著者
大塚 裕子 伊藤 裕美 川野 佐江子 大村 陽 室町 泰徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.390, pp.73-78, 2010-01-18

本研究は,道路や鉄道の建設など大規模な都市交通プロジェクトに関する国際共同研究(Mega Projects in Transport and Development by OMEGA Centre)の日本プロジェクトの一部として進められている.大規模な都市交通プロジェクトに関わった多様な人々を対象に,プロジェクトに関する経験的なエピソードを得ることを目的としてインタビューを実施し,経験的なエピソードからプロジェクトに関する知見を取り出し,プロジェクトに関する新たな評価指標を作成することが目標である.知見の取り出しについては,テキストマイニング技術による自動的な抽出を最終的な目標としているが,本稿では自動抽出に向けて,収集したインタビューデータがどのような性質を有しているか,着目すべき言語表現や言語構造は何かについて基礎的な分析を行った.
著者
広瀬 雄二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.120, pp.35-37, 2009-07-02

東北公益文科大学では,2年次にRubyを用いた基本的なプログラミングを必修科目としている。計算機技術者を目指すための講義とは異なり,そこでは仕事を遂行する手順の組み立て,考え方,レポート文書の構成法を深く学ばせることを目的としている。全くの初心者を対象に実際に重ねて来た講義を基に,ゆとり教育世代の学生に対する情報処理基礎教育のあり方進め方になどについて展開する。
著者
佐藤 浩史 山崎 敬広 高橋 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.289, pp.37-41, 2008-11-06

GPSなどによる位置情報は主にナビゲーションサービスで利用されてきたが,昨今は,各種のSNSやTwitterに代表される緩いコミュニケーションサービス,マーケティングなどにおいても重要なものとなってきている.しかし一方で,一般ユーザが自分の位置や行動の詳細を公にすることはプライバシ保護の意味で問題がある.そこで,コミュニケーション目的の公開に適した情報を生成するため,コンテクスト全体を曖昧にしつつ,位置とユーザの関連の強さを定量化する手法を提案する.この値は「におい」をメタファとして説明することが出来る.さらに適用イメージとして,お互いの「におい」をユーザ間で共有するSNSを例示する.
著者
小林 久美子 ヌグラハ イ グスティ バグス バスカラ 森田 啓義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.79, pp.43-48, 2009-06-04
被引用文献数
1

都市部において移動ノードが収集した情報を有効活用するため,情報を収集した場所に着目し,位置情報(緯度,経度)をキーとして,格子状のエリア毎に配置したステーションで管理する「位置に基づく情報の分散管理システム」を提案する.提案システムでは,エリア内は無線LANによるステーションと移動ノードのクライアント・サーバ型で,エリア間は有線LANによるステーション同士のP2Pで,通信を行う.エリア間P2Pネットワークでは,2次元の格子状エリアをトーラスと考え,緯度および経度方向の2つの1次元リングを用いた論理的ルーティングテーブル(フィンガーテーブル)を用いる.このフィンガーテーブルを参照することで,ステーションは位置情報に基づいて他エリアのステーションが管理する情報の検索や登録が可能となる.本稿では提案システムの基本シミュレーション評価結果を報告する.
著者
松本 知弥子 馬 強 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.192, pp.105-112, 2001-07-11

WWWの急激な進歩と普及によって, 多くの一般のユーザが多種多様な情報を受信・発信できるようになり, 情報資源の量は, 日々増加し続けている.ユーザが大量の情報の中から, 情報を検索することは非常に困難な作業である.特に, 地域密着情報のようなローカル的な情報を獲得するには, 従来の検索やフィルタリング手法は不十分である.本稿では, Webページのローカル度という新しい尺度を定義し, それに基づくフィルタリング手法を提案する.ローカル度の定義方法として, 1文書内のローカルさを特徴付ける地理用語や組織名の頻度・詳細度・位置情報と, 他のページとの関係からリンク構造解析や類似しているページの数を用いる.また, ローカル度の定義を評価するための予備実験の結果を示す.
著者
佐々木 祥 宮田 高道 稲積 泰宏 小林 亜樹 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.67-72, 2006-07-07
被引用文献数
2

近年急速に普及しているsocial bookmarkは,これまで利用者が個別に管理していたbookmarkをネットワーク上で他の利用者と共有するサービスである.これらのサービスでは多くの場合,利用者がbookmarkに対して「タグ」と呼ばれる自由記述のキーワードを付与することによって管理を行うFolksonomyと呼ばれる分類法を採用している.このようにして利用者が付与したタグ情報の集合は,多数の利用者によって成長を続けるメタデータであるとみなせるため,このタグ情報を利用することにより効率的なコンテンツの検索や推薦を行うことができると考えられる.しかしながら,利用者はあくまで自分自身の嗜好に基づいてタグ付けを行っているため,分類に使用したタグ名そのものは,必ずしも他の利用者とって適切なものであるとは限らない.そこで本研究では,タグの持つ本質的な情報を,タグ名ではなく,タグによるコンテンツの分類情報であると仮定し,分類間の類似度に基づいて利用者に対して望ましいコンテンツの推薦を行うシステムを提案する.
著者
阿久津 達也 深川 大路 高須 淳宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.63, pp.17-24, 2006-05-17

木の類似度の尺度として、木の編集距離が20年以上前に提案され、それ以来、多くの研究が行われてきた。順序木に対する編集距離計算アルゴリズムとしては(入力の木のサイズをO(n)として)O(n^3 logn)のものが現時点で最速であるが、文字列の編集距離がO(n^2)時間で計算できることが知られている。そこで本研究では、木を文字列に変換して文字列の編集距離を計算することにより、木の編集距離を近似する方法を提案する。そして、入力される木の次数が限定されており、かつ、編集操作には単位コストがかかるという場合には、木の編集距離が変換後の文字列の編集距離の1/6以上かつ、O(n^<3/4>)以下となることを示す。
著者
土井 賢治 田頭 茂明 藤田 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.420, pp.139-144, 2006-12-07

分散ハッシュテーブル(Distributed Hash Table: DHT)は,P2Pシステムにおいてネットワーク上に遍在する資源に対して効率的なアクセスを実現する手法のひとつとして高い注目を集めている.しかし,DHTにはP2Pオーバーレイネットワーク上のピア間の隣接関係が物理ネットワークにおけるノードの"近接性"には無関係に決められているという問題がある.本稿では,ピアがDHTに参加する際の手続きにおいて物理ネットワークにおけるノード間の近接性の全体的な関係を考慮できる手法を用いることで,ノードの近接性を考慮したP2P DHTの構築手法を提案する.提案手法の有効性はシミュレーションにより評価される.
著者
森 郁海 高橋 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.44, pp.135-140, 2008-05-15

Mobile Ad-hoc NETwork(MANET)は,無線技術を用いたマルチホップ通信により固定インフラが存在しない状況でもネットワークを構築することが可能である.一方で,第三者ノードを中継する可能性を持つためエンド間,リンク間のセキュリティを確保することが重要である.MANETではアドホックルーティングプロトコルを用いることでネットワークを構築するが,悪意のあるノードはルーティングメカニズムに干渉し,攻撃を行うことができる.この種の攻撃で最も強力であるとされるビザンチン攻撃は,攻撃者自身が経路に入り込み特定のパケットやデータパケットの全てあるいは大部分を破棄するものである.この攻撃の検出する場合,MANETが持つ本来の輻較や無線リンクの使用によって自然発生するパケットドロップ,プロトコル自体のバグ,ハードウェアの構成ミスなどによって誤認が発生する.本稿ではこの誤認を軽減するために,単位時間内のリンク間のデータパケットの送受信数の整合性を確かめる過程で厳密に一致させるのではなく許容を持たせる手法を提案し,AODV上に実装し評価する.
著者
廉田 浩 若谷 彰良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.230, pp.9-16, 2006-09-02
被引用文献数
4

横顔を含む被検査画像中の顔をテンプレートマッチングにより検出する手法の検討を行う.顔部品を含むセグメントに分かれた顔テンプレートを作成し,これと被検査画像双方に対して二次元Harr-like変換の特徴抽出を行い,相関強度と顔検出率および検出正誤率との関係を評価する.顔テンプレート集合は,正面向き左右45°左右90°の5方向を作成する.テンプレート枚数を減らし処理時間を短縮するため,テンプレート集合のグルーピングを行い,各グループ代表を選ぶことで元の約1/4のコンパクト集合を生成する.これを使って各方向単独の検出特性と,5方向を統合したテンプレートによる検出特性と顔の向きの識別特性を測定する.各方向単独の検出特性では,正面向き,左右45°に関しては適切な閾値を設定すれば比較的高い顔検出率と低い誤検出率が実現できるが,左右90°ではこの特性が劣っている.また,顔の向きの識別に関しては,1〜数%の誤り率の範囲で識別可能である.処理時間の更なる短縮や総合的な顔検出系の性能についても議論する.
著者
木村 睦 大海 悠太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.6, pp.1-6, 2012-04-12

実世界上におけるカオスは外部情報を受け変化しているため、外部情報に対してどの様な関係を持っているのかを調べる必要がある。だが、あらゆる外部情報を想定することは難しい。そこで、楽器とChua回路を結合させて音を発生するエフェクターの試作を行い、楽器入力とカオスとの関係を調べた。将来的には、研究者以外の人がこのエフェクターを使っている間に、カオスの挙動のデータが自然と集まるようなものになることを期待している。

3 0 0 0 SID 2001 概要

著者
苗村 省平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.206, pp.1-3, 2001-07-12

SID(Society for Information Display)の2001年のInternational Symposium, Seminar & Exhibitionは、6月3日から8日かけて、米国California州San JoseのSan Jose Convention Centerで開催された。全参加者は7, 800名で、そのうちの1, 800名がシンポジウムの参加者といわれている。本報では2件のKeynote Addressesを中心に、会議の全貌を概観する。
著者
竹内 晃一 鈴木 雄介 宮本 一郎 三樹 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.67, pp.1-6, 2005-05-13
被引用文献数
9

手話映像による情報提供を行うための方法として、コンピュータグラフィックス(CG)合成によるものではなく、実写手話映像の断片をモーフィング処理も入れながら複数結合することにより合成する方法を提案する。これにより、電車遅延情報のような時々刻々と変わる情報であっても、実写画像から合成した手話映像として情報提供ができるようになる。この手話映像合成エンジンの応用例として、RFIDタグと連携して、天気予報、電車遅延情報といった場所や時間によって変化する情報を、合成手話映像によって提供するシステムを試作した。
著者
中村 聖平 諏訪 啓 森田 晋一 山本 和彦 若山 俊夫 大島 正資 前川 良二 松田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.52, pp.13-18, 2011-05-13
参考文献数
8

既存の電波源が放射する電波を用いて,レーダ機能を実現するパッシブレーダ方式による目標観測では,新たな送信局の設置コストの低減,受信局の秘匿性向上などの特長がある.著者らは,地上デジタル放送波を用いたパッシブレーダ方式による目標の逆合成開口レーダ(inverse Synthetic Aperture Radar : ISAR)画像取得アルゴリズムを開発中である.筆者らのグループでは,同アルゴリズム検証のためのフィールド実験を2010年に実施した.本稿では,取得した実験データから高分解能なパッシブISAR画像を取得するために実施した処理内容について報告する.取得したデータを用いて,パッシブISAR画像を再生した結果,得られたパッシブISAR画像上の目標サイズが,観測した目標はレンジ方向に約35m,クロスレンジ方向に約40mの広がりを持つ目標であることを確認した.実際に観測した目標サイズは,全長39.5m,全幅34.3mであるので,画像上から読み取れる目標サイズと実際の目標サイズと概ね一致する結果を得た.
著者
松田 勝敬 粕谷 英樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.73, pp.39-46, 1999-05-20
被引用文献数
9

ささやき声では、通常発声に比ベ低い周波数のフォルマント周波数が変化することなどが知られている。しかし、その原因はらかにされていなかった。本稿では、喉頭内視鏡やMRIを用いてささやき声における音声器官の変化を測定した。その結果をもとに電気回路によるささやき声のモデルをつくった。モデルによってささやき声のシミュレーションをおこない、ささやき声における周波数構造の変化の原因を明らかにした。また、得られた結果をもとにフォルマント型音声合成法における、ささやき声の精密な合成方法を提案する。
著者
岡本 学 三好 正人 片岡 章俊 岩宮 眞一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.403, pp.25-30, 2005-11-10
参考文献数
7
被引用文献数
1

耳周辺軟骨に可聴帯域信号で振幅変調をした超音波振動を加えると, 可聴帯域信号を受聴することができる.著者らはこれまでこの現象を利用した超音波ヘッドホンの検討を行ってきている.超音波ヘッドホンは超音波振動の伝達過程で, 非線型効果により可聴振動が発生することにより受聴できるが, 低域の振動を効率よく再生することが困難である.一方通常の可聴帯域振動で直接頭部等を加振する骨伝導イヤホンは高域を振動させる場合, 振動素子から空気中に音波が放射されやすい.本稿では耳穴を塞がず外部に音漏れが少ない頭部接触型のヘッドホンを実現するために超音波ヘッドホンと可聴骨伝導イヤホン素子を組み合わせたヘッドホンを提案し, その構成法, 特性について報告する.
著者
兵野 洋一 田野 俊一 市野 順子 シュ ビン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.418, pp.93-98, 2010-02-11

アルファベットを特定のルールに従って組み合わせる事で,英単語を漢字のような方形の文字として表現する「新英文書法」という現代美術の作品がある.この作品を美術館の来館者にインスタレーションとして体験してもらうため,コンピュータで文字を生成するアルゴリズムをアーティストと共に検討し,キーボードから入力されたテキストをその場で処理して出力するプログラムを開発した.
著者
守田 了 本田 雄斗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.493, pp.223-228, 2014-03-13

テレビ中継や競技技術の向上や審判の補助のために,競技映像を映す複数台のカメラを設置し,その映像を解析することが行われている.本論文ではフィギュアスケートのテレビ中継映像からの技術要素の推定を行う.フィギュアスケートの技術要素の採点方法はより透明性のある採点を目指して刻々と変化している.ここでは2014年における国際フィギュアスケート連盟ISUが用いている得点方法を用いる.特にフィギュアスケートの得点を左右する6種類のジャンプの識別と技術要素の得点における基礎点を識別することを目標とする.まずリンクサイドを復元し,さらに人間の頭部の位置を推定し,リンクにおける人間が滑った位置の軌跡を視覚化する.またフィギュアスケートの中継映像における競技者の映像から頭部,胴体,右上腕,右下腕,左上腕,左下腕,右手,左手,右足,左足を識別する.これらから首,右肩,左肩,右股関節,左股関節,左ひじ,右ひじ,右ひざ,左ひざ,左手首,右手首,左足首,右足首を識別する.各関節2自由度の13箇所,26自由度の各関節の姿勢を推定する.各関節の姿勢は人間の動作範囲に基づいて180度に制限する.テレビ中継映像は視聴者が競技をテレビ中継から演技中の競技者を見やすいように複数のカメラを切り替え,カメラを自由に動かす中で競技者の演技を推定する.実際にフィギュアスケートの得点を左右する6種類のジャンプの識別と技術要素の得点における基礎点を識別することで有効性を示す.
著者
山口 ひろみ 山口 彩夏 山崎 敏正 福住 伸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.499, pp.163-166, 2014-03-10

本研究の目的は、単一試行脳波と音声信号を利用したSSBCI(サイレントスピーチBrain-Computer Interface)において、母音識別に注目した我々の研究を発展させ、子音の識別を可能にすることである。まず、季節の発話時もしくはサイレントスピーチ時の音声データと13ch脳波を計測した。音声信号と、ダイポールがブローカ野に推定された脳波成分の関係をKalman filterで表現した後、HMMを利用して音声信号と子音/母音の関連付けを行った。次に、SS時の脳波からKalman filterで音声信号を推定し、HMMに入力することでサイレントスピーチの内容を予測した。その結果、HMMで出力する対数尤度を比較することで、子音を含めた判別が可能であることがわかった。