著者
清水 優菜
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.351-362, 2020-03-20 (Released:2020-03-30)
参考文献数
52

本研究の目的は,ベクトルの知識の構造を検討した上で,ベクトルの知識に対して達成目標とエンゲージメントが与える影響を定量的に明らかにすることであった.高校生172名を対象に,質問紙調査を行なった.その結果,ベクトルにおける定義や公式の再生する問題と,教科書の例題レベルの定型的な手続き的知識を問う問題は1因子にまとまることが明らかとなった.さらに,行動的および感情的エンゲージメントは直接的に,熟達目標と遂行接近目標はエンゲージメントを媒介して間接的に本研究におけるベクトルの知識を規定することが示された.とくに,本研究のベクトルの知識に対して,感情的エンゲージメントが大きな影響を与えることが示唆された.
著者
岡田 涼
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.479-487, 2020-03-20 (Released:2020-03-30)
参考文献数
36

本研究では,仲間との協同的な学習活動とメタ認知的方略との関連を明らかにすることを目的とした.小学4~6年生を対象に,1年間における3回の短期縦断調査を行った.パス解析の結果,年度はじめの相互学習が年度途中のメタ認知的方略と関連し,年度途中のメタ認知的方略が年度終わりの相互学習およびピアモデリングと関連することが示された.また,年度はじめのメタ認知的方略が年度途中のピアモデリングと関連していた.仲間との協同的な学習によってメタ認知的方略の獲得を促す実践について論じた.
著者
松田 岳士 本名 信行 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.239-250, 2006-02-20 (Released:2016-08-02)
参考文献数
15
被引用文献数
4

本研究では,高等教育機関が実施するeラーニングにおける学習者支援活動のうち,メンタリングに焦点を当て,メンタリング活動を体系化し,コースの実態を反映させたメンタリングの実践ガイドラインを開発した.そして,開発したガイドラインを正規授業のeラーニングで用いることによってその有効性を分析した.その結果,メンタリングガイドラインに基づいて学習者支援を行ったコースでは,ガイドライン開発前に比べてメンタからの反応時間が短縮されたほか,学習者のメンタに対する評価が改善されるなどの結果がみとめられた.
著者
中山 実 山崎 信雄 山本 徹 恵藤 健二 加藤 真一 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.Suppl, pp.221-224, 2006-03-20 (Released:2016-08-02)
参考文献数
3

実習を必要とする学習をe-Learningで行う可能性を検討するために,講義実習一体型のe-Learning教材を開発し,従来型の[講義+実習]の場合と比較した.また,非同時性学習による効果も検討した.その結果,主観評価では従来型が高かったが,学習成績では有意差がなく,利用可能性が示された.
著者
中山 実 六浦 光一 山本 洋雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Suppl., pp.37-40, 2013-12-20 (Released:2016-08-10)
被引用文献数
1

オンライン教材だけによるフルオンライン学習の条件で学生のノート記述の言語的な特徴を定量的に分析して,テスト得点との関係を調べた.ノート記述は,教材の単語数に対して記述した単語数割合と,教材で提示された単語をノート記述する記録割合で評価した.また,教員によるノート評定との関係を分析し,授業回単位におけるノート評定の2群間では,単語数割合,記録割合に有意差が見られた.期末テスト得点とノートの特徴との関係を調べたところ,スライドの内容および音声説明についての単語数割合,記録割合,ノート評定値と期末テスト得点との間で有意な正の相関が認められた.
著者
吉田 塁
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.89-104, 2018-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
35
被引用文献数
3

アクティブラーニングは主に対面授業で取り入れられており,学習効果を向上させることが示されている.ここで,対面授業におけるアクティブラーニングをオンラインで実現することができれば,質の高い学習機会を幅広く提供できる.そこで,本研究では,オンラインでもグループワークを含めたアクティブラーニングを実現するWeb システムであるLearnWiz システムを開発した.また,本システムの有用性を評価するため,教員の教育力向上の取り組みであるFD に関するワークショップを実施し,参加者に対して事前事後で質問紙調査を行った.その結果,ワークショップの内容に対する理解が有意に深まっていたことが明らかになった.また,システムおよびワークショップへの評価も総じて高かった.これらの結果から,本システムは,オンラインでもグループワークを含めたアクティブラーニングを実現することが可能で,有用性が高いことが示された.
著者
原田 織子 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.Suppl., pp.53-56, 2020-02-20 (Released:2020-03-23)
参考文献数
5

本稿では,遠隔教育で学ぶ学生の孤独感の緩和と学習へのモチベーション向上を目的として開発したWeb システム「バーチャル自習室~オキ朗~」について報告する.システムは,WebRTCを用いた動画か画像のみ表示される「自習室」と音声通話とチャットのみの「休憩室」の2つの機能を中心として構成される.実験から,学生の孤独感の緩和には有効性が示唆されたが,独習支援に繋げるためにはさらなる改良が必要であることが明らかになった.
著者
藤井 義久
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.387-395, 2007-03-20 (Released:2016-08-03)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究の目的は,「国際版情報リテラシー尺度」を開発し,中学生の情報リテラシー水準の国際比較を行うとともに,情報リテラシー水準を高める要因について検討することである.調査対象者は,日本,スウェーデン,フィンランド,デンマークの公立学校に通う中学生,計1144名である.項目分析及び因子分析の結果,8つの下位尺度(関心・意欲,基礎操作能力,情報収集能力,数学的思考能力,情報整理能力,応用操作能力,態度,知識・理解),計32項目から成る「国際版情報リテラシー尺度」を開発し,本尺度には一定の信頼性,妥当性が備わっていることを確認した.その尺度を用いて,青少年の情報リテラシー水準は,調査対象国中,日本が最も低く,特に,プログラミングやプレゼンテーション,ホームページの作成といった,パソコンの応用操作能力が極めて低いことが明らかになった.さらに,パソコンに接する時間や読書時間は,特に青少年の情報リテラシー水準と関連していることがわかった.
著者
崎濱 秀行
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.Suppl., pp.129-132, 2008-12-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究の目的は,文章産出の練習を繰り返すことにより,書き手の文章産出活動や産出文章にどのような変化が見られるのかを検討することであった.大学1年生40名(男性22名,女性18名,平均年齢19.0歳)に教育心理学の講義での学習事項を高校1年生に紹介する文章の産出を求め(600字程度),初期と後期とを比べての違いを検討した.その結果,以下の事項が示された:(1)初期に比べ,文章が書きやすくなったと答えた学生が多かった,(2)初期に比べ,後期の方が文章完成までの時間が短くなった,(3)産出文章の総合得点には変化が見られなかったが,情報選択及び情報同士のつながりの検討の点でスキルの上昇が見られた.
著者
上淵 寿 松村 大希 敦澤 彩香
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.29-32, 2017-01-15 (Released:2017-03-06)
参考文献数
11

本研究では, 友人との学習を「意図的な協同学習」,「他者意識」,「雑談」に分類した質問紙を作成し, 動機づけ調整及び学習のパフォーマンスとの因果関係を共分散構造分析によって検討した. その結果, 意図的な協同学習は自律的調整方略を介して学習の持続性に正の影響を与え, 自律的調整方略を介さない場合は学習の持続性に負の影響を与えることが示された. また, 雑談と他者意識は成績重視方略を介して学習の持続性に負の影響を与えることが示された. ゆえに,友人との学習を行った後も動機づけを高めるための方略を使用することが学習の持続性につながり,動機づけを高めるための友人との学習は,必ずしも学習の持続性には直接はつながらないことが示された.
著者
関 和子 冨永 敦子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.101-112, 2014

社会人の高等教育機関での学びを後押しする社会的な動きを背景として,社会人が大学に入学するに至った動機,学業の継続要因と阻害要因,学びを通して得た意識変容について明らかにした.eラーニングによる大学通信教育課程を卒業した社会人を対象に面接調査を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析した結果,社会人の入学動機には,内的動機と外的動機が複合的に働いていること,また,大学での学業を経たことにより,学習,交友,人生においても種々の意識変容があったことが明らかになった.eラーニングで学ぶ社会人学生には,教員やメンター,学友のコミュニティとの関わりが重要であることが示された.
著者
原田 勇希 鈴木 誠
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.315-327, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
64
被引用文献数
3

本研究の目的は,中学校理科に苦手意識を持ち,動機づけ,とりわけ期待信念が低下しやすい個人特性を明らかにすることである.先行研究の知見を受け,理科学習でのつまずき経験と関連する個人差変数として心的イメージ処理特性に,つまずきが期待信念に与える影響を調整する変数として能力観に着目して理科4分野の期待信念に及ぼす影響を検討した.その結果,空間イメージ処理に苦手さのある生徒は理科に苦手意識を持ちやすいことが明らかとなり,特に物理分野でこの傾向が顕著であった.また物理と化学分野では能力観によってその影響は緩衝され,拡大的能力観を保有していれば,空間イメージ処理に苦手さがあっても統制感が比較的維持される傾向にあった.さらに生物分野の統制感には物体イメージ処理の影響が強く,分野によって要求されるイメージ処理の特徴が異なることが示唆された.
著者
西片 裕
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.215-229, 2019-12-31 (Released:2020-02-14)
参考文献数
43

本研究では,自律的動機づけの内在化を促す設計をした授業を実践し,効果を検証した.授業は,1)模擬患者に行う技能試験であるOSCE のルーブリックを学生が作成,2)ルーブリックを用いて学生が自主練習,3)OSCE の録画映像を見て学生が自己評価,4)教員のフィードバックであった.研究1では学生37名の自律的動機づけを授業前後に調査し,量的分析した.自律性が低い学生は,自律性の指標となるRAI が有意傾向であるが上昇し,同一化的調整が有意に上昇した.この授業は自律的動機づけを促す傾向があり,同一化的調整を促進することが示された.研究2では学生4名に半構造化面接を行い,小規模データに適用可能な質的分析手法のSCAT で分析した.同一化的調整を促進する要因は,1)学生が作成したルーブリックの見やすい提示,2)録画を見ての自己評価,3)教員のフィードバックであった.
著者
佐藤 克美 海賀 孝明 渡部 信一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Suppl., pp.145-148, 2011-12-20 (Released:2016-08-08)
参考文献数
4

神楽継承用教材として立体視CGにどれほど効果があるかを明らかにするため,フレームシーケンシャル方式の3D眼鏡を採用したプロジェクタ用およびパララックスバリア方式を採用した裸眼立体視モニター用の2方式の立体視CGを評価した.予備調査として高校生に立体視CGを視聴してもらったところ,3D眼鏡をかけた立体視の方がよいとの回答が多く,没入感やリアリティーの高さが教育に役立つと考えれた.また神楽の師匠と弟子たちに調査をしたところ全員が裸眼立体視がよいと答えた.明るく,はっきりしていることがその理由だった.立体視CGは複雑で理解が難しいものに対して学習者の理解を助ける役目が期待されていると思われた.
著者
酒井 俊典 八重樫 文 久松 慎一 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.113-123, 2006-09-20 (Released:2016-08-03)
参考文献数
22
被引用文献数
4

本研究では,メディア・リテラシーに取り組む教師の学習を支援するオンライン学習プログラムを開発した.メディア・リテラシーに必要とされる専門性を有する,メディア業界に勤務する人々,メディア・リテラシー研究者,メディア・リテラシーに先進的に取り組んできたベテラン実践者との相互作用を通じて,教師が行ったメディア・リテラシー学習を評価した.その結果,評価対象となる参加教師のうち42.1%の教師がメディアの送り手の実際的な状況や,メディア・リテラシーの理論的背景といったメディア・リテラシーの内容に関する知識と教授方法に関する知識を獲得し,内省を行っていたことが明らかになった.
著者
岡崎 善弘 大角 茂之 倉住 友恵 三島 知剛 阿部 和広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.169-175, 2017-09-10 (Released:2017-09-29)
参考文献数
13
被引用文献数
3

プログラミングの体験形式が小学生のプログラミング学習の動機づけに与える効果について検討した.体験形式として,(1) ゲームの作成方法を逐次的に教わりながら作成する講義型,(2) 2名1組で1冊のテキストを共有し,相互に教え合いながらゲームを作成する協同型,(3) 手渡されたテキストを見ながら単独でゲームを作成する個別型,の3タイプ間で動機づけを比較した.本研究の結果から,講義型または協同型でプログラミングを学習すると,プログラミング学習に対する動機づけは有意に上昇する一方で,個別型では上昇しないことが示唆された.
著者
解良 優基 三和 秀平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.175-183, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
27

学習した知識や技能の有用性を考える有用性思考方略を測定する尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することを目的として,大学生108名に質問紙調査を行った.探索的因子分析の結果,日常生活における有用性を考える日常思考方略と職業上の有用性を考えるキャリア思考方略の2つの下位尺度が得られた.日常思考方略は日常的利用価値と,キャリア思考方略は制度的利用価値および実践的利用価値とそれぞれ高い相関が得られ,両者の弁別可能性が示された.また,有用性思考方略は自律的調整方略および精緻化方略と相関を示しており,学習内容を身近な物事と関連付けて考える方略と,動機づけを維持・促進する方略の両方の要素を含んだものであることが示唆された.さらに,有用性思考方略が利用価値認知を媒介し,興味に影響するプロセスも確認され,先行研究と整合する結果が得られた.以上より,尺度の信頼性と妥当性に関する証拠が複数の観点から確認された.
著者
平野 智紀 安斎 勇樹 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
2020

<p>本研究では,美術教育において広がりを持っている対話型鑑賞ワークショップについて,これを鑑賞者の知識構築の過程として捉え,ナビゲイター(ファシリテーター)による情報提供がどのように知識構築に寄与するのかについて検討した.鑑賞会への参与観察およびファシリテーションを担当した14名の学生ナビゲイターへのインタビューから,鑑賞における情報提供は「考えるための情報」と「確認のための情報」に分類された.プロトコル分析から,「考えるための情報」は,作品の表現内容と組み合わせて知識構築を促すために提供され,「確認のための情報」は議論の押さえとして,それぞれ提供タイミングが図られていることが明らかになった.</p>
著者
谷塚 光典 東原 義訓 喜多 敏博 戸田 真志 鈴木 克明
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.235-248, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
26
被引用文献数
2

自己評価機能と学生間の相互コメント機能を有する教職eポートフォリオ・システムを開発した.そして,開発した教職eポートフォリオ活用の効果を明らかにするために,教育実習を終えた大学生を対象にアンケート調査を行った.その結果,教育実習生は,教職eポートフォリオを活用して自己評価することを通して,教育実習を客観的に振り返ることができることを感じたり,自己課題を明確にしたりしていた.また,教育実習生間の相互コメントを通して,教育実習を改めて振り返り,教育実習生間で相互コメントすることの意義を実感していることがわかった.そして,教職eポートフォリオの効果について尋ねたところ,自分の受けた教育の振り返り,目指すべき教師像の明確化,自らの資質・力量の現状理解等には効果がある一方で,これからの教職課程の見通しを持つことには寄与していないことが明らかになった.
著者
小川 美奈恵 森本 康彦 北澤 武 宮寺 庸造
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.265-275, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究の目的は,ICT活用指導力の向上のための学習モデルを開発することである.教育の情報化の進展に伴い,求められているICT活用指導力の向上のために,多様なICT活用について気づきを与えられる「間違い探し」動画教材の作成と閲覧による学習モデルを開発し,その効果を明らかにするために,教員養成課程に在籍する学生と,教職大学院の現職教員に対して実践,評価を行った.評価の結果,「間違い探し」動画教材作成・閲覧前後でICT活用に関するマインドマップの有意な上昇,ICT活用指導力チェックリストの領域Bの全項目で得点の有意な上昇が認められた.また,自由記述から,教員養成課程の学生における「間違い探し」動画教材作成・閲覧だけでなく,現職教員においても「間違い探し」動画教材の閲覧を行うことで,客観的に指導について考察でき,ICT活用に関する知識を身につけさせることが可能であることが示唆された.