宗 高田 邦道
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.115-120, 1993-10-25 (Released:2019-09-01)
参考文献数
11

IN RECENT YEARS, THE PLOBLEM OF ON-STREET PARKING IN THE CBD OF TOKYO, INVOLVES MANY DIVERSE ASPECTS. THESE INCLUDE NOT ONLY THE PHENOMENON OF STREET UTILIZATION FOR CONVENIENCE OF BUSINESS OPERATIONS, BUT ALSO INCLUDE THE STYLE OF MULTI-PURPOSE UTILIZATION OF BUSINESS-OWNED PRIVATE MOTOR VEHICLES. THIS IS BECAUSE THERE IS A LACK OF PARKING LOTS AS WELL AS LACK OF LOADING / UNLOADING FACILITIES AT MANY ENTERPRISES. FURTHERMORE, THERE IS AN ABSOLUTE INSUFFICIENCY OF PUBLIC PARKING LOTS, MANAGEMENT AND OPERATION OF ON-STREET PARKING FACILITIES, ETC. FOR THIS, WE CONDUCTED A SURVEY OF ON-STREET PARKNG IN SOME REPRESENTATIVE PLACES TOGETHER WITH A SURVEY AT THE ENTERPRISES LOCATED THERE TO UNDRSTAND HOW THE BUSINESS-OWNED PRIVATE MOTOR VEHICLES ARE BEING UTILIZED THERE AND TO SOLVE THE PROBLEM OF ON-STREET PARKING.
著者
滝沢 茂男 高田 一 木村 哲彦 青木 信夫 牛澤 賢二 武藤 佳恭 牧田 光代 長澤 弘 遠藤 敏 増田 信次 川澄 正史
出版者
特定非営利活動法人 高齢市民が活躍するための社会技術研究会
雑誌
バイオフィリア (ISSN:21868433)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.114-118, 2015

目的:一つの器具により二つの目的すなわち,段差等のある家屋内で行う介護作業時に,取扱いが容易で自由な移動が可能な機器と高齢障害者が創動運動により介護から自立にすすめるためのリハビリテーション器具の双方の機能を利用でき,狭いスペースを有効に利用できる車輪移動式のリフトの開発を目的とした。段差が利用の障害になる使用環境に於いて,車輪移動式のリフトの実用性は低かった。対象:この欠点を補い,機能の高い器具を提供する為に,創動運動兼用リフト装置の部品研究:①滑動安定板(そり)を備え,移動用のキャスターを取付けた脚部,②昇降ガイド部(機器収納部,運転牽引アーム,昇降部,昇降駆動部,昇降駆動制御部からなる),③上肢訓練用部品懸架装置取付装置,④上肢訓練用部品懸架装置,⑤運転牽引アーム,⑥ブレーキ装置,⑦パワーアシスト機構と,完成した場合の利用意識調査を研究した。方法:部品を試作し,神奈川県産業技術総合研究所において,ソリはたわみ試験,脚部は段差乗り上げ試験,前輪段差乗り上げ繰り返し走行試験,負過重試験を行った。開発後の普及可能性調査のため,大都市圏である東京都,大阪府,京都府,愛知県と一部三重県の合計2000箇所の介護老人保健施設,訪問看護ステーション,特別養護老人ホーム,療養型病床群を持つ病院に対しアンケート調査,機器展示会における聞き取り調査を実施した。結果:現在使用中の部品強度による安全性を確認し,開発可能性を明確にした。特に,脚部構造物中央に70Kgの過重,引っ張り力245Nで繰返し試験を行った。ソリ及び構造物は壊れず,たわみ試験では,ステンレスソリ検査の結果,ブレーキに使用できる可能性を確認した。アンケート回答で,新しい考え方や方法に対して意欲的な姿勢を認めた。タキザワ式・ソリ付き歩行器の双方に関し,認知度は低いが関心は高かった。考察:商品化の可能性・重要性が確認できた。普及には,諸外国と同様な利用に関する法整備の必要性が明確になった。
著者
高井 英司 青柳 隆大 市川 敬太 松浦 康之 木下 史也 高田 宗樹
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.20012, 2022 (Released:2022-03-18)
参考文献数
23
被引用文献数
2

Objectives: Olfactory stimulation elicits various physiological responses. However, few reports exist on the changes in gastric motility during olfactory stimulation in humans. In this regard, we carried out electrogastrography (EGG) to non-invasively measure the gastric myoelectrical activity, which regulates gastric motility. Moreover, subjective sensory evaluation was performed to determine which characteristics of vanilla odor at two different concentrations affect the myoelectrical activity.Methods: The participants consisted of eight healthy young males. EGG and electrocardiography (ECG) recordings were obtained approximately 20 min prior to and during olfactory stimulation. Autonomic nervous system activity was evaluated in terms of heart rate variability (HRV) and mean heart rate (HR) from ECG signals. EGG signals were analyzed by spectral analysis. In addition, the translation error was estimated by the Wayland algorithm. Sensory evaluation was performed using the Visual Analog Scale (VAS).Results: There were no significant differences in HRV and HR values and results of spectral analyses of EGG signals in all sample presentations. The translation error of EGG signals and the rating of perceived odor intensity significantly increased in a concentration-dependent manner. There was a strong positive correlation between translation error and odor intensity.Conclusions: The correlation found between translation error and odor intensity suggests that the higher the vanilla odor intensity was perceived, the greater the randomness of EGG signals was. Our results suggest that the application of the Wayland algorithm to EGG signals can be used as an objective indicator in odor evaluation.
著者
中室 克彦 奥野 智史 高田 聡子 田口 寛 井上 知明 上田 彬博 福永 勲 加賀城 直哉 服部 幸和 厚井 弘志
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.177-181, 2006 (Released:2010-01-09)
参考文献数
14
被引用文献数
9 6

This study was carried out to clarify the influence of sewage effluent on the temperature of urban river water. This investigation focused on the river basin of the Yodo River. The annual mean water temperature of the river depended on the annual mean atmospheric temperatures at all monitoring points except the Katsura River (Miyamaebashi) located on the lower reaches of a large-scale sewage treatment plant. The annual mean water temperature of Katsura River (Miyamaebashi) was significantly higher than the annual mean atmospheric temperature and increased by approximately 1.2°C within the period from 1972 to 2001. The increase in the water temperature of the Katsura River (Miyamaebashi) was attributable almost entirely to effluent from the sewage treatment plant. Because the temperature of the effluent from the sewage treatment plant was higher than the river water temperature before the inflow of the effluent, Katsura River water warmed significantly following the inflow of the sewage effluent. Katsura River water temperature after the inflow of sewage effluent increased considerably within the period from 1970 to 2003. The influence of sewage effluent was remarkable in winter in comparison with summer. These results suggest that effluent from sewage treatment plants is one of the factors causing the increase in river water temperature.
著者
広田 佐栄子 清水 雅史 久保田 智之 内田 伸恵 平塚 純一 高田 康弘 宮脇 大輔 辻野 佳世子 金岡 徳芳 泉山 一隆 祖父江 慶太郎
出版者
一般社団法人 日本放射線腫瘍学会
雑誌
The Journal of JASTRO (ISSN:10409564)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.109-116, 2007-06-25 (Released:2007-08-31)
参考文献数
19

【目的】乳癌の胸壁または残存乳腺に対する放射線治療後の肺有害事象とアレルギー素因との関連性を探る. 【対象と方法】当院および協力医療機関 8 施設において, 1980年12月から2005年10月までの間の任意の期間において連続して乳癌の胸壁または残存乳腺に対する放射線治療を施行した1,173症例1,177乳房を解析対象とした. アレルギー素因としては, 喘息, アレルギー性鼻炎, アトピー性皮膚炎, 接触性皮膚炎, 食物または薬剤過敏の履歴があることを定義とした(全症例のうち111例が有素因例). この111例のうち, 6 カ月以上経過観察できたか, それまでに肺有害事象を惹起した症例は85例であり, これをA群(アレルギー素因例)とした. また, 当院の症例でアレルギー素因の有無にかかわらず, 6 カ月以上経過が観察できたか, それまでに肺有害事象を惹起した症例は113例であったが, これをB群(アレルギー素因を問わない群)とし, B群のうち, アレルギー素因のないもの92例をC群(非アレルギー素因群)とした. 【結果】NCI-CTCAE(v.3.0)のGrade 3 以上の肺有害事象を呈したのはA群8.2%(7 例), B群2.7%(3 例), C群1.1%(1 例)であり, A群とC群の間に有意差を認めた(p = 0.0293). A群の 7 例のうちclassical pneumonitis(炎症が照射野内にほぼ一致するもの)が 3 例で, sporadic pneumonitis(炎症が照射野外にも広がるもの)は 4 例であった. 当院において, 組織学的に確認されたsporadic pneumonitisであるところの特発性器質化肺炎(COP)の 1 例と慢性好酸球性肺炎(CEP)の 1 例を経験したが, どちらもアレルギー素因を有していた. これらの詳細な臨床経過は本文内に記載した. 【結語】アレルギー素因を有することは, 乳癌の胸壁または残存乳腺に対する放射線治療後の肺有害事象の危険因子のひとつである可能性が示唆された.
著者
高田 敦之 太田 和宏 北浦 健生 北 宜裕
出版者
神奈川県農業技術センター
雑誌
神奈川県農業技術センター研究報告 = Bulletin of the Kanagawa Agricultural Technology Center (ISSN:18813305)
巻号頁・発行日
no.157, pp.7-16, 2014-03

冬季温暖な神奈川県三浦半島地域において,寒玉系キャベツをその端境期である4~5月に生産するための品種及び栽培技術について検討し,晩抽性寒玉系新品種を用いた夏まき4月どり作型と秋まき5月どり作型の組み合わせにより,安定生産が可能なことを明らかにした。夏まき4月どり作型では,晩抽性で耐裂球性の高い中晩生~晩生品種を用い,8月下旬播種,9月下旬~10月上旬定植により3月に収穫期に達した個体を在圃させることで,4月上旬~中旬に収穫できた。この場合,在圃期間中にも肥大が進むため,畝間密植(栽植密度7,047株10a-1)しても大玉(2L~3L)になり,多収となった。一方,秋まき5月どり作型では,晩抽性で肥大性に優れる早生~中早生品種を10月上旬~中旬播種することにより,4月中旬~5月下旬にかけて連続収穫できた。本作型では,疎植(栽植密度4,761株10a-1)が大玉生産に有効で,収穫開始期も早まるが,収量の向上には結びつかず,株間密植(栽植密度7,002株10a-1)の方が多収となった。4~5月どり寒玉系キャベツの千切りカットにおける加工適性は,同時期に収穫する春系品種と比較して歩留まりが高く,葉質や機械適性等が良好で,実需者の評価が高かった。
著者
高田 彰人 杉浦 史郎 豊岡 毅 岡本 弦 西川 悟
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.F-124-F-124, 2019

<p>【はじめに,目的】</p><p> 不安定な面での体幹トレーニングは体幹筋の筋活動を上昇させるという報告は散見するが,実際に腰痛の予防効果を示した報告は少ない。そこで,不安定面を含むTrunk Instability Training(以下TIT)による腰痛予防効果を前向きに調査することを目的とした。</p><p>【方法】</p><p> 対象は腰痛既往のない高校男子バスケットボール選手40例とした。2017シーズンから腰痛予防を目的として毎回の練習後にTITを導入した。2017シーズンの22例(平均年齢15.9±0.8歳)はTIT介入群とし,2016シーズンの18例(平均年齢15.6±0.5歳)は対照群として,1シーズン7ヶ月間での腰痛発生状況を比較した。TITは①バランスディスク上での臀部バランス,②ストレッチポールEX(LPN 社製)上でのSit-up,③四肢伸展位でのサイドブリッジで構成した。統計処理にはカイ二乗検定を用いて,有意水準は5%とした。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究は当院倫理委員会の承認を得て(承認番号:2430番),対象者に説明と同意を得た上で行った。</p><p>【結果】</p><p> 腰痛発生は対照群で5/18例,TIT介入群で0/22例となり,有意差を認めた(p<0.05)。</p><p>【考察】</p><p> TITは腰痛既往のない選手に対して,腰痛の発生予防を期待できる可能性が示唆された。今後は対象毎の負荷設定を含めたトレーニング内容の検討を行いたい。さらに,TITによって改善が得られる身体機能因子についても検証していきたい。</p>
著者
川原 一郎 浜田 智弘 金 秀樹 高橋 進也 高田 訓 大野 敬 小板橋 勉 三科 正見
雑誌
奥羽大学歯学誌 (ISSN:09162313)
巻号頁・発行日
vol.38巻, no.4号, pp.219-223, 2011-12

68歳男。口底部の腫瘤を指摘され、精査・加療目的に受診した。口底部に境界不明瞭な腫瘤を認めた。パノラマX線写真では、下顎前歯部に骨吸収を認めた。CT、MRIでは、口底部に境界不明瞭な病変を認めた。PET-CTでは、口底部に集積を認めた。臨床診断は口底部悪性腫瘍であった。腫瘤部より生検を施行し、扁平上皮癌の病理組織学的診断により、全身麻酔下に両側上頸部郭清術、下顎骨辺縁切除術、腫瘍切除術、植皮術を施行した。術後は、疼痛管理目的にNSAIDsの錠剤を粉砕して胃管より投与した。術後12日、突然の大量下血とともに意識消失した。上部消化管内視鏡検査にて胃体上部後壁に血管露出を伴う潰瘍を認めた。出血性消化性潰瘍の診断のもと、エタノール局注による内視鏡的止血治療を施行した。止血後はランソプラゾールおよびクエン酸第一鉄ナトリウムの投与を開始した。その後再出血することなく、術後35日目、経過良好で退院した。
著者
上村ゼミナール 上村 信幸 小池 真央 遠藤 楓也 新井 崚太 高田 雄太郎 山杢 海 滝澤 樹 東 美菜萌 七尾 玲音 安曽 晃平 吉沢 瞳 関根 聡志
出版者
国士舘大学政経学部附属政治研究所
雑誌
国士舘大学政治研究 (ISSN:18846963)
巻号頁・発行日
no.12, pp.109-126, 2021-03

目 次1 はじめに2 スタディツアーの概要3 スタディツアー初日の活動4 パヤタスでのフィールドワーク5 路上教育フィールドワーク6 むすびにかえて
著者
高田 三郎
出版者
京都哲学会
雑誌
哲学研究 (ISSN:03869563)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.53-58, 1951
著者
高田 光雄 巽 和夫 毛谷村 英治 大森 敏江
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.775-780, 1991-10-25 (Released:2020-05-01)

THIS STUDY IS THE ANALYSIS ABOUT URBAN LIVING OF FAMILIES WITH CHILDREN IN CENTRAL AREA OF 3 BIG CITIES, KYOTO, OSAKA AND KOBE, IN THE KANSAI REGION, BASED ON THE QUESTIONNAIRE TO PRIMARY SCHOOL STUDENTS AND THEIR MOTHERS. THE RESULTS ARE AS FOLLOWS; 1)THE CHARACTERISTIC OF FAMILIES WITH CHILDREN IN CENTRAL AREA IS THAT NUMBERS OF 3 GENERATOIN FAMILIES AND DUAL-INCOME FAMILIES ARE MANY. 2) MOST PEOPLE APPRECIATE CONVENIENCE OF COMMUTING AND SHOPPING, BUT SHORTAGE OF PLAYGROUND, NOISE AND AIR POLLUTION MAKE THE LIVING ENVIRONMENT FOR CHILDREN WORSE. 3)MOST OF CHILDREN PLAY INDOOR, THOUGH THEY PREFER TO PLAY IN PARKS.
著者
増本 英男 賀来 満夫 荒木 潤 浅井 貞宏 高田 俊夫 窪田 芙佐雄 松尾 武 池田 高良
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.1087-1091, 1989-09-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
12

症例は66歳, 男性. 胸部X線上, 縦隔腫瘤影の増大を指摘され, 来院. 手術にて右心縁に接する15cm大の胸腺嚢腫が摘出された. 嚢胞液の性状は灰白色混濁した, 蛋白0.5g/dlの漏出液であった. 本例において最も興味深いのは血清CEAが2.1ng/mlに対し, 嚢胞液中のCEAが223.2ng/mlと異常高値を示したことであった. 免疫組織化学による検討では, 嚢胞内腔を被う上皮細胞及びハッサール小体の一部にCEA陽性細胞が認められた. 今後の症例の集積が必要であるが, 少なくとも嚢胞液中のCEAが高値でも悪性を示唆する所見はみられないことより, このCEAはCEA関連抗原の可能性もあるように思われた.
著者
青山 佐喜子 高田 修代 藤原 耕三
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.8-14, 1992-02-20
被引用文献数
1

エリストールとしょ糖の混合溶液及びエリストールを各種調理に用いた場合のし好について官能検査を行い次の結果を得た。1.しょ糖溶液7%を基準にその甘味の25%、50%、75%、100%をエストリールで置き換えた場合に25%置き換えた試料とエリストールだけの試料の収れん味と総合評価の項目には、5%の危険率で有意差があったが、その他の項目にはなかった。2.レモンスカッシュのような酸味のある飲料にエリストールを用いた場合は、しょ糖とし好の差はなく、しょ糖濃度約12%と低いため低温でも溶解しやすく、飲料はエリストールの利用に適していると考えられた。3.ゼリーは甘味だけの場合、酸味を加えた場合とも、各項目についてしょ糖との間にし好の差はなかった。4.アイスクリームやシャーベットのようなエリストールを冷凍する場合には硬くなる傾向がみられたが、甘味を50%置換した場合にはその傾向は少なく、冷菓において、甘味の一部にエリストールを用いることは可能であると思われた。5.水ようかんはしょ糖濃度が高く、冷やして食するためにエリストールだけでは利用できなかった。甘味の50%をエリストールで置換した試料(SE)の総合評価は5%の危険率で好まれなかった。6.しるこの甘味の20%、40%をエリストールに置き換えた場合、エリストール40%の試料(SE40%)は、口ざわりが好まれず、しょ糖より後味が乏しく感じられた。しかし、エリストール20%の試料(SE20%)としょ糖には差はなかった。7.一般のそう菜に利用した場合、エリストールの甘味質があっさりしているため、他の調味料の味が後味として残る傾向があると思われた。日常の低甘味度での煮物や酢の物にしょ糖の一部または全部を置き換えてエリストールを用いることが可能であった。