著者
遠藤 広菜 壷井 基裕
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>化石は海に生息していた貝類の死骸が堆積物中に埋没し、長い年月をかけてできたもので、環境指標としても使用される。本研究では、岐阜県瑞浪市の新第三紀中新世の海成層である瑞浪層群明世累層に含まれる二枚貝の化石貝殻・現世貝殻中の希土類元素の含有量を測定し、明世累層の希土類元素含有量と比較することで化石化過程における元素の挙動について考察した。各希土類元素濃度をCⅠコンドライトで規格化すると現世試料<化石試料<明世累層(炭酸塩鉱物)の順に値が高くなる。また、化石試料は負のEu異常を、現世試料は正のEu異常を示した。さらに、軽希土類元素/重希土類元素(La/Yb)比は化石試料が最も高く、化石試料が生きていた当時の貝殻の希土類元素濃度が現世試料の濃度と同じであったと仮定すると、化石化過程で軽希土類元素が優先的に取り込まれた可能性が考えられる。</p>
著者
鈴木 勝彦 賞雅 朝子 深海 雄介 飯塚 毅 折橋 裕二 新城 竜一
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p><sup>182</sup>Hfは比較的短い半減期890万年で<sup>182</sup>Wにベータ壊変する。Hfは親石元素、Wは親鉄元素であるために、マントルとコアの間で分別が起き,マントルは高いHf/W比,コアは低いHf/W比を持つと考えられる。地球の初期,<sup>182</sup>Hfが消滅する前にコアが分離すれば,Hf/Wの高い始原マントルは高い<sup>182</sup>W/<sup>184</sup>W比を,Hf/W比の低いコアは低い<sup>182</sup>W/<sup>184</sup>W比を持っていることになる。本研究では,東アフリカAfarプルームに由来するエチオピアの玄武岩とアデン湾のMORBに適用した結果,いくつかの試料で,繰り返しの誤差の範囲を超えて負異常が得られた。コアの物質を含んでいる可能性が考えられるか,少なくとも地球ができて間もない頃の化学分別の痕跡を含んでいると考えられる。</p>
著者
前田 歩 吉村 寿紘 為則 雄祐 鈴木 淳 藤田 和彦 川幡 穂高
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>サンゴ礁海域に生息する大型底生有孔虫はサンゴ礁海域の堆積物の主要な構成要素であるため、当該海域の連続的な古環境記録媒体として利用できる可能性がある。水温と大型底生有孔虫殻の微量元素濃度との関係を評価するため、サンゴ礁に生息する二種類の大型底生有孔虫、<i>Calcarina gaudichaudii</i>と<i>Amphisorus kudakajimensis</i>について、21-30ºCの温度制御下で飼育した無性生殖個体を複数用いたMg/Ca、Sr/Caおよび個体ごとのMg, Sr, Na濃度を測定した結果を報告する。Mg/CaおよびSr濃度は両種ともに温度と有意な相関を示した。一方で、Sr/Ca、Na濃度は両種ともに温度によらずほぼ一定の値を示した。</p>
著者
大嶋 将吾 土岐 知弘 満留 由来 原 由宇
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>竹富島の北東沖約1 kmの海底の数箇所から最高温度64 ℃の温泉水がガスを伴って湧出しており,そのガス成分はヘリウム同位体比やメタンの炭素同位体比からマグマ由来と考えられるガスが混入していることが示唆されている(大森ほか,1993)。2019年5月に湧出孔の一つにモニタリング装置を設置した。その結果を用いて,竹富海底温泉の変動要因を解明することを目的とする。2019年5月9日に水深20 mにある湧出孔へモニタリング装置を設置した。また,モニタリング装置の設置・回収に併せ温泉水試料を採取した。モニタリングデータから,潮位に応じて,泉温が変動しており,潮位が低い時に湧出量は増加し,潮位が高い時に湧出量が減少すると推定される。また,温泉の塩濃度は海水と比較し低い値を示しており,泉温とECおよび塩濃度は逆相関の傾向がみてとれることと調和的である。</p>
著者
横田 瑛里 山中 寿朗 岡村 慶 野口 拓郎 土岐 知弘 角皆 潤 大西 雄二 牧田 寛子
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>沖縄トラフ南部、多良間島の北約60kmの海底に位置する多良間海丘で、2017年8月、調査船「よこすか」によるYK17-17研究航海において有人潜水艇「しんかい6500」の潜航調査により、300℃を超える高温の熱水噴出孔が水深1,840m付近の海底についに発見され、YZサイトと名付けられた。この海丘では2009年に実施された潜航調査により山頂付近から周囲の海水温度に比べ約20℃高い熱水の湧出が確認され、その湧水と関連すると考えられる鉄酸化物を主体とした堆積物が認められていたが(Foxサイト)、高温熱水の噴出は確認されていなかった。この海丘は南部沖縄トラフの主たるrifting zoneである八重山海底地溝のやや南に位置し、西表島北北東海底火山にあたる石垣海丘群に東側延長にあたる島弧火山列の一つと推定される。2017年の潜航調査では、両サイトから、熱水、チムニーなどの採取が行われた。本発表では得られたチムニー試料の鉱物組成や元素組成と、熱水の地球化学的特徴について報告する。</p>
著者
中村 英人
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.147, 2011

生物の進化にともない生合成経路も進化してきた。分類群ごとに特徴的な化合物組成は化石の形態形質同様に生物とその生合成経路の進化過程について重要な示唆を与える。生物由来の有機分子は生体の死後,生物分解や化石化過程を経て失われてゆくが,一部の脂質分子は地質学的時間を経てなお残存し,古生代や中生代など古い時代の堆積物からも検出される。特定の起源生物に由来することが明らかな化合物はバイオマーカー(分子化石)として,それらの生物の起源の探索や古環境復元などに応用されてきた。近年,分子生物学の発展に伴い,多様な生体化合物の代謝生理が急速に明らかになりつつある。化合物レベル,骨格レベルでの生合成経路と生理機能の解明は,テルペノイドバイオマーカーの起源分類群の化石形態には残らないような古生態学的特徴を復元する手がかりになり,起源分類群の進化過程についてもいっそうの理解をもたらす可能性がある。
著者
岩田 大吾 土岐 知弘 大森 保 石橋 純一郎 高井 研
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.137, 2008

鳩間海丘は南部沖縄トラフの水深1,500 mに位置する直径約4 kmのカルデラ火山である。沖縄トラフの海底熱水系は背弧・島弧系であり,堆積物が豊富であるという特殊な環境から世界で初めて海底面からの二酸化炭素ハイドレートの噴出が観測されるなど,日本における熱水研究に様々な科学的題材を提供してきた。鳩間海丘における熱水活動は,1999年の有人潜水探査船「しんかい2000」による潜航調査において初めて発見された。2006年8月に行われたNHKの取材時には,世界で初めて熱水が青く見える現象が観測された。過去の調査では観測されたことのない青色熱水であることから,海底熱水活動の活発化した可能性等が指摘された。本研究では,発見当時青く観測された熱水噴出孔から2007年3月及び7月に熱水試料を採取し,化学分析すると共に分光学的に解析を行い,2000年の分析結果と比較して化学組成の変化と青く観測された原因を明らかにした。
著者
川嶋 雅則 中村 昇 沼田 雅彦 山下 勝行 藤谷 達也
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.108, 2002

微少量の固体惑星物質中の塩素同位体の精密分析は困難であり、研究例は少ない。特に隕石の塩素同位体組成の分析データは皆無に近い。本研究は、表面電離型質量分析計を用いた微小量の隕石の塩素同位体精密分析を目的にしており、先の分析法の確立についての報告に次ぐものである。今回は、Allende隕石の分析結果とその試料による再現性の問題と普通コンドライトの結果、Allendeとの塩素37/35比の差を見出した結果について報告する。
著者
重光 雅仁 渡辺 豊 山中 康裕 本多 牧生
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.24, 2007

西部北太平洋亜寒帯域のtwilight zone(有光層下から1000mまで)における沈降粒子中窒素の分解過程とそれが窒素同位体比に及ぼす影響について知見を得ることを目的とした。沈降粒子は、セジメントトラップにより、2005年3月20日から9月18日にわたり、水深150m、540m、1000mにおいて採取された。サンプリング間隔は、7日あるいは14日である。解析に際して、150mにおける沈降粒子束を初期値として、540m、1000mの沈降粒子束を復元できる単純な沈降モデルを作成した。本モデルでは、1) 粒子は凝集し、全成分が同時に沈降すること、2) 主成分のうち、有機物、炭酸カルシウム、オパールは沈降過程において分解すること、3) 深度が増すにつれて沈降速度が速くなること、4) バラスト鉱物(炭酸カルシウム、オパール、陸起源物質)は分解しない一定の有機物を有すること、を仮定した。本モデルを用いて上記解析を行ったので報告する。
著者
尾張 聡子 戸丸 仁 松本 良
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

<p>表層型ガスハイドレートが胚胎する日本海では複数の海域で海底から湧出するガスバブルが確認されている.潜水調査艇による海底観察から,これらの強度や位置が数日スケールで変化していることが明らかになり,表層型ガスハイドレート近傍の化学環境もガス湧出と同様,短期的に変動している可能性が示唆される.本研究は浸透圧式長期連続採水器(オスモサンプラー)を用いて,ガス湧出の強い上越沖の鳥が首海脚と,ガス湧出の弱い海鷹海脚,湧出が見られない山形沖の鳥海礁(とりみぐり)の3海域で海底下30cmの間隙水を一年間連続的に採水し,一日の解像度で間隙水に溶存する主要イオン(SO42-, Cl-, Na+, Ca2+, Mg2+, K+)とガス(CH4, C2H6)濃度を分析した.</p>
著者
伊藤 正一 柳井 佳穂里 サラ ラッセル ジム グリーンウッド 圦本 尚義
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

隕石母天体内での流体(H<sub>2</sub>O)のふるまいは,これまで全く不明瞭であった.これら流体のふるまいに制約を与えるため,近年,リン酸塩鉱物の岩石学的,同位体的研究が盛んに行われてきた(e.g., Jones et al., 2011; Yanai et al., 2012). 本講演では,系統的に,熱変成度の異なるLL4-6のリン酸塩鉱物に含まれる微量結晶水の定量及び水素同位体組成を報告する予定である.
著者
野田 典広
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

土壌汚染対策法改正にあたり、トンネルの掘削ずりなどに含まれるヒ素や鉛といった有害物質が法の指定基準を超えて存在する事例がしばしばあり、施工者を悩ませている。これらの合理的な対策について近年の事例を報告する。
著者
高橋 嘉夫 本田 翼
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

<p>本研究では、風化花崗岩中のREEの化学種を解明し、どのような風化花崗岩がREEのイオン吸着型鉱床になるかを調べた。イオン吸着型鉱床でなぜREEが高い抽出特性を持つかなど解明する上で、REEの化学種を解明することは重要である。また風化の程度が異なるイオン吸着型鉱床において、REEの抽出率、化学種、REEパターンの特徴などを系統的に調べることは、風化花崗岩がレアアースのイオン吸着型鉱床となる条件を特定することにつながる。</p>
著者
加登 大輝 薮田 ひかる
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.65, 2018

<p>小惑星リュウグウの表層作用を解明するために、母天体熱変成を受けた炭素質CMコンドライト隕石の物質組成を理解することは重要である。本研究では、加熱脱水作用が記録されるJbilet Winselwan 隕石中の脂肪族炭化水素と多環式芳香族炭化水素(PAHs)をガスクロマトグラフ質量分析計により分析し、それらの分子組成の特徴を始原的なMurray CM隕石のものと比較した。 Jbilet Winselwan隕石中の<i>n-</i>アルカン、PAHsの総濃度は、Murray隕石中のものよりそれぞれ40倍、1000倍低かった。Jbilet Winselwan隕石では短鎖<i>n-</i>アルカン(C<sub>13</sub>-C<sub>18</sub>)の割合が高く、また低分子のPAHsが検出されなかった。さらにアルキルPAHsの異性体比が両隕石の間で類似の値を示した。以上より、Jbilet Winselwan母天体は比較的穏やかな熱変成を経験したと推測される。</p>
著者
大野 剛 村松 康行
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

福島第一原子力発電所の事故により多量の放射性物質が放出された。この事故により放出された放射性元素にはゲルマニウム半導体検出器で測定することが困難な長半減期放射性同位体も含まれている。この中でもヨウ素129(半減期1570万年)はヨウ素131の汚染実態を把握するために重要な同位体である。これまでヨウ素129の測定には、加速器質量分析法(AMS)が用いられてきた。しかし、試料前処理および分析に時間が掛かるため、多量の試料分析には不向きな点がある。そこで本研究では、迅速分析が可能な誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いて、福島汚染土壌中のヨウ素129測定法の開発を行った。
著者
塚崎 あゆみ 西田 民人 田上 英一郎
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.346, 2009

海洋のPOMは、食物連鎖による高次生産者への移行、中・深層、堆積物への鉛直輸送、溶存態有機物への移行等の過程に関与しており、海洋での物質循環の出発物質と言える。海洋表層のPOMは、生物体有機物およびその初期分解産物の複雑な混合物である。POMの化学的特性や動態に関する知見を蓄えることは、海洋、ひいては地球表層における炭素や窒素などの循環を理解する上で必須といえる。POMの最大構成成分はアミノ酸である。POMには生物体有機物と非生物態有機物が混在しており、それらを分けることができず、どのような物質が生物体アミノ酸で、どのような物質が非生物態アミノ酸であるのか分かっていないのが現状である。そこで本研究では、SDS-PAGE法で検出される物質の化学的特性および、それらがPOMに占める割合を明らかにし、生物体アミノ酸の海洋表層懸濁態有機物に対する貢献について検討した。
著者
今井 翔 吉田 磨 河野 恒平 豊田 栄 藤井 彩子 山田 桂大 渡邉 修一 吉田 尚弘
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.267, 2008

WOCEの2ラインにおけるメタンの空間的特徴や起源、大気海洋フラックスについて明らかにすることを目的とし、北太平洋において溶存メタン濃度と炭素安定同位体比を測定した。 海水試料は海洋地球研究船みらいによる2005年10月~2006年2月のMR05-05航海(WHP-P03)と、2007年7月~9月のMR07-04航海(WHP-P01)で得た。研究室に持ち帰り海水試料を脱気・精製し、FID-GCを用いてメタン濃度、GC/C/IRMSを用いて炭素安定同位体比(δ13C-CH4)を測定した。通常濃度の試料から得られた測定精度はそれぞれ~5%と~1‰となった。P01観測ではメタンの極大及び20-50%の過飽和が、表層300 m以浅において観測された。炭素安定同位体比から水柱での生成が示唆され、東部では生成経路が異なることを示唆している。P03観測東部沿岸域では沿岸湧昇にともなって現場でのメタン生成が表層に限定されることがわかった。密度躍層を境界に表層では生成、深層では酸化され、表面水のメタン過飽和により大気へ逃散していることがわかった。
著者
上地 佑衣菜 植村 立
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.65, 2018

<p>降水の酸素の同位体比(δ<sup>18</sup>O)は、炭酸カルシウムやセルロースに保存されるために古気候のプロキシとして広く用いられている。しかし様々なプロキシの解釈は異なっており、それは各地域の降水の同位体比が複数の気候要素の影響を受けているからと考えられる。そこで本研究では、東アジアモンスーン地域における古気候のプロキシにおいて、降水の同位体比変動の解釈を明確にするために、沖縄島降水の同位体比変動を長期間測定し、気象データやENSO等の指標と比較した。過去7年間、沖縄島降水δ<sup>18</sup>Oに対するENSOの影響はみられなかったが、δ<sup>18</sup>Oの年平均は降水量と強い負の相関を示し、NAOと正の相関を示した。</p>
著者
新垣 耀平
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.65, 2018

<p>洞窟内の<sup>222</sup>Rn濃度は、洞窟内外の様々な気象要因やカルストの地形と間隙率、土壌や岩石中のRaの含有量などが複雑に関与し変化する。一般的な洞窟では、洞窟内外の空気密度差により大気の循環が起こる。外気に比べ洞窟内部の空気密度が高くなる夏季は、<sup>222</sup>Rnは洞窟内に対流するため<sup>222</sup>Rn濃度が上昇し、空気密度が逆転する冬季は、外気の流入により強制的に換気され<sup>222</sup>Rn濃度が減少する季節変動がみられる。本研究では、南大東島にある星野洞を含む複数の洞窟について<sup>222</sup>Rn濃度の測定を行い、その変動特性を調べた。</p>
著者
井上 麻夕里 中村 崇 田中 泰章 鈴木 淳 横山 祐典 川幡 穂高 酒井 一彦 Nikolaus Gussone
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.65, 2018

<p>本研究ではサンゴの骨格成長における褐虫藻の役割を明らかにするために、褐虫藻有りと無しのポリプ試料を作成し、温度、塩分、pCO2を調整した水槽で飼育した。飼育実験の後、ポリプ骨格について6種類の化学成分を分析した。その結果、海水のpH指標とされているU/Ca比についてのみ、褐虫藻有りと無しの間に有意な差が見られた。これは、褐虫藻有りのサンゴ体内のpHが上昇していることを示しており、これにより褐虫藻と共生関係にあるサンゴは骨格成長が早いことが分かった。</p>