著者
嶌田 聡 大塚 作一 伴野 明 新井 雅信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.581, pp.107-113, 1997-03-17
参考文献数
16
被引用文献数
7

圧力センサによる歩行運動分析装置を検討する。複数歩の歩行運動を計測対象とする場合には、足圧データから各足領域を切り出すことが必要である。本論文では、歩き方や歩行速度、さらに、履き物に依存しない歩行運動の特徴として、歩行運動時の足の動き方に着目して足領域の位置を推定し、推定位置の周辺の領域をグルーピングすることにより足領域を自動抽出する方法を提案する。健常者23人の104サンプル、歩行障害患者67人の764サンプルの合計868サンプルを本方法により約98%の精度で切り出せることを確認した。また、処理時間はWSで1秒以下であった。
著者
松岡 克典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.726, pp.65-68, 2003-03-10
参考文献数
6
被引用文献数
8

住宅内での生活行動の長期蓄積から、普段の生活行動とは異なる状態を自動検知する手法について検討した。複数の家族が生活する家屋に赤外線センサと電力量センサをそれぞれ各部屋と各コンセントに設置し、人の動きと家電製品の使用状況を1年間にわたって計測した。センサ情報と合わせて、生活者が記述した生活行動記録と心理テスト(POMS)を月に1度実施した。得られた住宅内行動の長期蓄積情報の主成分分析およびクラスタ分析を行って、普段の生活行動パターンを抽出した。抽出した普段の生活行動パターンと評価対象の日のクラスタパターンとを比較することにより、その日の生活パターンの普段度を評価した。これにより、気分が落ち込んだ状態や来客時などのいつもと違う生活状態を自動検知できる可能性が得られた。
著者
陳 曦 高橋 勲 沖田 義光 平田 寿 杉浦 敏文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.423, pp.77-82, 2012-01-20

音刺激(怖い音と快適な音)に対する心理反応を脳波前頭葉非対称性モデル(anterior asymmetry and emotion model, AAE model)と吉田法によって評価,検討し,両方法の信頼性と関連性を検討した.被験者は21〜25歳までの大学院生13名(22.9±1.3歳)であり,実験中はゆったりとした椅子に座って目を閉じてもらった(前安静10分,音呈示5分,後安静10分).AAEモデルによって消極的な反応を示したと判断された被験者は吉田法による評価では不快度が増加しており,積極的な反応を示したと判断された被験者は快適度が変わらないか,少し快な状態へと変化していた.本研究の結果,AAEモデルと吉田法は心理評価法として信頼できる方法であるとともに両者の間に一定の関係があることが分かった.
著者
和田 泉 村山 伸樹 音成 龍司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.501, pp.31-36, 1996-01-27
被引用文献数
2

誘発電位の遅期成分(P300)は, 被験者の心理状態すなわち呈示された刺激への関心や評価などにより振幅が変化することが知られている. これを事象関連電位という. 今回の実験では, まず2種類のランドルト環のうち一つをまれに呈示し(Target), もう一つを頻繁に呈示した(Non-Target). Target刺激時のP300の振幅はNon-Target刺激時よりも有意(P<0.01)に大きかった. また, この振幅はTarget刺激の呈示頻度の増加に伴い減少する傾向にあることがわかった. 次に, 1人は面識のある人物, 残りの9人は面識のない人物の顔写真をランダムに被験者に呈示し, この時のP300の変化を検討した. その結果, 面識のある顔写真呈示時に対するP300の振幅は, 面識のない顔写真呈示時に比べて有意(P<0.001)に大きかった. しかしながら, ランドルト環呈示課題のP300の振幅と比べると小さかった.
著者
伊賀崎 伴彦 藤本 真樹 水野 敬 村山 伸樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.598, pp.79-85, 2001-01-19

3音節から成る2種類の肉声(抑揚あり/なし)と3種類の合成音声を作り、被験者に意味のある単語と意味のない単語を聞かせ、事象関連電位P650/P800を用いてそれらの音声の聞きやすさを評価した。その結果、聞きやすい音声を聞かせたときの方が聞きにくい音声を聞かせたときよりもP650/P800の潜時が有意に短くなり、聞きやすさとP650/P800の振幅も相関する傾向があった。
著者
河本 雅樹 村山 伸樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.525, pp.51-58, 1998-01-31
被引用文献数
1

事象関連電位と文字認知との関連性についての基礎的な研究として、図形画像および1文字の画像を視覚刺激画像として用い、刺激画像の呈示時間を変えることによる事象関連電位への影響について考察した。さらに、2文字〜6文字の画像について、被験者にTargetを示唆しない場合と示唆した場合での、文字数の増加にともなう事象関連電位への影響について考察した。この結果、刺激画像の呈示時間の変化はP300に大きな影響を与えなかったが、刺激画像の文字数が増加すると、P300の振幅はTargetを示唆しない場合、文字数とともに大きくなるを傾向を示し、潜時は刺激画像の文字数が2文字〜4文字までは増加し4文字〜6文字では一定になるといった傾向がみられた。
著者
村山 伸樹 伊賀崎 伴彦 河本 雅樹 梶原 靖祐 米積 友邦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.612, pp.37-42, 2002-01-19

「かな」, 「漢字」, 「英単語」の認知過程を調べるためにオドボール課題を用いて事象関連電位(P300)の潜時および振幅を調べた.各文字の文字数を1文字から4文字まで増加させると, 「かな」では文字数の増加にともない潜時が有意に増加したが, 「漢字」, 「英単語」は増加しなかった.一方, 振幅は「かな」では変化がなかったが, 「漢字」では2文字で, 「英単語」では3文字で最大振幅差を認めた.このことから, 音節文字と形態素文字および音素文字の認知情報処理過程が異なっていることが示唆された.
著者
大西 純平 竹内 瞬 橋本 昌巳 伊東 一典 香山 瑞恵 為末 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.219, pp.19-24, 2008-09-18
被引用文献数
1

重度障害者とのコミュニケーション手法として透明文字盤がある。この手法では文字盤をはさんで障害者と介護者が対面し、文字盤を動かして障害者の注視文字と介護者の視線を一致させることで、障害者の注視文字を見出している。我々は、この手法をPC上で模擬した視線入力システムを開発している。ウェブカメラにより撮影した眼の画像から画像処理により虹彩位置を求めて視線検出を行い、その方向に応じてディスプレイ上の文宇盤を移動して、選択エリアに注視文字を導いている。入力文字の確定にはまばたきを利用している。
著者
齋藤 友幸 内山 尚志 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.332, pp.59-64, 2001-09-28
被引用文献数
3

本研究は、高齢者の労働を支援するための環境を作り出すことを目的としている。我々は、精神疲労を低減させる事に着目し、疲労を低減させる光環境の構築を試みた。まず、光環境システムの構築を行った。次に、光環境システムを用いて、各色(白、赤、青、黄)における精神疲労を測定した。精神疲労を誘発させる課題は、計算課題を用いた。精神疲労の評価は、フリッカー値、握力、被験者の主観評価を用いた。結果、黄色の環境では、他の色と比べて精神疲労が有意に低減を見出したので報告する。
著者
渡部 忠洋 下澤 楯夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.733, pp.115-120, 2002-03-11
被引用文献数
1

コオロギの気流感覚毛の慣性モーメントI、感覚毛を支えるバネの強さS、感覚毛を支える基部の内部抵抗Rと気流・感覚毛間の摩擦抵抗Dの和(R+D)といった機械要素の値を、毛のブラウン運動(熱揺動)を光学計測しそのパワースペクトルより求めた。その結果、これらの機械要素の値は風刺激により感覚毛を大きく揺動させてレーザードップラー速度計で角変位を計測して得られた値とほぼ一致した。感覚毛基部の内部抵抗Rと気流・感覚毛間の摩擦抵抗Dの値はほぼ等しくなっており、インピーダンス整合がおこなわれ、感覚毛の基部にある細胞に気流の持つエネルギーが最も効率良く供給されるような機械設計になっていることが解かった。
著者
寺沢 充夫 岩澤 征次郎 藤原 浩樹 田邉 佳司 箕輪 功 中原 俊隆 糸川 嘉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.684, pp.105-110, 2001-03-14
参考文献数
19
被引用文献数
4

商用周波数である50Hzにおいての電磁場での生体に及ぼす影響を調べるため、14週令のラット10匹を電磁波に曝すグループと電磁波に曝さないグループにそれぞれ5匹ずつに分け、二ヶ月間実験を行った。電磁波に曝すグループは周波数50Hzで、磁界の強さ500mGauss の中に一日2時間曝した。電磁波に曝すグループは電磁波に曝さないグループと比べ、血夜中のチアミン量は少なく、肝臓に多くのチアミンが有意に蓄えられた。しかし、血液の過酸化および小脳、脳幹における脂質の過酸化は有意に大きくなった。こらの事から、これらの条件での電磁場環境は生体に悪影響をもたらすということが示唆された。
著者
田村 和巳 林 豊彦 中嶋 新一 小林 博 山田 好秋 石岡 靖 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.404, pp.61-68, 1995-12-09
被引用文献数
5

顎連動の制御メカニズムを解明するために,我々はヒトに近い構造をもつ自律顎運動ロボットと咬合力センサを開発してきた.このロボットには,DCサーボモータでワイヤを駆動する方式を用いた咬筋と外側翼突筋アクチュエータが装着されている.これらアクチュエータの制御にインピーダンス制御と適応制御を用いることにより,ヒトに近いかみしめを伴う開閉口運動を実現できた.しかしこの制御系は,等張性収縮において完全な位置制御を行っており,この点では実際の筋と異なっていた.これを改善し,より正確に伸張反射系をシミュレートするために,筋種や連動相の違いによりワイヤ長のフィードバック量を調節できるようにした.この制御系の改良と顎二腹筋アクチュエータの追加により,従来より自然な開閉口連動を実現することができた.
著者
塚本 昌克 近藤 敏之 伊藤 宏司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.577, pp.41-44, 2006-01-20
被引用文献数
3

パターン識別を用いた筋電義手は, 高い動作識別精度を実現しているが, EMGは実際の運動より100msec程早く観測されるので, データ長を100msec未満にしなければ高い識別率の代わりに義手の動作遅れを発生させてしまう. 本研究ではこの問題を取り上げ, 動作遅れのない義手実現を目指し, 前腕部に装着した複数対の電極から計測される筋活動開始時におけるEMGの立ち上がり部分を用いてニュールネットワークによる動作識別と義手制御のシステムを提案する.
著者
山崎 陽一 戸田 尚宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.479, pp.101-106, 2009-03-04

Dual-Energy X線CT(DECT)は,既存の単色X線CTよりも,物質に関する特徴的な情報を得ることができる.しかし,単色X線CTと同程度の照射線量の場合,DE X線CTで得られる再構成画像には多くの雑音が含まれるという問題がある.そこで,再構成画像上の雑音を除去または低減する技術がKalender等により提案された.しかし,そこでの結果は通常用いられる数十倍の照射線量におけるものであり,通常の照射線量における検討がなされていない.本報告では,数値実験によりこの点について解析を行い,照射線量の低下に伴い直線状アーチファクトが生じ,この影響からKalenderの方法が正しく機能しなくなることを確認する.さらにこの問題を解決する新たな手法を提案する.
著者
日吉 功 児玉 直樹 和久井 章人 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.478, pp.39-44, 2000-11-23
被引用文献数
1

Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視回復の効果を測定した.対象は仮性近視8名, 正視2名の合計10名であった.今回比較を行ったのは, Purkinje-Sanson像計測法と市販されている計測器であるMD-SS型視力訓練機であった.Purkinje-Sanson像による計測ではPS-1とPS-3の間の距離の変化を測定した.Purkinje-Sanson像計測法はMD-SS視力訓練機に比べて, 回復傾向が見られた.これらのことから, Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視の回復が行える可能性が示唆された.
著者
安部 泰弘 中島 一樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.525, pp.95-102, 1998-01-31
参考文献数
12

自律神経活動と運動能力の関係を調べるために、2名の被験者に月曜日から木曜日まで自転車エルゴメータによるトレーニングを9週間与え、毎週金曜日にランプ負荷実験を行なった。そして運動負荷時および回復時の心拍数-呼吸数の関係と自律神経活動の変化を解析した。比較のため運動者7名と一般者7名のランプ負荷実験も行った。%RR50はトレーニングにより10%より大きな数値を回復時に長時間持続するようになった。回復時前半に見られたHF/LFのピークはトレーニングとともに減少した。また運動負荷時後半のピークはトレーニングとともに半値幅を狭めた。心拍数-呼吸数の関係において、トレーニング開始前の被験者2名および一般者7名中5名は時計回りのヒステリシスを示し (9名中7名)、9週間のトレーニング後の被験者2名および運動者7名中5名は反時計回りのヒステリシスを示した (9名中7名)。トレーニングを行った2名の自律神経活動と運動能力は、一般者のものから運動者のそれへと変化した。
著者
岩城 護 新川 慎吾 木竜 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.52, pp.19-24, 2008-05-16
参考文献数
4
被引用文献数
1

我々は日々多くの時間を仕事場で過ごしており、作業環境を健康的で効率的なものとすることが望まれている。本研究では、デスクワークにおける代表的な作業の一つであるタイプ作業に着目し、入力された文字数や正確さからタイプ作業効率の指標を、心電図から得られる自律神経系活動の様子から生理指標をそれぞれ評価した。無音環境をコントロール条件としたとき、作業効率が悪化するときには緊張の程度が高く、逆に作業効率が改善するときには緊張の程度が低いということが分かった。また、作業効率の改善がタイプミスの減少によること、自律神経系活動における緊張の程度を低く保つ音環境が有効であることが示唆された。
著者
賀 菊方 端川 勉 木内 陽介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.177, pp.23-30, 1995-07-22

われわれはネコの大脳皮質聴覚野のDorsal Zoneにおいて多数の聴覚刺激に対して50から200msの長い潜時で応答するニューロンを発見した。これらのニューロンは異なった継続時間長のノイズ・バーストあるいはクリック音に対する応答に基づき、位相チューニングニューロンと時間積分処理ニューロンとに分類された。実験結果に基づき、時間域聴覚情報処理機構のモデルを構成した。このモデルの計算機シミュレーションの結果は実験結果とよく一致した。この結果、1、聴覚系に音声刺激に対する時間軸が存在していること、2、聴覚信号は時間域で短く分割され、並列に聴覚中枢に伝送されることが推測される。
著者
軸屋 和明 横平 徳美 岡本 卓爾 赤石 謙
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.98, no.174, pp.7-14, 1998-07-14

筆者らのペンドラムテストモデル(PTM)は脊髄の機能を備え、その入力は上位からα運動細胞に至る基準化した刺激の頻度Fe、上位からシナプス前抑制に至る基準化した刺激の頻度Fiおよび上位からγ運動細胞に至る基準化した刺激の頻度Fγである。本論文では、筋紡錘の感度特性に非線形性を導入してPTMを改良し、これにより従来困難であったFeとFγの一意決定について検討している。まず、筋紡錘の収縮要素に生じる増強力およびcrossーbridge部分の固定とゆるみに関する諸仮定を導入し、これにもとづいて筋紡錘モデルを導出している。次に、これを組み込んでPTMを改良し、実測結果に極力一致するようにシミュレーションを行って入力値を決めている。最後に、この結果からFeとFγを一意に決定できうることを示している。
著者
大塚 卓哉 小野澤 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.162, pp.13-16, 2006-07-07

介護施設や病院施設において、認知・理解力、及び、運動能力の低下が見られる高齢者が単独で寝具から離床を試み寝具から転落事故が問題となっている。本稿では、重量計を寝具の各脚下に配置する事で、寝具上の被介護者の重心位置を計測し、重心位置の時系列データから、離床につながる動作を認識する手法について述べる。本手法により、被介護者が単独で離床しようとする動作を検出し、被介護者を離床前に介助する事で転落事故を未然に防ぐことが可能となる。