著者
陳亮 徳田 尚之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.33, pp.9-16, 2000-03-23

この論文では,多CPU協調による大域的最小値を見つける吉田等の9),11)協調的分散処理方式を使って,固定多センサー網による多標的追跡解法に最大充推定法(ML)による計算効率のよい緩和解決を開発した.局所的な緩和解の最小平均二乗誤差計算法に,これまで広く使われていたハンガリ型の割り当てアルゴリズム10),12)の替わりにO(NlogN)という簡単な分類アルゴリズムを持ち込むことにより,計算効率だけでなく,解の安定性も大幅に改良されることを示した.本論文では,標的の最適割り当て行列が,全標的の並び替えた方位ベクトルにより与えられることを証明した.方向・速度とも任意の運動する標的数が8個,12個の場合,それぞれ4個,6個のCPUを使って400MhzのPCで1分以内に計算することが出来た.この解は,全体の最適化問題のなかの一部に最適解が組み込まれているという意味で,Tingiltis of 3),12)の準最適解にあたる.Exploiting a new cooperative decentralized processing scheme of 9), 11) where multiple processors cooperate in finding a global minimum, we have developed a new computationally efficient maximum likelihood (ML)-based relaxation method for mulititarget motion analysis under a fixed networked multisensor environment. The marked improvement in computational efficiency and also in stability is achieved by replacing the well known Hungarian type assignment algorithm of 10), 12) with a much simpler sorting algorithm of O(NlogN) and fusing the result with locally minimized average square errors of the relaxation. We have proved a theorem which asserts that an optimal data assignment matrix can best be given in terms of sorted bearing measuring vectors of targets. Embedding locally an optimal data association algorithm of O(NlogN) into each of Gauss-Newton's downhill iteration loops, our numerical experiments were able to track as many as 8 targets and 12 targets separately within one minute by 400MHZ Dell computer with improved accuracy and efficiency, where all targets are allowed to move in variable directions at varying speeds if 4 and 6 processors are used respectively. The solution we have developed constitutes a suboptimal solution in the sense of 3), 12) because an optimal solution is embedded within part of the entire optimization problem.
著者
越後 富夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.351-356, 2000-04-15
参考文献数
7
被引用文献数
2

ディジタル放送の開始とネットワークの広帯域化によりディジタル映像の流通が,数年内で急激に浸透することが予想される.そのとき,氾濫する映像データに対し,ディジタル化の利点を生かした映像の管理が重要課題である.本稿では,映像管理のための情報抽出と表現,そして応用について解説する.
著者
伊藤 毅志 杉本 新也 古郡廷治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.23, pp.33-40, 1995-03-06

本稿では、マルチエージェントによる協調問題解決の例として四人将棋を挙げる。四人将棋では、状況の変化に対応して各プレーヤーの役割が変わる完全情報確定ゼロ和ゲームである。四人将棋において協調的な思考がどの様に実現されているのかについて考察した。(四人将棋には、2対2でチームを組み闘うダブルスと、全員敵同士になるシングルスの2種類があるが、本報告では、特にダブルスにおける協調問題解決行動を扱った)まず、四人将棋をコンピュータ通信上で実現するシステムの構成を説明した。そして、そのシステムを用いて、ダブルスのパートナーと対話できる条件と、対話できない条件の2条件の心理実験を行った。対話ができる条件では、指し手の方針や、読みが、対話ができない条件では、パートナーの方針、読みを予想することによって補われ、協調的な思考の基となっていることが分かった。この心理実験の知見をもとに、四人将棋におけるプレーヤーの思考過程を説明する認知モデルの骨子を提案した。本稿は、本年1月にHI研究会で報告した「四人将棋における暗黙のコミュニケーションに関する研究」の原稿をもとに加筆、修正したものである。We deal with the cooperative problem solving process in playing "four-players-SHOGI", a two-against-two (or sometimes four-way) game in which two persons on side cooperate each other to win the game. We explain firstly the organization of a four-player-SHOGI to be implemented on computer network. We analyze secondly the results of an experiment that show how the two players on the same side cooperate each other explicitly when allowed and implicitly when not allowed. Based on the analysis, we offer lastly acognitive model that explains players' mental behavior for making a move in the for-players-SHOGI. This paper is revised one basis on "Implicit Communication in Playing 'Four-Playing-SHOGI'", published in HI-58-4 (1995).
著者
大泉 俊雄 的場 ひろし 前野 和俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.98, no.74, pp.123-128, 1998-08-07
参考文献数
4

本論文では、音楽CDとWWW上のホームページを連携させたサービスを提供するための基盤システムであるWebSync/CDについて述べる。WebSync/CDは、音楽CDの再生に合わせて、予め作成したシナリオに従った一連のホームページの連動表示や、音声・動画ファイルの同期再生が可能であり、音楽CDを軸とした新しいマルチメディアコンテンツが作成可能である。WebSync/CDには、CD-EXTRA等の特殊なCDフォーマットを採らない通常の音楽CDに対してもコンテンツ提供できる、WWW上のコンテンツを随時更新できる、と言ったメリットがある。さらに、音声パターンマッチング技術を開発し、ラジオ放送、オーディオテープ等からアナログ音声信号をPCに入力する形態においても、楽曲の特定、並びに、再生位置の検出を可能とした。
著者
松平頼暁 有馬 純寿
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.133, pp.41-42, 2006-12-15

日本の電子音楽の歴史については、川崎弘二の同名の書の第一章に詳しい。同書の第二章には、私を含めた多くの関係者のインタビューが載っているが、それらは時とすると、殆ど「薮の中」状態になることもあって、現代史の読み方の難しさを表明している、と言えなくもない。この書にある他の人の見方もある程度、参照しながら、表記の題の下で、有馬氏の質問に答えたい。曰本のテープ音楽は、1950年代に始まっているが、私が関わっているのは1964年に完成した《transient'64》以来である。私は当時、既に小さな伝統と化していた、日本の電子音楽の枠から自由でありたいと考えていた。この頃既に、電子音楽と具体音楽の境界は暖昧になっていたが、私の次のテープ音楽《Assemblages》(1968)では両者の素材音が使われている。それ以前に、日本でもライヴ・エレクトロニック・ミュージックは始まっていて、私も、1967年以降、作曲している。《Accumulation》(1976)は典型的な例である。Expo'70では、私は《朝の音楽》と《杖はひるがえり》他でお祭り広場の音楽を担当した。あるいは初めてクラシックを聞く人もいたかも知れない-当然、その人達は現代音楽を知らない-大集団の立場を擁護する当局者達との対応に苦労した記'億のみ残っているのはやむを得ないことだ。ここでの巨大なテクノロジーは文字通り、ポータブルではなかったので、その後の私達作曲家にとって、どのような効果をもたらしたのか、直ちに指摘することはできない。Expo'70でもコンピュータはしばしば使われていたが-上記の私の作品の演奏はコンピュータで制御されていた-これ以後に徐々にテクノロジー音楽はコンピュータ音楽を意味する時代になってくる。1982年以降、私の多くの作品は、全面的あるいは部分的なコンピュータ・アシステッド音楽で、音素材がコンピュータによって計算されていろ。もっと積極的にコンピュータに依存した作品は、私の3番目(それ以後はまだない)のテープ音楽《Constellation》(1984)で、これはクセナキスのUPICシステムによっていろ。その後は、国立音楽大学の今井慎太郎氏の全面的なアシストを得て、ピアノとコンピュータのための作品《Cores》を作曲している(1997)。
著者
安部武宏 佐古淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-6, 2014-08-18

本稿では,事前に登録した打音の励起をリアルタイムで検出する技術について述べる.ゲームのインターフェースの入力として打音を利用することは,従来のボタンなどの物理的な装置を介した入力よりも直感的であり,音声マイクが低コストかつ手軽に使用できるという点においても有用である.ユーザにストレスを感じさせないための課題として,リアルタイム性,安定した認識率,豊富な登録数,雑音への対処がある.これら課題に対するアプローチとして,打音検出を前提とする処埋過程を導入した拡張NMF(Non-negative Matrix Factorization)を用いる.タブレットデバイス上でリアルタイムで動作できる実験条件にて試行した評価実験では,課題の中で最も重要だと思われる認識率に着目して評価した.最後に,評価の結果を踏まえて本手法のゲームでの実用性について述べる.
著者
田村 仁 古原 和邦 今井 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.494-504, 2007-02-15
参考文献数
11
被引用文献数
1

アドホックネットワークに代表されるような動的なネットワーク上で何らかの双方向通信を行う際,送信時に利用した経路を返信時では利用できないケースは当然考慮されるべきであるが,とりわけ,返信時にその返信先を知ることができない匿名通信においては,これはそう単純な問題ではない.特に医療相談など,返信までのタイムラグが大きいアプリケーションほどそのような問題に陥る可能性は高い.しかしながら,こうした点について従来の匿名通信方式では十分に考慮されているとはいい難い.そこで本論文では,主な既存方式の特徴や問題点とその原因を整理したうえで,新たに高いデータ可用性を有した方式を提案する.また,これら提案方式を含め種々の組合せについて匿名性,データの可用性,および操作のコストという観点からの比較検証を行った.その結果,従来の代表的な双方向匿名通信方式であるオニオンルーティングを用いる場合に比べても総合的に性能が優った方式の組合せを示すことに成功した.
著者
安福 尚文 佐賀 聡人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.94, pp.25-30, 1998-10-15
被引用文献数
1

人間は描画動作によって,3次元構造物の形状,大きさ,位置,姿勢などを一度に相当程度まで表現することができる.このような自然な表現法を3次元CADのヒューマンインタフェースとして活用できれば,より直感的かつ効率的な形状入力の実現が期待できる.本報告では,このような考えから,3次元プリミティブ曲線の空間描画動作同定に基づく立体プリミティブ入力インタフェースのアイディナを提巣する.また,その中核技術として必須となる3次元手書き曲線同定法「FSCI-3D」を提案する.更に,没入型仮想環境を用いて,実際に3次元プリミティブ曲線入力インタフェースを試作し,その基本動作を確認する.Man can express 3-D object's shape, volume, position and orientation all at once using gestures. It is expected that utilization of this natural expression in a human interface of 3-D CAD brings a realization of intutive and efficient input of 3-D objects. In this paper, we propose an idea of 3-D object input interface on the basis of a spatial gesture identification of 3-D primitive curves. We also propose a 3-D freehand drawing identification technique named FSCI-3D that is the core technology of the proposed interface, and actualize a 3-D primitive curve input interface using immersive virtual environment to demonstrate its basic operations.
著者
岡本 栄司 中村 勝洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.1498-1504, 1991-11-15

暗号システムにおいて 暗号化鍵はシステム全体の安全性の要であり 暗号化鍵の保護には十分な注意が必要である長い間同一の鍵を使用していると 悪意の第三者に知られる可能性が高くなるこのため 暗号化鍵は時々変える必要がでてくるそこで データを暗号化する鍵(ワーク鍵)を随時変更し 別の上位の鍵(鍵暗号化鍵)で暗号化して相手に送る方法が用いられているさらにこの鍵暗号化鍵を多段階層にすることもあるしかしながら これらの暗号化鍵 特に最上位の鍵(マスタ鍵)の変更をどの程度に行うべきかに関する「鍵の変更周期」あるいは「鍵の寿命」については まだ議論が少ないこれでは 実際に暗号システムを導入する際 運用上不安が残るそこで 本論文ではアメリカ標準暗号DESを想定して 暗号化鍵(ワーク鍵 マスタ鍵)の変更周期を調べた解読方法には 例として最も単純な全鍵探索法(Exhaustive Key Search)を用いたこの結果 マスタ鍵は毎年 ワーク鍵はメッセージごとあるいはセッションごとに変更したほうが良いことがわかったなお 本論文で示した考えは 暗号アルゴリズムと解読法を変えても基本的に適用できるものであるまた本結果は 最も単純な解読法を仮定しているため 一般に守るべき最低基準を示していると考えられる
著者
桶谷 猪久夫 Delmer Brown 藤本 雅彦 大久保祐子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.107, pp.33-40, 2003-10-24
被引用文献数
1

歴史史料を対象に、その文書構造や歴史的記述方法に着目し設計された英日全文連携検索システムを開発し、インターネット上に公開することにより、歴史学研究を援用し、さらに、国際的なコラボレーションを促進する。直接対象とする文献は、日本の記紀である「古事記」、「日本書紀」や「続日本紀」、神祗関係の法令である「延喜式」、特定の地方誌的文書である「出雲国風土記」、日本初の解釈歴史書である「愚管抄」等であり、さらに、日本古典文献25巻のディジタル化を目標にしている。本システムの開発と研究の目的は、英語を話す研究者や学生の日本史・国文学の研究に貢献することであり、また、日本の研究者との共同研究を促進することで研究の相乗的な効果を追求することである。そのためWeb上で英語と日本語(または、両言語)を利用した文献内検索と文献間連携検索機能と閲覧機能を実現した。また、外字属性データベースを作成し、それを利用した歴史史料検索システムでの外字検索機能(入力法含む)、外字表示・転送機能を開発・実現した。This project develops the interactive retrieval system English and Japanese texts designed with a focus on language structures and historically descriptive methods. Furthermore, it promotes international collaboration by making these interactive retrieval system available to the public through the Internet, and by giving assistance to historical research. The literature we are dealing with is as follows: 1) Japanese ancient chronologies such as Kojiki, Nihon Shoki, and Shoku Nihongi, 2) Engishiki, a collection of laws and regulations on shrines, 3) Izumo Fudoki, a local document of a certain area, 4) Gukansho, the first interpretive history text in Japan, 5) Manyoshu, an anthology, and so on. Our goal is to digitize twenty-five volumes of Japanese classic literature. The goals of the development of this system and this research are two-fold: 1) to contribute to the research of Japanese history and literature conducted by English-speaking researchers and students, and 2) to pursue the synergistic effect of research by promoting collaboration between the English-speaking researchers and Japanese researchers. With these goals, we constructed 1) a search program within texts using English and/or Japanese, 2) functions connecting and displaying different texts on the website. We also created 3) an attribute database of gaiji (non-standard kanji characters), and 4) a search function for gaiji (including input methods) for historical materials using the former database, and developed 5) functions to display and forward gaiji on the Internet.
著者
澤田 伸一 坂東 宏和 馬場 康宏 小野 和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. コンピュータと教育研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.123, pp.9-16, 2003-12-15
参考文献数
6
被引用文献数
3

近年,小中学校でパソコンを使った授業が行われ始めており,幼稚園でも創造性を豊かにする道具として,パソコンは注目され始めている.しかし,現在のパソコンはキーボードとマウスで操作するため,文字を習う前の幼児のパソコン操作は困難である.我々はパソコンの操作をペン入力デバイスで行うことを考え,幼児が簡単に楽しく遊べるソフトウェアの試作を行った.ペン入力デバイスとして,画面の表面にタッチパネルを張った大型のプラズマディスプレイとタブレットPCを用意し,試作したソフトウェアを評価した.そのとき,同じソフトウェアでも,プラズマディスプレイの環境とタブレットPCの環境で操作に違いが見られた.本論文では試作したソフトウェアの試用から得られた見地のうち,主にひっぱる操作(ドラッグ)とつっつく操作(タップ)に注目し,それぞれの環境で幼児が多用する操作を調査し,その操作と発達段階やハードウェア環境との関係について考察する.
著者
Yoshihiro Oyama Yudai Kawasaki Kazushi Takahashi
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, 2015-03-15

Many dynamic malware analysis systems based on hypervisors have been proposed. Although they support malware analysis effectively, many of them have a shortcoming that permits the malware to easily recognize the virtualized hardware and change its execution to prevent analysis. We contend that this drawback can be mitigated using a hypervisor that virtualizes the minimum number of hardware accesses. This paper proposes a hypervisor-based mechanism that can function as a building block for dynamic malware analysis systems. The mechanism provides the facility for checkpointing and restoring a guest OS. It is designed for a parapass-through hypervisor, that is, a hypervisor that runs directly on the hardware and does not execute a host OS or an administrative guest OS. The advantage of using a parapass-through hypervisor is that it provides a virtual machine whose hardware configuration and behavior is similar to the underlying physical machine, and hence, it can be stealthier than other hypervisors. We extend the parapass-through hypervisor BitVisor with the proposed mechanism, and demonstrate that the resulting system can successfully checkpoint and restore the states of Linux and Windows OSes. We confirm that hypervisor detectors running on the system cannot identify the virtualized hardware, and determine that they are executing on a physical machine. We also confirm that the system imposes minimal overhead on the execution times of the benchmark programs.------------------------------This is a preprint of an article intended for publication Journal ofInformation Processing(JIP). This preprint should not be cited. Thisarticle should be cited as: Journal of Information Processing Vol.23(2015) No.2 (online)DOI http://dx.doi.org/10.2197/ipsjjip.23.132------------------------------Many dynamic malware analysis systems based on hypervisors have been proposed. Although they support malware analysis effectively, many of them have a shortcoming that permits the malware to easily recognize the virtualized hardware and change its execution to prevent analysis. We contend that this drawback can be mitigated using a hypervisor that virtualizes the minimum number of hardware accesses. This paper proposes a hypervisor-based mechanism that can function as a building block for dynamic malware analysis systems. The mechanism provides the facility for checkpointing and restoring a guest OS. It is designed for a parapass-through hypervisor, that is, a hypervisor that runs directly on the hardware and does not execute a host OS or an administrative guest OS. The advantage of using a parapass-through hypervisor is that it provides a virtual machine whose hardware configuration and behavior is similar to the underlying physical machine, and hence, it can be stealthier than other hypervisors. We extend the parapass-through hypervisor BitVisor with the proposed mechanism, and demonstrate that the resulting system can successfully checkpoint and restore the states of Linux and Windows OSes. We confirm that hypervisor detectors running on the system cannot identify the virtualized hardware, and determine that they are executing on a physical machine. We also confirm that the system imposes minimal overhead on the execution times of the benchmark programs.------------------------------This is a preprint of an article intended for publication Journal ofInformation Processing(JIP). This preprint should not be cited. Thisarticle should be cited as: Journal of Information Processing Vol.23(2015) No.2 (online)DOI http://dx.doi.org/10.2197/ipsjjip.23.132------------------------------
著者
宇野 美由紀 河野 智治 加納 幹雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.6, pp.31-38, 2008-01-23

平面格子上にある赤点の集合と青点の集合の分割について述べる.最初の定理は,ハム・サンドイッチの定理と類似する次の結果である.平面格子上にある2n個の赤点と2m個の青点に対して,これらを同時に2等分割する準直交分割が存在する.格子上の点集合において,各格子線上に高々1点しかその点がないとき,この点集合は一般の位置にあるという.また,各格子線との共通部分がひとつの直線分かまたは空集合となる連結領域を格子凸領域という.次に,一般の位置にある赤点集合と青点集合は凸領域によって3等分割できることも示す.つまり,平面格子上の一般の位置にある3n個の赤点と3m個の青点は,平面を3個の格子凸領域に分割して,各領域には赤点n個と青点m個が存在するようにできる.We consider balanced subdivision of red points and blue points in the plane lattice. We first show that if 2n red points and 2m blue points are given in the plane lattice, then there exists a semi-rectangular that bisects both red points and blue points. A set S of points in the plance lattices is said to be in general position if every lattice line contains at most one point of S. For a connected region of the lattice, if the intersection of every lattice line and the region is empty or consists of one line segment, then the region is called a lattice convex set. We next show that if 3n red points and 3m blue points are given in the plane lattice in general position, then the plance can be patitioned into three lattice convex regions so that each region contains exactly m red points and n blue points.
著者
酒向慎司 才野 慶二郎 南角 吉彦 徳田 恵一 北村 正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.39-44, 2008-02-08
被引用文献数
2

声質や歌唱法など歌い手の特徴を歌声データと楽譜から自動学習し,それらを再現するような歌声合成システムについて述べる.本システムでは,歌い手の声質とピッチに関する特徴を確率モデルによる統一的な枠組みでモデル化している.特に,リズムやメロディといった音楽特有の表現要素が,音声信号のスペクトルや基本周波数パターンの変動に大きく関係していることから,楽譜から得られる音階や音長などを考慮したモデル化を行い,楽譜と歌詞を入力として,個人性を備えた歌声を合成するシステムを構築してきた.本手法の特徴は,このような歌声合成モデルを楽譜と歌声データから自動学習できることにある.本報告では,音楽固有のコンテキストの導入,実際の歌声データと楽譜の音符列の間のずれに着目した時間構造モデルについて検討する.実験では,童謡60曲の男性1名の歌声データを用いた歌声合成システムを構成し,ずれモデルの導入による自然性の向上が確認できた.We describe a trainable singing voice synthesis system, that can automatically learns the model parameters from singing voice waveform and musical scores by applying HMM-based speech synthesis technique. In this system, a sequence of spectrum and fundamental freqency (F0) are modeled simultaneously in a unified framework of HMM, and context dependent HMMs are constructed by taking account of contextual factors that affects singing voice. In addition, the distributions for spectral and F0 parameter are clustered independently by using a decision-tree based context clustering technique. Synthetic singing voice is generated from HMMs themselves by using parameter generation algorithm. We introduced an additional "time-lag" model to control start timing of each musical note. In the experiments, we confirmed that smooth and natural-sounding singing voice is synthesized. It is also maintains the characteristics and personality of the donor of the singing voice data for HMM training.
著者
村尾 忠廣 増井 誠生 長嶋 洋一 田中 能 三輪 眞弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.98, no.96, 1998-10-17

パフォーマンスアートとしてのコンピュータミュージックの意義をとらえる切り口として、「人」と「場」という概念をとりあげる。演奏者や聴衆といった立場を異にする人々が、その時かぎりの表現で「場」であるステージに集うことで、その「場」での演奏がいかに「アート」としての意味をもつことになるか、さらに、その一瞬に表現される「アート」に作曲者はいかに介在できるか?以上のような問題意識から、本研究会では、パフォーマンスを意識した音楽作品を手がけるアーティスト3名によるパネルディスカッションを行う。
著者
荻野 司 松田 和宏 須藤 一顕 針山 欣之 向阪 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DSM, [分散システム/インターネット運用技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.62, pp.7-12, 2000-07-10
参考文献数
8
被引用文献数
2

Webサーバの負荷を分散させるために、サーバクラスターを構成しアクセスを分散させる方法や、地理的、ネットワーク的に分散したミラーサーバを配置することが一般的に行われている。しかし、時々刻々変化するサーバ、ネットワーク状態に応じて、クライアントを最適なサーバに導くことは、種々の提案がなされているものの、決定的な解決方法が見いだされていない。本稿では、広域分散配置されたWebサーバ群において、動的に変化するサーバ、ネットワーク状態を計測する手段の提案を、また、その計測手段を用いて真に最適なサーバを検出する新たな方式の提案を、さらに、アクセスクライアントを検出した最適なサーバに導くための最適サーバ探索システムの提案をする。本方式では、経路情報(BGP:Border Gateway Protocol)のAS path(Autonomous System)をネットワークの論理的な距離計測手段判断子として用いる。また、各種サーバ、ネットワーク情報計測ツールを用いた結果と併せて、最適なWebサーバを決定するものである。本稿では、日米各々に実証実験用Webサーバサイトを構築、実際のインターネット上においてプロトタイプシステムをインプリメント、性能評価を実施した結果についても併せて報告する。
著者
児玉 公信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1176-1179, 2013-10-15

情報システム教育コンテストISECON2012において,応募作品「システム思考入門」が審査員特別賞を受賞した.この授業は,ISECON2008にも応募して優秀賞を得たが,審査で多くのアドバイスをもらった.その後5年間でさまざまな改良を施して,再度コンテストに応募した.主な改善点は,システム思考のバリエーションを3つ(ソフトシステム方法論,因果ループ図,「もの・こと」分析)に絞って討議の時間を増やした点,グループ討議のテーマを自分自身の問題に引きつけること,こうした活動をアクションリサーチとしてとらえ直す等である.この記事がシステム思考教育の発展につながることを期待する.
著者
上里和也 奥谷貴志 浅井洋樹 奥野峻弥 田中正浩 山名早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.21, pp.1-8, 2013-11-19

Twitter のユーザ数が増加を続ける一方で,不正に ID 及びパスワードを入手され,他人によってツイートを投稿される被害が増加している.これに対し,我々はアカウント乗っ取りによって投稿されるメッセージの一部であるスパムツイートの検出手法を提案し,8 割程度の正答率を得ている.同手法では特定の単語が含まれているスパムツイートを検出対象とし,検出の有効性を示している.本研究では同検出対象を広げ,アカウントの所持者以外が投稿したツイート全体を 「乗っ取りツイート」 として定義し,これを検出する手法を提案する.また本研究では,以前提案した手法に対してパラメータの再調整を行うと同時に,頻繁に用いるハッシュタグの種類及びリプライを送る相手が各アカウントにおいて特徴的であることを利用し,F 値の向上を図った.100 アカウントに対して評価実験を行った結果,我々が提案している従来手法と比較し,F 値を 0.1984 向上させ F 値 0.8570 を達成した.
著者
松本 勉 大石 和臣 高橋 芳夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.799-809, 2008-07-15
被引用文献数
2

通常はコピーできないビデオをコピーするようにプレイヤを改造することを困難にする,ICカード電子マネーを打出の小槌に変えさせないようにするといった耐タンパー技術は,システム実装に絡むセキュリティ技術であり,その内容が非公表であることが多く実態を掴みづらい.しかし,よりセキュアなシステムの構築を目指す立場からは耐タンパー技術に関して体系的な視点を持つことが重要である.本稿ではパソコン用のセキュリティチップTPMや組込みシステムに対して公表された最近の攻撃事例や研究成果を手掛かりとして,耐タンパー技術の現状と課題を探る.
著者
網谷 重紀 堀 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.89-102, 2005-01-15
被引用文献数
6

本研究では知識創造過程を支援するための方法「知識の液状化と結晶化(Knowledge Liquidization & Crystallization)および,知識創造過程を支援するためのシステム「Knowledge Nebula Crystallizer(KNC)」を提案・構築し,ユーザスタディを通して評価を行った.従来知識創造に関していくつかの理論が提唱され,それらは多くの企業の知識管理に対する考え方に影響を与えてその重要性が理解されるに至ったが,現実にはその理論を具体的に実務に適用する方法が提示されておらず,実際に知識創造のためには何をすればよいのかが分からないという問題が生じている.そこで本研究では,知の共有から協創への実際的な道筋を示すべく,実際に広告会社との共同研究を通してイベント設計過程を題材として知識創造過程の支援という問題に取り組んだ.本稿では提案・構築した方法とシステムおよびユーザスタディの分析結果を述べる.The aim of this research is to develop a method and a system to apply the theories for knowledge creation to human practices. Though a number of theoretical and practical studies on knowledge creation have been conducted both by researchers and by business-practitioners, practical methods for knowledge creation, i.e., for connecting the theoretical frameworks with the real world knowledge creation are still required. In this paper, the developed method named "Knowledge Liquidization & Crystallization", and a system named "Knowledge Nebula Crystallizer (KNC)" are described. They were applied to the actual exhibition design processes as an exemplar of knowledge creation, in co-operation with a Japanese advertising company. The effectiveness of the method and system has been examined through user studies and discussions with the professional designers.