著者
笹野 博 神谷 智仁 高田 哲郎 丸山 直久 渋谷 崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.241, pp.19-22, 2000-07-21
被引用文献数
2

符号化率1/3の非組織畳込み符号について拘束長が13から18の最良符号を約40台の計算機を用いた探索により求めた。符号化率1/2, 拘束長26の符号についても同様の探索を行い、部分探索における最良符号を求めた。
著者
土屋 達弘 菊野 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.10, pp.2663-2674, 2007-10-01
被引用文献数
3 2

本論文は,ペアワイズテストと呼ばれるソフトウェアテスト手法に関するサーベイである.ペアワイズテストとは,ソフトウェアの入力パラメータの相互作用に注目し,フォールトを効率良く顕在化する手法である.具体的には,入力パラメータのペアのすべてに対して,それらがとり得る値の組合せすべてを網羅するようにテストを行う.ここでは,ペアワイズテストの定義と,この手法の背後にある根拠について述べた後,ペアワイズテストの条件を満たすテスト集合の構成問題について論じる.更に,ペアワイズテストの有効性について,知られている研究成果を紹介する.
著者
土屋 達弘 菊野 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.8, 2008-08-01

本論文誌2007年10月号掲載のペアワイズテストに関するサーベイ論文において,ペアワイズテストの起源を米国の研究とする,事実と異なる記述があった.本論文では,ペアワイズテストの発明が日本において(少なくとも同時期に独立して)なされたことを,初期の関連文献とともに説明する.
著者
奥下 竜太郎 吉村 奈津江 神原 裕行 辛 徳 ベルカセム アブデルカデル ナサルディン 小池 康晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.326, pp.1-6, 2014-11-14

脳活動を用いてこれまで手首などの動作や運動イメージを識別した報告がされてきたが,手指などの末端の動きや力の強弱において脳波(EEG)を用いて識別した報告はされていなかった.本研究では,EEGを用いて皮質信号源電流推定を行い手指の屈曲,伸展および力の強,弱において,高い精度で識別出来る事を確認した.皮質信号源電流は脳波(EEG)と核磁気共鳴画像法(MRI)の脳データを用いて,階層的変分ベイズ法(VBMEG)により推定された一次運動野,前運動野,補足運動野の波形とした.また動作と共に神経細胞の発火頻度が変化することから,波形の周波数スペクトルを用いて識別することで高い識別率が得られる事を確認した.
著者
野口 賢一 阪内 澄宇 古家 賢一 羽田 陽一 片岡 章俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.403, pp.31-36, 2005-11-10
被引用文献数
6

通信会議において, マイクロホンに触れたり, その近傍で発生する衝撃音や紙めくり資料をめくる音は, 相手側で非常に大きな音として再生され問題となる.本稿では, 通信会議で発生するこれら突発性雑音を1チャネル入力から抑圧する方式を検討した.提案方式では, 入力信号の線形予測残差信号を用いて, 突発性雑音の存在を判別する.突発性雑音が存在する区間では, 耳障りとなる高域の雑音成分を大きく抑圧するサブバンドリミッタと, 処理による音声劣化を抑えた低域に対する音声の調波構造強調を組合せて, 突発性雑音抑圧を行う.実験の結果, 突発性雑音重畳音声に対して, 騒音レベルを3.6dB改善できることがわかった.また, 主観評価実験から, 提案方式により突発性雑音が重畳した信号の音質を改善できることがわかった.
著者
鈴木 政伸 ケビン ジュッド 合原 一幸 小谷 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1177-1184, 1993-08-25
被引用文献数
14

本論文では,動径基底関数(Radial Basis Function:RBF)ネットワークによるRBI(Radial BasisInterpolation)法を用いて非線形写像を近似する問題を考察する.はじめに近似誤差のみを評価関数とした従来のstandard-RBI法を改良するために,近似誤差に新たに関数の滑らかさの項を加えた評価関数を用いるsmoothing-RBI法を提案する.次にカオスダイナミクスを有するロジスティック写像を例にして,smoothing-RBI法による非線形写像の近似および決定論的カオス時系列データの予測を行い,smooting-RBI法がstandard-RBI法と比較して優れていることを示す.
著者
吉村 ミツ 吉村 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1764-1773, 1997-07-25
被引用文献数
12

本論文は旅行小切手上に書かれた日本人の署名を自動的に照合するシステムについて述べている. 日本人の名前は, 通常3個ないし5個の漢字, 平仮名, 片仮名からなっている. 署名をするとき日本人は, たいていの場合その名前を構成文字間に空白をおいで書く. この空白を利用すると署名は各構成文字に分離できる. 本論文の筆者らはこれに着眼した署名照合システムを作り, その性能を実験を通して吟味し, 次の結果を得ている. 1.上段に書かれた1個の純正署名のみを参照して下段に書かれた署名を照合する場合には, 誤照合率を40%以下にすることができない. 2.純正署名を5個参照できる場合には, 誤照合率を16%程度に小さくすることができる. 3.署名を各構成文字に分離して照合を行うと, 分離しない場合に比べて誤照合率を7%程度小さくすることができる. 4.誤照合率は個人によって大きく異なり, 純正署名を5個参照できる場合, いつも安定していて他人にまねされにくい署名では誤照合率が0%になるが, 不安定な書き方の署名では誤照合率が30%以上にもなる. 本論文は, 以上の実験結果から, 旅行小切手で署名照合を有効に行うには, 純正署名を複数個利用できるようにすることが望ましいと結論づけている.
著者
森野 博章 清水 悦郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ASN, 知的環境とセンサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.166, pp.189-194, 2014-07-23

本稿では,企業・大学・国立研究機関と金融機関が連携して従来よりも安価な深海探査機を開発し魚類の3D撮影を行うことを目標として活動している「江戸っ子1号プロジェクト」を紹介する.探査機は耐圧容器にガラス球を用いたユニット構成で,海底への沈降・浮上にワイヤを用いないフリーフォール型の原理で動作することに特徴があり,2013年11月に水深7800m地点での3D魚類撮影を行った.本稿では,要素技術として耐圧ガラス球,撮影・照明制御,ゴムを用いた海中無線通信,海面浮上後に母船に位置情報を伝える通信システムの各々の構成を述べると共に,より多様な用途に向けた今後の開発の方向性を展望する.
著者
前田 強 松島 寿冶 岡本 英司 奥村 冶 飯野 聖一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.95, no.526, pp.119-124, 1996-02-21
被引用文献数
1

カラーフィルタを備えた液晶パネルをMIM(Metal-Insulator-Metal)アクティブマトリクス方式で駆動することを前提に、高画質で表示色数の多い反射型カラー液晶ディスプレイを開発した。本報告では、液晶モード、下側ガラス基板による視差の影響、カラーフィルタ特性、カラーフィルタ配置、反射板特性等について検討した結果を述べる。
著者
河野 裕介 平 勁松 加藤 隆二 市川 勉 河野 宣之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1071-1078, 2001-06-01
被引用文献数
4

スピン安定型衛星に搭載された送受信アンテナの不均一な位相特性は, 衛星が自転することによって送受信位相に変化をもたらし, この位相変化はドップラー周波数に影響を与え, 真の距離変化率の測定に誤差を与える.またアンテナ位相中心の平均的な位置は必ずしも衛星のスピン軸に一致しておらず, 位相中心の平均的な位置とスピン軸の不一致もドップラー計測に影響を与えることが知られている.そこで, 鹿児島宇宙センタにおいてインテグレーテッドドップラー計測方式で得られたスピン安定型衛星'のぞみ'のドップラー周波数データを解析し, スピンの影響と考えられるドップラー周波数の変動を検出した.そして, それらの影響が除去できる条件と, その除去方法を提案し, 実際に'のぞみ'の観測データからそれらの影響をほとんど除去できることを示す.またこのような条件を満たすためには, 衛星軌道投入時のスピン周波数に制限があることがわかった.
著者
川瀬 徹也 鶴之園 秀志 江原 直樹 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.532-541, 1998-05-25
被引用文献数
4

従来, フェーズアレーアンテナを用いた目標追随において, α-βフィルタが使用されている.α-βフィルタは演算負荷は軽いが, 目標の急旋回時における追随精度に問題があった.急旋回に対応する方式としては, 円予測を併用したα-βフィルタが提案されている.しかし, 円予測を併用したα-βフィルタは目標の急旋回時に, 円予測フィルタが線形予測誤差増大の影響を受け, 追随精度が劣化してしまう問題があった.本研究では追随精度の向上のため, マニューバ検出器によりゲインを変化させる円予測を併用したゲイン可変型α-βフィルタを提案する.簡単な目標モデルを用いた計算機シミュレーションにより, 追随精度および演算時間について提案方式の有効性を示す.
著者
石川 理恵 千田 栄幸 水木 敬明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.319, pp.13-18, 2014-11-14

n人のプレーヤーがいて,プレゼント交換を行いたい場面を考える.すなわち,不動点(fixed point)を持たない置換をランダムに生成したい.裏面が同一の模様である4色のカードを用いると,そのようなランダム置換を秘匿したままで生成できるとともに,置換しのものを明らかにすることなく,不動点を持たないことの証明が可能であることが知られている.本研究では,この問題の解法の効率化に取り組む.すなわち,既存の手法ではn^2に比例した枚数のカードが必要であるが,本研究ではnlognに比例した枚数のカードで十分であり,色も2色で十分であることを示す.
著者
横山 重俊 松本 敦嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SC, サービスコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.50, pp.5-9, 2014-05-16

コンテナ技術を活用したDistributed Cloudアーキテクチャを提案する.Distributed Cloudを実現する上の課題の一つは,分散したリソースの上にどう効率的にソフトウェアを配備するか,と言うことである.筆者らのソリューションは,既存のクラウド基盤を使ってその上にリソースを配置し,その上にコンテナ基盤を構築し,それら分散したコンテナ基盤群をL2トンネルで接続することで,分散アプリケーションが効率的に配備できるVirtual Cloud Providerを実現する方式である.本論文では,提案するアーキテクチャについて述べ,そのアーキテクチャに沿ったプロトタイプについて紹介する.
著者
南 康夫 與儀 剛史 酒井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.345, pp.1-4, 2005-10-13

光ビート分光Brillouin散乱法を用いて熱フォノン共鳴を観察することで固体(溶融石英)及び気体(窒素ガス)の音速を測定した.従来の光ビート分光Brillouin散乱法を用いて超音波吸収係数の小さいサンプルの1〜100MHz域でのBrillouin散乱スペクトルを測定すると, スペクトルの半値半幅は吸収係数により算出される値に比して大きなものとなる.これは光とフォノンの相互作用時間がフォノンの減衰時間に比べて短いことが原因である.そこで熱フォノンを共鳴させ, 共鳴による鋭いスペクトルを測定することで, 周波数分解能が飛躍的に向上した.溶融石英については音速の測定精度が3桁程度向上し, 0.0014%の精度で測定できた.
著者
田口 亮 棟安 実治 雛元 孝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1817-1825, 1996-11-25
被引用文献数
2

画像信号等の突発的な変化を含む非定常信号が加法雑音によって劣化している場合,その復元には非線形フィルタが有力である.本論文では,階層型ニューラルネットワークを用いて,混合雑音(ガウス性雑音とインパルス雑音の混在雑音)が重畳された画像の復元を目的とする新しい非線形フィルタの一手法を提案する.まず,メジアンフィルタと線形(平均値)フィルタを組み合わせたプロトタイプフィルタを提案する.次に,プロトタイプフィルタがネットワーク構造を用いて表現することが可能であることを示し,そのネットワーク表現を階層型ニューラルネットワークと解釈することにより,メジアンニューラルネットハイブリッドフィルタ(MNNH)へと拡張する.MNNHフィルタは誤差逆伝搬アルゴリズムにより学習可能である.プロトタイプフィルタにおいても混合雑音除去性能は高いが,MNNHフィルタでは,処理対象信号(原画像,加法雑音)の情報が得られた場合,その情報を反映させ,フィルタ性能を更に向上させることができる.最後に,種々の適用例を通じて,MNNHフィルタの有効性を示す.
著者
木口 浩之 渡部 広一 河岡 司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.456, pp.59-62, 2009-02-23

本研究では,USBカメラや測域センサからの検出情報により視覚障がい者の歩行支援を目的としている.USBカメラや測域センサが取り付けられたキャリーケースを歩行の際に押してもらい,歩行可能領域や段差・障害物等の情報を視覚障がい者にスピーカーの音で報せるというシステムである.歩行可能領域かどうかの判別には,カメラからの入力画像に対してクラスタリングという画像認識を行い,段差や障害物等の認識には測域センサからの検出情報を用いて実現する.
著者
Hirosuke Miki Morgan 藤田 玄 尾上 孝雄 白川 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.1352-1361, 1998-10-25
被引用文献数
3

本論文では低ビットレート画像符号化アルゴリズムH.263用コーデックコアのVLSI化設計について述べる.特に携帯端末での利用を目的として設計された本コアは, コーデックの各処理過程を特定のASICアーキテクチャによって実現する.すなわち, 各演算回路は, 高い符号化効率を達成する符号化オプションをとり入れ, しかも小面積かつ低動力周波数を徹底的に追求する新しいアーキテクチャにより実装した.本コアをトップダウンASIC設計システムCOMPASS Design Tools ver.9を用いてVLSI化設計した結果, 0.35μmCMOS4層メタルテクノロジで4.94mm^2, 15MHz動作時の消費電力は84.18mW(電源電圧3.3V)となった.
著者
多和田 敬介 満倉 靖恵 浜田 望
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.457, pp.21-24, 2012-02-23

ブレインコンピュータインターフェース(brain-computer interface: BCI)は,脳からの信号により操作する装置である.BCIにより,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)や頸椎損傷により運動機能を失った人々は,機器の操作や周囲の人とのコミュニケーションが可能となる.単一試行脳波を用いたP300スペラーは,文字を高速に入力するBCIである.しかしながら,単一試行脳波を用いたP300スペラーは文字の判別精度が低いため,精度向上が課題である.本研究では,独立成分分析を用いたP300の検出および変数減少法による電極位置決定を行なうことにより,単一試行脳波を用いたP300スペラーの精度向上を目指す.