- 著者
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田中丸 治哉
多田 明夫
- 出版者
- 神戸大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
本研究は,河川水質モデルにおいて水量・水質の再現性を両立させるパラメータ同定法の確立を目指している.まずタンクモデルの最適化を対象として,多目的最適化手法の一つである妥協計画法の適応性について検討した.次いで,長短期流出両用モデルに流出成分別のLQ式ないしCQ式を組み合わせたモデルを用いて,奈良県五條市の山林小流域を対象としてナトリウムイオンの流出負荷量及び水質濃度の推定を行った.流出モデル定数及びLQ式ないしCQ式の決定には,妥協計画法を適用した.その結果,妥協計画法によれば,河川流量と流出負荷量の再現性,あるいは,河川流量と水質濃度の再現性を両立させたモデル定数が求められることが分かった.