著者
近藤 慶之 直井 正俊 小山 勝宏 藤井 敏弘 大木 幸介
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.467-471, 1985-07-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

ブタ脳カルモデュリン (CaM) の種々の界面活性剤によって誘起されるコンホメーション変化について, 螢光スペクトル, 円偏光二色性 (CD) の測定により検討した. Tween系, TritonX100などの非イオン性界面活性剤は, CaMのコンホメーション変化に影響をおよぼさなかった. 陰イオン性界面活性剤のドデシル硫酸ナトリウム (SDS) やドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム (SDBS) を加えた場合, 大きな構造の変化が観察された. Ca2+存在下および非存在下において, 1mMSDSはα-helix含量の増加を引き起こし, Ca2+存在下ではα-helix含量は42%であった. SDBSの場合, その濃度が増すとα-helix含量は減少し, 12mMではCa2+の存在, 非存在にかかわらずCDはランダムコイルの曲線を示した. 陽イオン性の塩化ベンザルコニウムは弱い変性作用を伴ってCaMの規則構造の破壌を促進する. これらの事は, 螢光スペクトルの測定によっても裏づけられた.
著者
赤根 昭英
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.49-60, 1995-06-15 (Released:2017-06-28)

知的障害を持つ2名の生徒に、1000円未満の買い物ができるように教授した。それまで、生徒らは、10円を超える金額の支払や、2桁の金額の読み書きができなかった。教師(筆者)の自作による「計数板」という教具を使用し、硬貨の計数を訓練した。さらに「計数板」を補助具として用いて、実際に買い物をさせた。その結果、スーパーマーケットのレジスターの金額表示を見て支払ったり、菓子屋の店主が言った金額を聞いて支払ったりすることができるようになった。また、彼らが買い物をしていることを、店の人や周りの買い物客に知らせるようにすることで、児童が買い物をしやすい環境ができただけでなく、障害児に対する周囲の人々の理解を促すこともできた。さらに、彼らが学校で買い物ができるようになると、親たちも家庭で彼らの買い物を試みるようになった。算数指導という教授の文脈からも、地域生活の為の準備としても、教室から出て現実の社会場面で実際に硬貨を使う事は有効であると考えられる。
著者
藤後 悦子 大橋 恵 井梅 由美子
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.129-139, 2020-03-31 (Released:2020-05-21)
参考文献数
24

There are various types of harassments in children’s sports, including corporal punishment by coaches. Not only coaches but also cheering groups, especially bystanders of cheering groups, are important factors in harassment. The authors focused on psychological harassment by parents of team members, which is known as “bench- harassment” and investigated what parents expect or do not expect from coaches and parents of other team members(cheering groups)to identify conditions of sports harassment and improve the sports environment. A survey was conducted with parents( N=112)with children enrolled in elementary school and junior high school attending a private basketball club in the Kanto area. The results indicated that parents expected coaches to provide “concrete advice and welldesigned training” as well as “mental support.” On the other hand, they expected coaches to avoid “violence or violent language” or provide “low-quality training.” They expected parents of other team members to provide “support for the smooth operation of the team” and “mental support,” and avoid “attitudes inappropriate for adults” or “negative attitudes or behaviors.” The child-centered sports environment was examined from the perspective of children’s rights and sports principles based on the above results.
著者
Yuichiro MORI Hiroyuki KAGI Sho KAKIZAWA Kazuki KOMATSU Chikara SHITO Riko IIZUKA–OKU Katsutoshi AOKI Takanori HATTORI Asami SANO–FURUKAWA Ken–ichi FUNAKOSHI Hirouyki SAITOH
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (ISSN:13456296)
巻号頁・発行日
pp.210825, (Released:2022-03-02)
被引用文献数
1

The Earth’s core is believed to contain some light elements because it is 10% less dense than pure Fe under the corresponding pressure and temperature conditions. Hydrogen, a promising candidate among light elements, has phase relations and physical properties that have been investigated mainly for the Fe–H system. This study specifically examined an Fe–Si–H system using in–situ neutron diffraction experiments to investigate the site occupancy of deuterium of hcp–Fe0.95Si0.05 hydride at 14.7 GPa and 800 K. To date, this pressure condition is the highest for neutron diffraction experiments conducted at high pressure and high temperature, where crystal structure analysis has been conducted. Results of Rietveld refinement indicate hcp–Fe0.95Si0.05 hydride as having deuterium (D) occupancy of 0.24(2) exclusively at the interstitial octahedral site in the hcp lattice. The effect on the site occupancy of D by addition of 2.6 wt% Si into Fe (Fe0.95Si0.05) was negligible compared to results obtained from an earlier study of an Fe–D system (Machida et al., 2019).

1 0 0 0 造形教育

出版者
教育美術振興会
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, 1942-03

1 0 0 0 季節

著者
二元社
出版者
二元社
巻号頁・発行日
no.5, 1957-05
著者
Yohko U. Katagiri Nobutaka Kiyokawa Junichiro Fujimoto
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.13, no.71, pp.281-290, 2001-05-02 (Released:2010-01-05)
参考文献数
24
被引用文献数
5 5

志賀赤痢菌や腸管出血性大腸菌の産生するシガ毒素 (Stx) はリセプターである細胞表面のGb3に結合し、細胞傷害を誘発して細胞を死にいたらせる。ヒト腎臓尿細管由来腫瘍細胞ACHNやバーキットリンパ腫(BL) Ramos 細胞等の培養細胞において、この細胞死はアポトーシスであることが示されている。TritonX-100処理後ショ糖密度勾配遠心により得られる TritonX-100不溶性の低密度マイクロドメイン Raft にはGb3、スフィンゴミエリン、コレステロールが局在していて、 Stx 添加後の初期シグナル伝達機構を研究する上で格好の材料である。 Stx 感受性ACHN細胞の Raft では、 Gb3はSrc型キナーゼの Yes や Lyn と会合していた。 Raft タンパクは Stx添加後10分でチロシンリン酸化の亢進がみられ、30分で元のレベルに復帰した。Yes の酵素活性は3~10分で増強するので、Raft 内の Yes が Raft タンパクのチロシンリン酸化亢進の原因であると考えられる。しかしながら、Raft から回収される Yes は不活性型で、Stx 添加後も活性の増強はなかった。一方、Triton 可溶性分画の Yes は活性型で、Raft タンパクのチロシンリン酸化亢進と同様のカイネテックスで活性が変動した。Stx はGb3と共に細胞内に取り込まれると言われており、Yes もStx/Gb3複合体と一緒に挙動して細胞内で活性化を受け Triton に対する可溶性が上昇して Triton 可溶性分画に回収されたと考えられる。Gb3の結合に与るStx Bサブユニットだけでも Yes の活性化はおきるので、Stx のGb3への結合そのものが Yes の活性化を誘導し、更には細胞のアポトーシスにつながるものと考えられる。
著者
馬場 直義 森 篤志
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI1196, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 ジストニアは姿勢異常や捻転、不随意運動など日常生活動作を行う上で大きな阻害因子となる運動障害を主徴とする。梶はジストニアを「異常な反復性または捻転性の筋収縮により特定の動作や姿勢が障害される病態」と定義している。有病率はパーキンソン病の約1/5の頻度で、病変の広がりにより局所性・分節性・全身性に分類される。その特徴として特定部位への知覚入力やその変化が異常な筋収縮を改善させる知覚トリックが挙げられる。この知覚現象は運動の制御に際して固有知覚入力に対する運動出力の不適合が存在することを反映しており、外的な知覚入力により不適合が補正されると考えられている。 今回、パーキンソン病により分節性に右上肢下肢にジストニアを呈し、特に足関節に強い内反をきたし、知覚トリックによる即時的な補正が有効ではなかった症例を経験した。そこで即時的効果による補正ではなく、感覚の学習によって知覚入力に対する運動出力の不適合が補正され、ジストニアの異常な筋収縮が改善されるかについて検討した。【方法】 端座位をとらせた対象者の足底と床の間に素材や形状は同じだが硬さの異なる2種類のスポンジを挿入し、足底(一部、足背)と接触させ、足関節の底屈・背屈、内返し・外返しを自動運動で行わせることにより、スポンジの硬さを識別する課題を実施した。研究方法は課題介入期、通常の理学療法による非介入期がそれぞれ10日間のBA法とし、各40分間で週5回の介入とした。 課題において対象者はプラットホームにて端座位を保持し、左右の足底面は十分に床に接地可能な状態とした。スポンジの硬さを比較する部位の組み合わせは、左右の足底、右足足底の内側と外側、右足足底前足部と踵部、右足足底前足部と右足足背の4パターンとし、それぞれ20回、2種類のスポンジの硬さの違いを識別させた。スポンジは3種類(硬い・中間・軟らかい)の硬さの異なるものを用意し、段階的にその組み合わせを変え難易度を上げていった。 介入前、介入期後、非介入期後の3回、足関節の関節可動域測定(自動)、足底の二点識別測定、Mini Mental State Examination(以下MMSE)、自画像描写、内省報告の各測定結果を分析した。【説明と同意】 対象者とご家族には発表の趣旨と目的を説明し、書面にて同意を得た。【結果】 介入期後では介入前より関節可動域で右足関節背屈が10°改善。二点識別測定では1~3mmの認識距離の短縮。MMSEでは24/30点から30/30点と短期記憶に改善がみられた。自画像描写においては右上肢の書き損じがなくなり、四肢が描かれて具体的となった。内省報告では介入前は右下肢を「捨ててしまいたい足」といった内容であったが、介入後は「足の中からあぶくが出てくる」とより具体的な内省をされるように変化した。歩行に関しても介入前は内反足にて立脚時に前足部外側のみの接地しか出来なかったが、介入後はほぼ足底全面の接地が可能となった。 非介入期後では介入後より関節可動域で右足関節背屈が5°改善。MMSEでは26/30点と若干の短期記憶に低下みられた。内省報告は「大事にしなければね」などと愛護的な言葉が聞かれるようになった。二点識別測定、自画像、歩行には著明な変化はみられなかった。【考察】 ジストニアは姿勢異常や捻転、目的動作に対する不随意運動を主徴とし、本態は外界からの感覚情報や脳内の運動指令を統合して、適切な運動準備状態を作成する過程の異常であると考えられる。その特徴の1つに知覚トリックが挙げられる。知覚トリックは本来であれば必要でない感覚刺激を行うことにより、障害された運動感覚連関に何らかの補正が行われることで成立すると考えられている。本症例では知覚トリックによる即時的効果はなかった。しかし「特定部位への知覚入力やその変化が異常な筋収縮を改善させる」といった知覚トリックの知見をもとに、対象者に足底でスポンジの硬さの違いを識別させ、感覚の学習によりジストニアによる異常な筋収縮が改善するかという目的で理学療法介入を行った。その結果、足関節背屈可動域の拡大、二点識別測定での認識距離短縮、歩容の改善に繋がった。これは、学習により足部からの適正な情報入力が可能となったことで運動感覚連関の適正化が図られたことによるものと考えられる。また、非介入期後においても改善の持続が認められたことより、介入による学習効果が示唆された。【理学療法学研究としての意義】 ジストニアに対する先行研究は少ない。今回、即時的効果ではなく、感覚の学習によりジストニアの異常な筋収縮が改善する可能性が示唆された。今後は症例を重ねて検討していく必要がある。
著者
民上 真也 柴田 みち 梅澤 早織 久恒 靖人 鈴木 規雄 中村 祐太 伊藤 彩香 水谷 翔 大貫 理沙 穐山 雅代 栃本 しのぶ
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.11-15, 2022 (Released:2022-03-15)
参考文献数
8

新型コロナウイルス (COVID‐19) の世界的な蔓延に伴い, 人々は感染予防対策として新しい生活様式を強いられている. 医療の現場においては, 院内感染対策の徹底, 一般診療とCOVID‐19診療の両立など, 新たな医療体制の構築が求められるようになった. 聖マリアンナ医科大学病院では, 本邦での感染者の発生当初より「神奈川モデル」の高度医療機関および重点医療機関協力病院として多くのCOVID‐19症例を積極的に受け入れて治療を行っている. 院内においては, 救命病棟の改装, コロナ専用病棟への改築, 発熱外来の設置など, COVID‐19診療支援体制の構築に努めてきた. 院内での感染対策としては, 手指消毒, マスク着用, ソーシャル・ディスタンス確保, 黙食など遵守事項の徹底が求められた.NST活動は, 感染予防のため医療者間の接触を最小限にしたチームの再編成が求められ, カンファレンスや回診などの活動も制限された. 他の多くの施設においても, 特に第1波の時期においてはカンファレンスや回診などのNST活動は制限され, また, 院内勉強会や院外での講演会も中止を余儀なくされたため, 従来の形で栄養を学ぶ機会が失われた.
著者
近藤 文雄 鈴木 匡弘
出版者
一般社団法人 日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.114-118, 2003 (Released:2007-10-16)
参考文献数
19
被引用文献数
5 3

During the past 20 years, outbreaks of enterohemorrhagic Escherichia coli (EHEC) have been increasing worldwide and have been recognized as a potential health concern. Vero toxins produced by EHEC seem to be the most common cause of hemolytic uremic syndrome. Rapid diagnosis of EHEC infection is important to prevent the expansion of infection. Diagnosis is carried out by both isolation of EHEC and detection of Vero toxins in fecal extracts or fecal cultures. This review describes briefly about the current knowledge of the EHEC and Vero toxins, and about the determination methods for Vero toxins. The attempt to identify Vero toxins by electrospray ionization-liquid chromatography/mass spectrometry is also discussed.

1 0 0 0 婦人生活

著者
婦人生活社 [編]
出版者
婦人生活社
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, 1964-06