著者
吉田 愛 伊藤 雄一 尾崎 麻耶 菊川 哲也 深澤 遼 藤田 和之 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.75, pp.65-68, 2009-06-01
被引用文献数
1

雨は時間や場所に依存してさまざまな様相を呈し,独特の印象を人に与える.そこで,雨を情報として他者と共有することができれば,今までにはない情報共有の手法となると考えられる.本研究では,雨と人をつなぐインタフェースである傘に注目し,雨を再現して体験できる装置の実現を目指す.具体的には,ダイナミック・スピーカの構造を利用して,実際の雨が傘に当たることで傘軸に発生する振動を記録,再生できるシステム「アソブレラ」を実現する.また,アソブレラを用い,雨だけでなくビー玉や蛇など様々な物を傘で受け止める感覚を体験できるアプリケーションや,雨をリアルタイムに伝達し合うアプリケーションを実装する.
著者
松田 豊稔 小田川 裕之 歌丸 集 川野 光則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.266, pp.187-192, 2011-10-20

Absorption and scattering of visible light by a cluster of nano-sized metal particles is numerically considered in connection with localized surface plasmons. The numerical technique employed here is based on the Generalized Multipole Technique (GMT) in which the fields inside and outside the particles are expanded in spherical vector wave functions. We first confirm the dipolar plasmon resonance in a nano-sized gold particle: the expansion coefficients of the 1^<st>-order spherical mode exhibit the characteristic of resonance when localized surface plasmons are excited on the nanoparticles. Next, we investigate the interaction between the surface plasmon modes on the nano-particles. It is well-know, that is, n that the interaction has large influence on the scattering and absorption of light by a cluster of nano-sized metal particles.
著者
古本 勇記 峯松 信明 廣瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.32, pp.25-30, 2002-04-18

本報告では,これまで定常音とみなせる音でしかなされなかった音のモーフィングを,非定常音,なかでもドラム音に対して行う.ウェーヴレット変換を用いた年行研究[4]の分析手法をモーフィング用に改良してドラム音のパラメトリックな表現を得,このパラメータの補間によりドラム音のモーフィングを実現する.バスドラム(BD)・スネアドラム(SD)・タムドラム(TD)に対してモーフィングを行い,提案手法のモーフィングの品質と,モーフィング率と原音への心理的類似性との相関を調べる聴取実験を行った結果,全般的に高い品質でモーフィングが実現できていることが示された.
著者
徳永 弘子 湯浅 将英 武川 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.241, pp.7-12, 2007-09-23
被引用文献数
8

ノンバーバル情報に基づく複数人会話の発話交替モデルを提案する.3人が会話をしている映像から会話参与者の視線行動,特に話者が発話中に,一人の聞き手がもう一人の聞き手を見る行動に着目し,分析をした.このときの聞き手の発話したい/したくないというマインドを評定し,その後の発話行動との関係を調べた.その結果,聞き手の視線には,次に発話したい/したくないというマインドが表出され,そのマインドを参与者が相互に理解して,円滑な発話交替がなされることが示唆された.これらの結果から,発話交替における意図理解の階層モデルを提案する.最後に擬人化エージェント,映像対話システムへの応用について述べる.
著者
西濱 瑛太 大柴 小枝子 松岡 義大 氏家 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.152, pp.23-28, 2010-07-22
参考文献数
7
被引用文献数
1

可視光無線は、信号機や照明などのLED光源を通信に利用する次世代通信インフラとして期待されている。しかし太陽光などの背景光雑音やマルチアクセス干渉雑音などによる通信品質劣化が大きな問題となっている。本報告では、可視光無線通信における2値符号拡散(Binary Spectrum Spread; BSS)変調方式とOOK変調方式、マンチェスター符号変調方式の雑音耐性を比較検討した。まず、シミュレーションにより他チャンネル雑音耐性、白色雑音耐性を解析した。さらに、実際のLED信号機を用いた屋外可視光無線通信システムにおいて実験を行った。その結果、2値符号拡散変調方式は他チャンネル雑音、背景光雑音の両方への耐性が高く、可視光無線通信の通信方式として有効であることを明らかにしたので報告する。
著者
佐々木 勇介 田野 俊一 橋山 智訓 岩田 満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.744, pp.7-12, 2004-03-19
被引用文献数
2

近年情報技術の発展に伴い,計算機によってアートやデザイン活動を支援できるようになり,様々なツールを使うことで複雑で綺麗な絵を容易に作成できるようになってきた.しかし,それゆえ逆に人間の創造性や感性を阻害しているという場合も存在する.そこで本研究では,デザイナの創造性,感性を阻害せず,逆に創造性,発想性を高めるデザイン支援システムとして,「発散型思考」と「収束型思考」を活性化させるスケッチ支援システムの構築を目標とした.
著者
山本 景子 橋本 光平 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.45, pp.211-216, 2012-05-15

創造的な活動において,制作者は対象に集中して作業を行っているため,その後の活動において有用な情報を付与する機会を失っている.そのため,自身の制作物に対してPVR(Post-Valued Recall)の問題が発生する.この問題を解決するために再発見(re-finding)に効果的なインタフェースを構築する必要があるが,創作の作業自体を妨害しないよう,活動プロセスにおける情報を充実させる必要がある.個人的活動の記録である日記においても,作成時に自身の感情をデータとして付与できれば,後の振り返り時に有用であるが,意図的にそれを行うことは感情の性質から困難である.そこで本稿では,日記作成時のキーボードの打鍵間隔時間から感情を推定する手法を提案する.感情ごとの打鍵情報の特徴を評価した結果,悲しみ・怒り・喜び・諦めの4感情のうち悲しみの感情を約7割の精度で推定することが可能であることがわかった.
著者
谷口 将一 紀平 一成 高橋 徹 小西 善彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.53, pp.7-12, 2012-05-17

海洋レーダ等,見通し外領域までの観測を行うため, HF帯以下の周波数を用いる.このとき,波長が長くなるためアンテナ開口径が大きくなり,小型化が必要である.小型化の一つの手法として,スーパーディレクティブアレーの適用が考えられるが,実際は素子間相互結合に起因したアクティブ反射係数による反射損が大きい.本報告では,素子間相互結合を考慮し,反射損を定量的に評価し,信号対雑音電力比(SNR)との関係から,システムとしての成立性の確認を行った.その結果,反射損を考慮したSNRの劣化は小さいことを確認した.また,アンテナ開口径を拡大させずにサイドローブレベルを低減する構成を提案した.以上の検討より, HF帯受信アンテナとしてスーパーディレクティブアレーが適用できる可能性があることを確認したので報告する.
著者
相馬 洋平 松永 哲雄 曽我 仁 内山 尚志 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.304, pp.43-46, 2005-09-15
被引用文献数
2

音楽は生体に対し生理的、心理的に良い影響をもたらすことが報告されている。本研究は、精神作業負荷として暗算作業を課し、3つの音楽条件下(気分向上音楽、リラックス音楽、無音)においての作業効率を調査することを目的とした。生体に対する影響について主観的、客観的評価を行った。主観的評価として、STAIおよびPOMSを用いた。また、客観的評価としてフリッカーを用いた。結果は、リラックス音楽において作業時間と誤答率が改善される傾向が示された。また、STAI状態不安およびPOMS素得点変化、フリッカー値においても同様の傾向が示された。よって、暗算作業においてリラックス音楽環境が仕事の効率が上がる可能性が示唆された。
著者
岡下 綾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.55-60, 2009-02-26

ウェブ上の多くの仮想世界において,ユーザのプライバシーを保護するために本人確認を行うことなく匿名でのアカウント登録が行われている.そのためユーザは複数のアカウントとそれに付随した権利を不正に利用することができる.また,属性の類似した仮想人格(ペルソナ)同士が同一視されてしまうことで,ユーザの権利が他者によって不正に利用され得るという問題がある.ユーザのペルソナは複数の仮想世界をまたいで利用され得る.そのため,ユーザが情報資源の所有権を主張したり他者によるなりすましを回避するためには横断的なペルソナ同一性の証明手段が必要である.本研究ではペルソナに対応した公開IDに関して考察を行う.また分散認証技術であるOpenIDを利用した本人確認基盤アーキテクチャを提案する.
著者
吉井 伸一郎 河内 佑美 吉村 真弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.293, pp.55-60, 2009-11-12

一見ランダムなデータセットの中にも,ある普遍的な特徴が潜む,複雑なシステムが自然界には多数散見されている.何らかのフィードバックループを伴うことにより自己組織化するプロセスは,構成要素の詳細に関わらず生じうる.特に,ネット空間においては,膨大なインタラクションから集合知と呼ばれる創発的なインテリジェンスが形成される事例が数多く知られている.本報告では,こうしたユーザインタラクションを活用した"crowd computing"型のシステムアーキテクチャーについて解説し,実際に,レコメンデーションと呼ばれる商品・情報の推薦サービスへの応用事例を示す.1年半に及ぶ長期運用結果をもとに,著者らが開発した複雑ネットワークのコミュニティ分割手法によるアプローチが優れた特性を有することを示す.
著者
関 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.58, pp.87-90, 2011-05-13

電子情報技術を活用した視覚障害者のための歩行支援技術の変遷を概説する.1960年代より,電子技術を活用した歩行補助装置なるものの開発が始まった.この時代の歩行補助装置は主に超音波センサを用いた障害物探知機であった.これらの機器は視覚障害リハビリテーションへの導入が試みられたが,やがて下火になった.その後,障害物探知機ではなく,視覚障害者のナビゲーションシステムがさかんに開発された.やがて,互換性のないナビゲーション技術が乱立する状態になった.現在,これらの技術の標準化が進められている.
著者
高橋 徹 入野 俊夫 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.571, pp.31-36, 2006-01-19
被引用文献数
1

多様な発話変換・合成を記述できる音声テクスチャマッピングモデルを提案する. 提案するモデルは, 音声を特徴づける骨格となるワイヤフレームに発話スタイルや話者性を表わすテクスチャをマッピングする枠組みによって音声を表わす. ワイヤフレームやテクスチャは, 統計的にあるいは, 発話事例から求めることができる. このモデルは, 画像分野で用いられるテクスチャマッピングを音声に適用したモデルである. 一般に, 発話変換は, スペクトルに対する演算と変形によって実現される. テクスチャマッピングの枠組みを用いて演算と変形を取り扱う仕組みについて述べる. ワイヤフレームにどのようなテクスチャをマッピングするかによって多様な発話スタイルを表現できることを示す. また, 様々な発話スタイルの音声を合成できることを示す. 最後に, ある発話に基づいてワイヤフレームを生成し, テクスチャをマッピングすることで発話変換を行うことができることを示す.
著者
樋口 知之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.349, pp.39-43, 2004-10-12
参考文献数
15

飲食店の日々の売上は,曜日,祝日,天気,近所での催し物への人出等の様々な要因に左右される.またその要因の売上への寄与の仕方は店舗ごとに異なる.そこで各店舗の売上時系列データをこれら各要因成分に分解するモデルを構成し,そのモデルによって得られる各店舗固有の情報に基づいて将来の売上を精度良く予測することは,仕入れ,人員配置,新規出店計画等,様々なレベルにおける経営戦略立案上有益であることは疑いようもない.我々は,状態空間モデルの柔軟な表現力と情報量規準によるモデル評価を利用した売上予測手法を提案し,実際に,ある大規模催事場及びビジネス街に隣接した飲食店の二年間分の日々売上データに応用した.なお本発表は,私と山口及び土屋との共同研究の成果を概括しながら,状態空間モデルによるマイクロマーケティングヘの接近法を紹介する.
著者
柳澤 弘揮 宮崎 修一 岩間 一雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.537, pp.1-8, 2008-03-03

安定結婚問題は,GaleとShapleyによって提案されたマッチングの問題である.任意の例題について,解が存在し,それを見つける多項式時間が存在することが知られている.しかし,このアルゴリズムによって得られるマッチングは「男性最適」,つまり,男性にとっては好ましいが女性にとっては好ましくないマッチングである(逆に,男女の役割を入れ替えれば,女性最適なマッチングになる).GusfieldとIrvingによって提案された男女平等安定マッチング問題は,男女両者にとって「公平な」安定マッチングを求める,つまり,男性側の不満足度の和が女性側の不満足度の和になるべく近づくような安定マッチングを求める問題である.この問題は,強NP困難であることが知られている.本稿では,男女平等安定マッチング問題に対して,ほぼ最適な解を求める多項式時間アルゴリズムを与える.さらに,評価指標を一つ増やして,男女平等(sex-equality)の観点でほぼ最適なもののうち,全体の公平さ(egalitarian)が最小の安定マッチングを求める問題を考える.我々は,この問題がNP困難であることを示し,この問題に対して近似度が2より良い多項式時間アルゴリズムを構築した.
著者
金堀 利洋 鈴木 昌和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.66, pp.7-10, 2005-05-12

Webアクセシビリティの意識が浸透しつつある一方で, 情報がPDFとして提供される流れが加速している.配布されているPDFには文字情報が、人が読む順序と異なる順番に埋め込まれていて、視覚障害者がその内容を読み取る事は困難な場合が多い.また, 数式の情報が読み取れる形で入っていることはほとんど無い.今回, 特に数式や表を含んだ科学技術文書を対象とし, PDFに既に埋め込まれている文字情報を抽出し, 一方で, PDFを画像として認識し, 認識結果と抽出した文字情報を組み合わせ, 質の高い, アクセシブルな文書情報をPDFから取り出すことを目的とするシステムのプロトタイプを示す.
著者
寺田 崇寿 小黒 伸也 鎌田 一雄 関 宣正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.273, pp.1-6, 2007-10-12
被引用文献数
1

全日本ろうあ連盟編纂の「わたしたちの手話」を対象として、コンピュータなどで簡単に検索ができる手話記述方法について、検討を進めている.本稿では、掲載手話(総数4,122語)の中から、構成が単純な手話を除いた複合的な手話(総数1,660語)を対象として、語構成について検討している.まず、先に報告した手話の要素抽出結果を利用して、複合的な手話の構造的特性について分析している.この結果、複合的な手話はほとんどが2つの構成要素(平均要素数は2.13)からなり、その結合の形態はほとんどが逐次的な形態(97.7%)であることがわかる.手話の特徴である同時的な結合は、対象とした辞書(わたしたちの手話)に掲載されている手話の2.3%にすぎない.また、複合的な手話を構成する要素の平均的な使用頻度が2.67と低いことがわかる.次に、複合的な手話の構成の意味的な側面を、手話の見出し語(日本語)について検討した結果も述べている.
著者
石橋 智幸 脇屋 達 顧 優輝 真部 雄介 今野 将 菅原 研次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.119, pp.69-74, 2008-06-23

近年,WWWにおける情報過多という問題を解決するために,多種多様なWebページ推薦システムの研究・開発が行われてきた.しかしながら,それらの多くは推薦対象を限定した推薦システムであった.WWWにおいてユーザが必要とするWebページを適切に推薦するためには,推薦対象を限定せず、永続的個人化に対応するWebページ推薦システムの開発が必要不可欠である.そこで,本研究では推薦対象を限定しない汎用的かつ,個人化度合の高いWebページ推薦方式を提案する.提案する方式は,ソーシャルブックマークを用いたハイブリッド法をベースとする推薦方式である.
著者
西川 尚紀 岩井 啓輔 黒川 恭一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.168, pp.49-54, 2009-07-28
被引用文献数
3

近年,GPUを用いた高性能計算が注目されている.GPUは,価格性能比に優れ,並列度の高いアプリケーションでは,安価なシステムで高い効果を発揮することができる.最近の世代のGPUでは整数・論理演算命令がサポートされ,同演算を用いたアプリケーションの実装が可能になった.本稿では,GPUを用いて暗号アルゴリズムDESに対するパスワードクラックを実装した結果について報告する.実装したプログラムでは,一度のジョブ発行で2^<35>乗個の鍵空間を探索することが可能である.DESの鍵空間に対しては,NVIDIA Geforce GTX 285を用いて約7.4時間,Intel Core i7-920 2.66GHzと比較して約9倍の速度で鍵探索が可能であった.その結果を元に,GPUの高速性を生かした暗号アルゴリズムに対するパスワードクラックの可能性を検討する.
著者
李 文平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.339, pp.65-70, 2012-12-01

本稿では,日本語母語話者21名と中国語母語日本語学習者32名を対象として,フレーズ性判断課題を用いて「名詞+を+動詞」のコロケーション処理における頻度,MIと条件付き確率の影響を検証した.その結果,日本語母語話者と中国語母語日本語学習者の両方において,頻度の高いコロケーションがより速く,より正確に処理されることから,コロケーション処理に影響を与える要因はMIや条件付き確率よりも,コロケーションの頻度の方が強い傾向にあることが分かった.この結果より,頻度の高いコロケーションは一つのまとまった表現として処理されることで,教育上利用する価値のある項目であると考えられる.