著者
岡村 久道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報文化と倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.1, pp.1-6, 1999-04-08

インターネット上のスパムをめぐり、既に米国では幾つかの判例が出されている。また、スパムを規制するために複数の州では州法が制定されており、合衆国法についても法案Federal billsが審議されている。日本でも、ニフティサーブがスパム送信禁止を求める仮処分を日本で初めて提起し、浦和地方裁判所は、1999年3月9日、ニフティの請求を認める旨の決定を下すに至っている。
著者
三淵 啓自
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.287, pp.1-6, 2008-11-06
被引用文献数
1

セカンドライフの事例を、三次元仮想世界(メタバース)の新しいメディア(メタメディア)としての特徴や、感性的・感覚的な情報メディアとしての可能性をまとめた。
著者
芳田 眞一 紫竹 リカルド毅史 松浦 康弘 村松 剛司 岡本 俊弥 宮田 宗一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.299, pp.39-46, 1995-10-20
被引用文献数
6

筆者らは、当社従来比約15倍の処理能力を持つ映像信号処理向きデータ駆動型プロセッサを開発した。本プロセッサは、(1)複数個のプロセッサユニットを1チップに内蔵する、(2)1個のデータパケットに複数データを持たせ同時並列に処理する、(3)命令の複合度を高める、等の手法により高性能化を図っている。データ駆動型プロセッサは、パイプライン型の優れた並列処理能力に加えて、非斉一な演算処理機能を持つマルチプロセッサ構成を容易に実現できるという特徴があり、実時間映像信号処理がソフトウェアで実現可能になる。本稿では、まず本データ駆動型プロセッサの構成を述べ、その特徴を明らかにする。さらに、実測値による性能評価結果を述べた後、一つの応用例として、MUSEデコーダ動画処理システムへの適用例を示す。
著者
矢田 和也 高井 昌彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.386, pp.35-40, 2013-01-16

麻雀は初心者にとって大変難しく,基本的なルールを覚えただけでは十分にプレイできず,手牌からどの牌を次に捨てるべきかの判断に戸惑うことが多い.本研究ではこのような初心者支援のため,麻雀牌の画像認識と拡張現実技術(AR)を応用したAR麻雀システムを開発した.本システムでは,初心者がスマートフォンを用いて自分の手牌を撮影することで,システムが捨牌候補をリアルタイムで検出し,これをARで可視化することにより,初心者のプレイを支援するものである.画像認識ライブラリにOpenCVを用い,アンドロイドスマートフォンArrows X F-10Dにシステム実装を行った結果,実験環境において手牌画像を誤りなく0.4秒で認識できることを確認した.
著者
杉本 琢磨 堀山 貴史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.232, pp.19-25, 2010-10-08

Vickreyオークションでは,第一価格を入札した者が,第二価格で商品を落札する.このオークションは,入札者に対し誘因両立性を持つことが知られている.一方,入札者のプライバシーに配慮して,各入札者の入札額や誰が落札したかを入札者には伏せたまま実行する場合には,競売人が落札者に対して第二価格を偽ることができる.本研究では,秘密分散を用いることで,競売人の不正を許さず,全体の半分未満の参加者がsemi-honestな参加者として結託したとしても情報を漏らさない情報理論的に安全なプロトコルを提案する.このプロトコルは,入札者が直接情報のやり取りを行うことで,第三者機関を必要としないことが特長である.さらに,第一価格入札者が複数存在した場合のタイブレークの方法,オークションの結果が正当であり競売人による不正が無かったことを入札者に納得させる方法を提案する.
著者
岸本 統久 沢辺 幹夫 寺田 弘慈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.112, pp.1-4, 2007-06-21
被引用文献数
3

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、関係研究機関と協力して高精度測位実験システムの開発を実施すると共に、2006年3月31日の政府方針「準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針」に基づき、準天頂衛星システム第1段階(準天頂測位衛星初号機、準天頂衛星追跡管制システム)の整備を行っている。これまで、高精度測位実験システムについては、詳細設計、及び、準天頂測位衛星初号機・準天頂衛星追跡管制システムについては、予備・基本設計を実施してきており、本稿ではこれらのシステム設計について示す。
著者
関野 正志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.265, pp.203-210, 2010-10-28
参考文献数
5
被引用文献数
2

確率的行列分解(Probabilistic Matrix Factorization : PMF)において、行列要素とは別の、行や列に対応する特徴量を反映させる確率的行列分解回帰(Probabilistic Matrix Factorized Regression : PMFR)を提案する。あわせて、変分ベイズ推定の新たな初期化方法も提案する。PMFRはPMFと縮小ランク回帰を特別な場合として含み、ベイズ推定により両者の特性を適切に反映させることができる。推薦システムでは、PMFRは協調フィルタリング(Collaborative Filtering : CF)と内容ベースフィルタリング(Content-Based Filtering : CBF)を統合した確率モデルの一つとしても考えられる。MovieLensデータに適用した結果、デモグラフィック属性をユーザの特徴量、ジャンル属性を映画の特徴量とするPMFRは、PMFよりも高精度であり、特にコールドスタート問題に有効であることがわかった。
著者
彌勒地 進 麻生 敏正 長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.459, pp.113-118, 2010-03-02
被引用文献数
4

本稿では,ラウンドアバウトを含めた信号制御方式の性能評価のためのシミュレータの構築を行った上,ラウンドアバウトと信号化交差点の性能比較を行っている.まず,モデル化したラウンドアバウトの道路形状と車両挙動を,高度デマンド信号II制御方式(Advanced Demand Signal II scheme; ADS-II方式)の評価用シミュレータへ導入している.次に,静的な交通状況においてラウンドアバウトと,最適な連携係数やデマンド関数のべき乗部を用いたADS-II方式,最適なサイクルやスプリットやオフセットを用いた系統制御方式の3者の性能比較を行っている.評価結果より,ラウンドアバウトは閑散時に有効,系統制御方式は混雑時に有効,ADS-II方式は閑散時と混雑時共に有効であることが明らかになっている.閑散時においてADS-II方式と比較した場合,ラウンドアバウトの車両アイドリング時間の90パーセンタイル値は小さくなるが,平均旅行速度は低下する.
著者
岡田 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.278, pp.81-86, 2000-09-01
被引用文献数
12 5

地震等の大規模な災害時には、安否確認等のために通話需要が急増する。一般に広く普及した携帯電話への通話需要も急増することが予想される。しかし、携帯電話は、有限である周波数資源を使用するため、容量を余分に大きくすることは難しく、多くの呼損が生じることが予想される。そこで、本報告では、通話時間を規制して多くの通話を実現することを考え、生起呼数に応じて通話規制時間を変化させる制御を提案する。そして、通話時間を規制した場合の効果を簡単なシミュレーションモデルを用いて調べる。その結果、通話規制時間を少なくすると、通話時間は少なくなるが、呼損率やハンドオーバー時の強制切断率を十分少なく出来ることが示された。また、簡易な通話規制時間の見積法の検討も行い、シミュレーション値とよく一致することを示した。
著者
小森 智康 今井 篤 清山 信正 田高 礼子 都木 徹 及川 靖広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.76, pp.107-112, 2013-06-06

高齢者は放送番組の背景音(音楽・効果音)をうるさく感じたり,アナウンサーや役者の音声が不明瞭で聞きづらく感じたりすることがある.これに対し,家庭側(受信機側)で高齢者に適した番組音声に調整する装置の開発を進めている.音声区間(ナレーション・セリフと背景音が混在する区間)では,ステレオ背景音の無相関な成分を抑圧し,相関成分では音声の母音や子音の音響的な特徴をフィルタ処理により強調し,非音声(背景音だけの)区間は,ゲイン制御のみによる劣化のない抑圧を行なうことで,番組全体での音質劣化を抑制する手法を提案した.提案手法により6dB相当番組背景音を抑圧できることを主観評価で確認し,高齢者視聴実験により番組音が聞きとりやすくなることを確認した.
著者
桂 幸司 寺田 一樹 力丸 裕 横川 隆一 渡辺 好章 Lin Liang-kong
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.655, pp.25-30, 2003-02-14
被引用文献数
2

2台の高速度ビデオカメラを用いて飛行中のコウモリの軌跡を3次元で解析し,テレメーターマイクを用いて観測した超音波パルスの変化とコウモリと標的までの距離との関係について検討した.その結果,エコーロケーションシステムについて,特にCF,FM,パルス間隔,CF_2周波数,ドップラーシフト補償について,多くの情報を得ることができた.
著者
日置 雅和 河並 崇 松本 洋平 堤 利幸 中川 格 関川 敏弘 小池 帆平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.198, pp.37-42, 2009-09-10
被引用文献数
3

我々の研究グループは,ソフトウェアとハードウェアの観点から,電力を再構成可能なFPGAである"Flex Power FPGA"の予備的評価を行ってきた.今回,我々はFPGAとしての回路再構成機能に加えて,電力再構成機能を有するFlex Power FPGAチップの設計と試作を90nm CMOS技術で行った.また,デバイス設計と同時に,Flex Power FPGAのための専用ソフトウェアを開発した.専用ソフトウェアを用いて16ビットカウンタ回路のビットストリームを生成しチップへ実装した.その結果,設計したチップ上で16ビットカウンタの完全動作を確認した.
著者
橋本 典征 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.131, pp.13-18, 2009-07-09
被引用文献数
2 1

無線センサネットワークにおけるMAC層では消費電力削減のために効率的にスリープを行うプロトコルが提案されている.その中でも非同期型MACプロトコルはアクティブ状態の同期を必要としないため,同期型に比べてスケーラビリティは優れており,近年盛んに研究が行われている.しかし一方で,スリープの同期を取らないことから,宛先ノードがアクティブ状態に遷移するまでプリアンブルを送信し続けなければならない.それにより,遅延時間および消費電力が増加するという問題を抱えている.そこで本稿では,通信手順の中にアクティブ状態に遷移するまでの時間情報を付加することによって非同期状態から擬似的にリッスン状態のタイミングの同期を取る擬似同期MACプロトコルを提案する.これにより,送信ノードは宛先ノードがアクティブ状態に遷移するときに送信開始できる.実機実験により,提案方式はX-MACに比べ,デューティサイクルを約76%,遅延時間を約44%削減できることを示す.
著者
大谷 卓史 芳賀 高洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.25, pp.41-46, 2014-05-14

学校教育や社会教育、教育政策の立案など公益増進に役立つ可能性が大きいものの、学校授業の録音・録画とそのデータ利用には、未解決の著作権問題が存在する。そもそも授業の著作物性やその職務著作該当性が正面を切って議論されることも稀である。本稿は、学校授業が教授者の職務であるとともに、授業が著作物である事実を確認したうえで、小中高等学校・大学における学校授業の録音・録画とそのデータ利用に係る著作権問題を検討した。授業者・学習者の著作権処理は当事者間の同意によってほぼ解決できるものの、授業で使用する第三者の著作物の映像・音声記録には大きな困難があるので、学校授業の録音・録画とそのデータ利用による社会的利益を十分に引き出すためには、立法的解決が必要となるかもしれない。
著者
大谷 卓史 芳賀 高洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.25, pp.41-46, 2014-05-14

学校教育や社会教育、教育政策の立案など公益増進に役立つ可能性が大きいものの、学校授業の録音・録画とそのデータ利用には、未解決の著作権問題が存在する。そもそも授業の著作物性やその職務著作該当性が正面を切って議論されることも稀である。本稿は、学校授業が教授者の職務であるとともに、授業が著作物である事実を確認したうえで、小中高等学校・大学における学校授業の録音・録画とそのデータ利用に係る著作権問題を検討した。授業者・学習者の著作権処理は当事者間の同意によってほぼ解決できるものの、授業で使用する第三者の著作物の映像・音声記録には大きな困難があるので、学校授業の録音・録画とそのデータ利用による社会的利益を十分に引き出すためには、立法的解決が必要となるかもしれない。
著者
宇賀 大貴 川嶋 大地 永長 知孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.63, pp.37-42, 2011-05-19

本稿では,加速度センサ搭載端末を用いた早期地震警報システムについて検討が行われている.最初に近年普及してきたスマートフォン等の携帯端末に搭載されている加速度センサを地震計として用いたシステムが提案されている.地震計となる加速度センサ搭載端末では,地震発生時に加速度センサから加速度の値が取得され,閾値以上の加速度が検知されたときに一定地域ごとに設置されたサーバへ情報が送信される.サーバは送られてきた情報を管理し,震度や震源を推定し周辺の利用者端末へ警報を発信する.また,提案システムについて実際にサーバを設置し,送受信能力の測定が行われ,その結果が示されている.
著者
村上 謙 佐藤 浩司 横谷 哲也 安士 哲次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.279, pp.73-77, 2005-09-15

IEEE802.1のLink Security Task Groupにて, レイヤ2レベルのセキュリティに関する標準化が進められている.具体的には, 802.1AEにてMAC(Media Access Control)サービスを適用するLAN/MAN(Local Area/Metropolitan Area Network)でのセキュア通信機能を, 802.1afにてMACセキュリティのためのコネクティビティアソシエーション確立方法を議論している。802.1AEはDraft3.5によるワーキンググループレベルの投票が7月に行われ、11月までに次のステップ(スポンサー投票)に進む予定である。また来年5月の標準制定を目標としている。一方, 802.1afはDraft0.2が7月に発行されたが, 課題も多く, 依然としてタスクグループ投票前の議論が続けられている。こちらは来年12月の標準制定を目標としている。本報告では, 各ワーキンググループでの審議状況をまとめるとともに, 特に802.1afにおける今後の課題を示す.
著者
橋口 友美 井上 真郷 岡田 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.55-60, 2008-03-05

一次視覚野(V1)における輪郭抽出の性質は,特定の傾きに対しての方向選択性を持つモジュールの働きによるものであり,この性質を現す単純なモデルとしてGaborフィルタが用いられる.本研究では,視覚画像にGaborフィルタをかけて得られたフィルタ出力から,Bayes推定によって視覚画像を逆推定するという実験を試みた.これは,V1での脳活動情報を観測することで,今見ている視覚画像を推定することに相当する.Bayes推定を用いた画像修復の問題において,事前確率やノイズに並進対称性がある場合はFourier変換を用いて簡単に画像修復をすることができるが,畳み込みフィルタであるGaborフィルタも,Fourier変換を利用することで計算量を減らし,解析解を導くことができる.また,モデルに含まれるハイパーパラメータも,観測画像より推定が可能なことを示す.
著者
山本 拓弥 久保 満 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 森山 紀之 江口 研二 森 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.172, pp.43-48, 2000-07-03
被引用文献数
6

肺がん集団検診で撮影された撮影日時の異なる2つのヘリカルCT画像のスライス差を, 自動的に算出する比較読影システムについて述べる.横隔膜部分は吸気量によって横隔膜の形状が異なるので, 肺形状を用いた従来のスライス差算出アルゴリズムでは横隔膜部を正確に合わせることが困難であった.そこで本研究では肺野領域における血管情報を使ったテンプレートマッチングによるスライス差算出アルゴリズムを作成し, 従来の手法と比較を行い, 有効性を示す
著者
橋本 昂宗 植松 裕子 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.375, pp.85-90, 2010-01-14
被引用文献数
1

本論文では,多視点のカメラの映像を合成することにより,中央カメラに映る障害物を取り除くとともに,障害物に隠れていた物体を透視することで,シースルー映像を生成する手法を提案する.本手法を野球の試合映像に適用し,審判とキャッチャーに隠されたピッチャーの姿を透視した映像を生成する.本手法は,ピッチャーの合成,審判とキャッチャーの除去,ボール軌跡の可視化の処理から成る.ピッチャーの合成では,左右カメラにおけるピッチャー領域を,Homographyによって中央カメラ視点へ変換して合成する.審判とキャッチャーは,Graph cutを用いた領域検出によって除去する。ボール軌跡は,左右および中央カメラ間に成立するTrifbcal Tensorを用いて中央カメラでのボール位置を推測することで可視化する.最後に,それぞれの処理によって生成された結果を領域ごとに合成することで,シースルー映像を生成する.実験では,球場にて撮影した多視点映像に本手法を適用し,障害物であるキャッチャーと審判を除去したシースルー映像を合成することができた.