著者
白井 康雄 竹村顕大朗 上善 恒雄 高田 秀志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.77-84, 2007-02-16
参考文献数
6
被引用文献数
1

SqueakeToysは,小学生でも直感的にプログラミングを行うことができる環境として注目されてきており,近年,Squeakを利用した教育の実践例が増えてきている。我々も京都市内の2つの小学校を中心としてSqueakを利用した授業実践を行ってきた。本稿では、それらの実践経験から得られたいくつかの知見や,Squeakの授業導入に関心を持つ教師らを対象としたアンケートの結果を踏まえ、今後のSqueak教育のあり方として,コンピュータ内外の活動を関連させたカリキュラム作りについて提案する。またその一例として 時計を題材に,自然現象を観察する能力や身の回りのものの仕組みに対する興味・関心を養うことを目指した,"時計の再発明,,カリキュラムを紹介し,その実践結果についても報告する。Squeak elbys is an easy-to-learn environment that allows even elementary school students to create their own projects intuitively through programming. Recently, the number of educational activities using Squeak has been increased And we have practiced Squeak-based workshops at two elementary schools in Kyoto. In this paper, based on such experiences and responses to our questionnaire for teachers who are interested in introducing Squeak to their classes, we propose a new design of Squeak-based curricula that include two aspects of activities with and without computers. In addition, as an example of such kind of curricula, we introduce '"Reinvention of the Clock" curriculum aiming for the acquisition of scientific thinking process and interest in the mechanism of industrial products, and report the workshop using this curriculum.
著者
高田 憲一 北須賀 輝明 有次 正義
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.9, pp.1-7, 2012-07-07

本研究では,マーカーレスモーションキャプチャ装置として Kinect for Xbox360 を用いて,歩容によって家庭内で個人識別する方法を検討する.カメラに映る歩行の向きが変わると見え方が変わるが,モーションキャプチャ装置から 3 次元の骨格データが取得できるため,それを辞書データと同じ向きの歩容に変換することで,個人識別できると考え調査した.識別には機械学習 (サポートベクタマシン) を使用し,10 分割交差検定で評価する.ひとつの向きの歩容で識別したときには 10 人のデータで 82.4% の精度で識別できた.カメラの光軸に対して 45 度の歩容を 90 度の歩容に見えるように変換し識別したが,精度は低かった.そのため,様々な角度の組合せで同時に歩容を撮影したところ,90 度の歩容では骨格のずれが大きいことがわかった.In this work, we examine to recognize household members by gait using Kinect for Xbox360 as a markerless motion capture device. We thought and examined that could recognize members with gait of a various direction by converting to look like the gait of the same direction as the dictionary data, because we could acquire of skleton data as three dimensional data. We show 10 people identification accuracy of 82.4% with a support vector machine classifier in gaits of one direction. It was converted to look like the walking gait of 45 degrees to 90 degrees from the optical axis of camera, individual identification accuracy was low. Therefore, we compared the two gaits that were captured at the same time. And it was revealed that the gap of skeleton data was big by the gait of 90 degrees.
著者
小谷 二郎 高田 兼太
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.9-15, 2000
参考文献数
19
被引用文献数
1

冷温帯下部のスギ人工林内に侵入した広葉樹53種の葉数の季節変化やシュートと葉の伸長様式を調べた。出現樹種の伸長パターンは,順次伸長タイプと一斉伸長タイプに分けられた。高木性のオニグルミ・ホオノキ,小高木や低木性のニワトコ・イボタノキなどはシュート当りの葉数が多く,葉の寿命も短く,伸長期間の長い顕著な順次伸長パターンを示した。このタイプは,ギャップ内で成長を拡大するのに有利な伸長様式を備えているようである。逆に,高木性のヤマモミジ・ミズナラ,小高木や低木性のエゾユズリハ・ツリバナなどは,シュート当りの葉数が少なく,葉の寿命が長く,伸長期間の短い顕著な一斉伸長パターンを示した。このタイプは,被陰ストレスに対し耐性的な性質を備えているようである。順次伸長を持つヒメアオキを除く常緑樹は,一斉伸長タイプに属した。一斉伸長を持つコマユミを除く半常緑樹は,順次伸長タイプに属した。以上のことから,スギ人工林内での樹種によるフェノロジーの違いは,ギャップに対する依存性の違いを反映しているものと思われた。
著者
小林 裕史 堀田 恭平 高田 尚樹 藤本 貴之
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.20, pp.1-6, 2010-03-10

本論文では,旧世代の機器と,現代のコンピュータ技術を接続した装置を提案する.本研究ではそのような試みを 「想い出のデザイン」 と呼んでいる.「想い出のデザイン」 とは,旧世代の 「想い出」 を喚起させつつ,新しいコンピュータ技術による新感覚のシステムを開発することを意味する.本研究で進めている複数の 「想い出のデザイン」 事例を紹介し,とりわけ,「黒電話」 をモチーフとした 「想い出のデザイン」 の開発について詳述する.In this research, we propose the device that connects old generation's equipment with modern computer technology. A new sense system by a new computer technology was developed rousing old generation's "Memories".
著者
川道 穂津美 岸 博子 加治屋 勝子 高田 雄一 小林 誠
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.133, no.3, pp.124-129, 2009 (Released:2009-03-13)
参考文献数
17
被引用文献数
1

狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患やくも膜下出血後の脳血管攣縮などの疾患は,合計すると我が国の死因の第2位を占める.これらの血管病の原因は2つあり,一つは,長い年月を掛けて発症する動脈硬化であり,もう一つは,急性発症の血管攣縮,すなわち,血管平滑筋の異常収縮である.この血管異常収縮は,血圧維持を担っている細胞質Ca2+濃度依存性の正常収縮とは異なり,Rhoキナーゼを介する血管収縮のCa2+感受性増強(Ca2+-sensitization)によることが知られているが,その上流の分子メカニズムについては不明な点が多い.本稿では,この血管異常収縮の原因分子の1つとして見出されたスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)が引き起こすSPC/Srcファミリーチロシンキナーゼ/Rhoキナーゼ経路について解説する.SPCとRhoキナーゼを仲介する分子として同定されたSrcファミリーチロシンキナーゼに属する分子群の中でも,Fynが血管異常収縮に関与しているという直接的証拠を蓄積してきたので,本稿では,これらの直接的証拠を得た方法と結果について解説する.さらに,Fynを標的にしてその機能を阻害する事によって,Ca2+依存性の血管収縮には影響を与えず,SPCが引き起こす血管異常収縮のみを選択的に抑制する分子標的治療薬として同定されたエイコサペンタエン酸(EPA)の効果について記述する.

1 0 0 0 仏像の誕生

著者
高田修著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1987
著者
高田 博行 阿部 美規
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

18世紀から19世紀後半に至るまでのドイツ語正書法の歴史を概観するなかで18世紀の二人の文法家、すなわちJ.Ch.ゴットシェート(1700-1766年)とJ.Ch.アーデルング(1732-1806年)の正書法原理を明らかにすることが本研究課題にとって最重要であることが判明した。ゴットシェートに関してはその著"Kern der deutschen Sprachkunst"(1773年)における正書法規則を調査した。ここで基準とされる「発音」とはあくまでも「宮廷人」が話す発音であり、また同じく基準とされる「慣習」は「最良の文筆家」の書法であった。唯一言語学的な基準は「語幹」主義、すなわち語幹を一定の書法で統一的に綴ることであった。この3つの原理が同時に働くケースにおいてどの原理を優先させるかについては、事例ごとのアドホクな決定に委ねるほかなかった。アーデルングの主要な文典からは、彼が上部ザクセンの上流階級の用いるドイツ語を模範とし、正書法の原理としてはこの模範における「発音」、「形態」(Abstammung)、そして「慣習」を、この順で重視していることが明らかとなった。コーパスに基づく調査の結果、いわゆる分離動詞の綴り方に関する彼の規範が、しばしば同時代の文筆家の実際の綴り方と一致しないことを確認したが、これは分離動詞の正書法に関しては、「発音」および「形態」がその他の場合ほど有効ではなく、「慣習」の影響を大きく被ることによると思われる。また、分離動詞の分かち書き・続け書きには分離動詞を構成する要素の元来の品詞が関与している可能性も指摘できる。
著者
高田 寛
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.267-275, 2009
被引用文献数
1 1

近時,Googleは,従来の検索エンジンによるサービスのほかに,Googleブック検索やGoogleストリートビューなどの新しいサービスを提供し,社会的にも大きな影響を与え始めている。しかし,これらの新サービスには法的に未解決の部分も多い。本稿では,近時のGoogleのサービスの最新動向とともに,過去の重要判例を交えながら,これら検索サービスに関連する法的問題を整理し,今後の潜在的な法律上の問題を考えてみたい。