著者
小澤 壯行 平井 智絵 Lopez-Villalobos Nicolas 西谷 次郎
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.199-205, 2010-05-25
参考文献数
22

近年,山羊飼養の見直しと飼養熱の高まりがわが国において着実に定着しつつある.しかし,山羊産品の商品化には隘路が多く消費者の受容性が高い産品が早期に求められている.そこでメキシコで広範に嗜好されている山羊ミルクジャムであるCajeta(カヘタ)を開発試作し,これと市販の牛ミルクジャムを用いて10代から60代の男女計394名に対して官能試験,市販価格の推定および製品栄養成分分析を実施することにより,当該製品の受容性を明らかにするとともにその将来性について考察を加えた.この結果,山羊ミルクジャムは色調では牛ミルクジャムと比べて評価が高いものの,かおり,味および総合的評価などでは有意に評価が劣った.しかし被験者の7割以上が山羊ミルクジャムの総合評価に対して「普通」以上の評価を下していることからも,今後,山羊臭の改善などを行うことにより,商品化および市場参入が十分可能であることが示唆された.
著者
MURAYAMA SHU-ITI OKAMURA HACHIRO
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.10-25, 1973-07-01

われわれは1972年4月1日より8日までの短期間,フィリピンのルソン島各地で採集を行い,確実な目撃種4種を含めて計129種五百数十頭の蝶類を得た.おもな採集地はSanto Thomas(2日,5日), Ashin(3日,4日,6日), Tagaytay(1日), Atimonan(8日), Baguio(7日)Manila近郊低地(8日)等である.4月は同地で一年中最も暑い時期にあたり,同月下旬よりは雨期に入る.アゲハチョウ科全体としては,ひとつの発生期の山をすぎた感があったが,ミスヂチョウ類やシジミチョウ類には好時期とみえ,短期間の割に成果を収めえた.岡村にとっては今回は第2回目のルソン島採集であった.129種のうち,新種と思われるもの2種,新亜種と思われるもの7種のほか,未記録種と覚しきもの若千あり,なお学名の決定に研究の余地あるものが少くない.また岡村はAshin, BaguioにおいてPapilio rumanzovia, P. hydaspes, P. ledebouriaの採卵を行い,阿江茂博士に托して飼育・羽化に成功をみたが,P. benguetana 1♀は同氏よりのお知らせによると,2個産卵したうち1卵のみ孵化し第5令に達したが惜しくも死亡したということであった.学名の前に*記を付したものは目撃種,また和名の後に*印を付したものは今回新しくつけられたものである.掲載の写真は従来図示されることの少なかった,あるいは全く図示されたことのない種,亜種または性を選んだ.
著者
Ehara Mariko Surmely Jean-Francois Kawai Masato Katoh Osamu Matsubara Tetsuo Terashima Mitsuyasu Tsuchikane Etsuo Kinoshita Yoshihisa Suzuki Tomomichi Ito Tatsuya Takeda Yoshihiro Nasu Kenya Tanaka Nobuyoshi Murata Akira Suzuki Yasuyuki Sato Koyo Suzuki Takahiko
出版者
社団法人日本循環器学会
雑誌
Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.564-571, 2006-04-20
参考文献数
23
被引用文献数
19 174

Background Multislice computed tomography (MSCT) is a promising noninvasive method of detecting coronary artery disease (CAD). However, most data have been obtained in selected series of patients. The purpose of the present study was to investigate the accuracy of 64-slice MSCT (64 MSCT) in daily practice, without any patient selection. Methods and Results Using 64-slice MSCT coronary angiography (CTA), 69 consecutive patients, 39 (57%) of whom had previously undergone stent implantation, were evaluated. The mean heart rate during scan was 72beats/min, scan time 13.6s and the amount of contrast media 72mL. The mean time span between invasive coronary angiography (ICAG) and CTA was 6 days. Significant stenosis was defined as a diameter reduction of >50%. Of 966 segments, 884 (92%) were assessable. Compared with ICAG, the sensitivity of CTA to diagnose significant stenosis was 90%, specificity 94%, positive predictive value (PPV) 89% and negative predictive value (NPV) 95%. With regard to 58 stented lesions, the sensitivity, specificity, PPV and NPV were 93%, 96%, 87% and 98%, respectively. On the patient-based analysis, the sensitivity, specificity, PPV and NPV of CTA to detect CAD were 98%, 86%, 98% and 86%, respectively. Eighty-two (8%) segments were not assessable because of irregular rhythm, calcification or tachycardia. Conclusion Sixty-four-MSCT has a high accuracy for the detection of significant CAD in an unselected patient population and therefore can be considered as a valuable noninvasive technique.
著者
松田 皎 萬 栄 劉 群 陳 大剛 侯 恩淮 高 清廉 東海 正 兼広 春之 佐藤 要 小野 征一郎 WAN Rong HOU Enhuai CHEN Dagang GAO Qing-lian 候 恩淮
出版者
東京水産大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

世界でも有数の漁場である東シナ海・黄海は、日本・中国・韓国・北朝鮮などが国際漁場として戦前・戦後を通して利用してきたが、永年にわたる漁獲圧のため、現在は極めて厳しい資源状態になっている魚種は多い。これを元の豊かな漁場に戻すには、国際的な管理組織を築くことが緊急の課題である。その第一歩として、この海域を利用している主要国である日本と中国とが漁業の実態に関する情報交換・技術交流を進めることにより、その実態を認識することが必要である。本研究の3年間の集大成として、1996年11月青島海洋大学において開催した日中共同セミナーは、貴重な情報交換の場であった。まず、佐藤は「日本の以西底びき網漁船の歴史的変遷」と題して、戦後において東シナ海域における日本・中国・韓国3国の底びき網漁業の変遷を述べ、1975年以降、中韓2国と異なり日本の漁獲は急激に減少の一途を辿っている。これは日本漁船の賃金の高騰と円高による水産物輸入の増大によるものと考えられた。松田は「日本の以西底びき網漁業における主要魚種の資源状態と漁業管理における諸問題」について、イカ類、タチウオその他わずかな魚種以外は、ほとんど壊滅的な状態であること、早急に国際的管理体制にすべきとした。高は「日中両国漁船の発展趨勢」について、船形から日中の各種漁船の性能の比較を行った。陳は日中両国の海洋魚類の分布の比較研究」において、日中両国近海に出現する魚種は4351種329科に属し、その中3048種が中国近海に、3254種が日本近海に、両国共通種は1951種であることを明らかにした。陳はさらに付表として4351種の学名、中国名、日本名及び分布海域を記す表を作成した。侯は「中国漁政管理の特徴」において、これまで20年間の漁業の変遷をみると、漁船の増加、養殖業の発展が水質の汚染と伝統魚種の減少をもたらしたとしている。劉は「中国漁業40年の回顧」において、この40年間に何が中国の漁業の発展をもたらしたかを示した。小野は「日本の漁業管理-TACを中心として-」において、日本が昨年国連海洋法条約を批准したことにより、TAC制など今後両国の取るべき政策について論じた。東海は「多魚種漁業と投棄魚問題」で、底びき網漁業など、多魚種を同時に漁獲し、不要魚種その他を投棄する場合の生態系への影響を論じた。兼広は「日本の漁業資材の現状と動向」で、漁業行為によって廃棄された漁網類がゴ-ストフィッシング等資源に及ぼす影響について論じ、これを解決する方法として微生物により分解するバイオプラスチックを紹介した。資本主義体制下の日本と、解放政策が進展中とはいえ社会主義体制下の中国では漁業管理の方式が異なる。開放政策により、中国では従来からの国営漁業の他に大衆漁業が急激に増大した。それらは主として、小船によるもので、主として張網漁業を行っている。張網は比較的沿岸域に設置しておいて、潮流によって流れてくる魚を濾して獲る趣向の漁具である。問題は網目が非常に小さいため、小さな幼魚まで一網打尽にしてしまうことである。このような稚仔魚は普通商品にはならないのであるが、たまたまエビの養殖の餌として高価がつく。エビの方はもちろん日本市場へ輸出されることになる。このような情報があったため、今回の研究では、この事実を確認すべく努力したが、確証は得られなかった。一方、中国農業部水産局は、1995年からタチウオ資源の回復のため、一つの資源管理策を打ち出した。それは5月頃産卵したタチウオの幼魚を保護するため、7、8月の2ヶ月間、底曳網漁業を全国的に禁止し、さらに張網(定置網)も6〜9月のうち2ヶ月間を禁漁にするというものである。このことは、底曳網、張網でタチウオの幼魚が大量に捕獲されていることを政府も認めていることを示している。この政策が永年続くと、タチウオばかりでなく、他の資源にもよい結果が表われると思われる。今後の資源の動向を注意深く観察する必要がある。
著者
尾崎 文昭 LIN Yi-qiang
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

研究実績は主に以下の二編の論文があり、いずれも『東洋文化研究所紀要』に掲載される。その概要は以下の通り:1:「古音、方言、白話に託す言語ユートピア--章炳麟と劉師培の中国語再建論」章柄麟と劉師培は、清末の中国語現状に対する批判的見方に基づき、古音、方言、白話と注音方法という四大課題から構成された中国語重建論を提起した。章と劉の研究によって、古音の正統的地位は固められ、方言も低俗のイメージから解放され、両者はともに純正中国語の「一体両面」となった。方言から古音を遡り、そして、古音で方言を統一することは、彼らの独特の研究方法になったばかりではなく、彼らが目指した中国語改造の道となった。白話文学の伝統と地域差異を超えた言語標準は、その中国語改造論においても重要な資源となる。彼らの白話研究と論述は、その語言の均質性と言文一致の可能性に集中しており、それらは恰も古音と方言の弱点を補う形となった。章炳麟と劉師培の中国語再建論は、古音、方言、白話についての研究を尽くしてからはじめて建て直しを開始できるという長いプロセスであった。それは多大な研究実績を伴った周到な再建論であるにもかかわらず、今日の中国語の現状から見れば、もはや一種のユートピアにすぎない。2:「排満論再考」本稿は清末排満論が民族論から体制論へ転向する過程を研究対象とし、清末国学と辛亥革命の結果についてより合理的な解釈を与えようとする。初期排満論は民族浄化を鼓吹する復讐論であったが、清末の最後数年において、それが転向しなければならないところまで行き詰まっていた。『民報』対『新民叢報』の論争を経て、排満論はその「満漢」、「華夷」の対立論式を修正し、その排除範囲を漢民族官僚も含む特権階層に限定し、その基調は「排満」から「排清」へと転向した。章炳麟の建国理想と劉師培のアナーキズムはその転向を促成した重要な要因と考えられる。章炳麟と厳復、楊度の論争に至ると、問題の核心は満漢問題から、ナショナリズムとアイデンティティに移した現象が見られた。章炳麟はアメリカの現状から示唆を受けて、「中国人」を漢民族に等しい概念から「合漢満蒙回蔵為一体」の上層概念へと上げた。その上で、「文化」、「民族」、「国家」「三位一体」の新しい中国像を提示し、排満論の目的を「民族」から「民国」へと移行させた。そのような転向は清末国学にも影響を与え、その重心がより大きな幅で政論から学術研究へと傾み、民族問題は再び文化問題として帰着した。その結果として、辛亥革命は排満論の勝利ではなく、むしろ排満論の放棄を意味するものと考えられる。
著者
Ban-nai Tadaaki Muramatsu Yasuyuki Yoshida Satoshi
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of radiation research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.325-332, 2004-06-15
被引用文献数
1 13

Mushrooms are known to accumulate radiocesium. To estimate the intake of radiocesium through the eating of mushrooms, about 30 samples belonging to 4 commonly consumed species (Lentinula edodes, Hyp-sizigus marmoreus, Grifola frondosa, and Tricholoma matsutake), were analyzed for ^<137>Cs and 40K. The concentration ranges were 0.060-29 Bq kg^<-1> (wet wt) for ^<137>Cs and 38-300 Bq kg^<-1> (wet wt) for ^<40>K. The geometric mean concentration for ^<137>Cs was 0.56 Bq kg^<-1> (wet wt), and the mean concentration for ^<40>K was 92 Bq kg^<-1> (wet wt). The ^<137>Cs concentrations in L. edodes cultivated in mushroom beds (sawdust-rice bran media) were lower than those cultivated on bed logs (natural wood with bark). The annual intake of ^<137>Cs per person through mushrooms was calculated, by using the current analytical results and food consumption data in Japan, to be 3.1 Bq for ^<137>Cs, which is about 28% of the total dietary intake of this nuclide. The effective dose equivalent of ^<137>Cs through mushrooms was estimated to be 4.0×10^<-8> Sv, which is about the half the value obtained in our previous study. The decrease of the ^<137>Cs intake through mushrooms is probably related to changes in cultivation methods in recent years, from the use of bed logs to mushroom beds.
著者
Lee Tae-Young Park Young-Youn
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.299-323, 1996-06-25

本論分は, シベリア高気圧からの吹きだしに伴って朝鮮半島上でしばしば発生するメソスケールトラフの実態を事例解析し, さらに3次元数値モデルを用いてその形成メカニズムを調べた結果を報告する. 1986年2月14日〜15日における事例解析によれば, 14日の朝からトラフの形成が始まり, 午後になると, はっきりしたトラフが形成された. この日の半島上の地上気温は通常より高かった. 翌日の早朝には, トラフは減衰する傾向を示したが, 日中には再び発達し, 中国大陸上の高気圧が東に抜けるまで持続した. 数値シミュレーションは, メソスケールトラフの時間発展の様子や空間的な広がりなど, 解析結果に見られた主な特徴をかなりよく再現した. 条件をいろいろ変えて行った数値実験の結果から, 1986年2月14日〜15日に観測されたメソスケールトラフは朝鮮半島の山岳による力学的効果と半島の陸地とそのまわりの海洋との熱的効果の重なったものであることがわかった. 熱的効果とは, 寒候季に半島上が比較的暖かい日の昼間は, 陸上の顕熱フラックスが半島周辺部の海面上顕熱フラックスよりかなり大きくなることを意味する. 半島北部で発達するトラフは, 主に北部山岳の力学効果と熱的効果によって形成される. 一方, 半島南部で発達するトラフは, 主に海抜高度の高い地域の熱的効果及び半島上と周辺部の海面上の熱的コントラストによって形成される.
著者
SATO Sho NISHIURA Minako ITSUMURA Hiroshi MITSUISHI Tomomi OKA Mizuki LEE Myeong-Hee HASHIMOTO Yasuhiro
巻号頁・発行日
2010-11

This paper reports the development of a platform called the pingpong platform with the aim of collecting and visualizing the information on human behavior and also the outcome of a series of design workshops held for trying out this platform. With the proliferation of new technology, it has become easier for us to obtain the data of human behavior. Making good use of such collected data, new attempts have been emerged for designing spaces. In conjunction with trend, we have developed the pingpong platform by using Twitter and held design workshops at three different university campuses in Japan. The outcome shows that: 1. Human behavioral data can be easily obtained via the pingpong platform, 2. The visualization of the data greatly helps in putting the feedback to the best use for designing physical spaces.
著者
Eiji Takeda Junji Terao Yutaka Nakaya Ken-ichi Miyamoto Yoshinobu Baba Hiroshi Chuman Ryuji Kaji Tetsuro Ohmori Kazuhito Rokutan
出版者
徳島大学医学部
雑誌
The Journal of Medical Investigation (ISSN:13431420)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3,4, pp.139-145, 2004 (Released:2004-10-27)
参考文献数
51
被引用文献数
30 69

Stress is a pervasive factor in everyday life that critically affects development and functioning. Severe and prolonged stress exposure impairs homeostatic mechanisms, particularly associated with the onset of depressive illness. Brain food is aimed at preventing as well as treating a growing number of stress-related mental disorders. Some topics on the association of stress and nutrition is reviewed. (1) An increased activity of serotonergic neurons in the brain is an established consequence of stress. An increase in brain tryptophan levels on the order of that produced by eating a carbohydrate-rich/protein-poor meal causes parallel increases in the amounts of serotonin released into synapses. (2) Eating is thought to be suppressed during stress, due to anorectic effects of corticotrophin releasing hormone, and increased during recovery from stress, due to appetite stimulating effects of residual cortisol. (3) A strong inverse association between coffee intake and risk of suicide. (4) Night eating syndrome has been found to occur during periods of stress and is associated with poor results at attempts to lose weight and disturbances in the hypothalamic-pituitary-adrenal axis. (5) Dietary antioxidants present in fruits and vegetables may improve cognitive function. Therefore, it is concluded that the establishment of functional foods that correctly regulate stress response must be firmly based upon scientific knowledge and legal regulation.
著者
Huang Chin-Cheng Jong Ming-Hwa Lin Shih-Yuh
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.S・iii, 677-679, 2000-07-25
被引用文献数
2 37

1997年3月以降, 口蹄疫の2種類のウイルス株が台湾に侵入し, 豚および口蹄疫の大規模な発生を起こした。1997年3月に発生した口蹄疫は, 自然感染経路では豚以外の偶蹄類には感染しない豚に馴化したウイルス株(O/Taiwan/97)によることが明らかにされた。この株による口蹄疫は2ヶ月の間に台湾全域に広がり, 感染農家6, 147農場の3, 850, 746頭の豚が淘汰された。1999年6月には台湾本島の西方に位置する金門島(金門県)で, 第2のウイルス株(O/Taiwan/99)が黄牛から分離された。しかしながら, 1999年末までにこのウイルス株による感染が認められた動物種は黄牛以外になく, また, 感染した黄牛は臨床症状を示さなかった。血清中和抗体およびNSP(non-structural protein;非構造ウイルス蛋白)に対する抗体上昇の確認は, ワクチン非接種群における感染個体の摘発に最も有効な指標となった。しかしながら, 感染動物は臨床症状を示さないものの, 別個体への感染成立に充分なウイルス量を排出していた。口蹄疫ウイルスに対する特異抗体の検出や, プロバング試験を用いた咽頭食道粘液(OP液)からのウイルス分離によって, 金門島と台湾本土の黄牛の10群が感染していたことが明らかにされた。また, 2000年の1月から3月の間に, O/Taiwan/99株と同じウイルス株によって, 台湾の4つの県に合計5回にわたり口蹄疫が発生した。この時の感染動物は山羊, 黄牛, 乳牛と多種類で, とくに2週齢以内の子山羊は高い致死率を示すとともに, 乳牛は口蹄疫の典型的な臨床症状を示した。
著者
Takumi Momosaka Junko Saito Aki Otsuki Akiko Yaguchi-Saito Maiko Fujimori Aya Kuchiba Kota Katanoda Reo Takaku Taichi Shimazu
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20230177, (Released:2024-01-06)
参考文献数
47

IntroductionIn Japan, heated tobacco products (HTPs) are promoted by the tobacco industry as reduced-risk tobacco products despite the lack of evidence for this claim. This study determined the distribution of HTP-harmfulness perception and identify the explanatory factors associated with the perception of HTP as less harmful than conventional cigarettes.MethodsA nationwide cross-sectional survey was conducted with Japanese people aged 20 years or older (INFORM Study 2020) using a self-administered questionnaire. We performed descriptive analysis and weighted logistic regression analysis to examine the relationship between explanatory factors (e.g., individual characteristics, socioeconomic status, and trusted sources of cancer information) and the perception of HTPs as less harmful.ResultsAmong 3,420 participants (response rate: 35.2%), the proportions of those who perceived HTPs as less harmful were 40.3% and 18.3% for users and non-users of tobacco, respectively. For participants aged 20–39 years, the proportion were 49.9% and 30.4%, respectively. Among 1,160 non-tobacco users who were familiar with HTPs, male, aged under 39 years, and had lower education were associated with the perception of HTPs as less harmful. Trusted sources of cancer information were not associated with the perception of HTPs as less harmful.ConclusionsThis study showed that, among non-tobacco users, being male, aged under 39 years, and lower education were associated with a perception of HTPs as less harmful. Public health stakeholders should provide the latest evidence about HTP harmfulness in their daily practice, and strengthen the regulations on HTP marketing directed at both tobacco- and non-tobacco users.
著者
Sei Harada Miho Iida Naoko Miyagawa Aya Hirata Kazuyo Kuwabara Minako Matsumoto Tomonori Okamura Shun Edagawa Yoko Kawada Atsuko Miyake Ryota Toki Miki Akiyama Atsuki Kawai Daisuke Sugiyama Yasunori Sato Ryo Takemura Kota Fukai Yoshiki Ishibashi Suzuka Kato Ayako Kurihara Mizuki Sata Takuma Shibuki Ayano Takeuchi Shun Kohsaka Mitsuaki Sawano Satoshi Shoji Yoshikane Izawa Masahiro Katsumata Koichi Oki Shinichi Takahashi Tsubasa Takizawa Hiroshi Maruya Yuji Nishiwaki Ryo Kawasaki Akiyoshi Hirayama Takamasa Ishikawa Rintaro Saito Asako Sato Tomoyoshi Soga Masahiro Sugimoto Masaru Tomita Shohei Komaki Hideki Ohmomo Kanako Ono Yayoi Otsuka-Yamasaki Atsushi Shimizu Yoichi Sutoh Atsushi Hozawa Kengo Kinoshita Seizo Koshiba Kazuki Kumada Soichi Ogishima Mika Sakurai-Yageta Gen Tamiya Toru Takebayashi
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20230192, (Released:2024-01-06)
参考文献数
40
被引用文献数
1

The Tsuruoka Metabolomics Cohort Study (TMCS) is an ongoing population-based cohort study being conducted in the rural area of Yamagata Prefecture, Japan. This study aimed to enhance the precision prevention of multi-factorial, complex diseases, including non-communicable and aging-associated diseases, by improving risk stratification and prediction measures. At baseline, 11,002 participants aged 35–74 years were recruited in Tsuruoka City, Yamagata Prefecture, Japan, between 2012 and 2015, with an ongoing follow-up survey. Participants underwent various measurements, examinations, tests, and questionnaires on their health, lifestyle, and social factors. This study used an integrative approach with deep molecular profiling to identify potential biomarkers linked to phenotypes that underpin disease pathophysiology and provide better mechanistic insights into social health determinants. The TMCS incorporates multi-omics data, including genetic and metabolomic analyses of 10,933 participants and comprehensive data collection ranging from physical, psychological, behavioral, and social to biological data. The metabolome is used as a phenotypic probe because it is sensitive to changes in physiological and external conditions. The TMCS focuses on collecting outcomes for cardiovascular disease, cancer incidence and mortality, disability, functional decline due to aging and disease sequelae, and the variation in health status within the body represented by omics analysis that lies between exposure and disease. It contains several sub-studies on aging, heated tobacco products, and women's health. This study is notable for its robust design, high participation rate (89%), and long-term repeated surveys. Moreover, it contributes to precision prevention in Japan and East Asia as a well-established multi-omics platform.
著者
Hiroto TOYODA Akiyoshi TANI Yuko GOTO-KOSHINO Tomoki MOTEGI Mika SAKAMOTO Takako MOCHIZUKI Kei HARADA Tetsuya KOBAYASHI Asuka SETOGUCHI Yohei SHIZUTA Takuya MIZUNO Mitsuhiro IRIE Jun NAKAMICHI Hajime TSUJIMOTO Aki OHMI Ray FUKUOKA Yasukazu NAKAMURA Hirotaka TOMIYASU
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.18-27, 2024 (Released:2024-01-10)
参考文献数
49
被引用文献数
1

Although chemotherapy using CHOP-based protocol induces remission in most cases of canine multicentric high-grade B-cell lymphoma (mhBCL), some cases develop early relapse during the first induction protocol. In this study, we examined the gene expression profiles of canine mhBCL before chemotherapy and investigated their associations with early relapse during the first whole CHOP-based protocol. Twenty-five cases of mhBCL treated with CHOP-based protocol as first induction chemotherapy were included in this study. Sixteen cases completed the first whole CHOP-based protocol without relapse (S-group), and nine developed relapse during the chemotherapy (R-group). RNA-seq was performed on samples from neoplastic lymph nodes. Differentially expressed genes (DEGs) were extracted by the comparison of gene expression profiles between S- and R-groups, and the differences in the expression levels of these genes were validated by RT-qPCR. Extracted 179 DEGs included the genes related to chemokine CC motif ligand, T-cell receptor signaling pathway, and PD-L1 expression and PD-1 checkpoint pathway. We focused on chemokine CC motif ligand, and CCL4 was confirmed to be significantly downregulated in the R-group (P=0.039). We also focused on the genes related to T-cell signaling pathway, and CD3E (P=0.039), ITK (P=0.023), and LAT (P=0.023) genes were confirmed to be significantly upregulated in the R-group. The current results suggest that both changes in tumor cells and the interactions between tumor cells and immune cells are associated with the efficacy of the chemotherapy for first remission induction.
著者
Kota Nishihama Chisa Inoue Kohei Nishikawa Yuko Okano Atsuro Takeshita Mei Uemura Taro Yasuma Toshinari Suzuki Ryuji Okamoto Corina N D'Alessandro-Gabazza Esteban C. Gabazza Yutaka Yano
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.2613-23, (Released:2023-10-27)
参考文献数
27

A 42-year-old Japanese woman with end-stage renal failure due to hypertension presented with a systolic blood pressure of 160-200 mmHg despite treatment with 4 different antihypertensive agents. The plasma aldosterone concentration (PAC) and plasma renin activity (PRA) were elevated. Adrenal vein sampling suggested bilateral excessive aldosterone secretion, whereas adrenocortical scintigraphy showed right-dominant accumulation. Open bilateral nephrectomy and right adrenalectomy improved the systolic blood pressure, PAC, and PRA. A pathological examination revealed zona glomerulosa hyperplasia but not microaldosteronoma. This report shows that bilateral nephrectomy, not unilateral adrenalectomy, is a potentially effective treatment option for resistant hypertension with an elevated renin-angiotensin-aldosterone system in hemodialysis patients.
著者
Li-Wen Chen Chi-Hsiang Chu Yung-Chieh Lin Chao-Ching Huang
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20230253, (Released:2024-01-06)
参考文献数
44

Background: To evaluate whether thyroid-stimulating hormone (TSH) by newborn screening (NBS) at birth and at discharge can be surrogate markers for neurodevelopmental impairment (NDI) in extremely preterm infants.Methods: The population cohort enrolled infants born <29 weeks’ gestation in 2008 – 2020 in southern Taiwan. Infants with a maternal history of thyroid disorders and infants who required thyroxine supplementation during hospitalization were excluded. TSH levels by NBS at birth and at term-equivalent age (TEA)/discharge were respectively categorized into the lowest quartile, the interquartile range, and the highest quartile, which were correlated to NDI outcomes.Results: Among 392 patients with paired TSH data, 358 (91%) were prospectively followed until corrected age 24 months. At birth, infants with lowest-quartile TSH had higher NDI risks (OR 2.3, 95% CI 1.3 – 4.1, P = 0.004) compared to infants with interquartile-range TSH. Conversely, by TEA/discharge, infants with highest-quartile TSH had increased NDI (OR 1.9, 1.0 – 3.4, P = 0.03). By paired TSH categories, infants persistently in the lowest TSH quartile (48%, aOR 4.4, 1.4 – 14.5, P = 0.01) and those with a shift from interquartile range to the highest quartile (32%, aOR 2.7, 1.0 – 7.4, P = 0.046) had increased NDI risks compared with the reference with consistent interquartile-range TSH.Conclusions: Extremely preterm infants persistently in the lowest-quartile TSH level at birth and at discharge had the highest NDI risk. TSH quartile levels by NBS may serve as a population surrogate biomarker for assessing NDI risks in infants born extremely preterm.
著者
Chen-Yu Lin Koshiro Futada Phyo Htet Htet Kyaw Shota Tanaka Mohamed El-Telbany Yoshimitsu Masuda Ken-ichi Honjoh Takahisa Miyamoto
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
pp.FSTR-D-23-00186, (Released:2024-01-09)

In this study, the dnaK gene-deletion mutant strain of Escherichia coli BW25113 showed a higher susceptibility than the wild-type strain of E. coli BW25113 to phage S127BCL3. Flavonoids, myricetin and quercetin which had been reported to suppress the role of DnaK were tested to examine their effects on the phage susceptibility of E. coli BW25113. A 6-h pretreatment with 500 µmol/L myricetin or quercetin increased the phage susceptibility of E. coli BW25113. A similar result was observed in E. coli O157:H7. Real-time quantitative polymerase chain reaction (qPCR) was conducted to investigate the effects of flavonoids on the transcription of chaperone genes (dnaK, dnaJ, groEL, and grpE) in E. coli. Pretreatment of wild-type E. coli BW25113 with flavonoids decreased the transcription of chaperone genes. This is the first report demonstrating the enhancement of the phage susceptibility of both E. coli BW25113 and E. coli O157:H7 by flavonoids. The results of this study on the combined effects of flavonoids involved in foods and phages on E. coli provide scientific bases for development of a novel biocontrol method of foodborne bacteria.
著者
Hiroaki Tosuji Kiho Nishinosono Hwey-Lian Hsieh Christopher J. Glasby Takeru Sakaguchi Masanori Sato
出版者
The Plankton Society of Japan, The Japanese Association of Benthology
雑誌
Plankton and Benthos Research (ISSN:18808247)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.287-302, 2019-11-27 (Released:2019-11-25)
参考文献数
39
被引用文献数
10 12

Taxonomic reexamination of Japanese populations of the Perinereis nuntia species group, which constitutes a major polychaete component in intertidal benthic communities, was carried out by analyzing the mitochondrial 16S rDNA and the nuclear ribosomal ITS sequences of 80 specimens, newly collected from 27 sites in Japan, together with 18 museum-preserved specimens collected from southern neighboring countries outside Japan. The Japanese populations of the Perinereis nuntia species group could be divided into four genetically different groups, which corresponded morphologically to four nominal species (P. mictodonta, P. wilsoni, P. shikueii, and P. nuntia), with some exceptions. Perinereis nuntia and P. shikueii were recorded as new to the Japanese fauna, with their distributions restricted to southern Japan. The clade containing P. shikueii was subdivided into two sister clades (forms A and B), indicating that cryptic speciation has occurred within this clade. Our results revealed a remarkable variability in the number of bars in area VI of the proboscis in form B of P. shikueii, which appeared to be caused by breakage of the long bar into short bars during growth from a juvenile to an adult.