著者
伊奈 龍慶 西村 公伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.286, pp.43-48, 2009-11-12
被引用文献数
2

これまでオーディオ用のインシュレータは種々開発・販売され,使用により音質が変化することは良く知られているが,その理由については解明されていないのが現状である.本研究では,円錐型スパイク形状のインシュレータを採り上げ,頂点から底面またその逆方向での振動伝達特性の理論的解明を試み,形状や材質が伝達特性に与える影響を検討する.さらに,電源部を持たないアンプなど振動発生が少ない信号系統での雑音低減を目指し,スパイクの形状と振動吸収法を検討した.実験的には数種類の樹脂材料を用いて円錐型スパイクを試作し,信号系統の雑音低減に有効な形状や材質を,音質と音像定位の改善の立場から比較検討した.また,同時に,併用する振動吸収剤の効果についても検討を重ねた.
著者
池田 定博 金田 重郎 金杉 友子 加藤 恒昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.708, pp.113-120, 2000-03-17
参考文献数
6
被引用文献数
2

商品開発やマーケティングでは、効果的なコンセプトの作成が極めて重要である。しかし, 思いついた多数のコンセプトや広告コピー案の中から, 戦略の柱となるキーワード候補を絞り込んでゆく方法は知られていない.本稿では, この問題を解決するため, 「流行ことば予測」手法を提案する.そこでは, まず, 過去・現在・将来における流行語の背景となる社会的要因を、「ことば」として表現する.そして, 今後流行の可能性がある新しい「ことば」と, これら社会的要因との距離を計算し, 「近い」と算出されたことばから, 流行のキーワードを開発する.過去の「ことば」としては, 自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」を使用し、距離計算にはベクトル空間法を利用した。1998年度の流行語大賞である「ショムニ」等が, どのような背景により流行したかを実験的に分析する。
著者
高田 智史 伊藤 大雄 中村 義作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.638, pp.13-18, 2006-02-28

組み合わせゲームの1つに、Poset(半順序付き集合)Gameと呼ばれるものがある。Poset Gameは有名なNimから未解決のChompまで多様なゲームを含み、この研究から様々な面白い結果が得られている。Poset Gameは単一の祖先(毒節点)を持つdagで表現できる。これの拡張として、毒節点が複数あり、しかも毒に重みを持たせ、与えられた体力を越えて毒を取った競技者が負けるというゲームが考えられる。我々はこのゲームの多項式時間で必勝手順を得る方法について考察する。
著者
赤嶺 政巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.366, pp.115-118, 2013-12-12

本稿では、東芝の音声合成技術について、閉ループ学習に基づく音声素片生成から最近の取り組みまでを紹介する。初期の開発では、カーナビなどの情報機器における音声による情報伝達を目的に、高音質、自然性の実現に注力してきた。最近では、インターネット上の音声コンテンツ作成や音声対話インターフェースへの適用に向けて、特定の話者の声や話し方に合成音をカスタマイズする技術、感情的な音声の合成を実現する技術、および応用システムの開発に取り組んでいる。
著者
田中 宏季 柏岡 秀紀 キャンベル ニック
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.225, pp.49-54, 2011-09-29

我々は相手のパラ言語や笑いなど声によって変わる情報から,Engagementという次元で対話相手の興味レベルをセンシングし,自閉症児に視覚情報を含み伝達するシステムの開発を最終目標とする.コンピュータを用いたEngagement Sensingの初期段階として,人間の気持ちや意図が表出されやすいと考えられる笑い声に注目する.本稿では,笑いが4種類に分類されることを示し,その「笑い分類」を自閉症児がどの程度識別できるのか,また実際に自閉症児を指導している先生の笑いアノテーション結果を分析し,その音響特徴量について議論する.最後にSVMによるcloseでの自動識別を行い,58%の正解率を得た.
著者
跡部 裕貴 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.606, pp.25-30, 2007-03-09

本稿では,映像整理や視聴に要する労力軽減のために,サッカーの試合における試合中断区間に注目したイベント推定の手法を提案する.サッカーの試合ではイベントが発生すると一旦試合が中断される場合が多く,その中断区間からは原因となったイベントを推定するために有効と考えられる特徴量が得られる.提案手法ではまず,ショットの分割・分類,プレイ・ブレイクの分類などの映像の整理を行う.その後,ブレイク区間からブレイク時間,スローモーション映像の回数などの特徴量を抽出する.そして,学習データから得られたパラメータに基づきイベント推定を行う.実際の試合映像に対し実験を行い,提案手法の有効性と今後の課題についての検討を行った.
著者
宮田 辰彦 隈井 裕之 寺本 やえみ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.79, pp.13-18, 2007-05-25

近年,ナレッジ産業を中心に,企業内での情報共有の効率化から一歩進んだ社員間の自発的な情報交換による情報共有促進,新アイデア創出が重要視されつつある.各社はBlogやSNSの様なコンシューマサービスを企業内に試験的に導入して新たな可能性を模索している.今までのグループウェアは企業内での作業効率向上に注目して設計されているが、これからのシステムは新しいコミュニケーションの発生に着目して,新たな設計思想で検討を進める必要がある.情報共有や新アイデアの創出はコミュニケーションにより実現するからである.我々は,コミュニケーションは人物同士のインタラクションにより実現されるがゆえに,コミュニケーションの成功には互いのモチベーションが非常に重要である事に着目した.本稿では,互いのモチベーションを上昇させる為に必要な要素について検討し,コミュニケーションをよりスムーズに進められる議論相手を探す為に必要な機能を提案する.
著者
仲谷 美江 清水 真澄 加藤 博一 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.742, pp.7-12, 2004-03-18
被引用文献数
4

思い出は、個人的なものであると同時に話題として用いられることも多い。懐かしさを共有できれば相手に対する親しみが増す。ここでは共同想起の対人機能を利用し、古い流行歌を流して懐かしさを語り合う共感コミュニケーションの場を提供する。流行歌は広く繰り返し人々の耳に入り、多くの人にとって時代を思い出すきっかけになりやすい。特に青春時代の曲は心に残ると言われている。そこで、ユーザの年齢から中学〜高校時代の曲を推定再生し、ユーザの発話状態から曲の適不適を判断して次の曲を再生するというオルゴールシステムを試作した。
著者
亀田 壽夫 李 頡 李 頡 李 頡 細川 督央
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.105, pp.49-56, 2000-06-02

分散コンピュータシステム等は、その使用形態に応じて、完全な集中から完全な分散にいたるまで、性能最適化目標に対する種々のレベルの分散を考えることができる。本研究では、中間的な分散最適化において、システムに資源を増強すると、かえって全てのユーザに対して性能が劣化することがあるという逆説的現象を見出した。また、そのような劣化が生ずる条件を求めた。さらに、そのような劣化が限りなく大きくなる場合があり得ることを示した。このようなパラドックスを、分散コンピュータシステムのモデルについて論じ、数値的ならびに数理的結果を述べた。
著者
小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.261, pp.33-40, 1998-09-10
被引用文献数
4

音声分析の代表的な手法の一つであるケプストラム分析法について概説する.まず, オリジナルのケプストラム法について, ケプストラムや複素ケプストラムの定義とその性質, 準同形逆たたみ込みの概念を簡単に述べた後, 実際の音声分析への適用例を示す.次に, スペクトル推定の観点から, より良い対数スペクトルの推定値を求めるための手法として, 対数スペクトルの不偏推定と一般化ケプストラムモデルに基づいた音声分析法を述べる.さらに, 聴覚周波数スケールを導入した指数形モデルに基づくメルケプストラム分析について述べる.また, 他のスペクトル分析パラメータとケプストラムとの関係やケプストラムパラメータへの変換式, 各手法による音声スペクトルの推定例もあわせて紹介する.
著者
今城 健太郎 長谷川 剛 谷口 義明 中野 博隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.455, pp.93-98, 2011-02-28
参考文献数
22

現在,数時間以内の降水量の予報は,雨域を観測しその移動を補外する方法によって行われている.これは補外法が,数時間以内の予報においては,物理法則に基づき大気の状態変化を計算を行う方法に比べ,同程度の精度を得るのにかかる計算時間が短いためである.一方,近年多発している都市型水害をもたらす集中豪雨を早期に発見し予報を行うには,現在気象庁が予報に用いている気象レーダーでは解像度および観測頻度ともに十分とは言えない.これに対し,より高解像度かつ高頻度な観測データを得るため,現在の気象レーダーより高性能なレーダーの配備が進んでいる.しかし現在,そのような高性能レーダーを用いた降水量の恒常的な予報は行われていない.そこで本稿では,高性能レーダーの観測結果を用いて分単位の降雨予報を行う手法を提案する.提案手法は複数の時刻の観測データを基に,ブロックマッチングアルゴリズムを用いてオプティカルフローを検出し,それ以後の雨域の予報を行う.評価の結果,気象庁が提供している予報情報であるナウキャストと比較し,5分後から1時間後の以内の予報において,25%以上高い精度が得られることを確認した.
著者
春山 功 吉田 悟 元井 文子 山崎 勉 相原 公久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.242, pp.25-30, 1997-08-29

広域保守体制下においては集約による効率化の実現やサービス品質の確保のために, 広域保守拠点からの遠隔監視・制御による保守の体制を確立することが急務となっている. 我々は, サービス回復・立会・機械室管理業務をターゲットとして取り上げ, これら業務を遠隔で実施するための機能を抽出し, 本結果に基づき映像・音声・センサ・データ等のマルチメディア情報を有機的に活用して総合的な監視・制御を実現する広域監視システム(Iwatch)の基本構想の提案をした. 更に, 一部機能を実現したシステムの実運用における評価結果等についても報告する.
著者
星 健太郎 加納 貞彦 高橋 敬隆 金田 茂 品川 準輝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.42, pp.91-96, 2006-05-11

携帯通信ネットワークでは,固定通信とは発想を異にしたユーザ誘導型トラフィック制御が注目を浴びている.ネットワークの輻輳(例えば花火大会の)時に,ユーザ端末に輻輳であることを表示するとともに,ユーザに通信しやすい場所を推奨する空間分散型制御・時間をずらして通信を促す時間分散型制御・音声からメールに代替メディアを提示するトラフィック縮退型制御が提案されている.しかしながら,ユーザの視点からこれらの制御を評価した検討は殆ど行なわれていない.本稿では,AHP(解析的階層過程)を用いてアンケート調査結果を分析することにより,ユーザ誘導型トラフィック制御に対するオピニオン評価手法を確立している.まずインターネットを介してユーザが容易に回答可能なwebサイトを構築している.次に,AHPの常套手段である一対比較行列計算ならびにその行列に対する固有値問題を解くことにより,ユーザ個々が抱く制御に対する不満度を定量化している.更に,回答結果の無為矛盾性を表すCI(整合度)値を閾値として使い,矛盾ある結果を出したアンケート回答者を除外することを提案する.アンケート回答者全体の意思を表す言わば集団一対比較行列の各成分は閾値をクリアしたユーザに対する一対比較行列該当成分の幾何平均を採ることにより作成している.このようにして得られた集団一対比較行列の最大固有値に対する固有ベクトルを求めることにより,集団意見としての不満度を定量化することに成功している.最後に,どのユーザ誘導型トラフィック制御に対するユーザ不満度が最大化するかが具体的・定量的に明らかになる.
著者
小松 佐穂子 箱田 裕司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.513, pp.7-12, 2001-11-11
被引用文献数
1

本研究では髪の色が人物印象に与える効果と顔の平凡性-個性との関係について検討した。80名の被験者に画像処理によって髪の色を変化させた日本人男女の顔画像を呈示し、16の印象評定項目について7段階尺度を用い印象評定を行なった。得られたデータをもとに因子分析を行なった結果、一般的望ましさ、快活性の2因子が抽出された。各顔刺激の平均評定値を用いて分散分析を行なった結果、一般的望ましさ、快活性の因子それぞれにおいて髪の色の効果が認められた。また、髪の色と顔の平凡性-個性の交互作用が認められた。これは髪の色は顔の印象形成に影響を与えること、さらに顔の平凡性-個性と相互に作用して影響を与えることを示唆している。
著者
平賀 正基 水越 一貴 中井 真悟 八代 一浩 安藤 英俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.30, pp.55-60, 2007-05-03
参考文献数
6

近年,イベント中継や映画,アニメ,スポーツなどの動画像をインターネットでストリーミング配信することが多く行われてきている.そのような中でYahoo動画やYouTubeをはじめとしてWebページにストリーミングを埋め込んで配信することが一般的になりつつある.Webページ埋め込み型のストリーム配信においてはストリームに連動してWebページが更新されることが多い.しかし,この更新はソースファイルの変更時や一定時間を経過した時にしか行われない.これらの更新をストリームのシーンに応じて変更することができればストリームだけではなくWebページにも視聴者の注目を集めることが可能になる.本研究では,花火大会のWebページ埋め込み型ストリーミングにおいて花火の合間を検出しWebページを動的に変更するシステムの構築を行った.このシステムを実際に使用しその効果を検証した.
著者
福田 武司 船木 那由太 倉林 智和 秋山 真之介 鈴木 美穂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.333, pp.29-32, 2012-11-28

周囲のpHで発光強度が変化する有機色素と半導体ナノ粒子の蛍光共鳴エネルギー移動を利用したpHセンサーは、次世代の診断材料として幅広い用途での展開が期待される。ここで、半導体ナノ粒子には可視光の発光や低い毒性という特徴を有しているInPを用いることが、今後の用途展開を考える上で重要となってくる。本論文では、高効率で赤色領域での発光を示すInP/ZnSナノ粒子蛍光体を作製するために、高いバンドギャップを有するZnS層のソルボサーマル法を用いたコーティング条件(前駆体溶液のpH)を最適化して、25.1%のフォトルミネッセンス量子効率を得た。また、このInP/ZnSナノ粒子蛍光体の周囲にpHに対してフォトルミネッセンス強度が変化する5-(and-6)-carboxynaphthofluorescein, succinimidyl esterを結合させることで、InPからの蛍光共鳴エネルギー移動による発光を確認した。さらに、InPと有機色素のフォトルミネッセンス強度比はpHによって変化することを確認し、pHセンサーとして機能することを実証した。
著者
山根 信二 馬場 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.343, pp.7-12, 2004-10-09

本研究では,近年のコンピュータ史研究の動向に基づき,従来の技術史や産業史では扱われなかったビジネスモデル形成の史的展開に注目する.特に,初のアプリケーションソフトウェア販売企業であるPersonal Software社(のちのVisiCorp社)に注目し,そのビジネスモデル確立過程においてビジネススクールの手法,コンピュータゲーム市場,そしてホビイスト集団が果たした役割を検証する.そしてソフトウェア企業がビジネスモデルを確立する際の社会的技術的条件を明らかにするとともに,パーソナルコンピュータ産業において新たな産業構造への転換が起こった要因を解明する新たな視点を示す.
著者
吉浦 紀晃 佐山 弘和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.484, pp.311-316, 2012-03-08

Access Control Listは、Layer3スイッチやFirewallなどのネットワーク機器において、どのようなパケットを通過させ遮断させるかを記述したものである.Access Control Listはネットワークトポロジーやセキュリティポリシーの変更、セキュリティインシデントの発生などで変更されることがある.ネットワーク管理者はその度に変更することになるが、この変更が積み重なるとAccess Control Listには冗長な記述が増えてくることがある.ネットワーク管理者がAccess Control Listを書き換える場合、その前後でAccess Control Listの意味が変わっていないことを確認する必要がある.本論文では、2つのAccess Control Listの等価性を判定するためのテストケースの作成方法を提案する.このテストケースはパケットであり、2つのAccess Control Listをそれぞれ設定したときのこのパケットを透過性をチェックすることで、2つのAccess Control Listの等価性を判定する.
著者
峯松 信明 中村 新芽 橋本 浩弥 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.21, pp.1-6, 2013-12-12

日本語の韻律教育を支援すべく,自然言語処理技術,音声言語処理技術を用いたオンラインアクセント辞書 (Online Japanese Accent Dictionary, OJAD) [1] を構築,運用している。日本語は前後のコンテキストによって単語のアクセントが頻繁に変化する特徴を有するが,アクセント変形に十分対応した日本語教育史上初の教材として,世界中の教育現場で利用されるに至っている。またこれまで,約 4 時間に渡る OJAD 講習会を,国内 10 都市,海外 17 都市で開催しており,どの講習会も好評を博している。OJAD 開発を技術的観点から見ると,アクセント句境界推定,アクセント核位置推定,Fo パターン生成など,音声合成の裏方として機能していた技術を表舞台に出しているに過ぎない。これは音声合成技術の一部を,音声を合成する目的以外に応用している例として考えることができる。本稿では,音声合成技術の応用可能性を考える一つの例として OJAD 開発・運用を捉え,検討する。To support Japanese prosody instruction, the Online Japanese Accent Dictionary (OJAD) [1] has been developed by using NLP and SLP techniques and it is maintained by our laboratory. Japanese is a very unique language in that word accent often changes due to its context. The OJAD was introduced to the Japanese language education community as the first educational system that can handle context-based word accent changes very well and it is actively used by teachers and learners internationally. So far, 4-hour OJAD tutorials have been held at 10 domestic cities and 17 international cities and each tutorial was welcomed to Japanese teachers there. If we discuss development of the OJAD from a technical point of view, the OJAD uses several internal modules of Japanese speech synthesis, such as estimation of accent phrase boundaries and accent nucleus positions, and Fo pattern generation. It is interesting that the OJAD uses these techniques not for synthesizing speech. In this report, by regarding development of the OJAD as one example of using speech synthesis techniques not to synthesizing speech, we discuss new possibility of applying these techniques to new domains.