著者
深谷 潤 斉藤 淳二 平野 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

1987年に初めてGaAs FETを使用した携帯電話用PA(Power Amplifier)モジュールが登場した。GaAs FETはバイポーラトランジスタ、MOS FET等のシリコン系デバイスに比べ高利得、高効率という利点を有している。その為GaAs FET PAモジュールの採用によって長時間動作が可能な非常に小型の携帯電話機が次々と発表され現在のブームに至っている。最近では従来のアナログ方式からより応用範囲の広いディジタル方式への移行が進みつつある。ディジタル携帯電話機の開発には現在も多大な努力が続けられているが最も力が注がれているのは小型軽量化と低動作電圧化である。以下に開発の動向及び、技術的ポイントについて述べる。
著者
浅野 和也 青木 智一 長友 晃彦 菅原 拓 橋田 淳一 阿部 紀夫 岡本 諭 上野 悠也 七夕 雅俊 大久保 好幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム
巻号頁・発行日
vol.108, no.453, pp.145-146, 2009-02-23

低消費電力で1Gbpsフルワイヤ処理が可能な1Gbps IPsecアクセラレータの開発について前回報告したが,今回は同じLSIにルーティング機能(NAPT,PPPoE等)を追加した実装について報告する.結果として,NAPT+IPsec(トンネルモード/3DES/SHA1)を700Mbpsで処理可能であることが確認でき、高速かつ低消費電力のブロードバンドルータ実現に有効なソリューションとなることが実証できた.
著者
當山 孝義 堀口 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.770-773, 1994-11-25

最大公約数(GCD)算出は数値計算,暗号や符号計算などの分野で用いられている基本的計算の一つであり,高速解法について盛んに研究されている.Chor-Goldreichアルゴリズムは最も速い並列アルゴリズムの一つであると考えられいるが,その動作は詳細に検討されていない.本論文では,LPRAMモデルの並列マシン上での並列GCDアルゴリズムの詳細な動作をエミュレータを用いて解析し,メモリアクセス遅延が大きな影響を与えることを確認した.
著者
土橋 昌 中山 英久 加藤 寧 JAMALIPOUR Abbas
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.627, pp.73-76, 2006-02-23

デジタルコンテンツの配信をセキュアに保つDRM(デジタル著作権保護)技術に注目が注がれている.トレイタートレーシング技術は,DRM技術の一種であり,配信側がコンテンツの視聴状況を把握する技術である.その例として,電子透かしを用いる手法や暗号配信の際の暗号鍵を利用するものがある.しかし,コンテンツに対する加工情報を利用するそれらの手法では,ユーザ側での不正な加工によりトレーシングを無効化される可能性を払拭できない.ユーザ側での不正な加工を防ぐためには,ネットワーク上のルータで加工情報を解析しなければならない.しかしながら,現在の高速広帯域ネットワークにおいては,流れているパケットの解析が非常に高負荷であるため,現実的ではない.したがって,加工情報以外の情報を用いる手法を検討する必要がある.本稿では,ストリーミング再生中のトラヒック量の変化に着目したトラヒックパターンを用いて,コンテンツを視聴しているか否かを判定する手法を提案する.提案手法は,無線環境でエラーが頻発することを考慮し,動的な判定方法や崩れた波形のマッチング方法についても検討を行った,画期的なトレイタートレーシング技術である.実際にPCを用いた実ネットワークにおける実験環境を構築し,有線だけではなく無線においても提案手法が有効であることを確認する実験を行い,良好な結果が得られたことを示す.
著者
八木 健 杉崎 隆一 荒井 慎一 相曽 景一 武笠 和則 小倉 邦男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.84, pp.1-6, 2000-05-18

WDM伝送が急速な進歩を遂げている中, 光アンプ, 分散補償モジュール, 合分波モジュールあるいは波長変換モジュールなどの光を処理するためのデバイスが大きな進歩を遂げている.また, 新たなWDM用光源の検討も進められている.それらのデバイス・光機器のキーアイテムの一つとしてデバイス系光ファイバの開発にも力が注がれている.本論文では我々が開発している光ファイバー分散スロープ補償ファイバ, 非線形現象を回避するEDF, 高非線形性ファイバーの紹介を通して, デバイス系光ファイバの現況を考える.
著者
越井 剛 大崎 佑紀 高木 真一 小舘 亮之 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.632, pp.53-58, 2003-01-28

本橋では,高精細ディジタル画像人力のためのビデオモザイク方式の実現を目標とし,ズームとスキャニング撮影によるモザイク化方式を提案する.これによって,ユーザは被写体全体を高精細を生成,もしくは興味領域のみの部分的な高精細化した画像を生成することを可能とする.被写体全体を含む画像を基準画像として用い,撮影位置・撮影カバー面積情報を用いた各フレームの低解像度変換処理により,各フレームと基準画像との解像度の相違による処理の破綻の回避,被写体全体を含む画像との差分パラメータを推定することにより累積誤差の低減を実現する手法について検討する.
著者
山田 美紗子 田中 京子 矢嶋 征雄 山浦 逸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.341, pp.1-4, 2002-09-20
被引用文献数
1

植物の成長に伴う根の発達状態を,根の接地抵抗によってモニタすることを考えた.接地抵抗は大地比抵抗の影響を受けるので,接地抵抗の大きさのみから根の発達状態を評価することはできない.大地比抵抗の影響を考慮するため,設置抵抗の大きさを円板状設置電極のそれに置き換え,円板の等価的な半径の大きさによって,根の発達に関する状態を評価する.一般に,植物の接地抵抗は複素インピーダンスとなるため,この等価的な半径も複素数となる.ヒマワリとケナフのひと夏の生長について等価半径のベクトル軌跡を求めたところ,おおむね時計回りの反対を描くことが見出された.軌跡の細部においては,成長の各過程に応じて部分的な変化が見られた.
著者
斉藤 宏二 駒野 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.333, pp.7-12, 1995-10-20

表面実装技術に使用する厚膜ポジ型フォトレジストのノボラック樹脂の分子量による耐めっき性の向上と、現像方法によるプロフィルの改良を検討した。ノボラック樹脂の分子量を高くすることによって、従来、60℃の、めっき温度でレジストに発生したクラックが、70℃でも発生することなく、レジストのパタ-ン通りのめっきが可能となった。パドル現像において、現像途中で現像液を繰り返し数回取り替えることにより、所定の時間より現像時間を30%短縮でき、さらに、垂直な側壁を持ったレジストプロフイルを得ることができた。これらを改良することによって、厚さ20μmで20μm角のAuバンプの形成が可能になり、さらにそのめっき時間を半分にすることができた。
著者
駒野 雄一 山崎 太郎 太田 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.744, pp.75-80, 2003-03-20

OAEPよりも緊密な安全性を持つ改良方式として,Shoupは2001年にOAEP+を,古原・今井は2002年にOAEP++を提案した.本研究ではOAEPのPadding情報(冗長度)の構成法とそれをつける位置,暗号化関数への入力範囲を変更することで構成される(OAEP+, OAEP++を含む)72通りの変形方式を考え,各方式がどのレベルの安全性を実現するのかを網羅的に考察する.さらに,安全ではない方式に対しては安全性証明が破綻する要因を特定し,具体的な攻撃方法を与える.
著者
駒野 雄一 太田 和夫 新保 淳 川村 信一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.51, pp.9-16, 2005-05-11

本稿では, 文献[10]で構成した署名者以外のエンティティによる否認機能をもつリング署名方式をグループ署名方式とみなして再考する.文献[10]で構成した方式は, 署名者が署名生成時に動的にグループを決定できる点, グループの管理者が不要である点でグループ署名方式とは異なるため, 以下ではこの方式をDGS方式(Democratic Group Signature方式)とよぶ.本稿ではDGS方式の安全性モデルを構築し, ランダムオラクルモデルの下で文献[10]の改良方式の安全性を証明する.
著者
青木 聡 駒野 雄一 宮永 望 本間 祐介 森田 光 太田 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.743, pp.97-102, 2003-03-19

代表的な小額決済方式として,PayWordとMicroMintがある.PayWordは支払い・清算を計算量の小さいハッシュ演算で行い,コイン(ハッシュ連鎖)の正当性を保証するためにデジタル署名を用いる.MicroMintはデジタル署名の代わりにコインの正当性をハッシュコリジョンで保証し,全ての処理をハッシュ演算で行うが,コインごとにコリジョンが必要となる.本論文では,ハッシュ連鎖つきコリジョンをコインとすることで,コインの正当性をコリジョン計算の困難性で保証し,1つのコリジョンで複数回の支払いが可能となる新たな電子小額決済方式を提案する.また,システム全体でコイン生成に必要な計算量の観点から,提案方式をPayWord,MicroMintと比較する.評価の結果,提案方式はMicroMintに対してコスト面では常に優れており,PayWordに対してはハッシュ関数の値域の大きさによってコスト面の優劣がつくことを確認した.
著者
駒野 雄一 太田 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.744, pp.81-86, 2003-03-20

Coronらは,同一のPadding方式と鍵の組で暗号化と署名生成を実現できるPSS-ESを提案して安全性証明を行った.PSS-ESは,暗号系と署名系に同一のPaddingを用いるのでプログラムサイズが制限された制約された環境での実装に適していることに加え,鍵の管理も容易になるという利点がある.しかしPSS-ESの暗号系としての安全性は,暗号化関数の部分領域一方向性に依存しているため帰着効率が悪い.本論文では,REACTとOAEP++を基にREACT-ESとOAEP++-ESを構成し安全性証明を行った.その結果,REACT-ESやOAEP++-ESは帰着効率の点でOAEP-ESをはるかに上回ることが確認できた.さらに,REACT-ESは通信効率の点で他の方式より優れ,最も実用的な方式であることがわかった.
著者
河内 恵 多田 充
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.53, pp.7-13, 2004-05-12

異なる法を利用した多重署名方式は現在までに数多く提案されている.FDH構造をベースにした方式は見富らやShachamらによって提案され,PSS構造をベースにした方式は河内らや駒野らによって提案されている.FDHをベースにした方式は,前署名者の署名成分をハツシュ値の中に全て埋め込める利点が存在するが,乱数成分を用いない為帰着効率が悪い.その為鍵長を長く取らねばならないという欠点が存在する.一方,PSSをベースにした方式は,乱数成分の必要性から埋め込めない前署名者の署名成分が発生してしまうが,帰着効率が優れているため,鍵長を短く抑えられるという利点が存在する.現在,PSSをベースにした方式において,安全性を劣化させることなく効率性に秀でた方式は駒野らによる方式である.そこで我々は,PFDHをベースとした多重署名方式を提案する.本稿では,駒野らの方式と提案方式とを安全性及び効率性の観点から比較,そして考察を行い,何れの方式が優れているか議論を行う.
著者
藤崎 浩一 友枝 裕樹 三宅 秀享 駒野 雄一 新保 淳 川村 信一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.200, pp.95-102, 2004-07-14

暗号機能を搭載した機器に対して,暗号演算時の消費電力や演算時間などを用いて鍵情報を導出するサイドチャネル攻撃の研究が盛んに行われている.サイドチャネル攻撃に対する標準的な実験評価環境がないために,提案されている攻撃手法および対策の有効性を統一的に評価することが難しいという問題点があった.(財)日本規格協会情報技術標準化研究センター(INSTAC)耐タンパー性調査研究委員会では,平成15年度に8bitCPUを対象としたサイドチャネル攻撃の標準的プラットフォームの仕様を策定し,インターネットを通じて公開している[1].本稿では,このプラットフォームの仕様を説明し,さらに本プラットフォームを用いてDESに対する差分電力攻撃(Differential Power Analysis)の実証実験を行った結果を報告する.
著者
遠藤 勉 深沢 徹 千葉 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.96, no.374, pp.7-12, 1996-11-22
被引用文献数
3

マイクロストリップアンテナの放射板にU字形のスロットを設けることで, 薄形で占有面積が少なく広帯域化可能である[1]. 本報告では, まず, その動作原理から, U字スロットの各足の長さを調整することで2共振特性を持たせた広帯域化について述べる. そして, FD-TD法を用いたシミュレーションを行い, さらに, アンテナを試作して2共振特性の動作を確認した. そして, U字スロットの2つの足の長さと共振周波数の関係を実験により検討し, 2つの共振周波数が2つの足の長さそれぞれによって独立に制御できることを示す.
著者
原 裕一 金川 明弘 山内 仁 高橋 浩光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.344, pp.11-16, 2006-11-06

GPにおける島モデルの研究は遺伝的アルゴリズム(GA)に比べてその報告数は少なく,また過去の研究よりその効果はGAより良好な結果ではないことが示されている.本報告ではGPの探索の性質に沿ってGP独自の島モデルとして異文化型島モデルを提案しその有効性をいくつかの問題に対して適用することで実験的に示す.
著者
ラミレス ギジェルモ 勅使河原 可海
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.196, pp.131-138, 2003-07-11

ホームユーザの情報セキュリティとは、送信中のデータ、保存されているデータおよび通信サービスの提供の可用性・完全性・機密性を損なう全ての事故や意図的な行為を、国際標準で定義された評価保障レベル(EAL)を満たすように守るための情報システムの能力のようなものとして理解されている。本研究では、ホームユーザの情報システム環境のための基本的なセキュリティの問題を理解するために、国際標準ISO 15408等に基づくホームユーザのためのプロテクション・プロファイルを提案する。ある環境における脅威を明確にすることは、各々の情報システム環境のための正しいセキュリティポリシーを作成するために必要である。ホームユーザのプロテクション・プロファイルを作成するために、本研究では100人の日本とアルゼンチンのホームユーザを対象としてアンケート調査を行い、そのデータを基にプロテクション・プロファイルを考えた。また、本研究では、情報システムの最も共通な脅威の詳細を表示し、国際標準に基づく情報システム環境の脅威を識別し、ホームユーザの環境に応じた適切なセキュリティ方針を選択出来る知識ベースを構築する。
著者
エルナンデス ガライ サンドラ マルチネス ノリエガ ラウル バスケス メディナ ルベン 山口 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.143, pp.43-48, 2009-07-16

本報告では,情報保護のために情報分散法に基づき,誤り訂正符号と組みあわせた,ウェーブレット領域の係数を操作する方式を提案する.通常の信号処理の攻撃に対して耐性を高めるために,透かし情報は近似係数に埋め込まれる.より低いビット誤り率を得るために畳み込み符号を用いた誤り制御を用い,耐障害性を確保するために情報分散法を利用する.この方式は,様々な種類の攻撃をを受けたデータに対して,元信号を用いずに秘密のメッセージを見つけることができる,ブラインド検出を実現している.実験の結果,我々のデータハイディング方式は,聞こえるような音の劣化はなく,64kbpsでのMP3圧縮,ローパスフィルター,サンプリング周波数の変更,雑音の付加などの通常の信号処理の攻撃に対して,よい耐性があることがわかった.