著者
ランジェム M・A 中野 政身
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

離散渦法及びPowell・Howe 渦音論(theory of vortex sound)を基づいた三次元の数値解析法を開発した。そのほか、数学的に厳密な軸対称のあるモデルも開発した。
著者
奥野 和彦 松本 淳 城丸 春夫 阿知波 洋次
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

(1) SUS1/4"管の内部に8本の0.5φSUS線を張ったビームガイドを真空隔壁を貫通させた3段の差動排気システムにより、大気圧あるいは大気圧に近い圧力領域のイオン化室から生成イオンをガス流の電荷輸送特性とビームガイドのイオントラップ効果を活用して効率よく高真空領域に導いて質量分析ができる大気圧質量分析技術を開発した。(2) AP-LDIにおいてレーザーを回転させた試料塗布ディスク上に点収光させて超低速で走査する螺旋軌道照射させることにより低出力のレーザー光で脱離イオンを長時間安定に連続供給することに成功した。(3) AP-LDIにより生成したC_<60>-イオンのレーザー照射による電子脱離実験(C_<60>-+hn R C_<60>+e-)から、大気圧に近いAP-LDIイオン源で生成されビームガイド中をガス流とともに下流に搬送されてトラップされた分子イオンは運動エネルギーのみならず内部エネルギーも基底状態あるいはその近傍にまで十分冷却されていることが確認された
著者
古木 圭子
出版者
京都学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平成14〜16年度にわたり、主にニューヨークとロサンゼルス、およびミネソタ州ミネアポリスにおけるアジア系アメリカ演劇集団の調査を行い、合衆国におけるアジア系アメリカ演劇の受容と今後の発展性について考察を試みた。それぞれの地域において、アジア系アメリカ演劇集団は一定のコミュニティを築き、アジア系アメリカ文化を流布する芸術媒体として注目されている。しかし、地域コミュニティとの連携性にも関わらず、観客の多くはアジア系であり、非アジア系の観客が極めて少ない。また、今後もアジア系以外の観客に、アジア系演劇が広く受容される可能性が薄いこと、ブロードウェイを含むメジャーなアメリカ演劇界でのアジア系アメリカ演劇作品の上演はきわめて困難な状態にあることが、実際の劇場調査と演劇関係者との対談から明らかになった。ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコを主な拠点とする西海岸では、アジア系アメリカ演劇は、アジア系のコミュニティによってサポートされているが、その恵まれた状況が、逆説的に、これらの集団がアジア系コミュニティの外に出ることを阻んでいると言える。しかし、アジア系の層が比較的薄いミネアポリスのTheater Muは、その幅広い活動によって、アジア系コミュニティの外側と交流を持つことに少なからず成功しているようである。新たな課題は、日系アメリカ演劇と日本国内の劇団および演劇関係者との交流を基盤としたアメリカ演劇の拡大である。ここ数年、日本国内ではWakako Yamauchi、Philip Kan Gotanda、Rick Shiomiを初めとする日系アメリカ/カナダ人劇作家の作品が次々と上演され、彼らの講演を中心とした意欲的なシンポジウムも東京、大阪で開催され、日本国内におけるアジア系(日系)アメリカ演劇の発展の可能性をうかがわせた。今後この分野における研究を進める予定である。
著者
石光 泰夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究は、舞台芸術のなかでも最も研究の遅れている舞踊というジャンルを採りあげ、基本作業としてまず舞踊を身体表現として包括的に解明できるような身体論の構築を図り、その上で、この理論でもって、実際に舞台に現前する舞踊の身体を統一的かつ多角的に捉えなおす試みをし、この試みをつうじて、それぞれのパフォーマンスの個性を浮かびあがらせるとともに、その現代的意義ならびに歴史的意義を明らかにしようとするものであった。そのために本研究は、1初年度から一貫して、舞踊する身体の理解に適用できるような身体論を、とくに精神分析に基礎をおいて確立することをめざし、その方面での研究成果を順次発表していった。2精神分析学を基にした身体論によって、新たな視点から近代西欧の舞踊の歴史を洗い直し、その現代舞踊における展開を必然たらしめるような、一貫したパースペクティヴを呈示できるような論文を発表した。特に近代西欧の舞踊の起源ともいうべきバレエがヒステリー的身体であることを明示する論文には力点をおいて作成するようにした。3現代日本において、パフォーミング・アーツを西欧とは異なる位相で独創的に実践するためには、日本の伝統的な舞踊との交錯が不可欠である。したがって1で得られた身体論が日本の古典芸能にどこまで適用できるかを慎重に考量し、日本の伝統的な身体表現を西欧起源のものと接続できるような座標軸を作るための論文を発表した。4洋の東西を問わず、理論的な成果を実際の舞踊公演等にフィードバックできるような試みをいくつか行った。そのさいに、コンピュータやデジタル機器による身体表現の構成を様々に実験して、きわめて有効な成果をあげることができた。
著者
金田 章宏 松本 泰丈 HOLDA M・A
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

当該の研究期間における研究成果の概要は以下のとおりである。1.八丈方言の文法書を作成した。これはまだ草稿段階のものであり、こんごこれをもとに、練習問題や発展問題などを充実させて学校教育における副読本として利用できるレベルのテキストにまで完成度を上げることで、消滅の危機に瀕した方言再生の手がかりとなる可能性がある。2.過去に録音された八丈島の談話資料をローマ字とカナで文字化し、対訳を付した。これまでに代表者がかかわってきた八丈方言民話・談話資料作成の一環であり、研究期間終了後も継続して進められる予定である。3.八丈方言とのかかわりを念頭に、奄美方言の文法を記述した。分担者である松本がこれまでに行なってきた八丈・琉球方言比較研究の一部となるものであり、代表者が現在個人で行なっている八丈・八重山方言比較研究とも深く関連するものである。4.研究成果の一部を国際会議で発表した。関連する内容についてはこれ以前にも国際会議で発表を行なっているが、今回の研究期間にかかわるものだけを報告書に掲載する。さらに、分担者であるホウダは他言語との対照研究に重点を置いた別稿を準備中である。5.国語研究所に保存されていた八丈方言資料(カードで保存)を電子化し、検索可能なものとした。これにより、文法研究の深化に比べて方言辞典作成の面で遅れていた部分を多少なりとも補うという可能性がでてきた。これについては報告書にも掲載するが、代表者のホームページでの公開も予定している。6.代表者のHPを開設し、過去の関連する科研の成果とあわせて、研究成果の公開を開始した。こんごさらに充実させていく予定である。http://student2.international.chiba-u.ac.jp/kaneda/index-htmlのなかの八丈方言資料
著者
佐道 明広 小針 進 浅野 豊美 古川 浩司
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究では「韓国研究者、日本政治外交(史)研究者、国際関係研究者を中心に、韓国の研究者の協力も得て、包括的な視点での資料収集を行なおうというものである。その際、文書資料はもちろんであるが、(略)近年ようやく方法論的に定着しつつあるオーラル・メソッドを用いて日韓関係に関する基礎的資料の収集を行う。(略)(第二に)今後の研究を発展させるためにはこれまでの研究状況の把握も必要なことから、日韓双方で行なわれた研究状況の確認や、収集したインタビューや収集資料に基づく研究課題の整理などを日韓両国の研究者で行なう」という2点に焦点をあてて研究した。そこで軍事政権下における韓国民主化運動の中心的リーダーの一人である金泳三元大統領、軍事政権下で国会副議長まで務めた張聖萬氏のオーラルヒストリーを実施し、それぞれ記録を公刊した。その内容および収集した文書資料等を韓国側研究者も交えて議論したところ、以下のような点が明らかになった。第一に、金元大統領・別の研究で実施した塚本三郎元民社党委員長(韓国の政党と交流があった)の証言等から、軍事政権下の韓国において、政府側だけでなく民主化運動の中心となった野党政治家も米国や日本との深い関係を背景に活動していたことである。第二に、民主化運動の中心である政党の活動について、これまで具体的な内容はあまり明らかにされてこなかったが、党内の状況、選挙運動の実態などが金元統領、張元副議長等の証言でその一面が表れてきたことである。第三に、大統領制のもとにおける大統領のリーダーシップの在り方や政策決定の一面が明らかにされたことである。以上の点は本研究で明らかにされたことであり、これを基礎に今後の研究に発展させていきたいと考えている。
著者
森川 修
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

鳥取大学における学力試験を課さない入試区分(AO入試,推薦入試Ⅰ)の合格者に対し,合格直後から入学直前まで,インターネットに接続されたPCを用いて自学自習ができるe-ラーニングを実施させた.合格後と入学後に学力試験の結果から,e-ラーニングの進捗率が高かった者や一定のペースで学習した者の成績は良好であった.また,卒業までの成績追跡の調査で,AO入試,推薦入試Ⅰの合格者は,一般入試合格者と比較して,大学在学中の学業成績や卒業率などに有意差は見られなかった.その結果,e-ラーニングは学習習慣を継続させるために有用なツールで,リメディアル教育として十分に利用可能である例を示した.
著者
高橋 芳子
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

3年間における研究の結論実験協力校である5つの小学校において「表現運動・ダンスのクロス・カリキュラムへの試み」の実践的研究を行った結果、次の結論を得た。1. 魂をゆさぶる表現のためのクロス・カリキュラムは国語、社会、音楽、図画工作、保健(心のバランスをとる)の中から2〜3教科との構成を試みたが、教科のちがいによる効果の差はみられなかった。2. クロス・カリキュラムの実施において、各教科のプログラムは7因子が中核になる構成であり、7因子はそれぞれの条件が満たされている活動内容であることが好効果を生みだしていた。条件とは、Playはアゴーン、アレア、ミミクリ、イリンクスの要素を2つ以上、Improvisationはテーマかイメージのある即興表現であり、Relaxationは筋肉の弛緩、技能の向上を要求しない、同一化による安定感、ある程度の選択の幅をもった自由の保障、呼吸が自然にできる状態の活動の要素から3つ以上、Communicationは教師と児童、児童と児童の2つの関わりが成立していること、Combinationは表現の方法が歌を歌う・踊るなどのように2つ以上が絡み合っていること、Optionはひとつの活動を起こすのに3種以上の選択権が保障されていることであり、Demonstrationは教師による実演であり、それは児童の発想の転換や活動を刺激するものでなければならない。3. クロス・カリキュラムが有効であるためには教師がクロスされる教科において質の高い指導力を必要とする。
著者
厳島 行雄
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

裁判等の証人は記憶を頼りに、自分の経験を語る。そのような記憶は再構成的であり、経験される出来事の記憶の正確さは、その出来事の後に触れる社会的情報によって大きく損なわれることが知られている。本研究ではそのような影響の基礎的研究を行い、情報が伝えられる媒体の違いによる効果、嘘をつくという行為による記憶への影響、耳撃証言の正確さを明らかにした。
著者
勝山 成美
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

我々は床や壁に映った影(キャストシャドウ)によって、物体の位置や動きを知ることができる。しかし、このようなキャストシャドウによる奥行き知覚が脳のどこで、どのように処理されているのかはわかっていない。そのため我々は、機能的MRI実験によってヒトがシャドウから物体が奥行き方向に動いて見える錯視動画を見ている時に活動する脳部位を調べた。その結果、MT野、V3A野、および右の後部頭頂間溝など、後頭葉から頭頂葉に至る視覚野が活動することがわかった。さらに我々は、サルに同じ動画を見せ、サルもヒトと同じようにシャドウから奥行き知覚を得ていることを明らかにした。
著者
佐藤 徳
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

エージェンシー感とは「行為を引き起こしたのは自分だ」という感覚のことである。エージェンシー感がどのように成立するかについては主に二つのモデルがある。一方の説では順モデルによる動作の感覚結果の予測がエージェンシー感の成立に関わっているとされ、別の説では行為に先行する思考とその行為が一致し、他に原因が考えられなければ、エージェンシー感が体験されると考えられている。本研究では、エージェンシー感を、より基底にある非概念的、かつ、前反省的な感覚運動レベルのエージェンシー感と、概念的かつ反省的なエージェンシー判断に分け、前者の指標として感覚減衰、後者の指標として顕在的なエージェンシー判断を用い、前者が主に順モデルによる予測と実際の結果の一致性に、後者が順モデルによる予測と実際の結果の一致性と先行思考と結果の概念的一致性の双方に依存することを示した。また、順モデルによる予測と実際の結果の一致性や先行思考と結果の概念的一致性などの複数のエージェンシー判断手掛かりのうち、どの手掛かりがエージェンシー判断に大きな影響を及ぼすかは、それぞれの手掛かりの相対的な信頼性如何であることを示した。
著者
柄木田 康之
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究はミクロネシア連邦ポンペイ島,米国グアム島のヤップ出身者のアソシエーションの民族誌調査に基づき,移民と母社会が国家を超えた脱領域的公共圏を構成していると指摘し,アソシエーションの活動による民族アイデンティティの生成,リーダーシップの生成,募金活動による社会的連帯の生成について報告した。
著者
石原 万里
出版者
福島工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的はジェイムズ・シャーリーの『宮廷の秘密』の二つのテキストである手書き原稿(manuscript)と1653年に出版されたテキストとの比較を通して、作家ジェイムズ・シャーリーの作劇に迫り、さらには作家、出版業界、劇団の力関係の考察にある。手書き原稿には削除、修正、加筆があり、その版を数えるとテキストは三つ存在することとなる。精査な比較を通し、同じ言葉が違う意味合いで使われていることがわかることから、作家シャーリーが、何度も原稿に手をいれる作家であったことは明らかである。シャーリーの特徴が、印象深い主人公にではなく、会話の積み重ねによって構築される人間対人間のドラマにあることも読み取れた。『宮廷の秘密』が収められているSixNewPlaysの六作品一作ずっに書かれた献辞は、劇場閉鎖前後の時勢を反映するものであり、作家シャーリーと出版業者HumphreyMoseleyとの密接な関係をも表している。
著者
小泉 章夫 澤田 圭 平井 卓郎
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

緑化樹の耐風性を定量的に評価する方法について検討し,評価手順を提示した。樹冠にかかる風圧力を推定するために,屋外で風速と樹幹の曲げたわみを連続的に測定することで抗力係数を評価する方法を開発した。得られた抗力係数を用いて,風速から樹幹や根鉢に作用するモーメントを算出できる。樹幹の曲げ耐力を求めるために,不整な樹幹の断面係数を非破壊的に評価する手法を開発した。また,緑化樹の引き倒し試験を行って,胸高直径と根返りモーメントの回帰式を決定した。
著者
松政 貞治
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ル・コルビュジエが「東方への旅」で残した多くのスケッチや写真の対象が、なぜその場所や構図で描かれ撮影されたのかを、現地調査を通じて分析した結果、装飾や部分の詳細表現が特徴的な、この旅に出る前の彼のスケッチに比べて、トルコやギリシャ、イタリアの歴史的な建築や遺跡の、より建築的に本質的なヴォリュームとそれらの配置、構図への関心が増大し、周辺の場所や対象、構図の可能性の中で、この関心を最も的確に満たすシーンが中心主題とされ、しかもこの本質を捉える能力が彼のその後の作品や著作に活用されていることが実証的に明らかとなった。
著者
落水 浩一郎
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

社会規則(法律や条例など)の適用を支援することを目的とした法令実動化情報システム(LEIS)を対象として、ソフトウェアアカウンタビリティ機能をLEISに保持させ、また、社会規則の改定に応じてアカウンタビリティ機能を進化させ得るための基礎理論、機構、開発プロセスを、ソフトウェア工学の最新の研究成果と法理論を適用することにより開発した。ここで、ソフトウェアアカウンタビリティ機能とは、システムによってなされた計算や判断に対して利用者が疑問を持ったとき、システム自体がどの規則をどのように適用して得られた結果であるのかを説明できる機能である。
著者
高木 浩一 山口 利幸 岸本 昇
出版者
和歌山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

梅干しの調味廃液の有効利用を図るために、(1)調味廃液中のグルタミン酸,クエン酸などの有効成分の分離回収、(2)調味廃液に含まれる糖およびクエン酸を用いたムメフラールの合成法の確立、(3)調味廃液中の色素を用いた色素増感型太陽電池の作製に関する研究を実施した。その結果、(1)選択的回収法に関する知見を得た、(2)調味廃液からマイクロ波を用いた反応で5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの合成に成功した、(3)太陽電池を作製し、発電を確認した。
著者
李 梅花 川田 徹 鄭 燦 鄭 燦
出版者
国立循環器病センター(研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ロサルタン)とアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(塩酸ドネペジル)長期併用投与が心筋梗塞後心不全ラットの神経液性因子、心機能、心臓リモデリングに及ぼす効果を検討した。その結果、ロサルタン単独投与に比べて、ロサルタンと塩酸ドネペジルの併用投与によって、心筋梗塞後心不全ラットの神経液性因子レベル、心機能、心臓リモデリングに更なる改善効果があることを明らかにした。
著者
櫻井 祐子 横尾 真 湊 真一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

効率的な提携を形成すること(提携構造形成問題)は,人工知能やマルチエージェントシステムの研究領域において,重要な研究分野となっている.本研究課題では,多分岐ゼロサプレス型BDD~(MTZDD)を応用し,(1) あらゆる特性関数を記述可能,(2) 既存の表現法よりも指数的に簡略化可能な場合が存在,(3) コアに関する問題をMTZDDのノード数の多項式時間で求解可能,(4) 提携構造形成問題は混合整数計画法を用いることで,既存アルゴリズムよりも高速に解を求めることが求解可能といった性質を持つ簡略記述法の提案などを行った.これらの研究成果は,国際会議 PRIMA2011で優秀論文賞を受賞した.
著者
屋名池 誠
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1.日本語は、縦書き・横書き両方が可能であるという、世界的にもめずらしい表記システムをもつ言語である。もともとあったのは縦書きで、横書きは江戸時代末期・明治時代初期に生じてきたものである。西欧との接触により、多くの文物が取り入れられる中で、(画面に)水平な文字配列や(在来の右から左へという方向に対し)左から右へという方向の文字配列が必要な場合が生まれたからである。この必要によって、横書きのほか、横倒しの縦書きや、右方向へ行がかわってゆく縦書きなども生じたが、みな明治末期までには横書きにとってかわられた。2.横書きには、ほぼ同時に、それぞれ使用者が異なる、右横書きと左横書きが生じた。その後両者の使い分けの条件は、使用者によるものジャンルによるちのなど順次変わっていったが、結局、平面上レイアウトで果たす役割は同じであるため、昭和23年ころまでに、(アラビア数字との共存などの点で)より効率的な、左横書きに統一された。3.横書きであることが必要な用途、縦書きするのがふさわしい用途のほか、どちらであってもかまわない用途がある。こめ第3の用途には長い間縦書きがもちいられてきたが、次第に横書きに取って代わられつつある。近い将来、日本語の書字方向は縦書き:無標横書き:有標という現在の体制から横書き:無標縦書き:有標という体制に変わるものと予想される。