著者
髙橋 宏輔 千住 智信
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成30年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第71回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.296-297, 2018-09-19 (Released:2020-01-20)

近年, 環境への配慮から風力発電などの再生可能エネルギー発電の導入が増加している.従来の風力発電機は,風速25m/s以上になると発電を停止している.また運転時には,風車ブレードと発電機の慣性の違いにより,軸にねじれが生じる.この軸ねじれは,軸の共振周波数において増幅され,軸に過度なねじれ応力を加え,軸系が破損する原因となる. 本論文では,H∞ 制御器を用いて軸の共振周波数におけるの応答を抑制し, 風力発電機をタービントルクにねじれトルクを追従させることで軸のねじれを抑え, 35m/sまでの強風時でも発電を続ける出力平滑化された制御を提案する.
著者
山辺 智子 田髙 悦子 臺 有桂 河原 智江 田口(袴田) 理恵 今松 友紀
出版者
一般社団法人 日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.63-69, 2013

目的:安全を推進するセーフティプロモーションは,健康を推進するヘルスプロモーションとともに地域看護において根幹をなす重要な概念である.しかしながらセーフティプロモーションに関する研究はまだ少ない.そこで本研究では,地域における事故や傷害の予防が課題である,都市部児童の視点による安心安全の構成要素を明らかにすることが目的である.方法:研究対象は,A市b区地域の公立小学校2校に所属する小学5年生の児童8人であり,研究方法はフォーカスグループインタビューによる質的研究である.結果:児童における安心安全の構成要素は,25サブカテゴリー,5カテゴリー,すなわち[いざというときに自分で身を守る行動]や[自分の命や人の命の大事さ]等からなる【児童の意識と価値観】,[危険な目に合わないための約束ごと]等からなる【児童と家族の規範】,[遊びや遊具使用中の不注意]等からなる【児童の遊具や道具】,[通学路での危険]等からなる【学校における集団生活と学習】,[顔のみえる関係][地域の人と学校の結びつき]等からなる【見守りのある地域】が抽出された.結論:児童の視点による安心安全の要素を勘案し,具体的なセーフティプロモーションの推進によって都市部におけるセーフコミュニティの実現へと発展させることが課題である.
著者
安髙 志穂
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.9-18, 2019 (Released:2019-11-07)
参考文献数
34
被引用文献数
1

本研究では,2003年度から2017年度までの47都道府県議会の会議録から議員の花粉症対策に係る発言を抽出し,発言内容に応じて,①森林・林業対策,②医療対策,③環境対策,④その他対策に係る発言に分類した上で分析した。その結果,①花粉症対策に係る発言件数が多い議会もあれば,発言がなされていない議会もあり,議論の程度は議会により様々であること,②関東周辺の議会において花粉症対策に係る発言件数が多いこと,③一年度当たり平均では全議会の約2割の議会において花粉症対策に係る発言がなされていること,④花粉症対策に係る発言の中で森林・林業対策に係る発言が最も多く6割を占めること,⑤森林・林業対策に係る発言の中では花粉症対策苗木に係る内容の発言が最も多く,花粉症対策苗木による植替えについて多くの議員が関心を持っていることが明らかになった。
著者
髙島 愼助 北村 正幸
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学論集 (ISSN:13405543)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.99-115, 2009 (Released:2019-08-30)
参考文献数
42
著者
安髙 志穂
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.49-59, 2019 (Released:2019-07-31)
参考文献数
49

本研究では,1947年の第1回国会以降の国会会議録から国会議員の花粉症対策に係る発言を抽出した上で,①森林・林業関係の対策,②医療関係の対策,③環境関係の対策,④その他花粉症対策に係る発言に分類し,これらの発言件数,森林・林業関係の対策に係る発言内容及びその変遷について分析した。これらの国会における議論の動向から,①花粉症対策に係る発言件数の中で森林・林業関係の対策に係る発言件数の割合が最も多く,近年ではその傾向が高まっていること,②1986年,国会議員が初めて森林・林業関係の対策に係る発言をし,以降30年以上にわたり関心や期待を寄せ続けていること,③森林・林業関係の対策に係る発言内容は,2004年度頃から個別の対策の効果や目標の設定方法等に踏み込んだ内容に深化し,これが当該対策の加速的な推進の一因となったと考えられることが明らかになった。
著者
佐久間 愛里 髙橋 由紀 大江 佳織 北島 元治 吉田 和美 松田 たみ子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.80-89, 2018 (Released:2018-08-20)
参考文献数
23

本研究は, 心疾患患者のセルフケアの拡大に向けてより安全な自己清拭動作の方法を開発するため, 心臓の負荷状態と自己清拭動作の継続時間との関係を明らかにすることを目的として行った. 実験は, 健康な成人男性10名を対象とし, 60度のベッド拳上座位で両上肢・胸腹部位の自己清拭動作を行い, 実施前・中・後を通して心拍数・血圧・分時酸素摂取量 (VO2) を測定し, 心筋酸素消費量 (DP) を算出した. 各部位を拭く回数は往復5回と往復10回とし, 50回/分の速さで実施した. その結果, 動作中に心拍数・DP・VO2は有意に増加を認め, VO2においては継続時間に伴い増加傾向を示し, 低強度の活動であっても継続時間に伴い心臓への負荷が大きくなることが明らかとなった. さらに, 動作中は呼吸循環動態や代謝が高まることから, 心疾患患者への安全な自己清拭の実施において, 心拍数を目安に心臓への負荷状態を考慮するとともにケアの継続時間を検討する必要性が示唆された.
著者
大門 拓実 髙橋 邦彦
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.47-50, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
6

著者らは迅速性,簡便性,汎用性を勘案し,アセトンを用いて抽出後,n-ヘキサンによる脱脂精製,分析種のアセトニトリルへの分配,塩析効果による精製を同時に行うことが可能となる三層分離抽出の原理を応用し,6種の防かび剤迅速分析法の検討を行った.本法は,固相カラムを用いた精製や溶媒の濃縮,転溶操作をせずに試験溶液を調製可能である.妥当性確認の結果,対象とした6種全てにおいて農薬等の妥当性評価ガイドライン(厚生労働省通知)の目標値を満たしたことから,迅速的かつ効果的な防かび剤迅速一斉分析法として適用可能であることが考えられる.
著者
藤生 慎 大原 美保 中山 晶一朗 髙山 純一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_865-I_872, 2015

大規模地震災害時に発生しうる莫大な数の建物被害認定調査を効率的かつ迅速に実施するための遠隔建物被害認定システムのうちスマートフォンを用いた建物被害認定の学習アプリを作成した.アプリの作成にあたり,いくつかの被災住宅を3Dモデル化し,地震動による被害を自動で生成できる建物被害生成システムを開発した.さらに,建物被害生成システムの結果をムービーとして出力し,iphoneやipadなどのモバイル端末で建物被害認定調査の学習ができるアプリを開発した.
著者
髙井 敬介
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.326-332, 2017

<p> 脊髄動静脈奇形 (AVM) の分類は数多く複雑でわかりにくい. 1967~2015年の脊髄動静脈奇形に関する英文論文を調べ, 分類の歴史的変遷をまとめた. 1971年の脊髄血管造影の導入による硬膜動静脈瘻 (AVF) と硬膜内AVMの報告, 1986年の脊髄辺縁部AVFの顕微鏡手術の報告, 1993年の脊髄辺縁部AVFの血管内治療の報告, 2002年の脊髄AVMの顕微鏡手術および血管内治療の報告, 2009年と2011年の硬膜外AVFの顕微鏡手術および血管内治療の報告など, 歴史的転機となる報告があった. 画像診断の発展, 顕微鏡手術の発展, 血管内治療の発展が, 脊髄AVM分類の歴史的変遷に大きく寄与した.</p>
著者
冨岡 佳奈絵 松本 絵美 岩本 佳恵 髙橋 秀子 長坂 慶子 魚住 惠 菅原 悦子 村元 美代 渡邉 美紀子 佐藤 佳織 阿部 真弓
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】岩手県の伝統的な家庭料理を次世代に継承することを目的に地域ごとに聞き書き調査を行った。その中から、行事食の特徴と地域による違いについて報告する。</p><p>【方法】調査は、岩手県を7地域(県北・県央・中部・北上高地南部・県南・沿岸・奥羽山系)に分け、平成24〜26年に実施した。対象は、地域に30年以上居住している61〜96歳の女性18人とし、昭和30〜40年代の食事と、この頃から伝わる家庭料理について聞いた。その調査結果から、行事食の特徴について比較検討した。</p><p>【結果】正月の雑煮は、しょうゆ仕立ての角もちが基本で、沿岸では「くるみ雑煮」、県南では「ひき菜の雑煮」、かつて沿岸北部では、雑煮ではなく「まめぶ」のところがあった。雑煮のほか、沿岸では「氷頭なます」、県北では「手打ちうどん」があった。桃の節句には、県央・北上高地南部では「ひなまんじゅう」「きりせんしょ」、中部では、くるみを散らした「ごまぶかし」があった。田植えの小昼(おやつ)に、北上高地南部では「小豆まんま」があった。県南では、農作業の節目ごとに餅を食べ、冠婚葬祭にも餅は欠かせず、婚礼の際は「餅本膳」があった。一方、県北では、冠婚葬祭に「手打ちそば」だった。盆には、沿岸・北上高地南部・奥羽山系では「てん(ところてん)」、さらに奥羽山系では「カスべの煮つけ」があった。御大師様の日には、県南では「果報団子」があった。年取りには、全域で「なめたがれいの煮つけ」がみられ、沿岸では「干し魚(はも)入りの煮しめ」、奥羽山系では、ぜんまいの一本煮や凍み大根、身欠きにしんの入った「煮しめ」があった。各行事において、その時季の地場産物や気候風土をいかした食材を調理し、地域・家庭で継承されていた。</p>
著者
飯島 茂子 小城 一見 髙山 典子 沼田 充 佐々木 和実
出版者
一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
雑誌
日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌 (ISSN:24337846)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.342-348, 2020-04-20 (Released:2020-11-24)
参考文献数
10

52歳女,プラスチック製メガネの先セルによるアレルギー性接触皮膚炎(ACD)の1例を報告した。患者はメガネを半年間使用した後,両耳介上部に掻痒を自覚した。初診時同部に落屑性浸潤性紅斑を認めた。先セルの削り屑のパッチテストを施行したところ陽性であったが,C.I. Solvent Orange 60などの油溶性染料はパッチテスト陰性であった。メガネフレームを分解したところ,金属芯が腐食していた。金属成分の分析を蛍光X線分析法を用いて行ったところ,金属芯および先セル樹脂内にニッケル(Ni)が主要成分として検出された。金属成分のパッチテストではNiが強陽性を示した。以上より,汗・皮脂等により金属芯が腐食し,その結果,Niが先セル樹脂内に拡散,浸透したため発症したNiアレルギーに伴うACDである,と最終診断した。(日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌,3(2):342-348,2020)