著者
橋井 新治郎 新熊 亮一 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.339, pp.133-136, 2010-12-09

多数のモバイル端末が様々な情報のセンシング機能を有し,それらのセンシング情報を共有することで,人々に局所的,瞬間的に有用な情報を提供するサービスが期待されている.センシングを行うモバイル端末が情報の交換を行うことができるのはモバイル端末同士がエンカウントする(出会う)時のみに限られている.このため,モバイル端末が情報を共有する際に問題となるのが,サービス品質(例えば情報収集量や所要時間)がモバイル端末同士のエンカウント率に依存することである.エンカウント率が低い環境においてはセンシングされた情報の収集性能が低くなり,サービスの品質が低下してしまう.本稿では,ランダムネットワークコーディング(RNC:Random Network Coding)を用いることによる情報収集性能の向上について検討する.特に,バッファ容量の制限とバッファ制御アルゴリズムに対するRNCの特性に着目する.RNCを用いる場合に有効なバッファ制御アルゴリズムの提案を行い,様々なバッファ制御アルゴリズムに対するRNCの性能を計算機シミュレーションにより比較評価する.
著者
李 哲賢 津田 勉 岸田 欣増
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.242, pp.1-6, 2005-08-18
被引用文献数
17

パルス・プリポンプ方法(Pulse-PrePump)を用いた高分解能ブリルアン分布計測(BOTDA)の理論検討についてすでに発表し, その高距離分解能測定, 高歪/温度測定精度の可能性を示した.本論文は, その内容に基づいて高距離分解能(10cm)かつ高歪測定精度(±25με)で光ファイバの性能を測定することが可能なPPP-BOTDA (Pulse-PrePump Brillouin Optical Time Domain Analysis)を開発したことについて述べたものである.本論文では, まず理論検討の結果と実測データの結果とを比較し, PPP-BOTDAの利点を明らかにした.次にPPP-BOTDAの構成について述べ, 実現可能な距離分解能, ブリルアン周波数シフト測定精度, 測定範囲について明らかにする.最後に開発したポータブルタイプなPPP-BOTDAを使って, 実際に測定した10cm空間分解能, ±25μεひずみ測定精度の結果を報告し, PPP-BOTDAの実用性の高さを示した.
著者
井上 高宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.389, pp.55-60, 2011-01-18

能動フィルタは,回路の小型化・軽量化の要請が高まった1960年代に,容積のかさむコイル(インダクタ)を用いずに増幅器とRC回路のみで回路を構成する能動RCフィルタの形で,その構成法が盛んに研究された.1980年代になると,フィルタのオンチップ化の要請から,能動フィルタを増幅器とキャパシタのみ,あるいはトランジスタ素子とキャパシタのみで実現する方法が探求され,様々なフィルタ構成原理が花開いた.本稿では,能動フィルタの発展の歴史の中で誕生し展開していった種々の独創的な能動フィルタ構成原理を展望する.
著者
林 秀治 山本 和英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.83, pp.51-56, 2013-06-07

Q&Aサイトには日々新しい質問が投稿されているが、回答がつかないことも多い。本論文では回答者が自分の答えられそうな質問を見つけるための支援として、質問文を質問者の意図毎に事実、根拠、意見、提案、経験の5種類に自動で分類する方法を提案している。自動分類はキーワードと、語の頻度を使ったスコアの2つの手法で行った。その結果、根拠や提案の質問は他の種類の質問にはみられない表現があるため分類はしやすいが、事実や意見では他の種類の分類にはみられず、その種類の質問全体でみられるような表現がないため分類が難しいことがわかった。
著者
林 秀治 山本 和英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.83, pp.51-56, 2013-06-14

Q&Aサイトには日々新しい質問が投稿されているが、回答がつかないことも多い。本論文では回答者が自分の答えられそうな質問を見つけるための支援として、質問文を質問者の意図毎に事実、根拠、意見、提案、経験の5種類に自動で分類する方法を提案している。自動分類はキーワードと、語の頻度を使ったスコアの2つの手法で行った。その結果、根拠や提案の質問は他の種類の質問にはみられない表現があるため分類はしやすいが、事実や意見では他の種類の分類にはみられず、その種類の質問全体でみられるような表現がないため分類が難しいことがわかった。
著者
米川 あかり 長岡 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.389, pp.87-91, 2014-01-16

本研究では、代表的なソーシャルメディアのひとつであるTwitterを用いて、膨大なユーザーの意見を自動的に分類し、可視化することを目的とする。例えば、ある話題に対するユーザーの意見を肯定・否定等に分類し、その割合を可視化することで、世論調査などに利用できるのではないかと考えられる。本システムでは、まず無作為抽出したツイートから、ツイートに含まれる形態素それ自体と、形態素の直後の語との組み合わせである連続した形態素の、肯定・否定・その他のツイートへの出現確率を有する教師データベースを作成する。そしてその教師データベースを元に、ツイートに含まれる形態素及び連続した形態素が肯定・否定・その他である確率から、ツイート全体が肯定・否定・その他である確率を求めることで、ツイートを判定、分類する。一般的なツイートを自動判定した結果、特に肯定・否定の二つのみに分類した場合において、ある程度正確な判定が得られた。また、限定的な話題に関するツイートに対しての分類を行った結果、話題によっては、判定の難しい事例がみられた。
著者
米川 あかり 長岡 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.389, pp.87-91, 2014-01-23

本研究では、代表的なソーシャルメディアのひとつであるTwitterを用いて、膨大なユーザーの意見を自動的に分類し、可視化することを目的とする。例えば、ある話題に対するユーザーの意見を肯定・否定等に分類し、その割合を可視化することで、世論調査などに利用できるのではないかと考えられる。本システムでは、まず無作為抽出したツイートから、ツイートに含まれる形態素それ自体と、形態素の直後の語との組み合わせである連続した形態素の、肯定・否定・その他のツイートへの出現確率を有する教師データベースを作成する。そしてその教師データベースを元に、ツイートに含まれる形態素及び連続した形態素が肯定・否定・その他である確率から、ツイート全体が肯定・否定・その他である確率を求めることで、ツイートを判定、分類する。一般的なツイートを自動判定した結果、特に肯定・否定の二つのみに分類した場合において、ある程度正確な判定が得られた。また、限定的な話題に関するツイートに対しての分類を行った結果、話題によっては、判定の難しい事例がみられた。
著者
本間 裕大 会田 雅樹 下西 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.240, pp.31-36, 2010-10-14
被引用文献数
2

本研究では,制御時間スケールによる階層化という観点から,OSPF型ルーティング(最短経路)と,MLBルーティング(マルチパス)を同時実装する,新たなるルーティング制御技術を提案する.主な特長は,2種類の異なる制御技術を導入することによって,大局的には最短経路に従う安定した転送を実現しつつ,局所的な輻輳を回避し得る,柔軟なルーティング制御技術を構築した点にある.また,シミュレーションによって,単一の制御技術を導入した場合に比べ,平均遅延時間等が改善されることを明らかとした.
著者
飯塚 正孝 阪田 徹 溝口 匡人 高梨 斉 守倉 正博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.20, pp.43-48, 1999-04-23
被引用文献数
14 4

IEEE802.11規格に準拠した5GHz帯を用いたイーサネット対応高速無線LAN (EWA)のプロトタイプ開発に関して報告する。本システムは、ノートブック型PCなどに装着する無線端末(STA)と既存のLANとして一般的なイーサネットに接続するアクセスポイント(AP)によって構成される。昨年7月、IEEE802.11は5GHz帯の無線伝送方式として高速無線通信におけるマルチパス環境への耐性が優れたOFDM (Orthgodium Frequency Division Multiplexing)方式の採用を決定した。EWAは、OFDM方式を実装すると供にMAC (Medium Access Control)レイヤ機能を含めてIEEE 802.11に準拠した世界に先駆けて開発されたシステムであり、モバイル環境でのマルチメディア通信に適した20Mbit/sの高速無線アクセスを実現した。
著者
船越 裕介 松川 達哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.228, pp.37-42, 2009-10-08
被引用文献数
5

筆者らは,市販装置によって構成されるIP網の,運用中の信頼性管理の重要性を訴求し,実際の故障データを駆使した管理尺度を確立した.各種尺度によって得られた結果は,次期装置やネットワークの開発にフィードバックすることが必要であり.そのための方法が求められる.本稿ではその1つの方法として,通信ネットワークの不稼働率シミュレーションを提案する.本方法は,筆者らが確立してきた技術を用いて各種信頼性尺度を数理モデル化し,故障データそのものを乱数によって生成することに特徴を有する.数理モデルの正確性が重要であることから,あるIPネットワークの実故障データを元にシミュレーションを行い,実測値との比較を通じた再現性の検証を行う.
著者
石村 憲意 浅井 哲也 本村 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.389, pp.131-136, 2013-01-17

確率共鳴は雑音を有効に利用した現象のひとつとして挙げられる.これは,二重井戸型ポテンシャル等の系に閾値下の微弱な信号が入力されている時に,外部の雑音を効果的に取り込むことによって信号の値が閾値を超え,状態遷移を可能にする現象である.一方で,カオス共鳴が近年注目されている.この現象は,複数のストレンジアトラクターを持ち,閾値下の信号が入力され得るカオス系において観測される.このようなカオス系では,系内部で生成されるカオスのゆらぎを利用する事で状態遷移を起こす為,従来の確率共鳴と異なり,外部雑音が不要である.本研究では,カオス共鳴を起こす条件を満たす系としてChua発振器を用い,閾値下の信号として正弦波電圧を加えてカオス共鳴の観測を行った.ある入力周波数範囲では二つのアトラクター間でカオス的な遷移が起こり,他の範囲では状態が,一方のアトラクターにトラップされることを確認した.これらの動作が,カオス的なゆらぎが状態遷移に寄与していることを示している.さらに,カオス共鳴の度合いと系内部に発生するゆらぎの強さの関係を調べる為に入出力相関値やSNRを算出し,確率共鳴曲線に類似したカオス共鳴の特性が得られた.また,このChua発振器を並列化して共通の閾値下の入力を加えて同様の実験を行い,カオス共鳴下では相関値やSNRが向上する事を確認した.
著者
北山 研一 丸田 章博 吉田 悠来 DIAMANTOPOLOUS Nikolaos P. 中澤 昌哉 礒田 知基
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.448, pp.51-56, 2014-02-20

低次モードファイバ、特に2モードファイバ(TMF)を用いたモード多重伝送(MDM)について概説する。先ず70年の筆者等の低モード間群遅延(DMGD) TMFの発明を紹介し、WDM伝送のための広波長域でほぼ零DMGDを実現するためのDMGD補償TMF伝送路について述べ、LP_<01>, LP_<11>モード伝送の実験結果を示す。次にモードチャネル間のクロストークの影響を等化するためのTMF MIMO伝送システムについて、MIMOのディジタル信号処理に必要な計算量とDMGDの関係について論じ、チャネルインパルス応答の測定結果を示す。最後に、TMF MDMの導入シナリオの一例として、メトロ光ネットワークへの適用の可能性を議論し、さらにMDMノードの構成方法等を示す。
著者
川崎 涼 西村 治道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.12, pp.1-8, 2014-06-06

Gharibian, Kempe [ICALP2012] は局所ハミルトニアンの冗長性に関する問題 QIRR を導入した.この問題は,局所ハミルトニアンの和が与えられたときにエネルギー期待値の条件を満たした部分和が存在するかを問う問題である.彼らはこの問題が cq-Σp2 困難であることを証明したが,その完全性を示すことはなかった.本論文ではまず,局所ハミルトニアンに関する計算複雑さの高い問題から QIRR への帰着を与え,QIRR が cq-Σp2 に属さない証拠を与える.その後,より適切な形で局所ハミルトニアンの冗長性に関する問題を定義し,再定式化した問題が cq-Σp2 完全であることを示す.Gharibian and Kempe [ICALP2012] introduced a problem on irredundancy of local Hamiltonians, named as QIRR, which asks whether, given a sum of local Hamilitonians, there is a partial sum preserving a given energy constraint. They showed that QIRR is hard for the class cq-Σp2(a quantum analogue of Σp2 ), while they did not show cq-Σp2-completeness. In this paper we first show that QIRR is reduced from some problem that seems too hard to show cq-Σp2-completeness. Then, we introduce another problem on irredundancy of local Hamiltonians in a more suitable form, and show that the problem is cq-Σp2-complete.
著者
中西 裕陽 富田 悦次 若月 光夫 西野 哲朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-8, 2014-06-06

NP 完全である最大クリーク問題に対し,"節点数 n≧1 のグラフにおいて,グラフ中の任意の隣接 2 節点 vi,vj∈V, (vi,vj)∈E が min{deg(vi), deg(vj)}≦3.486d lg n (d ≧0: 定数) を満たすならば,最大クリーク問題は O(n2+max{d,1}) 時間で解決可能である." ことを示す.これは,先に発表した結果 (信学論 (D),vol.J97-D,no.6,June 2014) の定量的改良である.This paper presents a further improved extended result for polynomial-time solvability of the maximum clique problem, that is: for any adjacent pair of vertices p and q where the degree of p is less than or equal to that of q in a graph with n vertices, if the degree of p is less than or equal to 3.486d lg n (d≧0: a constant), then the maximum clique problem is solvable in the polynomial time of O(n2+max{d,1}). This result is obtained by more detailed analysis and the corresponding detailed algorithm.
著者
宮元 隆明 入山 聖史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.138, pp.123-125, 2014-07-17

Accardi, Ohyaらは非可換代数を基にした公開鍵共有方式(QP-KEX)を考案した.これは,Diffie-Hellman型の離散対数問題と不定方程式を用いて構成されており,いくつかの実装例が報告されている.本講演ではQP-KEXに用いられる秘密鍵に対して攻撃を試み,その計算量を導出する.具体的には,プロトコルの次元が2であると仮定して,Brute Forceとの計算量の比較を行う.
著者
齋藤 洋 山崎 史博 三川 健太 後藤 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.138, pp.7-12, 2014-07-17

本研究では,メトリックラーニングの代表的な手法であるMahalanobis Metric for Clustering (MMC)に着目する.MMCでは,学習データ数の増加や入力データの高次元化により計算量が著しく増加してしまうことが知られている.本研究ではこの問題の解決のため,学習データと特徴次元をランダムに削減し,その下で計量行列を学習する作業を繰り返して結合する手法を提案し,分類精度維持と計算量削減を図る.ベンチマークデータと人工データを用いた評価実験を行い,分類精度と計算量両面から提案手法の有効性を示す.
著者
矢嶋 純 安田 雅哉 下山 武司 小暮 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム = IEICE technical report. LOIS, Life intelligence and office information systems (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.286, pp.13-17, 2011-11-07
参考文献数
8

暗号分野で長年難問とされていた完全準同型暗号の具体的な構成法をGentryが示して以来、完全準同型暗号を主体とした準同型暗号のクラウド・コンピューティング分野への応用に関する研究が盛んになりつつある。Gentryによる完全準同型暗号は、暗号文に関する加算・乗算操作の演算回数が制限されたSHEスキーム(=somewhat homomorphic encryption scheme)から構成される。Gentry's SHEスキームの暗号操作可能回数と安全性の関係を検証するために、Gentry's SHEスキームの安全性を支える格子問題に対し、格子縮約アルゴリズムを利用した攻撃実験を行った。本論文では、512次元Gentry's SHEスキームに対するLLL攻撃実験結果を主に報告する。
著者
松本 勉 四方 順司 清藤 武暢 古江 岳大 上山 真貴子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.194, pp.73-80, 2005-07-15
参考文献数
3
被引用文献数
3 1

本稿では, 個人認証を行う主体である認証者の手元に個人認証を受けるもの(ユーザ)の個人情報をすべて集めずに, プライバシ保護を志向した分散認証技術について, 課題の抽出, 及び基本方式の検討を行う.すなわち, ユーザの属性情報を秘密分散方式により分散して管理する複数の分散属性認証機関と, ユーザの属性情報を認証者にどの程度示すかをユーザ自らが制御できるモジュールであるユーザアシスタントを導入したモデルを考案し, さらに, この分散認証技術の基本方式を提案する.
著者
内藤 佑介 清水 智 加藤 智行 小林 功郎 植之原 裕行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.258, pp.103-108, 2012-10-18

ループバック装荷半導体モノリシック集積SOA-MZI型全光フリップ・プロップ回路は、高速・広波長帯域・低偏波依存性の特徴を持ち、全光パケットスイッチの光パケットの光ゲート制御信号生成や光ラベル識別動作への応用が期待される。しかしながら、従来はSOAと光導波路のハイブリッド集積回路に光ファイバ・ループを外部で接続した構成での動作実証のみであり、ループの伝搬遅延に制限される数10nsのパルスでの動作が報告されるに留まっていた。そこで数10psの入力光パルスでの動作を目的として半導体モノリシック集積回路について動作検討を行った。SOA利得の波長・注入キャリア密度依存性を考慮したモデルを用いたレート方程式を解析し、CWプローブ光パワーとループ減衰量に対してセット・リセット動作を同時に実現可能な動作条件について明らかにした。またFWHM 18psの光パルスに対してフリップ・プロップ動作を実証したので報告する。
著者
渡邊 伸行 齋藤 展三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.238, pp.31-34, 2012-10-06

本研究は,自分の顔のイメージは証明写真のような正像か,あるいは鏡に映った像(鏡像)なのか,調べることを目的とした。実験参加者の顔を撮影し,その鏡像との間でモーフィングすることで,7種類(0%[正像],20%,40%,50%,60%,80%,100%[鏡像])の顔画像を作成した。シェッフェの一対比較法の浦の変法に基づいて,実験参加者は7種類の自己顔を評価した。実験で得られた評価値の平均値を顔の種類ごとに算出し,推定値を算出した。その結果,鏡像の方が正像と比較して自分の顔のイメージに近いことが示された。しかし,分散分析の結果,両者の間に有意な違いは見られなかった。