著者
三浦 雄一郎
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は,生育限界もしくは重篤な心肺奇形を合併した低出生体重児を救命するために,ヒト胎盤循環を模した体外式補助循環装置(人工胎盤)を開発することである.ヒツジ胎仔を用いた慢性実験モデルを作成し,試作膜型肺の性能比較を行い,出生後も生理的な胎児循環を維持できる人工胎盤の基本仕様を検討した.臓器への充分な酸素供給量を確保するためにはヒト胎盤と同様に血管抵抗の小さい膜型肺を並列化することが重要と考えられた.
著者
大柴 慎一郎
出版者
高野山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

当該研究は、弘法大師空海が編纂した現存する日本最古の漢字字書である『篆隷萬象名義』(高山寺本)の校訂研究を行ったものである。『篆隷萬象名義』は基本的に唐写本の『説文解字』と『玉篇』を一つにまとめた字書である。その中には小篆・古文・籀文・俗字などの字体・字形が含まれているが、その伝本である高山寺本(国宝)には多くの誤字脱字が存在し、使用するに堪えない。従って、本研究は原本『玉篇』残巻や『開成石経』などの資料を用いて『篆隷萬象名義』の校訂本を作成し、現代にこの日本最古の字書を復活させることを目指したものである。
著者
堀井 亮
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

従来の経済成長モデルにおいては、財の量・質・バラエティーの少なくとの1つにおいて指数関数的増大がなければ定常的な経済成長が不可能である。しかし、本研究により(1)新しい部門が発展に従って継続的に発生する、(2)各部門の産出する財に対する消費者の限界効用の弾力性が消費量に対して一定以上の程度で逓減する、かつ(3)各部門の財価格が一定以上の速度で逓減する、という3つの条件があれば、新技術による部門数の線形な増加によって定常的な経済成長が可能になることが明らかになった。
著者
佐々木 宣介
出版者
県立広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究はコンピュータプログラムによる自動プレイにより大量のゲームのデータを採取するという手法で、将棋の変種、特に「中将棋」と呼ばれる変種のように大きな盤でプレイされる変種において、各種ルールがゲームの性質にどのような影響を与えているか評価を行うものである。平成22年度は、昨年度に引き続き機械学習および自動プレイに関する改善を目指してきた。また、それらの結果を利用し、中将棋の特殊ルールについて考慮した計算機実験を行っている。特に、中将棋における特徴的なルールである、獅子という駒に関する特殊ルール群に着目をし、それらのルールの有無によって、自動プレイによるゲームのデータがどのように異なってくるか自動プレイによる計算機実験を行い、評価を進めている。前述の機械学習等の計算機実験の改善と並行して実施していたこともあり、これらの計算機実験は完全には終了しておらず、現在も実験は継続中であるが、現時点までに得られたデータについての評価を進めている。さらに、将棋類の変種間の類似度評価を行うための数値的な評価尺度について検討を行っている。計算機実験によって得られたゲームのデータについて、ゲームの長さ、合法手の数などといった各要素を個別に比較する他に、いくつかの要素を組み合わせた指標化を行うことを目指している。いくつかの指標化について検討を行い、その指標を用いた変種間の質的類似度の比較を行っている。これらの実験・評価結果については、今後学会等への発表を行っていく予定である。
著者
狩野 豊
出版者
電気通信大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

高強度のエキセントリック運動は筋組織の損傷を引き起こす.損傷した組織の筋細胞は浮腫や壊死などを起こしていることが観察される.その一方で,微小循環網を形成している毛細血管の形態的な損傷はほとんど起こらないことが光学顕微鏡による形態観察によって明らかにされた(平成13年度研究実績).しかしながら,毛細血管を形成する血管内皮細胞の微細構造や微小循環血流量などの機能的な能力がエキセントリック運動によって受ける影響については不明である.そこで今年度はラットの運動誘発性の筋損傷モデルにおいて,骨格筋毛細血管の超微細構造を電子顕微鏡によって観察し,さらに運動負荷後(運動1,3,7日後)に見られる安静時の筋血流量の変化について検討した.血流量はマイクロソフェア(Microsphere : MS)法によつて調べた.その結果,光学顕微鏡観察と同様に損傷筋の毛細血管内皮細胞はエキセントリック運動によって構造的なダメージを受けていないことが観察された.また,筋血流量機能については,運動後7日までの安静時筋血流量が対照脚と比較して運動脚では有意に高い結果が示された.そして運動脚の血流量は運動後1,3,7日の順で経時的に低下することが示された.損傷した筋組織では運動3日後までに白血球の浸潤などが活発に見られることから,筋組織内における微小循環血流の高い状態が続いていることが考えられる.以上のように,本研究では損傷筋において毛細血管は正常な形態と機能が保たれていることが明らかにされた,これは運動負荷後に観察される筋血流量の確保に貢献しているものと推察できる.
著者
亀田 貴之
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

テフロンフィルター上に保持させた黄砂上のピレンとNO_2との気-固不均一反応を検討した。その結果,生成物として1-ニトロピレン(1-NP)を検出した。生成1-NPの濃度は,反応時間1~2時間で最大となり,その後徐々に減少した。一方,反応開始4時間後からジニトロピレンの生成も確認され,その濃度は8時間の反応後最大に達した。これらニトロピレンの生成は,黄砂粒子の触媒作用により加速されたものと推察される。
著者
松浦 年男
出版者
北星学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

九州地方の二型音調を持つ方言において,外来語と複合語では共通語音声の受容に関して異なるカテゴリーを形成している。外来語は共通語の音声特徴と受容先方言の言語体系に基づいて音調が決まるのに対し,複合語は共通語音声とは独立し,前部要素の音調の型や長さといった特徴に基づいて全体の音調が決まる。ただし,平板化形態素を含む複合語においては共通語音声の影響を受けたものが観察されていることから,共通語音声は徐々に方言の体系に影響を及ぼしつつある。
著者
ヨハネス・ハルミ ウィルヘルム
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は僻地・離島を含む日本沿岸社会において深刻な「高齢化」や「過疎化」と呼ばれている現象が自然界の資源利用へどのような影響を与えているかである。つまり、従来より地元住民による生業の基盤を成してきた海と陸、及びその中間にあるエコトーン(磯など)の自然資源利用が若手を始めとする住民不足とどのように関わっているかである。二年間にわたる本研究の構造は大きく(a)「情報収集」(b)「分析」(c)「まとめ」の三段階からなっており、研究は全体として計画どおりに実行できた。特に(a)「情報収集」の展開が予想外に豊富であった。その為、本年度計画していた(b)分析過程の基盤となる問題提起の視点と意識に影響をあたえた。この中、戦略的な面で二通りにそろえてみた。それは、(イ)情報収集を持続している中、特に歴史や社会と関わる地理学派による長期研究を可能にすると考えた山口弥一郎などの貴重な調査録を取り組み、(ロ)最近は成果を調査できる行政側の諸プロジェクトの観察に取り組んでみた。つまり、一例をあげると(ロ)はグリーンツーリズムや地域社会の再建であるが、その際は各地の自然や社会状況が異なるため、グランドプラン的な行政対応ができない結果となることである。(イ)に関しては、同じ東北地方とはいえども秋田からは交通機関のふべんと研究者は自動車免許書を所有していないために大変遠い地域であった三陸北方から金華山周辺の牡鹿半島まで75年ほど前に歩いて調査をした山口氏の実地を運転手をしてもらえる機会があったため短期間ながら調査してみた。天候など時期的に厳しい調査であったが、特に諸地域性や地元住民のアイデンティティーに注意を計った結果、上記の「社会状況」の違いが顕著になった。例えば、U集落の住民が隣のO町に対する偏見や噂などを毎日の会話などの話題にしていることや、集落外者にたいする意識を維持する無形制度を持っていることである。全体的に言い換えてみれば、「沿岸地域の過疎化と社会高齢化が水産資源利用に与える影響」は自然環境にみならず、特に社会面で個々の違いを見せているため、資源利用や社会変動への取り組みが異なることである。今後の取り組みは地元住民に対する注意深い事前調査が必要出ると確信している。
著者
志賀 隆
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

絶滅危惧植物を中心に117 種555標本の標本種子の発芽試験と胚の酵素活性を調査したところ、73種(62%)、235標本(42%)において生存が確認された。生存が確認された最も古い標本種子は87 年前のヒメヒゴタイであった。12種類の標本作製方法と種子の生存の関係について検討した結果、40℃以下で乾燥処理を施すと高い生存率を示すことが明らかになった。発芽実生を得ることができたスズサイコについて、4つの標本由来の実生集団と採集元の野生集団の遺伝的多様性を比較した。実生集団の遺伝的多様性は著しく低かったが、野生集団から失われた対立遺伝子が確認された。
著者
森平 雅彦
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、高麗時代の朝鮮半島に元朝治下の中国より朱子学が伝来・普及した背景について、対元関係を軸に解明するものである。最終年度となる本年度は、まず13世紀末から14世紀初頭にかけての初期段階において、高麗知識人が朱子学を摂取するにいたった契機として、元の禿魯花(turγaγ=質子)制度、および禿魯花が充当されるケシク(kesig=皇帝の宿衛)制度との関連性を総合的かつ詳細に解明した。すなわち根本資料の一角をなす「崔文度墓誌銘」(韓国国立中央博物館所蔵)や『櫟翁稗説』(お茶の水図書館所蔵)の実物調査をふまえた考察を通じ、当該期には安〓・白頤正・李斉賢・崔文度などの朱子学先駆者が、みな禿魯花として、あるいは禿魯花をへてケシクの構成員となった国王・王族のケシク勤務に随従して元都に長期滞在し、そのなかで朱子学に触れた状況が実証的に解明され、元との政治関係が朱子学伝播を媒介する構造の一端が明らかになった。以上の成果は12月9・10日開催の九州史学会大会(於九州大学)において「朱子学の高麗伝来と元朝ケシク制」と題して発表した。また14世紀の状況について両国交流の制度的環境(外交・交通など)を含めた基礎リサーチを完了した。すなわち14世紀前半には、元で開始された科挙への応試が高麗国内の朱子学学習熱を刺激し、かかる背景のもとで国家規模の蒐書事業が推進され、また高麗国内でも朱子学書が刊行されるにいたった。さらに双方の交流パイプが拡大・深化するなか、元の儒教振興政策・中国知識人の高麗訪問、高麗人の元での科挙受験や仕官にともなう人的交流や留学機会の増加、交易商品としての書籍移入など、朱子学の学習契機にも多様化がみられた。その後14世紀後半には元との関係が冷却化するものの、移入された元版本やその複製本の刊行による基盤整備のもと、高麗国内における朱子学振興の態勢が強化されていったとみられる。
著者
羽生 剛
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,植物ホルモンであるジベレリンによってブドウの果実が種なしになるメカニズムの解明をのため,種なし化(単為結果)に関係している遺伝子の解析を行った.その結果,ジベレリン処理による反応に関係していると考えられるジベレリンを植物体内で代謝する遺伝子,種が無くても果実が肥大するために必要であると考えられる細胞分裂関連遺伝子,果実に糖を蓄積するのに必要な遺伝子を同定することができた.
著者
矢藤 優子
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,行動計測機器「デジタルペン」を用いて,幼児の書字・描画活動のプロセスとその発達過程を明らかにすることを目的とした。本研究の結果,「なぐり描き」を含む幼児期の描画活動は学童期に必要とされる書字能力の発達と連続的な関係にあることが示唆され,また,描画研究を行うにあたって,これまでのように完成された絵画(何を描いたのか)を分析するばかりでなく,「どのように描いたのか」というプロセスを分析することによって,新たな知見を得られることが示された。
著者
横堀 学
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

モルモット咽頭粘膜および輪状咽頭筋におけるニューロペプチドの動態に関する研究において定量的評価方法の手技の獲得ができた。また形態学的に免疫染色を用いて咽頭粘膜組織上のspの染色、および染色されたspの定性的評価方法について検討し。
著者
加藤 耕一
出版者
東京理科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、農村舞台の保存・活用の実態調査およびその方策を示すことを目的としている。今年度は、3ヵ年計画の初年に当たり、農村舞台の保存・活用に関する基礎調査を中心課題とした。基礎調査は、舞台建築の実測調査および使われ方のヒアリング調査からなり、調査対象地域としては、徳島県を中心としているが、舞台形式に関連性のみられる淡路島(兵庫県)を補足的に踏査した。調査の結果、徳島県に農村舞台が112棟現存していることを確認した。加えて、舞台機構または舞台装置の仕掛けに関して重要と思われる農村舞台(今山、小祖谷、拝宮、府殿、法市)については、復原のための実測および痕跡調査を行い、小祖谷と法市の両舞台が仮設舟底舞台形式(多目的な平舞台から人形芝居専用の舞台形式である舟底舞台へと転換する舞台形式)であることを明らかにした。また、これらの農村舞台調査と並行して、「小屋掛け舞台」と呼ばれる仮設式の舞台を調査した。小屋掛け舞台は吉野川流域および淡路島に分布しており、悉皆的調査には及んでいないが、比較的保存状態のよい小屋掛け舞台の部材を実測し、痕跡調査と併せて組立て方法の聞き取りを行い、小屋掛け舞台の構造および仮設工法を明らかにした。本研究では、地域の人々との共同作業を通して、地域から人的組織を掘り起こし、活用支援のための人的ネットワークをつくることを基本理念としている。平成15年度は、研究者・建築家などの専門家や一般市民らとともに、農村舞台活用支援団体「阿波農村舞台の会」の設立に参加し、組織的に農村舞台調査、保存・活用方法の検討、支援活動をはじめた。平成15年9月22日に復活公演を催した法市農村舞台では、調査および住民への調査報告・説明会を本研究により行い、舞台の修復・復原や公演企画などの作業を、地域住民と阿波農村舞台の会、教育委員会との連携で取り組んだ。
著者
安藤 昌也
出版者
産業技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、家庭環境で使用される家電製品などのインタラクティブ製品の製品評価が、どのような心理的構造によって行われるかを明らかにした。研究の結果、ユーザの製品操作の自己効力感と製品関与が製品評価に強く影響していることが分かった。また、長期利用の間には評価されるポイントが徐々に変化し、使用後1カ月では「ユーザビリティ」が、半年程度では「使う喜び」を感じるかどうかが評価の中心であることが示され、その評価は製品関与が強く影響していることが分かった。
著者
弘中 満太郎
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ベニツチカメムシの採餌におけるナビゲーションには,視覚情報が用いられ,キャノピーからコンパスの参照軸としてのギャップを選択することで成し遂げられる.本種は複眼における個眼の配置から,後方に視野としての死角をもつ.この死角に位置する視空間情報の優先順位を低くすることで,ギャップに重み付けをしていることを実証し,動物の空間情報選択システムが感覚情報処理系の制約に強く影響を受けること明らかにした.
著者
村田 聡一郎
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的はトロンボポエチン投与による血小板増加によって肝障害抑制、肝線維化抑制効果を持続させ、肝細胞癌を抑制することである。ヒト肝癌細胞株にトロンボポエチンを添加し、明らかな増殖効果のないことを確認した。また肝細胞癌の自然発癌モデルであるPten肝臓特異的ノックアウトマウスを用いてトロンボポエチンの肝細胞癌抑制効果を検討した。その結果メスにおいてのみ有意に発癌を抑制したため、トロンボポエチンによる血小板増加効果およびエストロゲン増加作用が考えられた。トロンボポエチンは肝細胞癌抑制効果を有する可能性が示唆された。
著者
高橋 文
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、ebony遺伝子というメラニン生合成系酵素をコードする遺伝子の5'領域の変異がその遺伝子の発現量を変化させることによってショウジョウバエの交配相手選好性に直接関与しているかどうかを明らかにするという内容である。ebony遺伝子は、神経系でも発現しており、自然集団内のebony遺伝子5'領域の変異は、表皮細胞での発現量及び脳での発現量を変化させていることが明らかとなった。脳での発現量の変異は交尾行動に影響することも明らかとなり、ebony 遺伝子5'領域の変異が行動の違いと結びついていることを示唆する成果が得られた。
著者
上山 大信
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究の目的は,反応拡散モデルを空間離散化した場合にあらわれるカオス的な動きをするパルスの出自の解明と,その普遍性を明らかにすることであった.結果として,P-modelおよびGray-Scottモデルにおいて,カオス的パルスの存在が示され,特にP-modelにおけるカオス的パルスの出自については,数値的に解の大域構造を得ることに成功し,2つの経路を経て,カオス的パルスが出現することがわかった.周期的な振る舞いからカオス的な振る舞いへの遷移は大きく分けて"Intermittency","周期倍分岐","トーラス分岐を経るもの"の3つに大別されるが,我々が対象としているカオス的パルスは,"Intermittency"および"周期倍分岐"の2通りの遷移により生じていることが判明した.また,連続モデルとの関係において,粗い空間離散化により,カオス的パルスが得られるパラメータ領域において,細かな,つまり十分連続モデルの近似となっているような接点数でのシミュレーション結果は,興味深いことに動きのないスタンディングパルス定常解であることがわかった.これは,これまでの空間離散化の影響に関する研究が主にスカラー反応拡散方程式のフロント解に関するものであり,その場合には,動いているフロント解が離散化の影響により停止するというものであったが,それとは全く異なる結果である.つまり,空間離散化により,停止しているものが動きはじめる場合があるというはじめての例である思われる.これらの成果については,フランスにおける国際研究集会「Invasion phenomena in biology and ecology」において発表を行った.
著者
森長 真一
出版者
日本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

シロイヌナズナ属の野生植物であるハクサンハタザオを対象に、現生個体と過去から現在にかけて採取されてきた標本個体の全ゲノム比較を通じて、時空間的に変動する適応遺伝子の網羅的な解析をおこなった。現生個体の解析においては標高適応を担う遺伝子を、標本個体の解析においては時間的な環境変化に対応する適応遺伝子を探索した。これらの解析結果に基づき、集団間にみられる適応遺伝子の機能・種類・数の異同から、環境変化に対する野生植物集団の進化的応答について議論した。