著者
渡辺 豊子 喜代吉 夏子 山田 光江
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.293-300, 1992-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
9
被引用文献数
3

We prepared cake batter for sponge and pound cakes with both 120 and 190 gram in weight in 12cm round cake pans. Cakes were baked under six different baking temperatures from 150°C to 200°C with 10°C intervals.We examined how the temperature shifted inside these cakes during baking under pre-set baking temperature and also the effect of temperature changes on the final shape of the product, as a cake rose while baking.We conclude from the results of our experiments as follows:1) In all cases, the higher the baking temperatures were, the faster the inner temperature of cakes rose.2) The sponge cake of 120g had the fastest rising speed of inner temperature. The sponge cake of 190g had the second faster speed and the pound cake of 190g had the slowest one.3) It became clear that there were three stages in the changing pattern of the temperature. The first stage was until the temperature at the point of 1cm from both edge and bottom of the cake, became stable. The second stage was until the core temperature stabilised. The third stage was up to the completion of baking. A sponge cake rose mainly in the first stage (93-103% of the final height), barely did so in the second stage and became flat on the top. A pound cake rose to 77-84% of the final height in the first stage and kept on rising also in thes econd stage until it formed a mountain like shape on the top.4) It can be concluded that the suitable temperature for baking sponge cake is around 160°C and that for pound cake about 180°C.
著者
井上 雅 横山 光彦 石井 亜矢乃 渡辺 豊彦 大和 豊子 公文 裕巳
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.359-362, 2011 (Released:2011-09-15)
参考文献数
11

尿管結石の疝痛発作に対して芍薬甘草湯を投与し,その臨床的有用性を非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)と比較検討した。対象は尿管結石患者25名で,11名に対し芍薬甘草湯5.0gを内服させ,コントロール群として,14名にNSAIDsを内服させた。内服時,内服後15分,30分,60分にNRS(numerical rating scale)を用いて比較検討した。NRSは0点を全く痛みなし,10点を最も強い痛みとした。結果は芍薬甘草湯内服群では内服時NRSは6.7 ± 2.3点で,内服後15分で3.4 ± 3.5点と有意に軽減した。NSAIDs内服群では内服時8.3 ± 1.8点で,内服後15分では7.0 ± 1.9点と有意な鎮痛効果は認めたが,鎮痛効果は芍薬甘草湯の方が有意に優れていた。その他の時点においても同様の結果で,芍薬甘草湯は尿管結石の疝痛発作に対して即効性があり,NSAIDsよりも有意に鎮痛効果を認めた。
著者
渡辺 豊子 大喜多 祥子 福本 タミ子 石村 哲代 大島 英子 加藤 佐千子 阪上 愛子 佐々木 廣子 殿畑 操子 中山 伊紗子 樋上 純子 安田 直子 山口 美代子 山本 悦子 米田 泰子 山田 光江 堀越 フサエ 木村 弘
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.288-295, 1999
参考文献数
15
被引用文献数
5

腸管出血性大腸菌O157食中毒を予防するためには,牛ひき肉を用いたハンバーグの焼成においては、内部全体が75℃に到達する必要がある。しかしその到達を判断する方法は明確ではない。そこで,焼成中のハンバーグ内部の最低温度と,流出する肉汁の状態との関係を明らかにすることによって,一般家庭の調理において,食品衛生上安全なハンバーグを焼くことが出来るよう,ハンバーグの焼き終わりを検討した。1個100gのハンバーグ3個をガスオーブン230℃で焼成し,焼成中にハンバーグ内部6点の温度を測定した。また6分・9分・12分・15分・18分間の焼成後,直ちに一定の厚さ圧縮して肉汁を採取し,その色や濁りを観察して以下の結果を得た。1) ハンバーグの最低温度は6分間の焼成では44℃,9分間の焼成では55℃と低く,両者の汁液は赤みが強く濁りもあった。2)12分間焼成したハンバーグの最低温度は66℃であり,その汁液は茶褐色を呈したが,透明な油脂と混じって流出するため濁りを見定め難く,透明と判断される可能性があった。しかし注意深く観察すると濁りが確認された。なお,内部には余熱によっても75℃に達しない部分があり,食品衛生上安全であるとは言えなかった。3) 15分間焼成したハンバーグは食品衛生上安全(最低温度は75℃)であると判断された。その汁液は黄色みを帯びて透明であった。従って透明な肉汁の流出は75℃到達の指標になることが確認できた。4) ハンバーグを軽くおしたときに流出する肉汁の量・ハンバーグ表面の焼き色・断面の色・硬さで75℃到達を判断するのは難しいと思われる。5) 官能検査において,15分間焼成したハンバーグの焼き加減は適切であるとされた。以上より,おいしさと安全性の両面からみて,ハンバーグの焼き終わりは「肉汁の赤みが完全に消失して,透明になったことを確認した直後」が適切である。オーブンの種類やハンバーグの大きさなど焼成条件が異なると,焼成時間と内部温度の関係も変化する。しかし、内部温度と肉汁の色や濁りとの関係は変わらないので,「肉汁の色や濁りを見て焼き終わりを判断する」と言われることは,牛ひき肉ハンバーグに対しては有効であると思われる。
著者
八木 千鶴 大喜多 祥子 奥山 孝子 樋上 純子 細見 和子 山本 悦子 米田 泰子 渡辺 豊子
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.112-121, 2015
被引用文献数
1

微細米粉を用いたスポンジケーキ生地とスポンジケーキの物理的特性を,小麦粉を用いた場合と比較することによって明らかにした。<br> 1. DSC曲線では糊化エンタルピー変化は米粉の方が大きく,デンプンを充分に糊化するための熱量は,米粉の方が小麦粉より多く必要であった。<br> 2. 米粉スポンジケーキ生地の粘度は小麦粉スポンジケーキ生地より小さかった。<br> 3. 焼成時の内部温度は,加熱初期には米粉スポンジケーキ生地の方が小麦粉スポンジケーキ生地より高かったが,加熱後半には低くなり,米粉スポンジケーキの焼成時間は小麦粉スポンジケーキより長くかかった。<br> 4. 米粉スポンジケーキは小麦粉スポンジケーキより,質量は軽くなったが形状はほとんど差がなかった。また,米粉スポンジケーキの内部は軟らかかったが上面端部は硬かった。<br> 5. 官能評価の結果,米粉スポンジケーキは上面端部が硬く甘いため好まれなかったが,米粉スポンジケーキの内部は小麦粉スポンジケーキに比べ劣るものではないと考えられる。
著者
渡辺 豊子 喜代吉 夏子 山田 光江
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.293-300, 1992
被引用文献数
2

生地の製法・材料の配合・生地の分量の異なるケーキを150~200℃(10℃間隔)で焙焼し、その温度履歴を焙焼温度別、製法・分量別に検討した。さらに焙焼中の膨化過程をみることにより製品の形状に与えた影響についても検討した。その結果1.中心温、周囲温とも焙焼温度が高いほど温度上昇は早く、短い時間で安定(1分間に1℃以上温度が上昇しなくなる)した。2.中心温、周囲温とも温度勾配はスポンジ120g>スポンジ190g>パウンド190g>となり、スポンジ同士では生地分量が多いほど生地温の上昇が遅れたが、容量190g同士のスポンジとパウンドでは泡が少なく油脂量が多いパウンドの方が生地温の上昇が遅れ、両者の製法の違いが大きく影響しているものと思えた。3.周囲温安定までを第1期、中心温安定までを第2期、焙焼終了までを第3期とすることによって、製法別に各期の特徴を明らかにすることができた。4.スポンジは第1期にほぼ膨れ終わり(最終ケーキ高さの93~103%)、第2期でも僅かに膨らむが第3期では焼き縮みがみられ、平らなケーキに焼き上がった。5.パウンドは第1期における膨らみは最終ケーキ高さの77~84%であり、第2期においても膨らみ続け山型のケーキとなった。また第2期における膨らみが大きな変化である場合には上面に割れ目が生じ、焙焼温度が高いほど山型は顕著になった。6.今回の条件では、スポンジは160℃付近、パウンドは180℃付近が色と膨れ具合からみて適切な焙焼温度であると判断し得た。
著者
渡辺 豊子 石村 哲代 大喜 多祥子 大島 英子 片寄 眞木子 阪上 愛子 殿畑 操子 中山 伊紗子 中山 玲子 樋上 純子 福本 タミ子 細見 知子 安田 直子 山本 悦子 米田 泰子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.273-282, 2004-08-30 (Released:2013-04-26)
参考文献数
17

強制対流式ガス高速オーブンを使用してカスタードプディングを加熱し,加熱時の中央部5点の温度履歴からプディング内温度分布や凝固温度を調べた. またオーブン皿に注入する湯量に着目し,湯量の相違が温度上昇速度やプディング品質に及ぼす影響を調べた. 1.プディング内における最低温度点は,型中央で底から10mm付近にあると推察された. この点はプディング液高さの底から1/4付近であり,プディングは底方面よりも上方面からの伝熱を強く受けた. 2.本実験条件では,プディング液の熱凝固開始時の中央部温度は76~77℃ であり,凝固完了時の中央部温度は80~82℃ であった. 3.湯量の相違はプディングの温度上昇速度に影響し,湯量を多くするほど,湯の温度までは温度上昇速度が速くなり,湯の温度以降は温度上昇速度が遅くなった. 4.湯量を多くするほどプディング液の凝固が起こる温度帯での温度上昇速度は遅くなり,プディングの離漿量は少なくなる傾向がみられ,プディングの食感はやわらかくねっとりした. 5.湯量を多くするほど型接着部の温度上昇は抑えられ,中央部と型接着部の温度差が小さくなって,表面にすだちのないプディングとなった. 6.本実験条件では,湯量3/3の場合に良好なプディングが得られた. このときの温度上昇速度は, 60℃から緩慢期到達点までは22℃/分,緩慢期は0.4℃/分であった. 本研究の一部は,日本調理科学会近畿支部第29回研究発表会(東大阪短期大学2002年7月6日)において発表した.
著者
重光 雅仁 渡辺 豊 山中 康裕 本多 牧生
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.24, 2007

西部北太平洋亜寒帯域のtwilight zone(有光層下から1000mまで)における沈降粒子中窒素の分解過程とそれが窒素同位体比に及ぼす影響について知見を得ることを目的とした。沈降粒子は、セジメントトラップにより、2005年3月20日から9月18日にわたり、水深150m、540m、1000mにおいて採取された。サンプリング間隔は、7日あるいは14日である。解析に際して、150mにおける沈降粒子束を初期値として、540m、1000mの沈降粒子束を復元できる単純な沈降モデルを作成した。本モデルでは、1) 粒子は凝集し、全成分が同時に沈降すること、2) 主成分のうち、有機物、炭酸カルシウム、オパールは沈降過程において分解すること、3) 深度が増すにつれて沈降速度が速くなること、4) バラスト鉱物(炭酸カルシウム、オパール、陸起源物質)は分解しない一定の有機物を有すること、を仮定した。本モデルを用いて上記解析を行ったので報告する。
著者
藤本 千鶴 上村 昭子 東根 裕子 山本 悦子 渡辺 豊子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.209, 2010

【目的】平成21、22年度の日本調理科学会特別研究として、行事食についての全国調査を現在行っている。本報告では、大阪府在住の大学生とその親の年末年始に関わる行事食について、現状を明らかにすることを目的とした。<BR>【方法】2009年12月~2010年3月、近畿地方の大学・短大生とその親を対象に質問紙調査(留め置き法)を実施した。正月(屠蘇、雑煮、小豆飯・赤飯、お節料理9品、魚料理、肉料理)、七草(七草粥)、大晦日(年越しそば、年取りの祝い料理、尾頭付きいわし料理)の各料理に関する喫食経験、喫食状況、調理状況を調査した。対象者は学生404名、親239名である。<BR>【結果】雑煮、年越しそばは、学生・親共に98%以上が喫食経験を持ちほぼ毎年食べられていた。その他の料理については学生と親の間に差があり、学生の喫食経験が少なくなっていた。喫食状況では屠蘇、七草粥で学生と親の間に差があり、食べる学生は少なく、食べなくなった親の割合が多い状況であった。大阪で食べられている雑煮は、白みそが54%、丸もちが84%、もちを焼かないが58%であった。お節料理9品の親の喫食経験は94%と多いが、毎年食べる人は74%(学生70%)であり、昆布巻き、きんとん、なます、だて巻きを毎年食べる人は、学生・親共60%台であった。雑煮、七草粥、年越しそばは、家庭で作る割合が多く、以前と現在で変化はなかった。しかし、黒豆、田作り、きんとん、煮しめ、なますは、家庭で作るから買うへの変化が認められた。正月の魚料理にはえび、ぶり、たい、肉料理には鶏肉、牛肉が多く使用されていた。
著者
井上 雅 横山 光彦 石井 亜矢乃 渡辺 豊彦 大和 豊子 公文 裕巳
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.359-362, 2011-05-20
参考文献数
11

尿管結石の疝痛発作に対して芍薬甘草湯を投与し,その臨床的有用性を非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)と比較検討した。対象は尿管結石患者25名で,11名に対し芍薬甘草湯5.0gを内服させ,コントロール群として,14名にNSAIDsを内服させた。内服時,内服後15分,30分,60分にNRS(numerical rating scale)を用いて比較検討した。NRSは0点を全く痛みなし,10点を最も強い痛みとした。結果は芍薬甘草湯内服群では内服時NRSは6.7 ± 2.3点で,内服後15分で3.4 ± 3.5点と有意に軽減した。NSAIDs内服群では内服時8.3 ± 1.8点で,内服後15分では7.0 ± 1.9点と有意な鎮痛効果は認めたが,鎮痛効果は芍薬甘草湯の方が有意に優れていた。その他の時点においても同様の結果で,芍薬甘草湯は尿管結石の疝痛発作に対して即効性があり,NSAIDsよりも有意に鎮痛効果を認めた。
著者
東根 裕子 上村 昭子 八木 千鶴 山本 悦子 渡辺 豊子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】食事の簡便化等に伴い、行事食の伝承が難しい時代になってきている。平成21年・22年度の日本調理科学会特別研究として実施した「行事食」の調査結果のうち、雑煮の手作り度と他の行事食との関連を明らかにすることを目的とした。【方法】平成21年12月から平成22年3月、日本調理科学会特別研究の全国統一様式の調査用紙を用いて調査を実施した。今回は、大阪府に10年以上住み、40歳以上で調理担当者である301人を分析対象とした。正月料理の雑煮は家での手作り度が高く、雑煮の手作り度と他の行事との関連を検討した。調査を行った17行事のうち、行事食を家庭で作っている割合が高い正月、節分、上巳の節句、クリスマス、冬至を検討対象とした。【結果・考察】調査対象者の年齢は40・50歳代が79.7%、60歳代以上20.3%であり、同居の家族構成は2世代が65.8%、職業は専業主婦が46.2%、次いでアルバイト・パートが34.6%であった。行事食の影響は、58.1%の人が母方から受けていると答えた。雑煮を手作りする人は、79.7%であり、正月料理の煮しめ・なます・魚料理、節分のいわし・巻きずし、上巳の節句のちらしずし・潮汁、クリスマスの鶏肉料理の手作り度が、雑煮を手作りしない人に比べて高く、有意差が認められた(p<0.05)。雑煮を手作りしない人は、他の多くの行事食においても手作り度が低かった。また、手作り度と喫食状況は必ずしも同じ傾向ではなく、節分の巻きずしやクリスマスケーキの手作り度は低い(21.3%と16.4%)が、ともに60%以上の人が毎年食べていると答えた。食の簡便化・外部化の流れを受け止めつつ、行事食伝承の方策を探っていきたい。
著者
中村 俊幸 岸本 恭 下澤 信彦 小池 祥一郎 清水 忠博 久米田 茂喜 渡辺 豊昭 中澤 功 重松 秀一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.2, pp.195-198, 2000-02-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1 5

梅毒性直腸炎は報告が少なく,非常にまれな疾患である.今回われわれは同性愛者の梅毒性直腸炎の1例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する.患者は40歳の男性,同性愛者で過去に肛門性交歴があった.主訴は肛門からの出血と疼痛で,内視鏡で下部直腸に潰瘍性の病変を認めた.生検で病変部のTreponema pallidumが証明され,梅毒性直腸炎と診断された.
著者
安田 一郎 日比谷 紀之 大島 慶一郎 川崎 康寛 渡辺 豊
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

H19年度においては、昨年度に引き続きロシア船を傭船し、約1週間(2007年8月下旬から9月上旬)にわたり千島列島海域の乱流計を用いた乱流直接観測を行うことができた。本年度観測では、昨年度機器の故障により十分な深さまで観測ができなかったブッソル海況西水道において1日連続観測を行うことができた。また、深い混合が予想されたブッソル海況東水道の1点、昨年度オホーツク海側で実施したウルップ海況太平洋側の3点、及び、ムシル海況4点で1日連続観測を行ったほか、重要な観測点で乱流・CTD観測を行うことができた。これらの観測により、千島列島海域には、一般的な中深層での乱流強度の約1万倍にも及ぶ1000cm2/secを越える鉛直拡散が起きていることが実証された。一方、1日の中でも潮汐流に応じて乱流強度は大きく変化すること、また、場所ごとに大きく変化することが明らかとなった。今後、さらに観測を行うとともに、長期観測データやモデルなどを用いてこの海域全体の寄与を明らかにしてゆく必要があることもわかった。また、これら乱流の直接観測データとCTDで取得された密度の鉛直方向の逆転から得られた間接的に乱流強度を比較した結果、乱流強度1桁の誤差範囲で間接的に乱流強度を見積もることができる手法を開発することができた。さらに、木の年輪から得られた長期気候指標北太平洋10年振動指数PDOに有意な18.6年潮汐振動周期を見出し、潮汐振動と気候との位相関係を明らかにした。これにより、日周潮汐の強い時期に、赤道域ではラニーニャ傾向、日本東方海域では高温、アリューシャン低気圧は弱い傾向になることがあきらかとなった。また、千島列島付近の日周潮汐が強い時期に表層の層厚が薄くなり、それが日本南岸まで伝搬することに関連して、本州南岸沿岸海域の栄養塩が上昇する傾向があることが明らかとなった。このように、千島列島付近および亜寒帯海域の潮汐混合は、広く北太平洋に大きな影響を与えていることが示唆された。
著者
安田 一郎 羽角 博康 小松 幸生 西岡 純 渡辺 豊 中塚 武 伊藤 幸彦 建部 洋晶 勝又 勝郎 中村 知裕 広江 豊 長船 哲史 田中 祐希 池谷 透 西川 悠 友定 彰
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

千島列島やアリューシャン列島海峡域において、中深層に及ぶ通常の数千倍の乱流鉛直混合の存在を、観測によって実証した。この大きな潮汐鉛直混合は、鉄や栄養塩等の物質循環を通じて、親潮など北太平洋亜寒帯海域の海洋生態系に大きな影響を与える。さらにその潮汐混合が18.6年周期で変動することによって生じる海洋変動が、日本東方海面水温とアリューシャン低気圧等の大気海洋相互作用を通じて増幅し、太平洋規模の気候・海洋の約20年変動に影響することが、観測・モデルの両面から明らかとなった。
著者
小林 宏行 河合 伸 押谷 浩 酒寄 享 小池 隆夫 大西 勝憲 斎藤 玲 中山 一朗 富沢 磨須美 大道 光秀 平賀 洋明 渡辺 彰 貫和 敏博 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 荒川 正昭 和田 光一 岡 慎一 稲松 孝思 増田 義重 島田 馨 柴 孝也 吉田 雅樹 佐藤 哲夫 林 泉 宍戸 春美 赤川 志のぶ 永井 英明 渡辺 尚 馬場 基男 松本 文夫 桜井 磐 嶋田 甚五郎 堀 誠治 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 健一 平居 義裕 石丸 百合子 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 俊信 下方 薫 齋藤 英彦 成田 亘啓 三笠 桂一 三木 文雄 二木 芳人 副島 林造 澤江 義郎 仁保 喜之 大泉 耕太郎 市川 洋一郎 徳永 尚登 原 耕平 河野 茂 門田 淳一 朝野 和典 平潟 洋一 前崎 繁文 伊藤 直美 松本 慶蔵 永武 毅 宇都宮 嘉明 力富 直人 那須 勝 山崎 透 斎藤 厚 普久原 浩 広瀬 崇興 佐藤 嘉一 熊本 悦明 河村 信夫 岡田 敬司 稲土 博右 守殿 貞夫 荒川 創一 宮崎 茂典 大森 弘之 公文 裕巳 小野 憲昭 渡辺 豊彦 村田 匡 熊澤 淨一 松本 哲朗 尾形 信雄 高橋 康一 天野 拓哉 中村 元信 山本 松男 清水 武昭 岩井 重富 国松 正彦 大塚 一秀 中川 良英 渡辺 哲弥 松山 秀樹 杉山 勇治 中山 一誠 品川 長夫 真下 啓二 真辺 忠夫 木下 博明 森本 健 久保 正二 藤本 幹夫 上田 隆美 岩佐 隆太郎 横山 隆 児玉 節 津村 裕昭 松田 静治 保田 仁介 山元 貴雄 岡田 弘二 遠藤 重厚 山田 裕彦 高桑 徹也 斎藤 和好 相川 直樹 田熊 清継 藤井 千穂 福田 充宏
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.846-871, 1997-10-25
被引用文献数
7
著者
大島 英子 樋上 純子 山口 美代子 殿畑 操子 山本 悦子 石村 哲代 大喜多 祥子 加藤 佐千子 阪上 愛子 佐々木 廣子 中山 伊紗子 福本 タミ子 安田 直子 米田 泰子 渡辺 豊子 山田 光江 堀越 フサエ 木咲 弘
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.338-345, 1999-11-20
被引用文献数
9

本実験では,焼成条件の違いがハンバーグの内部温度に及ぼす影響について検討し,次の結果を得た。 1.ハンバーグ内部の最低温度を示す点は,焼き始めはオーブン皿に接している底面の近くにあるが,生地の焼成とともに,底面から上の方に移動し,約10分経過の後からは厚さのほぼ中心付近にあることが明らかとなった。2. ガスオーブンの庫内温度を180℃,200C,230℃と変えてハンバーグを焼成した場合,焼成温度の違いは75℃到達時間の違いにあらわれるだけでなく,余熱にも影響を及ぼした。焼成温度が230℃の場合では,75℃到達後すぐに取りだしてもなお内部温度上昇が顕著に起こるので,75℃以上1分の条件を満たすことは十分可能であり,焼成時間の短縮も期待できる。 3.焼成開始時のハンバーグ生地品温が0℃,10℃,20℃と異なる場合,75℃到達時間は0℃では22分,10℃と20℃では16分となり,有意差が認められた。このことから,チルドなどの0℃付近の品温のハンバーグは,焼成の時間設定を長めにする必要があるが,焼成後オーブンから取りだしてからの内部温度の推移に差はなかった。 4.電気オーブンとガスオーブンでの焼成を比較すると,庫内を230℃に予熱して焼成した場合,ガスオーブンの方が75℃到達時間は0.9分早く,余熱最高温度も6.5℃高くなり,75℃以上保持時間も5.7分長かった。これらの差はガスと電気の熱量の違いによるものと思われる。 5.70℃まで焼成したハンバーグと,75℃まで焼成したハンバーグとを官能検査したところ,両者の間に有意差は認められず,75℃まで焼成しても焼き過ぎとは判定されなかった。厚生省指導による75℃以上1分間加熱は,ハンバーグの焼き色,香り,触感,味などの点で十分賞味できるものであることが認められた。