著者
佐野 雅規 住吉 英樹 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.415, pp.33-38, 2005-11-11
被引用文献数
4

本稿では, サッカー番組を対象に, リアルタイムにダイジェスト用のメタデータを付与する手法について報告する.入力としてスタジアムの会場音とアナウンサのマイク音を利用する.会場音からはシーンを切り出し, アナウンサのマイク音からは, テキスト変換した後, 各シーンへの意味を抽出した.会場音の解析では, 短時間パワーに注目し, 観客の沸いたシーンを効率よく抽出するために動的閾値を導入した.意味抽出においては, 歓声が沸いている時は, アナウンサはその試合の流れをコメントしていることが多いという知見を利用し, ドメイン知識を用いたルールにより意味を抽出した.一般にスポーツ番組のアナウンスコメントは文章として不完全であり, 3種類のキーワード(チーム/選手名, サッカー用語, 特定の動詞)に注目して, その組み合わせによりルールを作成した.Jリーグの6試合について実験を行い, 本手法の有効性を確かめた.
著者
菅谷 雄一 粥川 大祐 降旗 建治 柳沢 武三郎 松崎 雄樹 近藤 暹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.397, pp.1-6, 2003-10-23
被引用文献数
5

前報[1]において,骨導超音波による断続音融合弁別閾を用いての疲労度測定(以下超音波疲労度測定器と呼ぶ)の可能性が示唆された.本報告では,引き続き「高濃度の酸素を吸入することによる疲労の回復状態」および「疲労状態時の仮眠による疲労の回復状態」に関する基礎的検討を行った.その結果から,各個人の感覚的な数値データは,実験の前後で統計的に有意な変化が観測され,回復の度合いを示す有効な数値が得られた.また,前報でこれまで疲労度の数値化のための有効な手段として用いられてきた自覚疲労度と客観的疲労度との相関性も示唆された.本報告ではWWWを利用して自覚疲労を表す単語の評価尺度を検索し,より信頼性の高いアンケートが制作された.これにより客観的疲労度と自覚疲労の相関性がさらに強くなる傾向がみられた.
著者
坂巻 清司 小川 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.178, pp.81-86, 1999-07-16

一般に運動時にはRunningとJumpの運動形態をとる. さらに着地作用位置としてheel又はtiptoeが主である. これらの組み合わせに該当するスポーツ種を選んで, 競技者の着地荷重(床反力)を測定した. これを用いて脛骨各部に生ずる応力分布状態を明らかにし, 骨折位置と外力状態との関係について新しい分類方法を提案した。
著者
真覚 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.525, pp.31-36, 2004-12-09

口唇裂・口蓋裂者の表情分析から、笑顔表出時には鼻の変形や口元の歪みが目立だなくなることが示された。このことを踏まえて、顔部品の検出において笑顔がどのような影響を及ぼすのか、大学生を被験者に3つの実験を行った。実験1では、単独提示される中立顔または笑顔中にドットがあるかないかの判断を被験者に求めた。実験2では、同時提示同異判断課題によって顔中のドットの検出における笑顔の影響について検討した。両実験とも顔中のドットの検出は笑順において遅くなることが示された。実験3では、目・鼻・口の拡大変化の検出における笑顔の影響を検討した。その結果、笑顔中では目の拡大変化が検出されにくくなることが示された。これらの結果から、顔部品の検出において笑顔は抑制的な影響を及ぼすと結論づけることができる。
著者
金 景柱 岩橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.336, pp.9-16, 2000-10-06
被引用文献数
14

本報告では, 音声と画像情報を統合的に処理することにより, 単語と単語を構成する音声セグメントを獲得するための原理およびアルゴリズムについて述べる.音声セグメントと単語の階層構造を, 音声に対応づけれた画像情報を用いていかに獲得するかが問題であり, これを解決するための相互情報量規準に基づいた情報理論的学習原理が示される.これにより, 音声セグメント, それによって構成される単語, および各単語に対応付けられる画像概念が同時に求められる.アルゴリズムでは, 音声セグメントと単語と動的画像概念が隠れマルコフモデル, 静的画像概念が多次元正規分布で表現され, これらの確率モデルの数とパラメータ値が自動決定される.単語を孤立発声した音声とぬいぐるみの画像を用いた実験を行ない, 言語音声単位と画像概念が適切に獲得できることを示す.
著者
植田 浩光 力宗 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.281, pp.81-86, 2010-11-10
被引用文献数
4

ターゲットとなるインターネット上のサーバへ自動でログインし,必要な情報を収集して,ユーザへ通知するシステムがある.それを行うサーバをエージェントサーバと定義する.同サーバは,ターゲットサーバへのアカウント情報を保有するが,その内のパスワードについては,暗号化を行う必要性がある.暗号化を行う理由は,万一外部へ漏洩した場合の危険性の軽減がある.加えて,内部のユーザやサーバ管理者にもパスワードが分からないように工夫すべきであり,パスワードをどのように保護すれば良いかの提案を行う.
著者
竹森 敬祐 磯原 隆将 川端 秀明 窪田 歩 高野 智秋 可児 潤也 西垣 正勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.135, pp.425-432, 2013-07-11

情報収集モジュールなどを組み込んだスマホアプリからの勝手な情報送信が問題となる中、利用者に送信情報を説明するアプリ向けのプライバシーポリシー(以後、アプリプラポリ)の策定が求められている。我々は、情報送信を伴うアプリとアプリプラポリの実態調査を行い、63%のアプリが情報送信を行い、うち9割がアプリプラポリを持たないか、持っていたとしても送信情報を正しく記載していないことがわかった。そこで本研究では、Marketがアプリの第三者検証機関として審査役を担い、正確で解りやすいアプリプラポリを生成・提示することで、利用者判断を仰ぐフレームワークを提案する。特徴として、アプリ解析力のある技術検証機構を持つことで、誤った申告とアプリプラポリの生成を予防できる。ここで、アプリのダウンロードや利用実績に応じた報酬を支払うレベニューシェアを適用する。これにより、過剰な情報送信や目的が判然としないアプリは利用者から倦厭され、報酬が低下する経済論を働かせる。本手法をアプリMarketに実装・運用した結果、16%のアプリしか情報送信を行わないこと、アプリの趣旨に沿った必要最低限の情報送信に限られることを確認する。
著者
藤井 絵美子 西尾 義英 胡 寅駿 谷田 泰郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.213, pp.93-98, 2013-09-05

人の価値観をハブとして,取得経路の異なるデータを繋げる方法の提案を行う.具体的には,Twitter のツイートから得た人の価値観とエンターテイメント業界の視聴行動アンケート調査で得た人の価値観をハブとして,テレビ番組のTwitter公式アカウントをフォローしている人のエンターテイメント業界での視聴行動を条件付き確率で推論した.
著者
大田 友一 尾野 徹 秋道 慎志 藤田 米春 井上 誠喜 斎藤 英雄 北原 格 大城 英裕 藤野 幸嗣 金出 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.633, pp.17-22, 2001-02-15
被引用文献数
4

現実空間を多数のビデオカメラで撮影した映像を統合して仮想化現実空間を構成し、臨場感の高いコミュニケーションを可能にすることを目指して進めているプロジェクトについて述べる。多数の2D映像と、それらを加工することにより構築される3Dモデルを、CV技術とCG技術を駆使してシームレスに統合することにより、受け手の視点選択の自由度と実時間性を両立させた自由視点映像スタジアムを開発していく。特に、多数の固定カメラと少数の可動カメラの併用により画質を飛躍的に向上させる技術を開発するとともに、現実のスタジアムの空間に複数のカメラを設営した大規模な実験を行うことによって、実用化のために要求される開発課題の検討を実証的に進めている。
著者
喜田 拓也 南 俊朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.151-156, 2005-07-07

多くの図書館において所蔵文献の検索にはOPAC (Online Public Access Catalog)が用いられている.しかしながら, 歴史の長い図書館では古い資料の書誌データが電子化されないままであり, そのような資料はOPACで検索することができない.すなわち, 利用者は図書目録カードが入った引出しの前まで出向き, カードを一枚一枚めくりながら目的の資料を探さなければならない.このような状況を打開する手段として, 図書目録カードのすべてを画像データ化し, Web上でカードを検索できるシステムを我々は提案してきた.本稿では, 新たに改善された本システムの概要について述べる.
著者
山上 健 富永 浩之 林 敏浩 山崎 敏範
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.632, pp.135-138, 2006-02-25

近年,種々の分野においてe-Learningを含む教育利用のためのデジタルコンテンツの構築が盛んになってきた.このようなコンテンツ開発として,歴史的資料をデジタルコンテンツ化して,多用な教育分野での利用することが試みられている.本研究では、香川県(讃岐)出身の偉人である平賀源内の業績に着目する.江戸時代のマルチ人間として知られる平賀源内の業績は,科学技術から博物学,芸術まで広範囲にわたる.特に,科学技術に関する業績は,理科教育の教材や資料として有用なデジタルコンテンツ化が可能と考える.我々は,平賀源内の代表的な業績である「エレキテル」に着目して,エレキテルの模型を用いた放電現象の再現実験を通し,エレキテルの原理からの理解のため教育用デジタルコンテンツを開発する.この教育コンテンツはインタネット上でWWW公開し,電気学習用デジタルコンテンツとしても利用する.本報告ではこれらの実践について述べる.
著者
若菜 伸一 永井 利明 阪田 裕司 関口 英紀 伊藤 昭夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.137, pp.49-53, 2001-06-20

磁気ディスク装置の高性能化が進展しており、磁気ヘッドの開発においては高周波特性の把握が重要となっている。書き込み磁界の挙動を間接的に評価する技術として、ヘッド磁極部の高速な磁化状態の変化を光学的に観測するシステムを開発したので報告する。本システムは磁化状態を磁気カー効果による偏光回転を利用して検出し, ストロボサンプリング法により時間的変化を観測する。また、レーザ照射位置をスキャンすることにより、任意タイミングでの磁化状態分布を観測することも可能である。空間分解能0.2μm、時間分解能70ps、測定帯域5GHzを実現している。本システムの活用により、磁気ディスクヘッドの開発促進が期待される。
著者
浜田 聰 Serguei Moisseev Abdullah Al Mamun 中岡 睦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.447, pp.33-40, 2000-11-10
被引用文献数
5

本論文では, 2石フォワード形PWM DC-DCコンバータを変形し, そのロスレスキャパシタスナバを含む回路トポロジーをベースとして, 出力側平滑インダクタにタップを設けるのみによる極めて簡単な手法で, 導通損失を増加させることなくしかもスイッチング損失を低減することが可能な低いノイズ・ローレスソフトスイッチングPWMインバータリンクDC-DCコンバータを提案している。まず, コンバータの基本回路構成を示すとともに動作原理を詳しく述べている。また, 定常特性を制作解析と試作実験による評価・検討を行い, 本提案の新方式コンバータ回路の有用性を検証している。
著者
徐 景 池庄司 雅臣 圓川 隆夫 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.726, pp.33-38, 2002-03-12

駅などでPHS基地局の無指向性アンテナから移動体で受信電界強度を測定した位置検出システムでは異なるプラットホーム上の基地局からの信号が該当プラットホームの基地局からの信号より高い場合はプラットホームを間違えてしまい、同じプラットホーム上の電波よりも異なるプラットホーム間からの電波がもっと強い場合が多いので低い精度を表した。それで、本研究では異なるプラットホーム上の基地局からの干渉を抑制するために指向性アンテナを利用した方式を提案する。その方式では電波吸収剤を用いて基地局アンテナに指向性を持たせることで不要な干渉を抑えることができるものである。そして、駅での高精度な位置測定が可能になり、利用者の不要な音声、データ通信ができ、移動制約者に正確なホームを識別させ、目的地までの経路案内ができる。この提案方式の有効性を確認するため、実際のJR高崎駅の構築された実験システムを想定し、計算機シミュレーションを行ない、提案方式が不要な干渉を抑え、さらに、位置検出精度も高いことが示されている。
著者
田中 彩乃 伊藤 裕之 須長 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.279, pp.87-91, 2010-11-06

立体視ディスプレイの技術革新により・テレビ放送・デジタルサイネージ等の広告媒体における立体表示の利用普及が予想される.そこで,手前と背景に提示される情報がそれぞれどのように認知されるのかを調べる必要があると考えた.本研究では,刺激を奥行きが異なる2つの面上に提示し,目標刺激と注視点の奥行きを変化させることで視認性の変化を調べた.その結果,提示時間と奥行きの関連性が認められた.提示時間が短い場合,手前の面から奥の面への順序での情報提示が,スムースな情報の把握に有利で,逆の順序では手前の情報の視認性が悪くなることがわかった.
著者
瀬川 かおり 岡嶋 克典 三浦 弘雅 新井 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.499, pp.19-24, 2012-03-22

本研究では,メータ(基準刺激)と奥行きが異なる位置に付加刺激を呈示し,そのときの付加刺激の見え方について測定した.メータを注視しているときに奥行きが異なる面に呈示された数字の正答率について輝度レベルおよび呈示時間の影響について調べた(実験1).その結果,500ms以上の呈示時間であれば正答率は視距離の違いに依らず,視認性は維持されることが示された.次に,基準刺激と付加刺激の奥行き順序の知覚について調べた(実験2).その結果,付加刺激の奥行順序の知覚は基準刺激の輝度レベルに依存することが示された.
著者
HILL Harold 蒲池 みゆき POLLICK Frank JOHNSTON Alan TROJE Nikolaus
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.534, pp.19-24, 2002-12-13
参考文献数
8

似顔絵作者が人の見かけを強調して描くことができるように,ものまね芸人は人々の会話や動きを強調することができる.本研究では,平均的な値からの差分を強調するという静止画の顔の強調で用いられる概念を利用して,顔の動きを空間,時間ともに強調した.知覚実験では,意図的な情動を選択的に強調する場合において空間的な強調がより効果的であることがわかった.空間的な強調は時間に依存しているが,時間を一定にした平均値に対して行われた強調よりもより効果的である.このことは,動きそれ自体よりも強調を行う際に重要となってくる.結果としては一般に表情が知覚されるタイミングの効果が現れ,怒りは短い提示時間,悲しみはより長い提示時間で効果が現れた.この効果は意図された情動以外にも見られた.結果は時間もしくは時空間というより,空間的な手がかりが課題には重要であることを示し,強調による効果は適切な平均値からの差分を増幅した場合にのみ得られることが明らかになった.
著者
半田 正樹 長井 隆行 榑松 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.717, pp.1-6, 2001-03-22
参考文献数
7

音声認識システムでは、周囲に雑音が存在すると認識率が大幅に低下してしまう.複数の人が音声認識システムを利用するような環境では、入力音声に周辺の人の音声が重畳してしまい誤認識をしてしまう.この様な環境でも音声認識システムを効率的に使うためには、入力音声から周辺の人の音声を分離する必要があり、混合音声の分離方法を確立することが求められる.そこで本稿では、周波数振り分けによるマルチチャンネルの混合音声の分離法を提案する.これは、Caoらが提案する固有分解法の周波数領域での解釈から導かれる.本手法は、入力音声をFFTにより周波数領域に変換し、各周波数成分が元々どのチャンネルの成分だったのかを判断して、周波数の振り分けを行うことにより音声分離を行う.独立成分分析(ICA)との性能比較、計算機シミュレーションにおける実験結果、および実環境での実験を通して、本提案手法の有効性を明らかにする.
著者
和田 芳佳 森勢 将雅 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.175, pp.81-86, 2011-08-02

歌唱音声や障害音声,強い感情音声など,基本周波数のみでは十分に表すことのできない複雑な構造をもつ音声を分析するために,XSX(eXcitation Structure extractor)と呼ばれる方法を提案してきた.本資料では,従来の基本周波数抽出法と比較することで,XSXの特長と有効な適用領域を明らかにする.まず,FM調波複合音を試験用の信号として,基本周波数の変調周波数に対する追従性能を調べ,XSXが比較対象であるYINとSWIPEを大きく凌ぐ性能を有することを明らかにした.次いで,障害音声データの分析を行い,比較対象の方法と大きく異なる結果が得られる音声に対して詳細な検討を行った.XSXによる詳細な分析結果は,それらの音声では,いわゆる基本周期に加えて,複数の周期が組み合わされた単位が繰返されるサブハーモニックが生じていることを明らかにした.これらの結果は,XSXが従来の方法では困難な複雑な音声の分析に有用な方法であることを示すものである.
著者
福田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.665, pp.35-40, 2003-02-21
被引用文献数
4

航空機が保持する針路,速度,ロール角等の動態情報を管制システムがデータ通信で取得し,航空機の間隔が管制間隔を満足しない近接状態を予測検出する手法について検討した.2機の航空機が水平面で接近するシミュレーションを実施し,レーダの観測位置のみを利用する方法と観測位置に加えてロール角,速度,選択針路,通過予定ウエイポイント等の航空機の動態情報を利用する方法を比較した.航空機の動態情報を利用する方法は,観測位置のみを利用する方法に比べて,航空機の針路変更時の不要警報と警報の検出遅れの発生を低減できることがわかった.