著者
山口 正泰 山中 直明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.47, pp.61-66, 2009-05-15
参考文献数
5

本稿では,複数地点に設置したセンサ(雷検知器)群をネットワークで結んで雷を観測する簡易型多地点雷観測システムの構成法とプロトタイプによる実験結果について報告する.汎用パーソナルコンピュータをベースとした簡易な構成を採ることで,従来のシステムに比べて経済性の高いシステムを構築できる可能性がある.試作した雷検知器を3つの観測地点に設置して,実際の雷が発する空電パルスの観測が可能であることを確認するとともに改良のための課題について考察した.
著者
櫻岡 萌 高橋 応明 齊藤 一幸 伊藤 公一 石川 典男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.475, pp.59-62, 2009-03-02

近年,RFID(Radio Frequency Identification)システムは,セキュリティ管理や物流管理など様々な分野で利用されている.その一つとして,個人認証が挙げられ,社員証や学生証などとしてカード型のタグが用いられている.本研究では,歯に貼付するタグを用いた個人認証システムを提案する.RFIDタグを歯に貼付して使用する場合,生体組織や水(唾液)の電気定数によりアンテナ諸特性が変化する.そこで本稿では,簡易なモデルとして歯に貼付したダイポールアンテナを使用した場合の特性を解析するために,FDTD(Finite Difference Time Domain:有限差分時間領域)法を用いて数値解析を行い,さらに,歯ファントムを用いてアンテナの放射パターンと入力特性の測定を行った.その結果,歯のある方向へは放射が少ないことを確認した.
著者
野田 耕平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.76, pp.95-102, 1998-05-23
被引用文献数
2

本論文では、文章を読む過程そのものを外に見える形で取り出し操作する支援法を提案、その方法での読みが文章理解に与える効果を確かめた幾つかの実験を報告する。さらに、その結果を踏まえ開発したコンピュータ上の読解支援ツールの概要と評価の結果を報告する。文章を文または節の単位でカード化しそれを自由に配置しながら読むと、カードを文章順直列配置で読む場合に比べ、より広い範囲でカード同士の関連付けをし、文章の対比を捉えた理解などがされやすいことを実験で確かめた。その結果を踏まえ、読解支援ツールCArD(Card Arrangement Displayer)を開発、その評価を行っている。紙に比べカード作成が容易であり、複数のカードを一度に動かせる、などの利点がある。
著者
熊谷 遼平 濱本 和彦 舘岡 洋子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.155, pp.25-28, 2007-07-14

現在、第二言語学習者のための日本語教育は様々な視点から研究されている。本研究は、その中でも日本語読解教育に焦点をあてる。効果的な読解教育を行うためには、まず、読み手がどのように読解を展開しているかを知る必要がある。しかし、読解プロセスは目では見えないという特徴を有しており、読み手一人一人ずつ分析していくのはとても困難である。そのため、本研究では読解プロセスを可視化できる学習システムを開発する。そして、その読解プロセスを認知心理学的手法により分析を行い、その分析結果から効果的な日本語教育方法を提案することを目的とする。
著者
日高 慶太 片山 統裕 石川 大晃 辛島 彰洋 中尾 光之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.298, pp.27-32, 2012-11-09

マウス用没入型バーチャルリアリティシステムを開発した.このシステムを用い,無限に広がるバーチャル空間におけるマウスの自由行動を計測した.その結果,動物の移動運動の計測に用いる球式トレッドミルの力学パラメータが移動軌跡の形状に大きな影響を与えることが分かった.パラメータを適切に調整したトレッドミルを用い,移動運動と海馬脳波を同時記録した.解析の結果,実空間の場合と同様に,海馬脳波の周波数スペクトルが移動運動と関連して変化することが確認された.さらに,バーチャル空間においても移動速度と海馬シータ波の周波数が相関することを見出した.
著者
神藤 善洋 手島 知昭 荒井 伸太郎 小沢 慎治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.150, pp.7-12, 2010-07-21
参考文献数
1

本稿では,料金所の屋根に設置された定点カメラの画像を用いて交通流解析を行うために必要となる背景画像の動的更新の手法を提案している.従来手法の問題点として,背景画像を直接とるのは現実的ではなく,背景画像の更新が必要である.また,複数のフレームの平均を取るだけでは不十分であることが,従来研究で示されていた.そこで,本手法ではアシスト画像と呼ばれる動物体が頻繁に通過する領域が明るくなっている画像を導入している.これを導入することで車両がほとんど走行していない領域においてのみ平均値と標準偏差を計算することができ,信頼度の高い背景モデルを生成できることを示している.この信頼度の高い背景モデルを用いて,複数のフレームから背景画像らしい画素を求めることによって背景画像を更新する手法を提案している.実験により,走行している車両が背景画像に映り込まないことを確認した.また,従来の手法で問題となった画素値が一様なトラックによる背景画像の劣化が低減できたことを示している.
著者
村井 厚介 降旗 建治 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.397, pp.31-36, 2003-10-23
被引用文献数
2

前報[1]では,耳栓型イヤホンによる再生時に,頭外定位感が得られる条件について検討した.その結果,耳栓の装着感が定位感に深く関係することが示唆された.本報では,耳栓型イヤホンの装着感が主に外耳道閉塞効果によるものと考え,空気漏洩孔を設けることで外耳道閉塞効果を低減したイヤホンを設計・製作した.次に,スピーカ再生音とイヤホン再生音を片耳ずつ同時に受聴する状態で音像定位実験を行い,外耳道閉塞効果と頭部伝達関数それぞれの頭外定位感に対する影響を検証した.その結果,頭外定位感に対し,外耳道閉塞効果を低減することの有効性が1kHz以下の帯域において見られ,個人の頭部伝達関数を補正することの有効性が特に正中面内前方において見られた.
著者
和泉 諭 栗山 大 三浦 祐太朗 安田 尚史 四倉 涼 加藤 靖 高橋 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.523, pp.19-24, 2007-01-26

高血圧や肥満といった生活習慣病の人々が増加している現代において,その予防策が求められている.本研究では,健康に関するオントロジを導入し,生活習慣病改善を目指す人々を支援するシステムの構築を行う.このシステムでは,センサデバイスやモバイル端末を利用し,ユーザの身体データの取得や管理を行い,さらに,取得した身体データを利用し,健康に関するドメインオントロジに基づいて推論を行うことで,ユーザに適した健康アドバイスを導出する.本稿では,支援システムの設計と実装について述べる.
著者
山田 寛章 石井 雄隆 原田 康也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.100, pp.55-60, 2014-06-21

大学1年生50〜90名が第三著者の担当する英語の授業で3人ずつのグループで「応答練習」を30分ほど行ったのちに、30分前後の時間で授業中に500語を目標に英語で作文をまとめて提出し、次の授業で宿題として完成させた作文を提出して6人のグループで相互チェックを行い、さらに次の週にコメントに基づいて修正した最終版を提出している。年間30回の授業で15の作文について授業中のドラフト・宿題として完成させたバージョン・相互チェックを反映した最終版の3つのバージョンを回収した電子ファイルが過去10年分ほど蓄積してあるが、単語数の自己報告を毎回の授業で提出したものを集めているほかは、各種統計情報の抽出等の分析を行っていなかった。構文解析器などを利用して作文の特徴量を抽出し、年間を通じての作文の長さと質の向上を検討する目安に利用したいが、学生が提出する電子ファイルに若干の事前処理を施す必要があり、どのような特徴量に着目すべきかも実データをもとに検討する必要がある。本発表では、事前処理と手作業の一致具合なども含め、予備的調査の結果と今後の課題について報告する。
著者
市川 晃 佐藤 英哉 島田 哲雄 尾脇 志麻子 西村 義孝 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.478, pp.105-110, 2001-11-22

輸血後GVHDとは, 輸血血液中の供血者リンパ球が受血者の体細胞を攻撃する輸血による重篤な副作用である.発症すると有効な治療法が存在せず, ほぼ100%が死亡する.そのため予防措置が重要とされ, 現在血液製剤に対する放射線照射によるリンパ球の不活化が行なわれている.しかし, これは高コスト, 照射直後からの血漿中K+イオン濃度の上昇などの問題点が多い.紫外線にもリンパ球を不活化する効果があり, 放射線の代わりに用いることで, それらの問題を改善できると考えられる.紫外線は低エネルギーであることなどの問題があったが, 水銀キセノンランプを使用し高強度紫外線照射をした場合, 高いリンパ球不活化効果を得られることが分かった.そこで本研究では, 血液製剤に対する保存前, または輸血時紫外線照射を目的とした装置開発と, それにともなった照射条件の検討を行なった.
著者
北村 毅史 本田 和博 小川 晃一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.349, pp.23-28, 2012-12-06

本論文では,2素子半波長だいぽーるあれーあんてなについて到来波SNR,素子間の電力の差異である不等電力ΔGそして素子間の相関係数ρを変化させ,もんてかるろしみゅれーしょんによりMIMO伝送容量特性の解析を行った.その結果から多変量回帰分析によってSNR,ΔG,ρを変数とするMIMO伝送容量の関数を求めた.この関数から得た伝送容量が妥当であるか,もんてかるろしみゅれーしょんの結果との比較を行った.さらに得られた関数について,人体影響が存在する端末実装あんてなを用いて解析を行い,提案方法の妥当性を検証した.
著者
斎藤 和義 日高 裕敏 品川 準輝 小林 岳彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.193, pp.119-126, 2000-07-12
被引用文献数
2

セルラネットワークを計画・設計・運用する上で、移動通信トラヒック特性の把握は重要である。従来よりトラヒック特性を予測するために移動特性モデルの開発が行われてきた。本報告では、大都市、及び小都市を移動範囲とするタクシーの移動特性をGPSを用いて実測した結果から、仮想的なセルラシステムにおけるセル滞在時間分布、移動方向確率を推定した。また、その推定結果を用いたシミュレーションからセルラシステムにおけるハンドオフ頻度や回線ブロック率等のトラヒック特性を評価した。その結果、大都市と小都市ではセルサイズが小さい場合は特性の差がほとんどないが、セルサイズが大きい場合は平均的な移動範囲の違いから移動方向確率に差が生じることを明らかにした。
著者
山本 吉伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.68, pp.295-300, 2014-05-29

学会のポスターセッションでは,ポスター発表者は何人ぐらいの聴講者にメッセージを伝えることができているのか.逆に,聴講者は何件ぐらいのポスターを見ているのか.将来の学会サービス向上にむけてこれらのデータを調査する方法を実施したので,その事例を紹介する.
著者
山本 吉伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.68, pp.295-300, 2014-05-22

学会のポスターセッションでは,ポスター発表者は何人ぐらいの聴講者にメッセージを伝えることができているのか.逆に,聴講者は何件ぐらいのポスターを見ているのか.将来の学会サービス向上にむけてこれらのデータを調査する方法を実施したので,その事例を紹介する.
著者
金丸 裕亮 豊嶋 章宏 奥村 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.81, pp.29-33, 2014-06-14

TwitterやFacebook,ウェブログ等のソーシャルメディアが広く利用されるようになり,それに伴いソーシャルメディア上でのトラブルも年々増加している.ソーシャルメディア上では,不用意な発言によってたちまち炎上してしまう.本研究では, Twitterに着目し,大量のログデータから他者が受け取るイメージ(感情)を抽出することで,ソーシャルメディア上で形成される発信者の性格(表層心理)を推定する手法について検討している.実験として,ある発信者のログデータを感情判断システムによって解析し, Big Threeモデルとの対応を行うことで,ソーシャルメディア上での発信者の性格を推定している.
著者
天野 敏之 浮田 宗伯 岡部 孝弘 佐川 立昌 日浦 慎作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.524, pp.43-48, 2004-12-17
被引用文献数
3

2004年7月,はこだて未来大学にて画像の認識・理解シンポジウムMIRU2004が開催された.その併設イベントとして,若手研究者の活性化および相互交流を図るため「若手プログラム」が開催された.本稿ではその概要を報告する.
著者
坂田 憲紀 青野 正志 上村 忍 小松 民邦 國武 雅司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.456, pp.25-28, 2013-02-26

各pHでの水溶液-AU(111)界面におけるメレムの2次元自己組織化構造の構築挙動について電気化学走査型トンネル顕微鏡(STM)及びサイクリックボルタンメトリーを用いて評価した.弱塩基性及び中性水溶液では,基板電位を制御することによってハニカム構造,充填構造,ファイバー構造の3種類の2次元自己祖織化構造を作り分けることに成功した.一方,酸性水溶液では,ハニカム構造及び充填構造の2種類のみが構築された.酸性水溶液中ではメレムのプロトン化か起こることで,ヘプタジン環のスタックが近傍に存在する対イオンによって阻害されたため,ファイバー構造が構築されなかったことが示唆された.
著者
高瀬 柔郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.69, pp.19-24, 2000-05-12
被引用文献数
10

近隣コミュニティにおけるボランティア活動をサポートするために, 既存のネットワークとの使い分けを前提とし, 使用料を必要としない超分散網の構築について考察する.この網は, 近隣コミュニティに潜在するネットワーク・リソースを活用する.そのリソースとして, 各家庭のパソコン, 大気, 壁, 上下水道の配管, および配電線などを想定する.それらを活用するために必要となる基本的な課題を提示する.
著者
伊藤 貞則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.434, pp.65-68, 2009-02-13
被引用文献数
1

欧州指令で臭素への規制が始まっている。その対応として欧州で採用されている赤りん系難燃剤の日本を含めた東南アジアにおける適応性について検討した。結果は高温多湿下で絶縁劣化のほかに接点腐食や付着による接触不良を起こしやすいので使用方法の制限が必要といえる。
著者
川上 貴文 廣瀬 敏也 春日 伸予 澤田 東一 小口 泰平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.582, pp.49-52, 2005-01-15
参考文献数
4

本研究は, 運転者の認知過程を考慮した追突防止システムの評価を検討したものである.システムは3種類を用意し, それぞれのシステムはブレーキランプに情報を提示するものである.その提示情報は(1)減速度, (2)制動力, (3)点滅による警報である.実験はドライビングシミュレータを用いて, システムを搭載した前走車の減速に伴い, 後続車の運転者が減速するものである.その結果, 制動力を提示したシステムは, 追突防止に効果が見られた.理由としては, システムが運転者の認知, 判断の時間を短縮していることが考えられる.