著者
村上 タカシ
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.95-108, 2009

「芸術表現教育におけるPBL(Project-Based Learning)の実践研究」とは、芸術表現活動においては、美術作品(平面作品、立体作品、映像作品、パフォーマンス等の身体表現やワークショップ等)を制作しながら学ぶ造形活動と鑑賞活動があるが個人が個々の表現媒体で平面や立体作品等のビジュアルアーツ作品を創るという従来型の制作やパフォーミングアーツ(身体表現)とは異なり、現代の多様な表現形態を組み込みつつ、プロジェクト型のアートワークも「行為としてのアート」(作品)として捉え、芸術表現活動に位置づけ、大学内の実践授業としてもプロジェクト型授業の一環として学生参加のシステム構築や教材開発等を実践的に研究したものである。
著者
箱田 恵子
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.79-90, 2014

19世紀中央アジアにおける英露対立は、パミールの帰属をめぐって清朝を巻き込み、1892年秋より露清間で国境画定交渉が行なわれた。清朝はウズベリ山からヴィクトリア湖までの国境線を主張したが、これはロシアの南下を防ぎたいイギリスの利害に一致するものだった。だが、1895年に英露が勝手にパミールを分割したことから、このパミール交渉は「以夷制夷」の誤った外交戦術により領土を失った清朝外交の失敗と見なされてきた。だが、外交方針の策定において重要な役割を果たした駐英公使・薛福成の認識を探ったところ、彼はロシアよりもむしろ、清朝の同盟国としての利用価値を疑ってはこの地方の安定を乱すイギリスの動きを警戒していた。それゆえ、ヴィクトリア湖までの領土を主張するという積極的姿勢は、英露間のバランサーとしての清朝の存在価値をイギリスに認めさせるために必要だったのであり、またそれが英露の勢力圏合意形成を促す作用を果たしたのである。
著者
宮前 理
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.297-304, 2015

統合失調症の事例を示し、セラピストとして心理療法の過程で出会った課題とその取り組みの中から生まれた新しい知見について論じた。心理療法のなかでセラピストが体験する「無力感」の意味、「妄想」と「現実」の関係、言語の限界について考察した。
著者
堀田 幸義
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.284-265, 2011

仙台藩における身分の違いに「士」と「凡下」という区別がある。同藩においては士と凡下の身分別に基づく本来的なあり方を維持しようとする種々の法令が見られ、身分的上下関係の弛緩は藩内の身分秩序に悪影響を及ぼすものであり、看過できない問題であったことがわかる。そこで本稿では、士と凡下との本来的なあり方がどのようなものであり、それがいつ如何なる理由でどのように変容していくのかを検討し、近世身分制社会を理解するための一助としたい。
著者
永井 伸幸
出版者
宮城教育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、画面表示と印刷物における弱視者の読書の特徴について調べ、電子教科書を弱視児が使うという観点から考察することを目的とした。画面では顔を近づけても読む面が暗くならないことの影響について検討し、また、印刷物とタブレット端末の読書における視距離や頭、眼や手の動き、動かし方について比較検討した。その結果、弱視児者のタブレット端末による読書行動は、印刷物の場合と変わらないこと、つまり電子教科書でも従来の教科書同じように読書を行えると考えられた。さらに、読む面が暗くならないことにより、負担感無くより小さな文字サイズで読書を行えること、簡単に白黒反転できることの利点が考えられた。
著者
菅原 敏 高橋 健介
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.117-122, 2012

小型の二酸化炭素測定器を用いて、仙台市中心部における移動連続観測を行った。その結果、郊外に比べて交通量が多い仙台市中心部において濃度が高いことに加え、主要な道路ごとに交通量に応じた微細な濃度分布が存在することが判明した。
著者
菅原 敏
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.79-87, 2008

都市域の大気中CO2濃度の空間構造を明らかにするために、可搬型CO2濃度観測システムを開発し、仙台市中心部において自動車を用いた移動連続観測を実施した。その結果、都市の中心部に集中する自動車の燃料消費に伴うCO2排出によって、仙台駅付近を中心としてCO2濃度の高い領域が存在していることが明らかになった。To investigate spatial variations of atmospheric CO2 concentration in an urban area, a portable CO2 measurement system was developed. Mobile and continuous CO2 measurements were carried out in Sendai city by using a car equipped with this system. High concentration area in the central part of Sendai was clearly observed, which is interpreted as being due to the CO2 emissions from car fuel combustion.
著者
青木 成美 中野 泰志 永井 伸幸 猪平 真理
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

成人弱視者の視覚補助具の活用経験について、質問紙調査と面接調査を行った。その結果、弱視レンズを活用してきた者が最も多く、拡大読書器を活用してきた者が次に多いことがわかった。また、必要に応じて活用する補助具を変更した弱視者もおり、その際に専門家だけでなく弱視当事者の意見を参考にしていた。3 年間の調査研究の結果、 弱視者が自らの視覚補助具活用経験を生かし、他の弱視者を支援するためのプログラム作成の基礎データが収集できた。
著者
伊沢 紘生 小林 幹夫 木村 光伸 西邨 顕達 土谷 彰男 竹原 明秀 CESAR Barbos CARLOS Mejia
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

離合集散型で父系という、サル類では他にアフリカの類人猿チンパンジーとボノボでしか見られないユニークな杜会構造をもつクモザルについて、南米コロンビア国マカレナ地域の熱帯雨林に設営した調査地で、3年間継続調査を行った。その調査は、隣接する4群のサルをハビチュエーションし、完壁に個体識別した上で、複数の研究者による4群の同時観察と、各群について複数のパーティを対象とした複数の研究者による同時観察という画期的な方法を用いて行われ、離合集散の実態が把握された。同時に、その適応的意味を問う上で重要な、主要食物であるクワ科イチヂク属、ヤシ科オエノカルプス属の植物のフェノロジー調査も3年間継続した。また、クモザルの全食物リストを完成、それらの植物を中心とした森林の構造や動態、クモザルの種子散布についても継続調査を行った。その結果、1.森林の果実生産量の季節変化と離合集散するパーティのあり方、2.そのべースになる個体関係とは、3.群れの行動域内でのオスとメスの利用地域の差異とその意味、4.行動域の境界域におけるオスのパトロール行動とオス間の特異的親和性、5.離合集散に介在するロング・コールの頻度と機能、6.群間の抗争的関係、7.父系構造を支える群間でのメスの移出入とメスの性成熟や出産との関係、8.サラオ(塩場)利用の季節性とそこでの特異なグルーピングの意味など、これまで未知だった多大な成果を上げることができた。また、9.クモザルが上記ヤシ科やイチヂク属の植物の種子散布に功罪両面で決定的に関わっている実態、10.新しく形成された砂州の森林生成メカニズムとクモザルの行動域拡張、1l.優占樹種のパッチ構造とパーティのあり方の関係、12.森林構造とパーティの移動ルートや泊り場の関係なども解明され、離合集散性の適応的意味を正面から問える豊富なデータを収集することができた。
著者
松山 恒明 小金沢 孝昭 鎌田 慶朗 渡辺 孝男 田中 武雄 中屋 紀子 本田 強
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究では、総合講義「学校給食」の実践を行なう中で、研究会や現地見学を行いながら、教員養成課程で行なうべき「学校給食」関連の講義内容を検討してきた。調査・検討の結果、まず第一に学生の反応であるが、学校給食や食に関する内容について関心が高く2年間とも各300人の学生が受講した。学生たちは、学校現場で行われている学校給食に関心が高く、またこれらを客観的に捉えることのできるこの講義に興味を示した。学校給食への理解については、講義開始時のアンケートで子供たちと食べる昼食程度にしか学校給食を捉えていなかった学生も、講義終了時には学校給食が食や環境、健康を理解する上で重要な教育機会であることに気づくようになった。この点については各年度に行なった学生アンケートに詳しく報告されている。第二に講義内容であるが、2年間の講義実践と学生の反応によって教員養成課程の「学校給食」の講義内容は概ね4つの領域で講義すると、「学校給食」の持っている教育機会を説明することが可能であることが明らかになった。1つは学校給食の現状とその安全性についててある。ここでは学校給食がどのような目的のために、どのように運営されているのかを実践報告を交えながら講義した。2つは、こどもたちの食生活がどのような状況にあるのかを明らかにすることである。日々の食生活でどのような点に問題点があるのか、学校給食で補える課題を整理した。3つは学校給食で食べている食がどのように生産されているのか、食についての基礎知識の習得である。とくに食と環境とのつながりにも留意した。4つは食と健康とのつながりについての基礎知識の習得である。食事が健康にどのように関連しているのかを具体例をあげて講義した。これらの研究成果は、昨年度の中間報告書と今年度の最終報告書に整理してあるが、この研究を通じて、学枚での食・栄養教育の重要性ならびに教員養成課程での学校給食に対応した講義の必要性が確認された。また、今後は各教科と学校給食とを連携させた栄養教育の研究が課題となった。
著者
石澤 公明 菊田 淳 高橋 知美 岡 唯理 内山 晃司 佐藤 愛湖 鈴木 亮介
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

小学校から大学までの共通植物教材として,ファストプランツ(FP)を使用した学習プログラムを開発した。それには、FPの自家不和合性を利用した他家受粉と自家受粉の種子形成率の違い及びアニリンブルーやコットンブルーで染色された花粉管が花柱から胚珠に達する様子の顕微鏡観察等から受粉と受精の違いを学習すること,また,主根成長に対する塩ストレスや重金属イオンの効果,紫外線による子葉成長の阻害効果,植物栄養と成長の関係等の解析が含まれる。小・中学校でのFPを使った授業実践では,生徒が自分の手で短い期間で栽培できることから,植物の成長や生殖に理解を深めることが出来る優れた教材であることが示された。
著者
武元 英夫 BRESSOUD Dav 竹内 洋 瓜生 等 降矢 美彌子 安江 正治 前田 順一 渡辺 徹 花島 政三郎 LAINE James KURTHーSCHAI ルサン LANEGRAN Dav PARSON Kathl WEATHERFORD ジャック SUTHERLAND A 石黒 広昭 川上 郁雄 本間 明信 猪平 真理 森田 稔
出版者
宮城教育大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

マカレスター大学において研究協議を行い、意見交流を行った。協議では学内のカリキュラム担当者、学外における教育プログラム担当者等と話し合いが行われた。また、カリキュラムに関する資料や学外の教育プログラムに関する資料が収集された。広域情報教育について、発達しているアメリカのその実態をマカレスター大学との研究討議で、教育センターを訪れることによって見ることができ、いくつかの資料を得た。音楽についてはアジアの音楽での楽器の使用での大学でのカリキュラムの討議、数学のカリキュラムについても解析学や数学科教育の分野での討議したり、実際に講義に参加しアメリカ合衆国での現在の大学でのカリキュラムの見直しの実態に触れ、これからの日本の大学におけるカリキュラムの検討課題が得られた。また、環境教育のカリキュラムについても討議を行った。当初の予想以上の成果があったと言えよう。マカレスター大学は今後の国際化教育を進める上で日本を含むアジア・アフリカ等との交流を重視していくというのは、21世紀に向けた日本の大学教育を考える上で極めて示唆に富む点である。今後の研究を進める上で、どのように共同の視点に立って協議を進めて行くかが課題となろう。経済学教育の面で、特に、アメリカ側から眺めた日本の経済体制についての討議が行われ、金融状勢についての両国の見方、大学でのカリキュラムの導入の方法等において有意義な研究が行われた。コンピュータネットワークは予想どおり、我が大学よりもはるかに進んでいて、数年後の本大学の期待する姿をみたような気がする。
著者
福田 善之
出版者
宮城教育大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

昨年度の開発で成功したテトラキス(アセト酢酸イソプロピル)ジルコニウム(Zr(iprac)4)を10wt.%溶解させた液体シンチレータに対し、放射線元素の含有量を評価した。鉛シールド内にCsI検出器を設置し、液体シンチレータ内部のU/Th系列から放射されるガンマ線を観測した結果、Tl-208(2.615MeV)及びBi-214(2.204MeV/1.765MeV)のピークが観測された。しかし、液体シンチレータがない場合のスペクトルと差がなかったため、各々の上限値として2.7×10の-22乗g/g及び4.9×10の-20乗g/gが得られた。従って、液体シンチレータ中のU/Thの上限値は10の-7乗g/gと推定でき、明らかな量の放射性元素は存在しないことがわかった。また、液体シンチレータは1年以上経過後も沈殿物等は生じず、エネルギー分解能や光量の低下も確認されなかった。一方、KamLAND-Zenの解析結果より、Zr-96の2重ベータ崩壊の信号領域に残存するバックグラウンド事象として、バルーンフィルム内のTl-208のベータ崩壊事象と、それに伴う2.6MeVのガンマ線であり、本研究でもそれらがバックグラウンドになると考えられる。これらを除去するために、新たにチェレンコフ光による事象再構成を着想した。アニソールの屈折率は1.518のため、0.7MeV以上の電子はチェレンコフ光を放射する。実際にチェレンコフ光の光量を観測した結果、液体シンチレータの2%程度であり、計算結果と一致した。更に、EGS5によるシミュレーションの結果、電子の多重散乱が発生してもチェレンコフ光の放射角度分布は42度付近にピークが観測され、その情報から事象の発生位置の再構成を試みたところ約6cmの位置分解能の性能が得られた。ZICOS 実験では時間情報も利用できるため位置分解能は更に向上し、Tl-208のベータ線とガンマ線の発生位置を個別に特定できることが期待されるため、KamLAND-Zenのバックグラウンド観測量の20分の1程度まで除去できる可能性を示すことができた。
著者
虎尾 裕
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.137-147, 2010

The purpose of this study is to devise/establish 'Maskmaking with hobby clay (stone powder clay) using the Nebuta mask technique' as a thematic hypothesis, and examine its validity in practice. Students in the firstyear Drawing and Handicrafts course at the Miyagi University of Education Faculty of Education were asked to make the masks, and were surveyed on completion of the project by means of a worksheet. Exploring assessment indicators for this theme in this manner confirmed aspects of the theme deserving of retention, and points for improvement. Thus there was feedback from a learning assessment viewpoint on howthe set theme worked, resulting ultimately in a proposed improved version. No doubt it will become an even more effective theme than ever for enhancing students' modeling capabilities.
著者
新田 秀樹 里見 まり子 吉川 和夫 太田 直道 浅野 治志 桂 雅彦
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

教科横断的な表現教育を教員養成教育に導入するため、芸術家や民間芸術教育者を招き、ミュージアム等とも連携し、「美術」「音楽」「言語」「身体表現」などの複数分野を融合する授業の開発研究を下記のとおり行った。1.「表現教育の教育臨床的研究:五感アート・ラボ=共感覚の森」(大学サテライトギャラリー)視覚、聴覚、触覚を総合した描画の臨床心理学的研究、展覧会、ワークショップ。2.「響くことば、黙することば:能・パントマイム・即興ダンスの出会い」(大学サテライトシアター)金春流宗家他の芸能者、音楽家等とのコラボレーションによる授業開発。3.「遊具をデザインする:遊びながら学ぶために」遊具デザイナーを招いて遊具を創作するプロダクトデザインのカリキュラム開発。4.「身体と映像:身体表現演習」映像アーティストと作曲家との協同による、身体、映像、音が融合した表現教育のプログラムの開発。5.「映像・音・からだをつなぐ」(大学サテライトスタジオ)倉庫空間を活用し、映像インスタレーションと音響彫刻「音のかけら」を組み合わせた、からだの諸感覚を覚醒する授業モデルの構築。6.「音具をつくる、音を感じる、音で対話する」(大学サテライトスタジオ)土や竹を使った音具づくり、コントラバス奏者による即興演奏を組み合わせ、ことばを使わないコミュニケーションを創造する実践研究。7.能楽・パントマイム、即興ダンスの融合授業を大学で展開する「ステージアートとクラスルーム」の研究活動。8.国内、米国、ドイツ等の領域横断型芸術表現の教育プログラム事例調査と資料収集。表現教育に関する情報発信ができる仮想研究ラボ「五感アート・ラボ」ウエッブサイトの開設。
著者
出口 竜作 佐々木 博成 岩田 薫 越前 恵
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.53-61, 2009

カイヤドリヒラムシ(Stylochoplana pusilla)は、主にイシダタミガイ(Monodonta labio)の外套腔に生息している。本研究では、フィールドでの調査と研究室内での飼育・実験により、本種の生殖とライフサイクルについての基礎的知見を得ることを目指した。イシダタミガイを定期的に採集し、内部から得られたカイヤドリヒラムシの個体数、個体サイズ、および性成熟の有無について調べたところ、夏期にのみ性成熟した個体が見られること、秋期の初めに小型で未成熟な個体が急激に増加することが分かった。性成熟したカイヤドリヒラムシの受精嚢内には、すでに受精した卵が保持されていた。このような受精卵は減数分裂第一分裂中期で細胞周期を停止していたが、海水中に産卵されると減数分裂を再開し、卵割を経て幼個体に至った。また、人工的に海水中に切り出されることによっても発生を開始し、一部は幼個体にまで発生した。未成熟なカイヤドリヒラムシをアルテミア(ブラインシュリンプ)の幼生を餌に23℃で飼育したところ、性成熟が誘起され、受精嚢内には正常な受精卵が見られるようになった。また、同じ飼育法で幼個体を性成熟させ、再び産卵させることにも成功した。以上のような飼育法の確立により、カイヤドリヒラムシのライフサイクルを制御し、1年間を通して生殖に関する観察・実験を行うことが可能になった。
著者
TAIRA Makio Leong Chan Hoong
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.345-355, 2012

Students use variety of learning strategies to achieve their perceived learning goals. These strategies range from memory-oriented learning typical of cramming for objective tests, to deep-processing strategies characteristic of what we have defined as "authentic learning." Students' choices of learning strategies depend not only on the style of teaching and assessment, but also on students' perceptions of their learning goals. This paper intends to show that cramming for high-stakes test can foster use of psychologically sound and creative learning strategies such as meaningful learning, structural learning, and metacognitive judgment. The larger the amount of content knowledge students must learn in order to pass a high-stakes exam, the more sophisticated the learning strategies need to be. Our data from Japanese students and Singaporean students show the effect of cramming for high-stakestest foster developmental changes in students' learning strategies.
著者
降矢 美彌子 安孫子 啓 橋本 牧 山崎 純子
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.89-100, 2007

It is necessary for pupils and students to receive authentic musical experiences in the classroom. Here "authentic" means to be able to discover a new musical world not previously experienced. Generally musical activity is simply singing and listening, but we think it is very important to have creative musical experiences in the music classroom beyond this. Pupils buy their instruments in the music stores at the beginning of the class. To provide a more authentic musical experience we have tried to have pupils and students make instruments in the classrooms. We would like to propose that making musical instruments increases motivation to play and listen to music.
著者
出口 竜作
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.73-80, 2007

Limpets (Mollusca: Gastropoda) are some of the most abundant animals in the intertidal zone of rocky shores. Here I report methods for collecting and culturing the limpets, especially Nipponacmea fuscoviridis, and describe developmental processes in this species. Adults of N. fuscoviridis collected from May to November had ripe gonads. They could be maintained for 1-2 months without food at room temperature. Immature oocytes obtained from ovaries were induced to mature by ammonia treatment. Following insemination, the ammonia-treated mature oocytes formed the first and second polar bodies, cleaved, and developed to veliger larvae within 1 day. N. fuscoviridis may be one of the most convenient animals for observing the developmental processes in the classroom.