著者
川村 康文
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.126-134, 1997-06-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
2

I teach the students physics with the following two points in mind. The first is what to teach in the physics class, and the other is how to teach it. So far as the first point is concerned, I took dynamics in driving as a theme, and as for the latter point I taught through student discussion. Better results were obtained in the latter class.
著者
加納 安彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.305-308, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
8

健康に関する疑似科学的な言説が広がり,一般市民だけではなく医療従事者にも少なからず影響していた.本研究では,医療従事者をめざす学生を対象にして,疑似科学的言説がどの程度浸透しているかを調査するとともに,教育によって学生に意識が変化していくかを,同一学年を入学時から卒業時まで追跡して比較・検討した.疑似科学的な宣伝は多くの学生のなかに深く浸透し,全体としては専門教育を受けない市民とかわらない面も多くあった.その一方で,基礎医学科目で学ぶ内容にかかわって,ある程度の教育効果を確認できる重要な知見も得られた.
著者
西村 憲人 小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.73-76, 2012 (Released:2018-04-07)
参考文献数
2

近年,都市圏を中心に科学実験塾・塾の実験教室(以後,総称して「実験塾」と呼ぶ)が急速に増加している.実験塾は,設備面,安全面,技術面等を考慮すると,通常の塾よりもコストの高いコンテンツであると思われるにもかかわらず,相次いで開校されるにはそれ相応の需要があるからであろうと推察される.日本科学教育学会第 36 回年会では,実験塾のニーズの区分とそのニーズを解明するための分析枠組を提案した.本発表では,保護者に対して行った Web アンケート調査の結果を報告する.保護者のニーズとして,「受験のため」という教育における「実利的ニーズ」は少なく,「科学に興味・関心を持ってほしい」という「本質的ニーズ」の側面が強いことが確認された.また,実験塾に「通わせたくない」保護者は「経済的な理由」を多く挙げており,「もっと月謝を安くしてほしい」という「市場におけるニーズ」の存在も見受けられる.
著者
田中 謙介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.240-247, 2005-09-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2

The mechanisms of how materials are colored are not mentioned in high school science programs, even though colors or changes of colors are very useful in science as indicators of chemical reactions or the presence of chemical substances, for example, litmus papers and starch-iodine titrations. The primary question, 'Why is water blue?', has never been answered in science textbooks for high school. The color of a transparent material is shown as the complementary color of absorbed light in the material. Therefore water absorbs red colored light more than green and blue ones. I developed a new device which can measure optical absorbance of pure water by using red and green laser pointers as light sources and a solar battery as a sensor. The performance of this device shows the following : 1. Red colored light is clearly more absorbed in pure water than green colored light. 2. An absorbance coefficient of red colored light could be calculated as 3.5×10-3, which is almost the same as the previously known figure (E.O. Hulburt, 1945). Laser pointers have become inexpensive and several other colors are being developed. This device which uses these light sources, is expected to be utilized for school experiments.
著者
上ヶ谷 友佑 白川 晋太郎 伊藤 遼 大谷 洋貴
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.535-538, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
10

本稿の目的は,「推論主義」と呼ばれる現代哲学に基づき,生徒達にとって既知の概念をさらに発達させていくような数学的タスクのデザインの原理を開発することである.より具体的には,推論主義の示す資格保存的推論/コミットメント保存的推論といった実質推論の考え方を用いて,数学の授業における問題解決の様相を特徴付けることを試み,生徒達がどんな場面でどんな風に推論することが概念発達に寄与するのかを検討した.結果,次の3点が原理として導出された.[1] より概念化させたい既知の概念を2つ以上定める.[2] 本来はある概念の適用が有効であるにもかかわらず,思わず別の概念を適用してしまうようなタスクを設計する.[3] 生徒同士でなぜ自分がそのアプローチを選んだのかを議論させたならば,自分がどんな条件の下でどんなアプローチを使用しているのかを明示化する必要性が生じ,概念化が促進される.
著者
山崎 貞登
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.199-202, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
10

小学校プログラミング学習において,公教育と私教育が共有化し協働できる学習到達目標及び学習評 価規準の設定と,評価基準性,信頼性,妥当性の確立が強く要望されている。一方,学習評価の実践研究が思うように進んでいない現状がある。そこで,本稿では,ベネッセ(2017),高嶋(2018),大森ら(2018),山崎ら(2017ab),山崎(2018)が提案した小学校段階におけるプログラミング学習の到達目 標と評価規準について紹介し,問題の克服に向けた解決策について提案する。
著者
喜多 雅一
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 44 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.373-376, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
14

EUではHorizon 2020のワークプログラムの一つとして「Science with and for Society社会とともに社会のための科学」においてRRIが提案され, RRIの6つのディメンジョン1. 社会的関係者の関与, 2. ジェンダーの平等性, 3. オープンアクセス 4. ガバナンス, 5. 倫理性, 6. 科学教育を取り入れた様々な教育プロジェクトが実施され,教員向けの多数のモジュールや教材開発の成果が上がっている.その概要を述べ,日本の科学技術・イノベーション(STI)基本法が本年6月に施行されたが,日本の科学技術・イノベーション基本計画におけるRRIの影響やどのように取り込まれているかを検証し,科学教育での取り組みについて考察した.
著者
竺沙 敏彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.57-62, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

次期学習指導要領では,「主体的・対話的で深い学び」を重視した授業実践が求められているが,そのために用いる「問題」は必ずしも豊富にあるわけではない.本稿においては,現実の問題を用いて問題解決をするために,一枚の紙を用いて可能な限り容積の大きな容器を作るという新たな教材開発を行った.その際、A4用紙を用いて作成できる直方体型容器の最大容積を求めることができた.本稿では、その活用事例について報告するとともに,教材開発及び実践を通して主体的・対話的で深い学びに繋がる得られた示唆を報告する.
著者
福井 智紀 佐久間 岳
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.37-42, 2016 (Released:2018-04-07)
参考文献数
6

現代の科学や科学者の一面を理解させるため,ES細胞論文捏造事件を素材として,漫画教材の開発を行った。内容は,実際の事件を参考にしつつも,架空のストーリー・登場人物として再構成した。最終的に,A5判型で計 46 頁の小冊子が完成した。教材は2部構成となっている。第1部「トム教授の活躍」では,主人公の教授や彼を取り巻く人物達を紹介し,優れた成果をあげて賞賛を浴びる様子が描かれる。第2部「トム教授への疑惑」では,一転して,研究に対する疑義の提起や追究の過程が描かれるとともに,実際の事件についても簡潔な紹介がなされる。開発した漫画教材を用いて,理科の教員免許取得を目指す大学生を対象に試行した結果,一定の活用効果が見られた。さらに,教材の優れた点や改善点などを把握することができた。教材の理科授業での有用性についても,一定の評価を得た。現代の科学・科学者は,「素朴的」「牧歌的」イメージでは,正確に捉えきれない。科学や科学者について,否定的イメージのみを煽らないように配慮したうえで,理想的とは言えない側面も取り扱うことが,今後は必要だと考える。
著者
佐々木 功一 人見 久城
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.35-40, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
24

レッスン・スタディとして海外にも広がりを見せているわが国の授業研究も,その目的や方法,重要事項や課題が,時代や参加主体によって異なる。たとえば吉崎(2012)は授業研究の目的は実際には重複するものの,大別すると4つあるとしている。実際に授業研究を行う教師は,これらの目的のいずれを意識して実践しているのだろうか。本研究は,授業研究の望ましい在り方を模索するため,教師が授業研究に求めるもの(ニーズ)や目的意識を複数の視点から調査・分析したものである。その結果,調査を行ったT地区の小学校教師は授業力向上に協働的に励んでおり,様々な向上要因のなかでも,校内授業研究が授業力向上に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。そして,その教師たちは3つの独立した因子の影響を受けて授業研究を捉えていることが示唆された。
著者
田中 保樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.173-176, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
5

中学校理科学習にコンセプトマップ法によるポートフォリオ評価を導入し、形成的な自己評価についての質的な分析を行った。再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェア「あんどう君」を使用したコンセプトマップ法による形成的な自己評価の有効性を明らかにすることができた。「あんどう君」を使用したコンセプトマップ法による形成的な自己評価は、フィードバック・フィードフォワードを実現し、メタ認知的な自己評価を行うことを可能とすることがわかった。
著者
滋野 哲秀
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.391-392, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
5

本研究は、筆者が担当する大学での理科教育法及び地学に関する教養の授業を学ぶ学生のデータに基づいたミスコンセプション研究から生まれた問いのデザインが、義務教育から高等学校の地学分野の教育、さらに一般市民の気象防災にどのような効果をもたらすのかについて、大学の授業における試行をもとに分析したものである。その際、まず中学校の教科書の記述や模式図がどのようなミスコンセプションを生起させているのかについて分析し、特に、大雨などの気象災害を学ぶことができるような内容になっているのかを検討した。その結果、前線についての説明や模式図、気象災害の中心となる積乱雲についての記述、降水域を記した模式図は、近年多発する大雨などの降水域とはあまり整合しておらず、気象防災知識を学ぶには不十分なのではないかとの結論を得た。この状況を改善するためにミスコンセプションから開発した問いのデザインの効果について報告する。
著者
山崎 貞登
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 29 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.65-66, 2005 (Released:2018-05-16)
参考文献数
11

本稿では,日本産業技術教育学会(1999,2000)が提案した小・中・高校を一貫した技術教育で育む技術的素養(リテラシー)と,技術教育課程基準のスコープとシーケンスの基本構造について概説する。さらに,平成16〜18年度文部科学省研究開発学校の東京都大田区立矢口小学校・安方中学校・蒲田中学校の研究課題「これからの社会を生きていくための必要な技術的素養(テクノロジーリテラシー)の育成を重視する新教科(Technology Education)の教育課程等の研究開発」の研究を紹介する。
著者
髙橋 瞭介 桐原 一輝 桐生 徹 大島 崇行
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.25-28, 2020-03-07 (Released:2020-03-04)
参考文献数
8

本研究では,空間認識力を育むことができる教材を開発し,ドローンを使った授業をデザインし実践した.分析1では,授業前後に行った空間認識力評価テストの得点を分析し,低位層と中位層において事後テストでの点数が有意に向上したことが明らかになった.分析2では,評価テストの誤答分析を行い,授業後に三面図に書かれたドローンの動きについて視点移動を行うことができる児童が増えたことが明らかになった.分析3では,授業以前から視点移動を獲得していた児童,授業後に視点移動を獲得した児童は授業の中で開発した教材を活用する場面が見られた.以上から,開発した教材と授業デザインは空間認識力を育む一要因になると結論づける.
著者
滝 奏音 辻 宏子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.13-16, 2021-12-19 (Released:2022-01-20)
参考文献数
5

学校教育ではめあてや問題文の一斉音読を指示する場面が多く見られる.算数の授業も例外ではなく,文章題を解く際に問題の音読をするよう指示する教師が多い.しかし,算数の文章題において音読を行うことの効果について検証している先行研究はない.そこで,本研究ではその実態を明らかにするため,学校教育に携わる方を対象に質問紙調査を実施した.「算数の授業中に,学級全体で問題文を音読することは効果があると思いますか.」の問いに対し,全体の78.6%にあたる教師が「とても効果がある」,「効果がある」を選択しており,肯定的な評価をしている割合が高かった.また,「問題文を音読するよう指示する際は,どのような意図で指示をしますか.」というアンケートをとった結果, 97%の教師が「問題場面を把握させる」という目的で文章題の問題文を音読するよう指示していると回答した.
著者
石井 俊行 林 拓磨
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.335-346, 2015 (Released:2016-02-24)
参考文献数
13

The purpose of this study is to demonstrate the efficacy of students solving science problems involving amounts per unit while guiding them to pay enhanced attention to units and the results of their abilities to solve science problems, regardless of the presence of such units in examination questions.The results of the study reveals the following:1) Students improved not only in solving science problems on amounts per unit but also in being able to solve other science problems they had not studied, by guiding students to pay enhanced attention to units.2) In general, it is important to comprehend the meaning of units in order to understand science concepts. Teachers must guide students to pay enhanced attention to unit dimensions and comprehend the meaning of units so that they are able to solve science problems more easily.Therefore, it is essential for teachers to instruct students more carefully on units.
著者
氏家 章次
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.47-52, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
1

高校の化学(有機化学分野)の授業において、光学異性体についての実験や観察は旋光度を測定する器具の購入や作製を伴うなど、従来なかなか実施されにくい面があった。そこで、旋光度測定の実測VTRの観察、有機プラスチックモデルの活用などを行い、光学異性体の違いによる光の振動面の逆転を視覚的に理解させることができた。また、臭覚(匂い)や味覚(味)の違いとして体感させることなどにより、ほとんどの生徒に、より深く光学異性体の性質の違い等を理解させることができた。
著者
福井 智紀 内藤 覚哉
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.41-46, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
3

遺伝子編集技術によって実現可能性が高まりつつある「デザイナー・ベビー」に焦点を当て,その現状や可能性と問題点について理解したうえで,生徒がグループ討論するための理科教材を開発した。討論では,市民参加型テクノロジー・アセスメントの手法のひとつであるフューチャーサーチを,大幅に簡略化して取り入れた。教材は,中学校理科の免許を取得する教職課程学生を対象に試行した。試行後のアンケート結果と発話分析から,一定の活用効果が明確になり,教材としての必要性についても高い評価を得た。しかし,説明や指示の分かりやすさなど,さらなる改善点も残されていることが明確になった。
著者
上ヶ谷 友佑
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.428-429, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

本稿は,大学数学の教育研究でのみ指摘されていた「非標準コンセプション」を抱く学習者が,小学2年生にも見られたため,報告するものである.本稿は,その事例に基づいて,非標準コンセプションとミスコンセプションの特徴の違いを比較検討した.