著者
山口 洋介 三宮 真智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.113-116, 2013

本研究では,思考過程を推測するための新たな手法として,「タイピング思考法」を提案し,その有効性について検討した.タイピング思考法とは,「課題遂行時に,頭の中で考えている内容を,そのまま即時にコンピュータにタイピング(キーボード入力)する」という手法である.大学生および大学院生10名を対象に,タイピング思考法を実施してもらった後,アンケートへの回答を求めた.その結果,参加者は自身の思考内容をプロトコル上におおむね反映できたと報告し,困難感も比較的小さいことが示された.さらに,得られたプロトコルをもとに,創造的思考方略を抽出・分類した結果,多様な側面が見出だされた.
著者
原田 勇希
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Suppl., pp.181-184, 2018-12-20 (Released:2018-12-21)
参考文献数
18

本研究は,中学校理科の天文分野で活用することを見据えた紙筆版の空間的視点取得課題(PSPT)の開発を目的とした.反応時間と誤答率の分析より,本研究で作成した刺激に対する左右判断は空間的視点取得の認知的処理を反映できていると考えられた.また,心的回転課題や「季節による星座の見え方」の単元テストおよび主観的理解度とも理論的に想定された相関があった.このことから,PSPT は基準関連妥当性を持つ課題であると考察された.
著者
布施 泉 岡部 成玄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.287-298, 2010-01-20 (Released:2016-08-06)
参考文献数
8
被引用文献数
2

学習者間の相互評価を多段階に行う「多段階相互評価法」を用いた学習を100人以上の多人数一斉授業の授業時間外課題として,ICTを用いて実践し,学習効果を調査した.多段階相互評価の学習は,通常の課題提出を行う第一段階,その提出内容を学習者相互で評価し合う第二段階,第二段階での評価の妥当性を吟味する第三段階から成る.著者らは,このような独自の多段階相互評価機能を所属大学の教育学習支援システムの中に実装し,(1)知識定着,(2)意見の明確化,(3)提出内容の質的向上,の3つの目的で用い,その効果を調査した.いずれも効果的な学習がなされ,多段階相互評価の有用性が示された.多段階相互評価学習は,他者の評価や意見交換等の学習者間の相互作用を考慮しているにも関わらず,個別学習と同等の形式で時間外学習として行える自由度を持つ.大学における学習の質的向上に資するものと考えられる.
著者
長濱 澄 名取 優太 岩附 直登 川島 一朔 森田 裕介 百瀬 桂子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42026, (Released:2018-09-26)
参考文献数
9

本研究では,映像コンテンツの高速提示により生じた認知負荷に関する客観的な評価指標として,振動プローブ刺激に対するP300振幅を活用することの有用性を検討し,映像コンテンツの視聴速度と注意配分量の関連性を明らかにした.実験では,被験者21名に対して,等質性が確認された2種類の映像コンテンツをランダム順に等倍速条件と2倍速条件で提示した.また,映像コンテンツ視聴中に振動プローブ刺激を与え,標的刺激に対するキー押し課題を課し,ワイヤレス生体計測器を用いて課題中脳波を記録した.P300振幅の分析の結果,2倍速条件におけるP300振幅は,他の条件に比べて有意に小さく,映像コンテンツを2倍速で視聴する場合,等倍速で視聴する場合に比べて,注意配分量が大きくなる可能性が示唆された.
著者
長谷部 育恵 楠見 孝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42034, (Released:2018-10-04)
参考文献数
10

本研究では,学習者が学習教材を選択する際に,動機づけの高低によって,どのような特性をもつ教材を求めるのかを検討した.大学生と社会人400名が回答を行い,動機づけが低く動機づけ調整が必要な場面と動機づけが高く動機づけ調整が不要な場面のそれぞれについて,学習教材を構成する各要素をどの程度欲しいかを評定した.その結果,第一に,学習教材選択時の動機づけ調整の特徴とは,内容特性の低い学習教材を選択することであると示された.とりわけ,発展的な内容に対するニーズが低下していた.第二に,ニーズには個人差があり,動機づけの高いときには,動機づけにおける自律性が高い人ほど内容特性の豊かさを求めていることが示された.
著者
阿部 真由美 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42011, (Released:2018-09-28)
参考文献数
12

本研究では,英語を自主的に学ぶ学習者が自ら学習リソースを選択する際の根拠を明らかにし,支援方法を検討することを目的として,日本人の成人英語学習者を対象にウェブ調査を行った.英語学習リソース選択根拠尺度を作成し,因子分析を行った結果,「自己ニーズ」と「外的影響」の2因子が抽出された.さらに,学習者の特性による違いを比較するために,英語の熟達度3群,学習継続期間3群,学習目的4群で分析したところ,継続期間および目的で違いが見られた.これらの結果から,学習者のリソース選択は「自己ニーズ」と「外的影響」の2つの根拠に基づくことが分かった.また,学習者の特性によって支援方法を変える必要性が示唆された.
著者
山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.189-197, 2018-01-31 (Released:2018-02-05)
参考文献数
33

近年の情報通信技術の発展により,教育の場面でも情報通信技術が使われるようになった.情報通信技術を教育や学習の場面で利用するメリットは学習に関係するログが残ることである.このログも含めて,多角的に教育・学習に関する分析を行い,教育や学習環境の改善に寄与することをラーニング・アナリティクスと言い,その研究が世界的に広がりを見せている.本稿では,ラーニング・アナリティクス研究に関する国内外,特にラーニング・アナリティクス研究の専門誌であるJournal of Learning Analytics の掲載論文の傾向を中心の紹介をし,ラーニング・アナリティクス研究の現状と今後の方向性について述べる.
著者
崎濱 秀行
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.105-115, 2003
参考文献数
28
被引用文献数
3

本研究では,大学生・専門学校生を対象として,文章産出活動に対して持つメタ認知的知識の構造を検討した(研究1).その結果,「伝わりやすさ」,「読み手の興味・関心」,「簡潔性」の3因子を見出した.次に,文章産出スキルの高さにより,メタ認知的知識の重視度合い(メタ認知重視度)に違いが見られるのかどうか,などについて検討を加えた(研究2).各文章を得点化し,上位25%を熟達群,下位25%を非熟達群としてメタ認知重視度に関する群間比較を行った.その結果,熟達群は,「伝わりやすさ」という文章全体に関わる側面を重視していたのに対し,非熟達群は,「簡潔性」という文章の細部に関わる側面を重視していた.ところが,文章産出の際にメタ認知的活動をどの程度行ったと思うかについて自己評価させたところ,いずれの下位尺度においても群間の有意差が見られなかった.一方で,書き手がどの程度メタ認知的活動を行ったと思うか,読み手に評定を求めたところ,全ての下位尺度において,熟達群に対する評定の方が非熟達群よりも高くなった.以上の結果から,文章産出スキル育成の際,書き手に「伝わりやすさ」というメタ認知的知識を重視させるだけではなく,そうしたメタ認知的知識を上手く活用させるためのトレーニングを課す必要があることが示された.
著者
瀬戸崎 典夫 内田 武志 長濱 澄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.197-200, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
7

本研究は異質性を有する他者との関わりから,戦争の加害と被害の面について学ぶ平和教育を実践した.その結果,本授業実践が多数の被験者らにとって価値ある実践として位置づけられたことが示唆された.さらに,異質性の中に含まれる他者との「異なる価値観」や「同じ価値観」を認識することで,多様な観点から平和構築への思考を深め得る可能性が示唆された.
著者
西村 洋一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.367-377, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
24

本研究の目的は,ソーシャルメディア利用におけるプライバシー設定が利用者にどのように行われ,どのような要因がそれに関わっているのかを検討することである.特に,ソーシャルメディアの1つに位置づけられ,若者の利用が活発であるLINEを取り上げ,310人の大学生を対象に調査を実施した.結果は以下のとおりである.広範囲に情報が開示される懸念の少ないLINEの利用において,プライバシー設定は既存の他者とつながるための部分については弱い設定とし,未知の他者とつながる可能性のある設定や利用行動はあまり多くは見られなかった.また,プライバシー設定や利用行動と関わる要因として,知覚された規範や効用認知が有意な関連を示したが,インターネット上のプライバシー懸念は強くは関連していなかった.これらの結果を踏まえ,ソーシャルメディアの特徴を捉えながらプライバシーの扱いについて知見を深め,応用していくことの必要性などについて考察を行った.
著者
本多 博 畑中 大路 藤井 佑介 高橋 純 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.181-184, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
7

管理職が授業観察を行う際の視点と洞察の明確化を目的として,小学校の管理職73名を対象に調査を行った.その結果,管理職になったことによって授業観察の視点に変化があったと答えた管理職は有意に多かった.授業観察の視点は16,洞察は30の下位項目に整理され,それぞれを6つのカテゴリーに集約した.この視点と洞察のカテゴリーの関係を調べたところ,視点のカテゴリーの一部には,洞察されやすいカテゴリーが存在することが示唆された.さらに,校長と教頭は異なったカテゴリーの視点から授業を観察していることが明らかとなった.
著者
早坂 昌子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.173-176, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

本研究は,教えるという行為に対する態度に着目し,教えることについての態度尺度を作成することを目的とした.成人178名を対象にして因子分析した結果,「教えることへの自信」,「教えることの価値」,「教える相手次第」の3因子15項目で構成されていることが示された.また,教えることについての態度尺度とBig Five 性格特性,教える仕事に就いた経験,育児経験の関係について検討した.その結果,Big Five 性格特性は各因子に関係があり,就業経験は「教えることへの自信」得点に有意な差が認められたものの,育児経験による差異はみられなかった.したがって,教えることについての態度は,パーソナリティ特性や経験に関係があることが示唆された.
著者
菅井 道子 堀田 龍也 和田 裕一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.125-128, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
12

高校生による教育用SNS を活用した協調的議論に対する生徒の自己評価に影響を及ぼす要因の検討を目的として,教育用SNS を活用した議論演習を2回行った.対照群として対面での議論演習を行う群を用意した.事前と事後の質問紙調査,および議論演習後の議論への自己評価に関する質問の回答を分析した.その結果,教育用SNS を活用した議論においては,グループの人数が増えるほど,生徒は根拠などの理由を伴い主張する論証のスキルが向上したと実感する傾向が示唆された.加えて,情報の判断力や表現力などの議論に関連した意識や態度の変容と,論証の出来不出来に対する生徒の自己評価が関連することが示唆された.
著者
河野 貴範 松原 行宏 岡本 勝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.077-080, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
4

我々の研究グループでは力覚提示デバイスを用いた学習支援システムの研究を行っている.また,視覚情報から力覚を錯覚させる擬似力覚という手法があり,擬似力覚提示を学習支援システムに用いた研究も行われている.しかしそれら2つの提示方法の学習における差異についての研究は行われていない.そこで本研究では各提示方法による学習効果や各提示方法の特性の比較を目的とし,力覚提示と擬似力覚提示,比較用に音声提示を組み込んだ漢字学習支援システムを開発した.システムを用いた実験により擬似力覚提示は力覚提示よりも感じられる度合いに個人差が見られたが,感じられた人は力覚提示と同様の教示的効果を得られることが確認できた.
著者
鶴田 利郎 野嶋 栄一郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.065-068, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
8

本研究では,高校生のインターネット依存を改善することを目的とした単元の開発を試みた.開発した単元は,各学校の情報科教育のカリキュラムに応じて,3時間,5時間,9時間で実施できる3種類の単元を開発したところに特色がある.そして2015年度,2016年度に複数の学校において授業実践を実施した.その後,鶴田ほか(2014)の尺度を用いた生徒の依存傾向の変容についての質問紙調査などを通して,開発した単元による授業実践の成果と課題について検討した.その結果,3時間の単元ではメール不安,長時間利用,ながら利用因子の改善に,5時間の単元ではこれらに加えて精神的依存状態因子の改善に,そして9時間の単元はすべての因子の改善に有効であることが示唆された.
著者
三井 一希
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.057-060, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
6

本研究では,小学校の授業において学習の見通しを持つために開発した「学習アイコン」について報告し,児童・教師の評価を通してその効果を検証した.「学習アイコン」とは,授業の流れを視覚的・直感的に理解できるように,授業の流れをアイコンにして提示するためのツールである.アンケート調査の結果から,学習アイコンを使うことで,児童や教師は学習の見通しが持ちやすくなる可能性が示唆された.
著者
野村 竜也 三浦 雅展
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.439-446, 2011-03-30 (Released:2016-08-07)
参考文献数
9

本研究では,社会において「ものづくり」にどのようなイメージが付与されているかについて,成人を対象とした自由記述回答形式のオンライン調査により探索を行った.また,同時に「ものづくり」に対する意識を尺度を用いて測定し,自由記述から抽出された「ものづくり」に対するイメージとの関連について分析を行った.結果として,「ものづくり」に対するイメージカテゴリとして「専門技術」「業種・分野・組織」「商品・製品」の産業に関連するもの,「伝統」「精神・文化」の産業に直接関連しないものが抽出された.また,非産業的イメージを抱く回答者が全体の半数近く存在すること,「ものづくり」イメージカテゴリの分布が年代によって異なること,「ものづくり」に対する意識は全体として肯定的でありながら,非産業関連のイメージを抱く回答者群は産業関連のイメージを抱く回答者群と比べて,個人や生活と関連した「ものづくり」に対してより肯定的であることが示唆された.
著者
福山 佑樹 森田 裕介 松野 夢斗 浅見 智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.177-180, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

反転授業の予習に用いるデジタル教材として,デジタルゲームを用いた場合の特性を検証するための試行を行った.実践の結果,ゲームを用いた予習教材は一定数の学習者にとって「エンタメとして楽しめる」ものであったが,応用問題や科学哲学的な問題の理解を深めるためには対面授業でのディスカッションを組み合わせることが重要になること,反転授業形式にすることでゲーム教材の「授業中に必要以上に時間がかかりやすい」という欠点を乗り越え,振り返りを充実化することで学習効果を高める特性がある可能性が示唆された.
著者
宮西 祐香子 長濱 澄 森田 裕介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.149-152, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
10

本研究では,指尖容積脈波を用いて学習活動時のストレス指標を計測し,従来の生体情報計測手法と比較して安価で容易に教育現場に導入しやすい計測手法の意義を検討することを目的とした.大学生7名を対象に,学習活動時における安静状態と心的負荷をかけた状態との,心拍変動のストレス指標を計測および比較した.また,ストレス指標と主観評価質問紙との関連性を分析した.重回帰分析の結果,主観評価質問紙で測定した項目のうち,理解度項目と疲労度項目それぞれの平均値でストレス指標値が推定できる可能性が示唆された.
著者
吉田 博 金西 計英
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.449-457, 2014

FDの義務化以降ミクロレベルでのFDとして,授業コンサルテーションを実施する高等教育機関が増加しつつある.それに伴い授業コンサルテーションの成果として,対象となる教員,または学生に与えた影響などの研究,さらにコンサルテーションを実施するコンサルタントのスキルに関する研究などがなされている.本論文は,授業コンサルテーションの新しい方法として,学生の変容に焦点を当て,授業担当教員とのインタラクションを実現する「学生討議型授業コンサルテーション,SDCC(Students' Discussion-based Class Consultation)」を試みた実践研究の報告である.SDCCは,コースの中間期に授業の改善点について,学生によるディスカッション,及び授業改善のためのアンケートを行い,これらのデータをもとにして授業改善を行う実践である.本実践研究では,SDCCが学生の授業参加に対する積極性,授業外学習に対する取り組みについて,ポジティブな影響を与えたことが明らかとなった.