著者
二文字 俊哉 嵯峨 孝 伊藤 伸一 佐藤 孝 大河 正志 丸山 武男 榛葉 實
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.65, pp.31-36, 2001-05-11

半導体レーザの発振周波数安定化を行う場合、発振スペクトル幅は広がるが半導体レーザの注入電流に直後微小変調を加える方法が一般に用いられてきた。しかし、わずかな発振幅の広がりも応用分野によっては取り除く必要がある。そこで、我々はRb吸収線のファラデー効果を用いて基準周波数に微小変調を加えることで、レーザの発振スペクトル幅を広げることなく安定化する方法を検討してきた。今回は、その微小変調の大きさと発振周波数の安定度の関係を調べ、我々が考案した"PEAK方式"へ応用することを検討したので報告する。
著者
林 宏暁 牧野 茂樹 北谷 健 塩田 貴支 篠田 和典 田中 滋久 青木 雅博 笹田 紀子 直江 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.245, pp.187-190, 2009-10-15

高速,低チャープ,小型,低消費電力といった特長を有する電界吸収型光変調器と分布帰還形レーザをモノリシック集積したEA/DFBレーザは,次世代高速通信用光源として有望である.ペルチェ素子による温度調整を必要としない,いわゆるアンクールド動作が実現できれば,さらなる低消費電力化が可能である.我々はこれまでにEA/DFBレーザを作製し,0〜85℃の広い温度範囲において1.55μm帯10Gbps 40km,80km伝送を実現してきた.本研究では1.3μm帯アンクールドEA/DFBレーザを開発し,Al系材料を変調器部に適用しバットジョイント法を用いた集積技術および低容量化技術により,広い温度範囲における43Gbps 10km単一モードファイバ伝送を世界で初めて達成したので報告する.
著者
松永 泰義 山森 一人 阿部 亨 堀口 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.674, pp.111-116, 2000-03-09

マルチメディア通信は大きな帯域幅を必要とするため, 限られた帯域を効率よく利用するための帯域制御方式の研究が現在盛んに行われている.我々は, WFQ(Weighted Fair Queuing)法に帯域要求量の最大値と最小値を用いたWFQMM(WFQ with the Maximum and Minimum bandwidth)法による公平な帯域割り当て法を提案した.本稿では, 待ち行列のM / M / sモデルを用いたシミュレーションを行い, WFQMM法の性能について議論した.その結果, 帯域制御を行わない場合に比べて安定した満足度が得られ, 帯域予約開始までの待ち時間を削減できた.また, 詳細なパケット通信シミュレーションにより, WFQMM法を用いて予約を行ったストリームは, 帯域制御を行わずに帯域予約を行った場合に比較してパケットの遅延を小さくすることができた.
著者
渡辺 貴史 村島 定行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.114-122, 1996-03-25
被引用文献数
19

ボロノイ図は勢力範囲図とも言うべきもので情報処理のさまざまの分野で重要な役割を果たしている. ボロノイ図を描く方法は母点間の垂直二等分線を描くのが一般的である. この方法では母点数をNとしてO(N)の計算時間がかかる. ここでは計算機画面上で多数の点を配置し, それぞれの点のボロノイ領域を色分けするアルゴリズムを提案する. この方法は与えられた母点に互いに異なる色を割り当てた後, その母点から近い画素順にどの母点の勢力範囲であるかを示す色を置いていくことで実現する. 既に色が置いてある場合はパスする. すべての画素にどの母点の勢力範囲であるかを示す色を置き終わるとボロノイ図が出来上がる. このアルゴリズムは整数演算に基づいているので丸め誤差などは影響しない. またボロノイ図の作成時間は母点の数に依存しない. 母点数2から4000の範囲で調べた結果, ほぼ一定の30秒であった. 距離を計算して, 最近接の母点を決定するS.K.Parui等の方法と比較すると, 母点数が10を超えると, ここで提案の方法が速くなることがわかった.
著者
松永 泰義 山森 一人 阿部 享 堀口 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.676, pp.111-116, 2000-03-09

マルチメディア通信は大きな帯域幅を必要とするため, 限られた帯域を効率よく利用するための帯域制御方式の研究が現在盛んに行われている.我々は, WFQ(Weighted Fair Queuing)法に帯域要求量の最大値と最小値を用いたWFQMM(WFQ with the Maximum and Minimum bandwidth)法による公平な帯域割り当て法を提案した.本稿では、待ち行列のM / M / sモデルを用いたシミュレーションを行い, WFQMM法の性能について議論した.その結果, 帯域制御を行わない場合に比べて安定した満足度が得られ, 帯域予約開始までの待ち時間を削減できた.また, 詳細なパケット通信シミュレーションにより, WFQMM法を用いて予約を行ったストリームは, 帯域制御を行わずに帯域予約を行った場合に比較してパケットの遅延を小さくすることができた.
著者
長尾 智晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.458, pp.17-24, 1997-12-18
被引用文献数
2

本稿では, 画像中の2次元図形・3次元物体の位置・大きさ・回転角度などを決定する処理である図形・物体のポジショニング処理について概説している. 本処理に対して従来から提案されているいくつかの手法について述べた後, 本処理には最適化手法が有効であることについて述べ, 遺伝的アルゴリズムを用いた手法を提案している. そして, 遺伝的アルゴリズムを用いた図形・物体のポジショニングの事例として, モデルを用いた2次元図形と3次元物体のポジショニング, 人物の顔領域抽出, 画像中の左右対称領域の抽出について, それらの適用方法と実験例を示すことによって遺伝的アルゴリズムを用いる手法の有効性を示している.
著者
武田 浩二 涌井 文雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-09-05

コンピュータグラフィックスなどでのべクタプロセッサーとラスタプロセッサーの稼動効率を高めるには,ベクタ,ラスタ変換器の高速化が重要である.このため直線描画については,実数演算で線分を描画するDDA方式に加えて,整数演算のみで高速処理できるBresenham方式などが報告されている.ここでDDAは傾きを求めるための除算が必要になるのに対して,Bresenham方式は除算を乗算に置換する等演算の高速化が図られ,かつ量子化娯差のみで線分描画を可能としている.更に同方式の高速化を実現するには,繰り返し使用する加算段数の削減が重要な意味を持っている.本小文では以上の点を改善すべく浮動基数に基づく高速ディジタル直線描画アルゴリズムを提案し,本アルゴリズムの特徴を活かした構成法について検対したので報告する.
著者
五味 照義 武田 浩二 涌井 文雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

レーザプリンタ等Hardwareで直線描画の稼働効率を高めるには、ベクタ-ラスタ変換器(VRC:Vector Raster Converter)の高速化が重要である。そのためデジタル直線描画については、整数演算で高速処理を可能としたBresenham方式などが報告されている。更に同方式の高速化を実現するには、繰り返し使用する加算段数の削減が重要な意味を持っている。ここで筆者らは、加算段数の削減に有効な新しい浮動基数型デジタル直線描画アルゴリズムを報告してきた。本小文では、浮動基数型高速デジタル直線描画アルゴリズムに基づいたHardwareを、加算時に桁上げの連鎖を生じない2進SDFA(2-SDFA)を用いて高速型のVRCを構成し、これを評価する。
著者
古川 直広 今泉 敦博 藤尾 正和 酒匂 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.421, pp.85-92, 2001-11-08
被引用文献数
8

振込帳票などの項目内容を読取る場合、帳票種毎に項目位置が異なるため、入力イメージの帳票種を識別する必要がある。用紙サイズや罫線特徴を利用する従来方式では、それら特徴が類似した場合、帳票識別精度が低下する問題があった。そのため本報告では帳票種を特徴付ける文字列の組合せ(星座)を利用することによって帳票を識別する方式を提案する。166種653サンプルの評価実験から、正識別率97.1%、誤識別率0%、平均時間3.1秒となり本方式の有効性を検証した。
著者
川崎 亨 岩根 典之 松原 行宏 岡本 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.163, pp.39-44, 2009-07-24

VR技術を用いた体験型学習支援環境では,物理的,時間的要因から現実世界では体験が困難な事象でも容易に体験することができる.本研究では,より自然な体験ができる事を目的として,学習者が複数の感覚を通じてインタラクションが行えるように,身体動作に連動して観察対象への視点が変化する手法と,力覚を伴って対象を直感的に操作する手法を,組み合わせて一つのシステムの中で提供する.このインタラクション方法を用いて,星座の年周運動を題材とした体験型学習環境のプロトタイプシステムを設計したので報告する.
著者
胡 振程 内村 圭一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.490, pp.141-148, 1998-12-18
参考文献数
13

時系列道路情景画像による走行道路環境の奥行き推定は, 安定的な車線追跡, 先行車両との距離保持及び障害物の検出などにおける重要な研究課題となっている.従来のステレオ視覚などの方法では, 複数カメラを取りつけ際の相対位置の設定誤差やカメラの振動による計測精度の低下などの欠点が存在している.本研究では, 車載カメラのFOEを用いたカメラの運動パラメータの計測により走行道路環境の奥行きを推定する.理論的に, 3個だけの対応点対で線形的に解けるカメラの運動解析によって, より高速で正確な奥行き推定が可能となる.実際の道路情景画像を用いた実験により提案手法の有効性を検証する.
著者
橋本 遼 高田 善規 新熊 亮一 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.40, pp.81-86, 2010-05-13
被引用文献数
1

情報発信者が人々に情報を受信させるための手法として,人をノード,友人関係のつながりをリンクとしたソーシャルグラフを経路とするクチコミ情報伝播が注目されている.クチコミ情報伝播では,人に必要な情報や信頼できる情報が届きやすいことが報告されている.しかし,人の送信行動に関わる心理的負担(コスト)が問題となり,情報の伝播が止まったり,情報の広がりが遅くなることがある.この問題を解決するために,送信行動に伴うコストを補償するためのインセンティブ報酬付与が提案されている.本稿では,送信者に対して付与する報酬に条件を与え,受信者が情報に対して反応行動を起こしたときのみ報酬付与を行う方式を提案する.この方式は,支払う報酬の総和を増やすことなく,受信者の反応行動を促進させることができる.これを示すために行った社会実験について報告する.
著者
東 宏樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PE, 電子通信用電源技術
巻号頁・発行日
vol.95, no.461, pp.7-13, 1996-01-18

5V、10A出力のインターリーブフライバックコンバータの特性を調査し、低コスト電源に向いているかどうか検討をした。また2個のトランスのコアを一体化する事による動作に対する影響を調査した。インターリーブフライバックコンバータにする事で、従来のフラィバックコンバータより効率が向上する。2個のトランスの相互干渉を少なくするにはセンター・ギャップの方が良いという事がわかった。
著者
渡邉 一輝 林 海 山下 勝巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.572, pp.7-12, 2003-01-15

ディジタル通信において符号間干渉を除去する等化器の1つにRBF等化器がある.RBF等化器はニューラルネットの構造を模倣することにより精度の良い等化結果が得られるものの,センターや重みの決定に複雑な評価関数を解く,または多くの計算量を要するという欠点がある.本論文ではRSC(received signal constellation)がそれぞれ重複した値を持たないチャネルにおいて,等化器の特徴を用いたクラスターマップにより,簡単な整列アルゴリズムと教師なしLMSアルゴリズムから等化器を設計できるブラインド法を提案する.まず,チャネル同定なしにRBFセンターを決定するため,教師なし学習のクラスタリングアルゴリズムであるneural-gasアルゴリズムを用いる.更に等化器の次数,チャネルの次数を基にクラスターマップを作成し,そのマップの特徴からセンターを分類する.このセンターを分類することでRBF等化器における重みの初期値を決定できる.従って,この値を基に教師なしLMSアルゴリズムによって重みを調整することにより多くの計算量を要せずRBF等比器を設計できる.
著者
江井 友美 黒田 雄樹 小野 みどり 遠山 治 峯岸 孝行 深山 正幸 吉本 雅彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.476, pp.35-40, 2004-11-25

可変長符復号コード(VLC)テーブルに動的再構成可能なハードウェアを用い,H.264,MPEG-2,MPEG-4,等のマルチスタンダードに対応し,かつ,HDTV 30fr/sに対応した可変長符復号プロセッサコアを開発した.VLCテーブルを探索木と解釈し,4×5に配列した動的再構成可能なセル各に探索木のノードを割り付けることでテーブル機能を実現している.動的再構成可能なセルは,4つのコンフィグレーションレジスタを持ち,レジスタ選択の変更のみでテーブルの再構成を行う.さらに,一致確率の高いコードから優先的にテーブルを構成することにより,再構成の回数を最小限に抑え,動作の高速化を図り,MPEG-2 HDTVサイズ,30fr/sのデコードを109MHz,で実現した.
著者
愛甲 英寿 野村 建太 青木 健一 鎌倉 友男 酒井 新一 JOLY Vincent
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.470, pp.35-40, 2008-01-22
被引用文献数
3

オーディオ信号で振幅変調された有限振幅超音波の自己復調効果を利用したパラメトリックスピーカは,超指向性音響システムへの応用が有望である.いままでに,このスピーカは技術開発されてきたし,実用に供してきている.しかし,まだいくつかの課題が残っている.特に,音質の不十分さや電気から音響への低変換効率についての改善は,更なるパラメトリックスピーカの応用に是非必要である.われわれは,前者の課題に対して,ウィーバ(Weaver)のSSB方式を用いたダイナミックなキャリヤ変調を提案する.本レポートは,プロトタイプのウィーバ変調器を用い,歪みとリニアリティの観点から,理論的および実験的に,差音など2次波の音場特性を議論する.
著者
清野 和人 金子 正人 武内 惇 藤本 洋 薗田 考造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.437, pp.21-26, 2006-12-08

コンピュータの構成やシステム設計法などの技術を効率よく習得させることを目的としたグループ協調学習支援システムを提案する.経験によって獲得した技術を効果的に使用する技術(経験技術)を有する技術者(熟練者)のように技術を使用することができないという問題を解決するため,熟練者の持っている「暗黙知」である経験技術を誰もが扱えるように「形式知」として表現,活用できるようにする必要がある.本論文では,経験技術の表現,経験技術に共鳴することで技術を使えるようにするグループ協調学習法,グループ協調学習における理解度の評価について提案する.
著者
佐々木 健介 小林 秀幸 岩村 英志 西木 玲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.255, pp.1-5, 2003-08-14
被引用文献数
4

位相シフトを持つファイバブラッググレーティング(FBG)の作製において、ユニフォーム位相マスクをスライドさせる方法によりFBG中に位相シフト部を形成した。そのFBGを評価した結果、FBG中の所望の位置にλ/4の位相シフト部が形成できることを確認した。また、位相マスクを振動させることで屈折率変調量を調整する方法も検討した結果、位相マスクを正弦波で振動させ、その振幅量を変えることで、シミュレーションと一致する屈折率変調量が得られた。これらの方法により、位相シフトを持ち、かつ、アポダイズが施されたFBGが作製できた。