著者
Cui Songkui
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

Parasitic plants acquire water and nutrients from host plants using a specialized organ, haustorium, and cause severe agricultural damages worldwide by infecting staples. The project will elucidate the molecular mechanism behind genetic and environmental control of haustoria in parasitic plants.
著者
中村 覚
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の目的は、オンライン上で複数のユーザが共同で史料を翻刻可能なシステムを開発することである。特に、IIIFやTEI等の国際標準規格に準拠することにより、汎用的・国際的に利用可能なシステムの構築を目指す。具体的には、IIIF準拠の画像を入力データとして、IIIF準拠で公開されている様々な史料を翻刻対象として登録可能とする。また、システムに登録されたテキストデータをTEI準拠の形式でエクスポートする機能を提供し、テキストデータの長期保存およびシステムに依存しない多様な利活用を支援する。さらに、東京大学柏図書館が所蔵する『平賀譲文書』を対象とした翻刻作業を実施し、システムの利用可能性を示す。
著者
野口 友康
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2023-04-01

予防接種による副反応の健康被害が発生するなかで、予防接種プログラムを成功させるために健康被害者をどのような制度に基づき認定・救済するかは重要である。予防接種健康被害救済制度は、それぞれの国の制度により異なっており、標準的な制度は存在していない。したがって、各国の救済制度を比較検討し、それぞれの制度の特徴や実効性を検討することが必要である。本研究は、予防接種健康被害救済制度のみならず、申請から認定・支給までに至る一連のプロセスの課題などを米国とニュージーランドの健康被害者・支援者への聞き取り調査を通して検討し、日本の予防接種健康被害救済制度の制度的課題を明らかにする。
著者
大嶋 直浩
出版者
東京理科大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

オウゴンは強力な抗炎症作用を示すことから、様々な漢方処方に配合されており、主に臨床現場で重宝されている。一方で、オウゴン含有漢方処方は間質性肺炎を引き起こしやすく稀に重篤になるため「予防」が重要である。しかし、その方法は確立されていない。最近私はオウゴン含有漢方処方の一つである黄連解毒湯の研究を行い、当該処方を調製する過程で間質性肺炎の原因物質とされているフラボノイドの抽出効率が著しく変化することを見出した。このことは生薬の配合により、フラボノイドの量を調節できることを示唆しており、より最適な生薬を組み合わせることで間質性肺炎の発症を予防できるのではないかと考えている。この仮説を立証するため、本研究ではオウゴンに様々な生薬を配合し、有効性と安全性を勘案したフラボノイドの量を明らかにすると共に配合すべき生薬の最適化を行う。昨年度はオウゴンに含まれるフラボノイドの一つであり、間質性肺炎の関連が最も強く疑われているバイカレインに焦点を当て、バイカレインと相互作用を示す生薬の探索を行った。今年度では、バイカレインの配糖体であり、オウゴンの主成分であるバイカリンに焦点を当てて、任意の生薬との組み合わせによる抽出量の増減を検討した。その結果、ベルベリンとの沈殿形成が考えられるオウレンとの組み合わせでは減少したが、オウバクとの組み合わせでは大きな変化を示さなかった。一方、リョウキョウとの組み合わせでは、バイカリンの抽出量は増加した。エキス自体の抽出効率に大きな変化を示さなかったことから、リョウキョウ由来の成分がバイカリンの抽出量を増加させる作用があることが示唆された。
著者
荒 友里子
出版者
愛媛大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

中央ユーラシアの草原地帯(ロシア中部・カザフスタン・キルギス)では、前二千年紀初頭から中頃にかけて青銅器が増大した。この青銅器の生産体制と流通の様相を明らかにすることで、当該地域・時代の社会経済の特質や地域間の影響関係について、より具体的な説明ができる。この研究目的を達成するため、本研究では紀元前二千年紀の中央ユーラシアにおける青銅器生産の中心地であったと想定されるカザフスタン中部・東部を基軸とし、青銅器とその生産に関わる遺跡・遺物の調査を実施する。
著者
高橋 圭太
出版者
岐阜薬科大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年、全身性免疫(体内に侵入してきた病原体に有効な免疫)と粘膜免疫(病原体の体内への侵入を阻止する免疫)の両方を活性化できる「飲むワクチン」が注目されている。本研究は、安全かつ効率的に粘膜免疫を活性化できる組換え乳酸菌をベクターとして用いた飲むワクチン「乳酸菌ワクチン系」の開発を目指したもので、これまでの研究から明らかになってきた乳酸菌ワクチン系の課題克服を目的とした研究を行う。
著者
山田 聡
出版者
京都大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の目的は、潰瘍性大腸炎(UC)の大腸炎症粘膜におけるEpstein-Barr virus (以下EBV)再活性化機序の解明を目指すものである。本研究において、① UCを模した薬剤誘発性腸炎モデルを利用したEBVのマウス感染実験、② 免疫抑制治療中のEBV感染マウスにおける腸炎再燃実験をそれぞれ行い、大腸炎症粘膜におけるEBV再活性化機序の解明を目指す。加えて、③ 炎症発癌におけるEBV再活性化機序の解明を目指す。本研究はマウスモデルからヒト検体を用いた包括的研究を予定している。本研究を発展させることにより、UC難治例への新たな治療ストラテジーの開発に貢献するものと期待される。
著者
片岡 孝介
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

先進国で高齢化が加速度的に進む中で加齢性記憶障害の発症機構の研究は重要性を増している。脳内で多く発現しているCB1受容体は、加齢性記憶障害に深く関与することが知られているが、その機構には不明な点が多い。助成対象者は、CB1受容体がミトコンドリアの品質を管理することで海馬神経細胞の機能を維持していると予想している。本研究では、CB1受容体によるミトコンドリア品質管理機構を解明することで、今後増加すると予想される加齢性記憶障害の機構解明や予防戦略の確立につなげることを目的としている。
著者
木村 康義
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

パーキンソン病はいまだに確立された進行抑制治療や根本治療が無い、進行性の神経難病である。本研究では、再生誘導効果を持つペプチド(アミノ酸の短い鎖)をパーキンソン病を模した動物モデルに投与することで、治療効果を調べ、治療薬としての可能性を研究する。再生誘導効果とは、当該ペプチドが間葉系幹細胞という様々な細胞になることができる幹細胞を自分の骨髄から誘導する効果である。有効性がみられた場合は、どのような働きをもって効果を発揮しているかを解析することで、脳の機能を保つ機構の解明や他の治療薬の開発に有用な情報をもたらすことが期待される。
著者
泉田 邦彦
出版者
東北大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は、南奥海道地域の相馬氏・岩城氏を主軸に据え、南奥と隣接する中奥の葛西氏・常陸の佐竹氏や江戸氏も射程に入れた調査を行う。研究基盤となるのは、3年間の計画的な史料調査である。研究フィールドである福島県浜通りは、原発事故被災地である。一連の研究を通じて、地域における震災の位置づけを相対化すべく、現地でシンポジウムを開催し、中世史研究の立場から、震災と被災地の関係を捉え直す方向性を探る。
著者
谷 伊織
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、真正粘菌変形体の数理モデルを計算素子(リザバー)として用いることで、極端な一般化能力を持つ機械学習手法を開発することを目的とする。生物の振る舞いに由来する頑健性や適応性を機械学習に取り込むことによって、深層学習を始めとする既存の枠組みから逸脱し、従来的な手法よりも環境の変化に対して頑健で、適応的に対応可能な機械学習アルゴリズムを開発する。また、従来手法と比較することで本研究の手法の有効性を検証する。
著者
上畠 洋佑
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

看護系大学が急増する中で政府や看護系大学協議会は、看護系大学における教育の質保証をしようとカリキュラムの参照基準や看護学教育モデル・コア・カリキュラム等を設け、全看護系大学の自律的な教育の質保証を促している。このような拝見を踏まえて、本研究では看護系大学の教育効果と、数次改正された保健師助産師看護師学校養成所指定規則に定める看護師養成カリキュラムごとに得られた学生のコンピテンシーの差異を明らかにし、看護系大学教育の質保証検証モデルを構築することを目的とする。
著者
大橋 崇行
出版者
東海学園大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

2019年度に実施した研究は、①資料調査とデータベース化、②「少年講談」についての調査と研究、③2018年度の研究内容を公にすることの3点である。資料調査については、静岡大学図書館所蔵の貸本屋資料調査を継続するとともに、ケンブリッジ大学、マンチェスター大学が所蔵する関連資料について調査を行った。静岡大学図書館の調査は2019年度で終了し、データについては所蔵者との合意のもと、国文学研究資料館の「近代書誌・近代画像データベース」に委託して公にしている。またこの調査の成果ついては、2020年度に公開研究会を開催し、広く一般に周知する予定である。ケンブリッジ大学で調査した資料は学会発表の際に用いた他、マンチェスター大学の所蔵する資料は国文学研究資料館で公開されている「コーニツキー版欧州所在日本古書総合目録」データベースを修正する形で、社会に還元できるように交渉を進めている。「少年講談」についての研究は、研究の目的として掲げた「②国語教育と「少年小説」とはどのように関係したのか」という問題に関連するものである。この「少年講談」は、実際に講談として講演される場合もあったが、講演を前提としない「書き講談」として小説と同じように受容されていたものであり、「少年小説」のジャンルの一つであると言える。内容については、2019年9月の『昭和文学研究』第79集に査読付きの研究論文として公にしたほか、一部を 2019年11月30日に明治大学和泉キャンパスで行われた第11回時代考証学会シンポジウムでコメンテーターとして登壇した際に公にしている。また、昨年度実施した西條八十の少女小説と少年小説との差異についての研究を進展させ、2019年7月4日にモナッシュ大学で行われた豪州日本研究学会(JSAA)の国際研究集会でパネル発表の形で報告した他、より具体的化したものを、国内学会で発表している。