著者
Junichiro MAKINO Akio MORITA Department of Natural and Artificial Systems College of Arts and Sciences University of Tokyo Department of Chemistry College of Arts and Sciences University of Tokyo
雑誌
Progress of theoretical physics = Progress of theoretical physics (ISSN:0033068X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.1264-1267, 1985-05-25
被引用文献数
6

It is shown by carrying out numerical calculations based on the stochastic Verhulst equation that the average value of the pupulation gives only a single peak, which contradicts with the previous result with several peaks.
著者
田近 洵一
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.2-15, 2012

<p>教育において、文学を教材とすることの意義は、それを通して人間如何に生きるべきかの道徳を身につけさせることにあるのではない。それを読むという行為自体に、言語の教育としての価値があるからだ。その文学を読むという行為の本質は、言語的資材である文章(第一次テキスト)に対する主体の意味作用(signification)によって、読者の内に第二次テキストとしての意味世界を生成し、さらにその意味について考察を深め、主体にとって「未見の他者」を追究していくことにある。すなわち、〈読み〉は、読者にとって意味世界の生成による自己創造の行為なのだ。では、その自己創造としての文学の〈読み〉は、如何にして成立するのだろうか。本稿は、そのような自己創造の〈読み〉原理について考察したものである。</p>
著者
木原 資裕 櫛木 雄介
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.370-382, 2012

The word "Koshien" has come to mean the sacred ground which not only signifies a mere ballpark, but also the highest place where high school baseball players gather to play the game. It is said that newspapers, or what is called "the best−selling everyday media," had given a great impact to form the Koshien event till the1960s when TV sets started to spread over Japan as another influential media. It is a well−known fact that high school baseball at the Koshien has been taken up on a large scale by newspapers and TV programs since then. This study aims to clarify how differently high school baseball at Koshien is treated from other sports based on the empirical data such as the newspaper coverage areas, TV broadcasting times, and so on. The areas of sports coverage in Asahi Shimbun, the Tokushima newspaper, and Yomiuri Shimbun were measured focusing on the month of August when the High School Baseball Championship was held at Koshien, and compared to other sports events. The result shows a peculiar tendency in the difference of the treatment between All−Japan High School Baseball Championship games and the inter−high school championship games of other sports which are similar national sports events for high school students. In TV broadcasts, high school baseball at the Koshien has received exceptional treatment as well as in newspapers. These media treatments have been influencing the ardent high school baseball fans till now, and at the same time, the amount of the newspaper and TV coverage has continually increased.
著者
平井 知香子
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.165-184, 2012-03

イタリアを舞台としたサンドの『スピリディオン』には、ヴェネツィア出身の版画家ピラネージの《幻想の牢カルチェリ獄》を思わせる一場面がある。修道士アレクシは教会の創始者スピリディオンの秘密を知るため、深夜教会の地下埋葬所に階段を降りていく。ゴチック式教会の内陣に彼が見たものは、司祭たちによる殺人であった。この階段のイメージは、ミュッセが翻訳した、ド・クインシーの『阿片吸飲者の告白』中にあるピラネージの《幻想の牢カルチェリ獄》に関する記述と共通している。またミュッセは螺旋階段を下降するピラネージ的幻想を自身の『世紀児の告白』の中に何度も使用している。子供のころ、祖母の書斎でピラネージの版画集を見て以来イタリアに憧れるようになったサンドは、『世紀児の告白』を読んで影響され、『スピリディオン』の階段を下降する場面を描いたのではないか。以上のことを明らかにしてみたい。
著者
倉園 知広 角野 康郎
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 : bunrui : 日本植物分類学会誌 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.141-151, 2012-08-28
参考文献数
22

モウコガマが日本にも分布することは既に指摘されていたが,その実態については情報がなかった.本稿では,今まで「モウコガマ」とされてきた兵庫県産植物の再検討を通じて,日本産モウコガマについて考察した.兵庫県小野市産「モウコガマ」1集団とヒメガマ16集団,最近,秋田県から報告されたモウコガマ1集団について5形質を比較した結果,兵庫県産「モウコガマ」はヒメガマの変異に含まれた.一方,秋田県産モウコガマは葉身の長さと幅で「モウコガマ」とヒメガマから明瞭に識別された.モウコガマとヒメガマの識別形質とされる雌花の小苞片の有無を確認した結果,秋田県産モウコガマの雌花に小苞片は無く,「モウコガマ」とヒメガマには小苞片があった.花粉サイズを比較した結果,秋田県産モウコガマの花粉は「モウコガマ」とヒメガマの花粉よりも有意に大きく,「モウコガマ」とヒメガマの花粉サイズには差がなかった.これらの観察結果より,兵庫県産「モウコガマ」はヒメガマの変異形であり,秋田県産モウコガマは真のモウコガマであると結論した.近年,モウコガマを外来植物とする文献があるが,本種は在来種であり,絶滅危惧種として検討すべきことを指摘した.
著者
付岡 京子 Kyoko Tsukeoka
巻号頁・発行日
no.9, pp.55-63, 1993-03-31
著者
三宮 真智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.173-176, 2008
参考文献数
6
被引用文献数
1

本報告では,中学生から大学生までを対象としたコミュニケーション教育の授業を考えるための基礎資料として,トラブルを誘発する誤解に焦点を当てた.まず,実態を把握するために,トラブルを招いた誤解についての事例を収集・分析した.結果として受け手のネガティブ感情を喚起したり,受け手や送り手の不都合・損失を招来したりする誤解は,省略語の非共有,語意の非共有,含意の非共有が原因であり,また,誤解の背景にはさまざまな個人的事情や人間関係が関与していた.こうした結果をふまえ,コミュニケーションの失敗事例分析法を活用した,トラブルを予防・解消するための授業の提案を行った.
著者
本江 昭夫
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.107-112, 1987-06-30

1)1983年4月にエゾノギシギシとナガバギシギシの稚苗を圃場に移植し,踏圧回数,土壌の締め固め処理,刈取り回数にたいする両種の生育反応を2年間にわたって調査した。2)刈取り処理が個体あたりの総乾物生産量にもっとも大きく影響した。これにたいして,踏圧と土壌の締め固め処理の影響は小さく,また,これら3処理にたいする両種の生育には差をみとめなかった。3)エゾノギシギシは播種当年に花茎を抽出したのにたいして,ナガバギシギシは根生葉のみで推移した。また,刈取りの回数が多くなると,両種において根生葉の割合が増加した。4)刈取り後の再生力はエゾノギシギシの方がナガバギシギシより良好であり,これが,エゾノギシギシの草地雑草としての重要な特性であると推察された。