著者
入江 識元
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.39-49, 1998

作家が概念を導入する場合重要なのは,「概念人物」を用いるということである。ジェイムズはこの作品"The Liar"において「嘘」という純粋概念から「嘘つき」という概念人物を生み出した。語りの中心であるライアンの視点は,階級闘争における敗北と失恋からくるコンプレックスにより歪められており,このことはステイズ邸の食堂での会話から読みとることができる。また,そこでの匿名の女性との会話により,彼の描く肖像画が彼の観察眼以上に描写力に富むことが明らかになる。この作品には二つの肖像画が登場するが,いずれも彼の筆力からモデルの醜悪な面がはっきりと描かれているため,モデルによって抹殺されたと考えられる。ライアンは過去の恋人キャパドーズ夫人を信頼し彼女を大佐の嘘から覚醒させようとするが,匿名の女性が正しくも指摘する通り,この作品における一番の「嘘つき」は実は彼女なのだ。この作品の今ひとつ重要なポイントは,切り裂かれた,あるいは売られた肖像画の詳細をジェイムズが明らかにしていないということである。ジェイムズはこの策略により,この作品にもう一人の視点人物,キャパドーズ夫人を設定することに成功したのである。
著者
神郡 博 田中 いずみ
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.169-177, 1999-03

病院に働く看護婦は様々なストレスに曝され, 様々な精神保健問題に悩まされていることはよく知られている.しかし, これらの問題を扱った研究はわが国ではあまり見られないそこで我々はこの問題を明らかにするためにこの研究を計画し, 307名の看護婦を対象にかれらが経験している精神保健問題を調べ, 以下のような結果を得た.1)調査した対象者の81%は何らかの精神保健問題を経験し, そのうち5人に1人は精神的問題を持ち, 不眠や食欲不振, 抑うつなどの精神的・身体的不調を感じていた.2)また, 殆どの看護婦は精神保健問題の原因は彼等の対処方法, 仕事の能力, 職場の対人関係, および家族の問題にあると思っていた.3)若く経験の浅い看護婦はその原因を仕事にあると考え, 年配の経験のある看護婦はその原因を子供の養育にあると考えていた.4)対象者の3人に2人は看護婦として大らか, 生真面目, 社交的などの望ましい性格傾向を持っていた.そして大らかな人ほど精神保健問題の経験も少なかった.5)対象者のとっている, 精神保健問題の主な対処方法は寝る, おしゃべりをする, 本を読む, 音楽を聞く, 旅行をするであった.6)これらのことを考えると, 看護婦の仕事に影響する様々な精神保健問題の解決に当たっては, 看護婦自身の努力もさることながら, 病院が看護婦が気軽に利用できる効果的なカウンセリング機構を創り, そのニーズに応えることが重要である.
著者
坂井 純一 西河 謙一
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.80-91, 1983-03

A model of 'disparitions brusques' (sudden disappearance of eruptive prominences) is discussed based on the Kippenhahn and Schluter configuration. It is shown that Kippenhahn and Schluter's current sheet is very weakly unstable against magnetic reconnecting modes during the lifetime of quiescent prominences. Disturbances in the form of fast magnetosonic waves originating from nearby active regions or the changes of whole magnetic configuration due to newly emerged magnetic flux may trigger a rapidly growing instability associated with magnetic field reconnection.This instability gives rise to disruptions of quiescent prominences and also generates high energy particles.
著者
濱西 和子
出版者
富山大学
雑誌
研究紀要 : 富山大学杉谷キャンパス一般教育 (ISSN:03876373)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-22, 2006-12

この小説は第一次大戦が終わってから5 年後の1923年の6月のロンドンを舞台に、主人公であるダロウェイ夫人や他の登場人物たちの意識の継起を通じて14時間以内の出来事が展開される。ダロウェイ夫人の「戦争も終わった」という独白にあるように、まだ戦争の傷跡は深く人々の間に影を落としていた時代であるが、長期にわたるヴィクトリア王朝以来の伝統や慣習も少しずつ崩壊が顕著になり、イギリス小説に於いてもウェルズやゴ-ルズワ-ジ-などの大作家達の時代は終わり、ジョイスなどの出現により新しい時代の波の兆候が現れ始めていた。この小説の大きな特徴は二組の登場人物の物語が平行して進行していくことである。この小説の主人公クラリッサ. ダロウェイを中心としたグループとクラリッサの分身ともいえるセプティマスの人物群である。この両者のグループの人物達の相互の関わりはなく、また物語の筋に関しても何の関連性もない。ただセプティマスを診療する精神科医のサー・ウィリアム・ブラッドショ-だけが両方のグループに登場する唯一の人物である。ここでウルフは何故に二組の関連性のないグル-プと、異なった筋の二つの物語を平行して設定したのか。またクラリッサの身代わりの如くセプティマスを死に追いやり、逆にクラリッサを死から救済し生への回帰をなし得たのか。この疑問について分析し考察をしたい。
著者
小松 賢志
出版者
富山大学
雑誌
富山大学水素同位体機能研究センター研究報告 : Toyama Daigaku Suiso Doitai Kino Kenkyu Senta kenkyu hokoku (ISSN:09168486)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.13-25, 1997

Since tritium is an emitter of weak β-ray (5.7keV) and is able to bind to DNA, i.e., the most important genome component, the biological effects should be expected to be more profound than that of X-rays and γ-rays. When carcinogenesis, genetic effects and the detriments for fetus and embryo were used as a biological endpoint, most of tritium RBE (relative biological effectiveness) ranged from 1 to 2. The tritium risk is man could be calculated from these RBEs andγ-ray risk from human exposure, which are obtained mainly from the data on Atomic Bomb survivors. However, the exposure modality from environmental tritium should be a chronic irradiation with ultra low dose rate or a fractionated irradiation. We must estimate the tritium effect in man based on biological experiments alone, due to lack of such epidemiological data. Low dose rate experiment should be always accompanied by the statistical problem of data, since their biological effects are fairy low, and they should involve a possible repair system, such as adaptive response (or hormesis effect) and "Kada effect" observed in bacteria. Here we discuss future works for the tritium assessment in man, such as (1) developing a high radiation sensitive assay system with rodent hybrid cells containing a single human chromosome and also (2) study on mammal DNA repair at molecular levels using a radiosensitive disease, Nijmegen Breakage Syndrome.
著者
三輪 のり子 大橋 達子 岩城 直子 河相 てる美 滝原 香 吉澤 環 福井 則子 石川 今日子 寺嶋 順子 山本 美千代 梅田 加洋子 堅田 智香子 高木 妙子 細川 佳子 山田 真由美 楠 早苗 若林 理恵子 安田 智美 泉野 潔 永山 くに子 田中 三千雄
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.101-110, 2005-07
被引用文献数
1

本研究では,欧米における内視鏡看護研究の歩みと現状を明らかにすることを目的に文献的考察を行った. MEDLINE (1951〜2003年)とCINAHL(1982〜2003年)のOvidのWeb版(2004年5月7日現在)を使用し, Key wordを"Nursing and Endoscopy"とする全種類の文献のうち,看護系雑誌に掲載されていた109篇を対象に分析を行った.その結果, 1966〜1980年代までは解説が中心であったが, 1990年代に入ると研究報告や症例報告もみられるようになり,文献数は増加傾向を示していた.しかし約50年間において,解説に準ずるものが全体の86%を占め,研究報告8.3%,症例報告4.6%であり,未だに内視鏡看護に関する研究が乏しい現状が明らかとなった.文献は活用目的により,『患者の安全・安楽への援助(48.7%)』『医学知識の習得(22.9%)』『看護業務の質の向上や円滑化(28.4%)』の3カテゴリーに大別された. 1960年代後半は医学知識の習得のための報告が主であったが, 1980年代中頃から患者の安全・安楽への援助に関するものが急増していた.さらに1990年代になると,再び医学知識の習得のための報告があり,看護業務の質の向上や円滑化を図るための報告も次第に定着してみられるようになっていた.これらは報告内容によりさらに12サブカテゴリーに分類された.とくに患者の成長段階・理解力・疾患や病期・心理面など患者の特性に視点を置いた看護の報告や,スタッフの教育や健康管理,関連部門や他職種との連携などの実践に繋がる報告が少なく,この方面への研究の蓄積が今後の課題として考えられた.
著者
済木 育夫 中島 松一 村田 純 小泉 桂一 林 和子
出版者
富山大学
雑誌
和漢薬研究所年報
巻号頁・発行日
vol.28, pp.38-48, 2002-04-20

I.癌および癌転移の抑止に関する基礎的研究1)癌および癌転移の抑制物質の探索(伝統薬物を中心に)2)癌の悪性化・進展モデルの確立とその分子機序の解析3)癌ワクチンを指向した免疫遺伝療法の開発と免疫力増強物質の検索4)同所移植性転移モデルにおける転移の臓器特異(選択)性とその機序の解析5)細胞接着の制御に基づく浸潤・転移の抑制6)基底膜分解酵素の転写・産生・分解レベルでの阻害物質の探索II.免疫抑制に関する基礎的研究1)アレルギー性/炎症性疾患モデルの確立と有効物質(抑制/増強)の探索2)免疫応答調節機構解明と和漢薬への応用III.細胞の機能制御とシグナル伝達機構の解析1)自己分泌型運動抑制因子の単離・精製とその構造解析2)細胞運動と細胞内調節分子の関連性の解析3)神経ペプチドによる細胞浸潤の制御と細胞内機能分子の関与
著者
坂井 純一 鷲見 治一
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.47-52, 1985-03

Recent observations of solar prominences show that slow upward motions ( ≌ 1 kms^<-1> ) occur through quiescent prominences and a fast input of material with horizontal motions ( ≌ 5 kms^<-1> ) occurs at both edges of prominences. A time-dependent dynamical model of solar prominences with current sheet is investigated. It is natural extension of the magnetostatic models proposed by Kippenhahn and Schluter (KS) and Kuperus and Raadu (KR). It is shown that horizontal nonlinear oscillations can exist in the prominences. The global structure of current sheet including solar wind plasmas is also simulated by means of full MHD equations.
著者
諸岡 晴美
出版者
富山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究では,サ-ポトタイプパンティストッキング(以下,PSとする)の適切な圧力分布に対する具体的な設計指針を得ることを目的として,下肢部の圧縮特性,衣服圧の個人差,下肢各部の衣服圧分布,動作に伴う衣服圧変化,圧快適性と衣服圧との関係,等々について明らかにした。以下に研究成果の概要を示す。1.人体は衣服圧によって変形し,曲率が変化する。そこで,はじめに下肢部とウェスト部の人体表面の圧縮特性を測定し,その特徴と体型との関係を明らかにした。2.次に,できるだけ体型差のある被験者を用い,静立位時のPSによる圧迫の範囲と体型との関係を明らかにした。また,動作に伴う衣服圧変化および強い衣服圧は快適性を低下させることなどを明らかにした。3.PS素材の引張特性から予測される衣服圧は,剛体であるマネキンでは一致度が高い。しかし,圧縮柔らかい人体では計算値と実測値とが必ずしも一致せず,衣服圧と着衣基体の圧縮特性との関わりが示唆された。4.従来より,PSの研究は下肢部に限られており,パンティ部についてみられない。そこで,本研究では、ウェストバンドの圧迫についても検討した。市販ウェストバンドの形態と引張特性を明らかにするとともに,着用時のウェストバンドの伸び変形を測定し,体型および衣服圧との関係を明らかにした。5.PSは,着用中に“ずり"を生じ,皮膚刺激を生む。その刺激の程度は,PSからの圧迫に依存するため,パラフィン法による観測方法を検討した。本研究において,人体の圧縮柔らかさが衣服圧の重要な因子の一つであることが示唆された。そこで今後は,皮膚表面の弾性腺維が減少する中高年齢層の女性をも視野に入れた研究を続行していく計画である。
著者
山下 和也
出版者
富山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

雪の結晶はどれをとっても美しい形をしているが、その形は千差万別で、全く同じ形のものは存在しないといわれている。Packardが定義した六角格子上の2次元セルオートマトンを拡張し、六方晶上の3次元セルオートマトンを新たに定義した。このモデルを用いて、従来のモデルでは生成できなかった角柱,針といった立体的な構造を持つ雪の結晶の類似パターンの生成を行った。
著者
片田 裕子 八塚 美樹
出版者
富山大学
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:1882191X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.65-72, 2007-03

米国を中心に患者の尊重,医療事故の減少のため臨床実習のまえにマネキンや人体の部分モデルを使い実習を行うシミュレーション教育が行われている.このことは看護の領域でも必要と考え米国でも先進的なシミュレーション教育システムをもつボストンとピッツバーグの施設を視察した.両施設とも医師主体の施設で,前者はハーバード大学医学部,後者はピッツバーグ大学医学部の教育機関であり,運営資金は,授業料,交付金や寄付で賄われていた.両施設に共通したシミュレーション教育の理念は1. Desutination(目的意識の明確化),2. Teachable movement(実践による教育),3. Motivation(動機づけ),4. Team work(チームワークの重視),5. Challenger(挑戦者の気持ち)を持たせることとなっていた.また6.教育者はよりよいFacilitator(導く者)になるよう努力する必要がある.今日,日本においてシミュレーション教育を看護領域で教育課程の一部として取り入れている研究はほとんどなく,定期的な評価のもと専門の施設での教育方法も確立していない状況である.過去10年の文献検討によっても専門教育として確立されているものはなかった.新人教育,医療事故の軽減,患者の尊重が強く求められている現状をふまえると今回,米国の医師のシミュレーション教育の先進的施設を訪問し看護の領域での必要性を強く感じた.
著者
田端 俊英 上窪 裕二
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

マウス小脳へのB型ガンマ・アミノ酪酸受容体アゴニスト注入は小脳長期抑圧(LTD)依存的な視機性動眼反射(OKR)順応を促進した。一方、in-vitro実験により、1型アデノシン受容体がLTDのトリガー分子である1型代謝型グルタミン酸受容体と複合体化し、プルキンエ細胞におけるLTDの素過程を阻害することが分かった。Gタンパク質共役性受容体の相互作用がシナプス可塑性と学習に影響することが示唆された。
著者
田上 善夫
出版者
富山大学
雑誌
富山大学教育学部研究論集 (ISSN:13446401)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.43-56, 2005-09

In this study, the field investigation of the sacred places was done in and around Central Japan. Moreover, the distribution of the temple sects that related to them was clarified. In addition, the transition of the sacred place was examined from various regional bases of nature, belief, and so on. The main results are as follows. 1)The sacred point is on the characteristic natural landscape. Two or more Shinto shrines and different sect temples have gathered there. Though the sacred point is not a daily one, its environment is not a daily one, either. There is an amusement center next to the sacred point as there is a hell next to the paradise, and that makes both of them more remarkable. And it gives the sacred point and its surrounding a combined character. 2)Much more various elements are included in the sacred place where 33 and 88 sacred points were connected. The sects of Shingon, Zen, etc. are related to the sacred place and many pantheons are enshrined there. These sacred places had expanded from Ise, Kumano, Yoshino, Koya, Hiei, etc. to the peripheral regions, and even local elements came to be included there. 3)Ise is the area of Shintoism; Koyasan, esoteric Buddhism; Yoshino, Asceticism; and Kumano, the syncretization of Shinto with Buddhism. Such character of Kumano was suitable for the desire of the aristocrat, etc., and many people came to visit Kumano from at the end of the ancient period. 4)Saigoku sacred places came to be crowded since the iddle Ages. The goddess of mercy enshrined there was related to many sects and her sutras were widely recited. Much more various gods were enshrined in the sacred place, and that made the place very Japanese and therefore, accepted by people. At the pilgrimage of Saigoku sacred places, not only 33 sacred points but also Ise, Yoshino, Koyasan, the scenic areas, etc. were visited, and the sacred points came to include extremely various content in themselves. 5)Shikoku sacred places came to be crowded after the recent times, and "two in company" visited Kobodaishi's sage mark. Various gods and buddhas such as Goddess of Mercy, Fudo, and Jizo are enshrined in the sacred places. Moreover, the mild climate and the custom of entertaining may have made Shikoku sacred places widely interested. 6)Many local sacred places were established from the recent times. They were usually composed of Shingon sect temples. However, in the region with a powerful temple of another sect, that sect was the main part of the sacred place. The Shinto shrine where a local god is enshrined might not change even if the main temple sect changes greatly in the region. In such a region, it may not be the temple sect but the local Shinto shrine that relates to the sacred place. 7)The sacred place is related to a specific sect. However, holly sites, sage marks, etc. are seen in any sects. Therefore, they are visited in any sect just like the pilgrimage of the sacred place. As mentioned above, various gods and buddhas are enshrined in the sacred places. It can be thought that various elements had joined to the sacred places through the ages, and they became more and more diversified.
著者
井上 将彦 藤本 和久 阿部 肇
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本申請者らはすでに,電気化学活性な有機金属分子(フェロセン)をDNAに連結させた新規な"人工DNA"を合成した.この人工DNAを,電極上に固定化させて電気化学センサーとして用いるという新たな方法によって,正常遺伝子とSNP遺伝子を判別することに成功した.本申請課題においては,コスト上,最もネックとなる化学合成を徹底的に簡素化した「実用的なSNP検出システムの創製」を目指した.平成18〜19年度において実施した本研究課題の成果を,以下に箇条書きに記す.1.計算機化学を用いて新規電気化学活性ヌクレオシドの分子設計を行った.2.新規電気化学活性ヌクレオシドの合成ルートを検索し,それを確立した.3.新規電気化学活性ヌクレオシドのDNAへの組み込み条件を検討した.4.新規電気化学活性DNAプローブの電極への固定化を検討した.5.新規電気化学活性DNAプローブを用いるSNP検出条件の最適化を行った.6.最良の結果が得られた新規ヌクレオシドの合成スキームの最適化と大量合成を行った.7.長鎖のターゲットDNA(90-mer)を用いてSNP検出を行った.8.応答電位の異なる2種のプローブを用いてSNPタイピングを行った.9.電極表面上のAFM観察を行い,本検出系の伝導機構について考察した.10.本研究課題を総括した.昨年度と本年度と本年度の成果を基に本法の実用レベルでの実力を総合的に判断した結果,改良の余地は残されているものの,十分なポテンシャルを有しているものと総括した.
著者
酒井 富夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、中国の飼料穀物(トウモロコシ)の米国からの輸入可能性について、EUと比較しつつ、農業生産・流通構造の視点から考察したものである。その結果、(1)EUでは、農場の規模拡大、農協の企業化により国際価格に対応していること、(2)中国でも、国際価格が低下すると輸入増大の可能性があり、それを回避するには流通コストだけでなく生産コスト削減が必要であること、(3)しかし、中国では規模拡大は困難であり、単収増加に期待をかけていること等が明らかになった。
著者
深見 友紀子 齊藤 忠彦 黒田 卓
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、平成11〜12年度科学研究費助成金「パソコン、ネットワークによる音楽活動支援システムの構築」、平成12年度文部科学省Web学習コンテンツ開発事業などの研究の延長線として、すべての教室がブロードバンドに接続された際のモデルとなるウェブサイト『音楽室』の運営と改良、検証実践の実施と、その発展的ポータルサイトの構築を目的としている.2年間で実施したことは以下の通りである。1.ウェブサイト「音楽室」『オンライン音楽室』の実験授業の実施(富山市蜷川小学校 東京都世田谷区上北沢小学校、等) 2.同「音楽室」の調査(活用状況の把握、掲示板の運営補佐) 3.同「音楽室」の教育効果の実証(より効率的な授業展開の実現、教材作成にかかる歓員の負担の軽減、音楽の基礎基本の効率的な習得、音楽への興味関心の向上、メディア活用能力の育成、等)、問題点や今後の課題の抽出(技術面の課題と内容面の課題)、4.同「音楽室」を補完する音楽科担当教員のためのポータルサイト『音楽教育ドットコム』の開設(サイトナビゲーション、音楽の授業に役立つウェブサイト一覧、掲示板、コラムコーナーの作成) 5.同サイトの管理・運営 6.音楽科担当教員に対して、コンピュータ・ネットワークリテラシーに関するアンケートの実施 7.韓国の音楽教育用コンテンツの視察研究成果は、以下に挙げた論文等に記載した他、第17回日本教育工学会全国大会(2001)、第18回日本教育工学会全国大会(2002)、日木音楽教育学会第32回全国大会(2001)等で口頭発表した。また「音楽×ネットワークで大活躍!」(仮題、2003)にて一般に公開する予定である。
著者
神川 康子
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、子ども達の心身の健全な発達のために、睡眠が果たす役割は重要であると考え、生活実態調査と、実験観察をおこなった。1996年から1998年にかけて実施した小学生から大学生までの児童・生徒の生活実態調査の結果と、実験観察の結果を整理し、つぎのようなことを明らかにした。1.小学生から大学生まで、学年段階が進むにつれて就寝時刻が遅くなり、それに伴って起床時刻も遅れがちになる。2.睡眠・覚醒リズムが著しく夜型に移行するのは、中学生の時期である。3.生活が夜型になると、睡眠評価も低下し、日常生活においても「だるさ」や「疲労感」を感じ、「イライラする」頻度も高くなる。4.生活リズムの乱れはつぎのような悪循環となりやすい。「夜更かし→自立起床ができない→朝食が食べられない→排便不規則→朝からでも疲れている→疲れたが口癖→学校であくび・居眠り→忘れ物→些細なことやわけもなくイライラ→昼間の活動量が低下→夜寝付きが悪い→夜更かし→」。この循環を断ち切るための生活の見直しが必要であると考えられる。5.これまでの研究の成果を踏まえて、つぎのような提案を行い、こども達の生活改善を促したい。提案1:成長期におけるこどもの心身の成長に睡眠は重要な役割を果たすことを、こども自身はもとより、親、教師も知ることが必要である。提案2:夜更かしは小学校高学年頃から徐々に始まり、中学生頃に顕著になっていく傾向とともに、情緒の安定性にも影響がみられるので、親や教師の生活指導にもこれらの観点が必要である。提案3:生活リズムの乱れを修正するために(1)少しずつでも就寝時刻を早める(2)休日でも起床時刻だけは大幅に変動させない(3)朝目覚めたらできるだけ自然の光を浴びる(4)毎日、少し汗ばみ体温が上昇するような運動をすること等が有効である。提案4:こどもの生活リズムを修正するためには、こどもの発達段階に合わせて、就寝時における親や家族の配慮と協力が必要である。