著者
平野 宏子 顧 文涛 広瀬 啓吉 峯松 信明 河合 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.333, pp.19-24, 2006-11-03

日本語学習者が自然な発音・イントネーションで話したいと願うとき,ピッチ・アクセント言語の日本語において,その自然性に主要に関わる基本周波数の適切な制御が重要になる.本研究では,母語話者と学習者(標準中国語話者)の基本周波数パターンを比較し,その特徴を分析する.その際,1)表層の音声に現れる基本周波数パターンの特徴を,F_0の局所的な上昇下降の形状や発話全体のレンジの変化の様相から述べ,2)音声合成分野に広く用いられている基本周波数生成過程モデルを,第二言語の韻律習得の分析に応用し,いくつかのパラメータから個々の特徴を分離して定量的に調べる.モデルによる分析からは以下のことが示された.1)基底周波数は学習者の方が高い,2)フレーズ指令の生起数が多く,形成される韻律句が短い,3)文節中にアクセント指令が多く生起し,文節がいくつかの韻律語に分解される,4)文(節)末で急激なF_0下降が生じ,局所的に負のアクセント指令が導入される.これらの特徴は,音節毎に声調型を持つ中国語音声の影響,第二言語発話の不慣れ,適切な韻律指導の不足に起因すると考えられる.
著者
上村 和宏 星野 春男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.1-6, 2007-03-01
被引用文献数
3

ブロードバンドネットワークの普及に伴い,IPを用いて映像を配信するIPTVの技術的検討が進んでいる.一方,家庭ではPCやAV機器を接続するイーサネットベースの宅内ネットワークの利用が増えており,今後宅内ネットワークにおいても放送と通信の共存が進んでいくと思われる.しかし放送信号の多重化方式(MPEG-2 Systems)では,復号器のクロック再生基準となるPCRの伝送に対して厳しいジッタ制約を課しており,放送パケットの伝送ジッタ抑制が重要である.本稿では,宅内ネットワーク向けのスイッチでの利用を想定し,優先パケットを原理上ゼロジッタで転送できるパケットスケジューリング手法を提案・検証する.リアルタイムOSを用いた実装により,従来の完全優先キューイング手法と比較して1/4以下にジッタを改善し,ジッタに起因する再生映像の乱れを少なくできることを実証した.
著者
前川 喜久雄 槙 洋一 吉岡 泰夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.353, pp.9-16, 1999-10-15
被引用文献数
1 1

筆者らは1996年以来日本語熊本方言を対象として発話の丁寧さの知覚におよぼす語彙的要因と韻律的要因の関係について実験的検討をくわえてきた.前半でこれまでの研究成果を概観した後,後半では最新の実験結果に基づいてデータに観察される社会差について新規に検討をくわえる.われわれは従来,比較的若い年代の被験者による実験結果に立脚して丁寧さの表出に果たす語彙と韻律の貢献はほぼ同程度であると推定していた.しかし被験者の年代を高年層と中学生にまで拡大した結果,高年層では語彙の果たす役割が大きく韻律が果たす役割が小さいこと,そして年齢が低下するにともなって,この関係が逆転してゆくことが発見された.
著者
石川 俊行 砥川 進士 降旗 建治 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.381, pp.57-64, 2001-10-18
被引用文献数
3

本報告では人がアンプによる音質の違いをどのように判断するかについて, 聴覚系の情報のみ与えた一対比較法(Scheffeの方法)と, 聴覚系以外の情報も与えた階層分析法の両面から実験的に検討した.具体的には, トランジスタ式, FET式, 真空管式(OTL及びOPTで使用)の4種類のアンプを採用し, クラシック, ロック, ポップスにおける4種類の品質表現語(明快さ, 滑らかさ, やわらかさ, 深み)を用いて検討した.その結果, 前者ではわずかなアンプ間の音質の違いが現れているものの, 統計的有意差は認められなかった.さらに後者では, 音楽に「滑らかさ」と「やわらかさ」を好む人が真空管アンプ(OTL)を選ぶ傾向が示唆された.
著者
森本 洋太 青木 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.125, pp.29-33, 2012-07-12

本稿ではソニフィケーション・ツールとしてのSupercolliderの可能性について述べる.Supercolliderは多種のユニット・ジェネレータを備えた、リアルタイム音響合成のためのプログラミング環境である.本環境を用いたデータ可聴化プログラミングの方法をデモを通して考察する.
著者
宮原 誠 石川 智治 小林 幸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.235, pp.9-15, 2001-07-20
被引用文献数
1

高度感性情報再現を目的としたスピーカの新設計理論を示す.高度感性情報とは人に感動を呼び起こすもの(深々さ, 凄み, 実在感など)である.コーン型のスピーカによる電気音響信号の再生(主として低温の再生)は, 制御理論の臨界制動(ζ┤0.7)の考え方を基本とする設計とは全く異なり, むしろ軽く, サスペンションの柔らかい振動板が, 複雑な電気信号に高度高く駆動されるように設計することが重要である.具体的には, 目標をQ_0<0.2, 高周波数帯域はボイスコイル近傍のみを振動板のピストン運動領域とする, などである.又, スピーカが空振りせずに空気をしっかりとらえて, 自由空間に精密な波面を放射させるようなメインアンプも含んだ新しいスピーカ駆動理論を示す.
著者
神谷 賢 雨宮 沙織 有泉 均
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.86, pp.7-13, 2001-05-17
被引用文献数
1

筆者らは声道模擬型の規則音声合成器の研究をしている. 今回人間の放射音声/a/から求めた逆フィルタ波形を1波形に切り出さないで連続したまま音声合成器へ入力した. すると, その人の個人性を保存した肉声レベルの/aiueo/を合成できた. このため, この方法を使えば, 数式でのモデル化が困難な声質も実現できる可能性がある. また, 筆者らの合成方法はターミナルアナログ型であるため, 人間の発声機構の理解に役立つと思われる. 今後は様々な性質を実現する.
著者
松林 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.555, pp.19-24, 2005-01-12

グラフを格子に最小の辺負荷で埋め込む問題は, メッセージ交換並列計算機に並列アルゴリズムを効率的に実装する問題等に応用がある.小文では, 効率的に再帰分割可能であるグラフは同じ点数の格子に小さい辺負荷で埋め込めることを示す.特にN点平面グラフがN点格子に辺負荷O(Δ^2logN)で埋め込めること, さらに, グラフが木である場合には辺負荷O(Δ)で埋め込めることを示す.木に対する辺負荷は定数係数の範囲内で最小であり, 平面グラフに対する辺負荷は知られている下界に対してO(min{Δ^2√<logN>, Δlog N})の係数の範囲内で最適である.
著者
仁木 啓司 松浦 健二 後藤田 中 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.583, pp.139-144, 2007-03-02
被引用文献数
2

近年,パワーポイントによるスライド教材を利用した講義が多くなってきている.しかし,スライド教材での授業を行う場合,授業中は教員から学習者への一方向的な授業になるケースも多い.また,パワーポインドを単にWebコンテンツとして学習者に対して,一方的に配布するだけでは,スライド教材の特徴を十分に生かし切れていないと思われる.そこで,本研究では授業中に用いたスライド教材を,学習者自身が自由にカスタマイズし,それを通じて学習内容だけでなく表現手法の向上も行える学習環境を提案する.
著者
宮崎 武 荒木 俊輔 上原 聡 今村 恭己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.396, pp.29-33, 2005-11-08

情報セキュリティ技術の様々なシステムにおいて、組み込まれた擬似乱数生成器の乱数出力を攻撃者が予測できないという擬似乱数の安全性はシステム全体の安全性を保つ上で重要である。その安全性を評価する場合、擬似乱数が予測できない値を出力していることを確かめるため、擬似乱数の統計的性質を調べる乱数検定を行うことが一般的である。しかし、統計的性質だけでは擬似乱数の安全性を評価できない。本稿では、擬似乱数の乱数検定とは異なる安全性評価の一つとして、全数探索攻撃に耐性がある乱数種の選択範囲(乱数種長)を考える。攻撃者が想定できる情報を元に、全数探索攻撃によって乱数種を求める計算量を考え、これをブロック暗号の鍵を全数探索攻撃する計算量と比較することで評価する。この実例として、ロジスティック写像による擬似乱数生成器について、短い長さしか持たない乱数種への全数探索攻撃実験を行う。そして、この攻撃に耐性のあるようにするには、乱数種長を最低限どの程度にする必要があるのかを、この結果から推測する。
著者
馬場 新悟 菅 幹生 大城 理 湊 小太郎 松田 哲也 小森 優 高橋 隆 徳富 義宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.350, pp.23-27, 2000-10-06
被引用文献数
4 1

近年, ロボット手術支援など医療分野で力覚提示技術が注目されている.しかし, そのヒューマンインターフェースに関する性質は必ずしも十分には検討されていない.この研究では, 力覚フィーフォバックディスプレイ装置でペン型ジンバルのインターフェースを利用する場合を対象に, 人間の力覚特性, すなわち, 振動刺激閾値周波数特性とその弁別閾の特性を心理物理的実験によって明らかにした.これらの結果は, 力覚デバイスを用いてVRシステムを設計する際の基礎的データとして利用できる.
著者
中河 隆仁 森 友則 朝香 卓也 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.411-416, 2009-02-24
被引用文献数
3

Unstructured型P2Pネットワークにおいて,コンテンツごとに人気度が異なり,コンテンツのリクエスト数分布やコンテンツのネットワーク上の存在数分布がべき乗側に近い性質を持っていることが報告されている.これにより,フラッディングを用いてコンテンツの検索を行うと,人気度の高いコンテンツは発見しやすいが,人気度の低いコンテンツは発見しにくいという問題がある.さらに,人気度の高いコンテンツを検索する際に無駄なメッセージが多く発生するという問題が生じる.そこで,本稿では,コンテンツの人気度に応じて検索時のTTL(Time To Live)を制御する方式を提案する.本方式では,コンテンツの人気度を過去にそのコンテンツを検索したメッセージが通過した回数で計算し,人気度の高いコンテンツを検索する際には,TTLを小さく設定し,人気度の低いコンテンツを検索する際には,TTLを大きく設定する.これにより,人気度の高いコンテンツを検索する際に,高いヒット率を維持しながら無駄なメッセージが減少し,かつ人気度の低いコンテンツのヒット率が向上する.結果として,P2Pネットワーク全体で高いヒット率を維持させながら,メッセージ数を減少させる効果が期待できる.また,本稿では,シミュレーションによる評価を行い,提案方式の有効性を示す.
著者
安増 拓見 小沢 慎治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.295, pp.103-108, 2003-09-01
被引用文献数
2 2

本稿では,画像処理を用いて自車両の後方および死角となる後側方領域において危険車両を検出し,ドライバーヘ警告を促すシステムを提案する.本システムは車線変更時に起こり得る事故や後続車両への配慮のない急ブレーキによって引き起こされる衝突事故を回避するのに,また,暴走車両の早期検知に役立つと考えられる.本システムはレーン検出,車両検出,車両監視の3つの部分に分かれている.レーン検出の部分ではレーン形状の記録と予測により消失点近くまで安定したレーン検出を実現する.車両検出の部分では後続車両の車両前面部分だけを検出する手法を提案する.
著者
中村 敬介 西村 竜一 李 晃伸 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.632, pp.13-18, 2004-01-22
被引用文献数
9 1

実環境における音声インタフェースでは笑い声や咳などのユーザが意図しない入力や周囲の雑音による誤入力,あるいは笑い声などの通常の発話と区別すべき入力が多く存在する.本研究では,音声/雑音,および通常発話/不要音を識別する頑健な音声対話システムを目指し,そのためのGaussian Mixture Model(GMM)を用いた環境雑音および不要発話の識別法およびその効果について報告する.生駒市北コミュニティセンターの公共音声情報案内システム「たけまるくん」におけるフィールドテストで収集したユーザ発話を複数のクラスに分類し,それぞれの音響的特徴をGMMに学習させて音声識別実験を行ったところ,各クラスごとでの識別率は128混合GMMで平均80.6%,音声/非音声の識別率は96.3%を達成し,GMMによる識別が可能であることが確認できた.音声/非音声の識別においても,2クラスのGMMよりも雑音の種別ごとにGMMを用いるほうが高い識別性能を示した.また,Cepstral Mean Subtraction(CMS)を行わないことで,クラスごとの識別性能を平均3.2%向上できることを確認した.
著者
越後 和徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.24, pp.1-6, 2011-05-02

2007年末に1億人に達した我が国の携帯電話の加入者数は、2011年2月末には1億1,823万人に達し、国民一人一人が携帯電話を所有する時代が実現されつつある。また、そのうち98.7%が第3世代移動通信システム(IMT-2000)の利用者であり、いつでもどこでも、様々なアプリケーションやサービスを享受することができるようになりっつある。一方で、近年のiPhoneをはじめとする、スマートフォンの登場により、今後ますます携帯電話の多様化、高度化が予想され、それらに対する利用者のニーズへの対応や、限られた周波数の中で急増するデータトラピックへの対策が求められているところ。このような中、昨年12月にNTTドコモが、第3.9世代移動通信システムと呼ばれるLTE(Long Term Evolution)の商用サービスを開始し注目を集めている。一方、国際電気通信連合(ITU)では、そのLTEの後継である第4世代移動通信システム(IMT-Advanced)の国際標準化に向けた審議が行われており、既に将来の移動通信システムの実現に向けた、検討が進められている。我が国においては、これら検討に関して、関係する国々や関連団体等と連携を図り、第4世代移動通信システムの候補となる技術の提案を行うなど、国際標準化活動に積極的に貢献しているところである。本講演では、この第4世代移動通信システムに関する最新の国際標準化動向など、移動通信政策の最近の動向についてご紹介する。
著者
橋本 昂宗 植松 裕子 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.374, pp.85-90, 2010-01-14
被引用文献数
2

本論文では,多視点のカメラの映像を合成することにより,中央カメラに映る障害物を取り除くとともに,障害物に隠れていた物体を透視することで,シースルー映像を生成する手法を提案する.本手法を野球の試合映像に適用し,審判とキャッチャーに隠されたピッチャーの姿を透視した映像を生成する.本手法は,ピッチャーの合成,審判とキャッチャーの除去,ボール軌跡の可視化の処理から成る.ピッチャーの合成では,左右カメラにおけるピッチャー領域を,Homographyによって中央カメラ視点へ変換して合成する.審判とキャッチャーは,Graph cutを用いた領域検出によって除去する.ボール軌跡は,左右および中央カメラ間に成立するTrifocal Tensorを用いて中央カメラでのボール位置を推測することで可視化する.最後に,それぞれの処理によって生成された結果を領域ごとに合成することで,シースルー映像を生成する.実験では,球場にて撮影した多視点映像に本手法を適用し,障害物であるキャッチャーと審判を除去したシースルー映像を合成することができた.
著者
長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.86, pp.41-47, 2003-05-20
被引用文献数
92

本稿では,進化し続け,殊更でなく快適なモビリティ環境を提供するITSプラツトフォーム"EUPITS"を提案し,その要素技術とアプリケーションを含めて考察している.携帯電話,PHS,無線LAN等をサブプラツトフォーム構成要素とする情報通信サブプラツトフォームにおいては要求QOSに応じてメディアを選択し利用する方式が重要であることを述べている.また,GPSやマーカをサブプラツトフォーム構成要素とするポジショニングサブプラツトフォームではM系列マルチモーダルマーカによるポジショニングシステム"M-CubITS"を提案している.さらに,M-CublTSを前提としたEUPITS上のITSアプリケーションの例を挙げ,このひとつとしてWYSIWYAS歩行者ナビを提案している.最後にいくつかの考察を行っている.
著者
中島 恭一 野島 友幸 後藤 昭夫 田中 稔泰 山崎 政幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.231, pp.35-40, 2002-07-18
被引用文献数
4

近年、携帯電話端末のようなアンテナ一体型無線設備の急速な普及に伴い、アンテナから直接輻射される電力を測定する放射電力測定法が、第97回電気通信技術審議会において答申された。しかし、その測定法は、比較的大きな電波暗室等を必要とすることから測定に係る制約が大きく、費用も莫大である。本稿では、80MHz帯から準マイクロ波帯で使用されるハンディサイズのアンテナ一体型無線設備を対象とし、それらの放射電力を簡便に測定する方法について報告する。筆者らは、小規模な設置空間で高精度かつ簡易な測定が期待できる小型電波暗箱及びGTEMセルを用いた放射電力測定システムを試作し、電波暗室での3m法による測定結果との比較を行うことにより、その有効性を検証した。
著者
サンパト プリヤンカラ 木下 和彦 戸出 英樹 村上 孝三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.350, pp.49-54, 2012-12-06

無線センサネットワーク(WSN)では消費電力の効率化によるネットワーク寿命の延長が重要な課題であり,効率的に遠距離通信を可能とするクラスタリング型プロトコルがよく用いられるが,全てのデータはシンクに向けて伝送されるため,シンク近辺では負荷が集中するという問題がある.また,最近では,少数の高性能ノードを導入することで,低コストで効率的にネットワークの寿命を延長する方式が注目されている.そこで本稿では,ノード性能の不均質なWSNにおいて,クラスタリングによるデータ集約と,シンク周辺での非クラスタリング型マルチホップ通信による負荷分散とを併用したハイブリッド型ルーティング方式を提案する.ここで,ノードの性能,ネットワークの範囲,シンクの位置を考慮し,クラスタリング型と非クラスタリング型の最適な境界を数学解析モデルによって近似的に導出し,さらにそれを動的に再最適化する方法を提案する.最後に,計算機シミュレーションによって提案方式の有効性を評価する.
著者
中川 哲治 乾 健太郎 黒橋 禎夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.408, pp.25-30, 2009-01-19

本稿では,自動獲得されたラベル付きデータを利用して,統計的な分類器に基づく評価極性分類の精度を改善させる方法について述べる.正解ラベルの付与された訓練データは機械学習に基づく自然言語処理を行う上で非常に重要であり,これまでにラベル付きデータを自動的に収集する方法がいくつか提案されている.しかしながらそのようなデータは誤りを含んでいる可能性があるため,訓練データとして直接利用するには適さない可能性がある.そこでこの問題に対処するために,ラベルの確信度により事例の重み付けを行う方法を提案する.実験の結果,提案手法を用いて自動獲得されたラベル付きデータを利用することにより,評価極性分類の精度を向上させることができた.