著者
山口 文彦
出版者
長崎県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本課題は、イースター島で作られた記号の列が彫り込まれた木製の遺物について、デジタルデータの収集、そのようなデジタルデータ収集に必要な技術の研究、および収集したデジタルデータから言語情報を抽出することを目的としている。対象となる遺物は現在20点ほどが遺されており、中でも比較的大きなものを所有する教会に連絡をとるなど、所有者・所有機関に対して研究への協力を要請している。データ収集の方法としては、対象物を複数の方向から撮影した二次元画像から三次元のモデルを復元する方法を用いる。これは従来のレーザーを使う三次元計測に比べて、強い光を使わないため、遺物に与えるダメージが少ないという利点がある。遺物形状の計測データからは、彫られた記号の形状が得られる。遺物のデータから抽出する言語情報として、記号を文字に分類する問題に取り組んだ。これは既知言語に対する手書き文字認識の手法を参考に記号の特徴量を得て、その特徴量の違いの大きさから、文字としての分類を見つけようというものである。未解読文字の場合は正解が分からないため、既知言語を用いて手法の評価を行う。本課題の初年度にこの研究手法の基礎を作ったが、その時点での正解率は満足のいくものではなく、ひきつづき正解率を向上させる努力をしている。なお、手法を評価するために既知言語の文字データを収集・整備する必要がある。こちらは現在のところ二次元の画像データだが、研究用などに公開されている日本語手書き文字のデータを調査し、また解読が進んでいる考古学的文字としてエジプトの神官文字の画像データの調査および整理を行った。
著者
河瀬 彰宏 宇津木 嵩行 大利 さやか
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

日本民謡の地域的特徴を科学的に比較・分析するための基盤を構築した.はじめに各地域・各令制国での楽曲の種目の違いを把握するために,『日本民謡大観』(日本放送協会出版)に掲載されている全楽曲とその採録地域名・令制国名・位置情報(経度・緯度)をリスト化した.また,掲載楽曲を電子データ化し,各楽曲の旋律を構成する特徴を抽出するためのプログラムを開発した.楽曲のコンテンツ情報に基づき分類実験を実施し,抽出した特徴をデータベースに納めた.あわせて楽曲の位置情報に基づく特徴の可視化を実施した.得られた分析結果とリストは,研究者コミュニティで利用できるかたちに整備し公開した.
著者
安藤 淑江
出版者
名古屋芸術大学
雑誌
名古屋芸術大学研究紀要 (ISSN:03884511)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.418-410, 2012
著者
日本産業衛生協会
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, 1940-12-01
著者
羽田野 直道
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.459-493, 1991-08-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
窪田 安打
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.25-44, 1999-01
参考文献数
69
被引用文献数
4 5

長野県諏訪湖南西に分布する塩嶺累層をもたらした安山岩質の火山活動は, 時間とともに漸次珪長質から, より苦鉄質に変化(主要斑晶組成が普通角閃石→斜方輝石, 単斜輝石→かんらん石)するステージの4回の繰り返しからなり, 各ステージ末期を中心に, 火山活動の休止が認められる.4ステージ全体をとおして, 後期になるほど噴出物に占める珪長質な安山岩の相対的割合が増大し, 噴出物量が減少する傾向が認められる.また本調査地域では, 塩嶺累層の堆積盆地は, 北西へ傾斜し, 北西縁をアンティセティックな縦走性成長断層に境された3つの傾動盆地-小野, 上野-天神および松倉堆積盆地-が並列している.これらの堆積盆地は, 塩嶺累層堆積期間を通じて, 基盤岩の北西への傾動沈降と3つの主要縦走断層群のアンティセティックな変位が, 相補的に進行したことを物語っている.
著者
海老原 秀喜
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

申請者は、リバースジェネティクス法(人工的にウイルスを作成する技術)等の分子生物学的技術と動物実験を駆使し、ヒトに重篤な出血熱を惹起するエボラウイルス(EBOV)のうち強毒ザイールEBOV (ZEBOV) と近縁のマールブルグウイルス(MARV)、出血熱を惹起しないレストンEBOV (REBOV)の3種類のウイルスタンパク質(GP, VP35, VP24)の病原性に関わる機能(主に免疫御能等)を比較し、EBOVタンパク質の病原性発現における役割に焦点を絞って研究を実施する。本年度(平成20年度)は、以下の研究を遂行した。(1) 新たなエボラ出血熱の動物モデルの確立 : ゴールデンハムスターを用いたエボラウイルス感染モデルを開発した。このモデルはヒトと同様の病態を示すことから、今課題の病原性の研究のみならずワクチン・治療法の開発にも有用なモデルになる事が期待される。(2) フィロウイルスの糖タンパク質を発現する組換え水泡性口内炎ウイルス(VSV)ライブラリーの構築 : 現存する5種類のエボラウイルス糖タンパク質及び5種類のマールブルグウイルス株の糖タンパク質を発現するVSVを作成した。このシステムを確立したことにより、フィロウイルスの糖タンパク質による免疫抑制能の研究をヒトの初代培養細胞系を用いて遂行可能となった。(3) 強毒型マールブルグウイルス・アンゴラ株のモルモットモデルの確立とリバースジェネティクス法の確立 : 2005年に致死率90%以上の流行を起こしたアンゴラ株のモルモットモデルを確立し、さらにリバースジェネティクス法の確立を実施中である。(4) さらにエボラウイルスのVP35及びVP24のインターフェロンシグナリング能の比較を行った。
著者
鈴木 智典 宮崎 智
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.92-97, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)

我々は,現在インターネット上で公開されている生物学的データベースのURLや公開形式,検索ページのCGIパラメータなどを網羅的に集めたデータベースのデータベース(バイオメタデータベース)を構築し,データ検索から初め,遠隔操作によって複数のサイトの解析ツールを組み合わせて研究に応じた解析ワークベンチの動的な構築を試みている.メタデータベースの概要とワークベンチの事例について報告する
著者
宗 哲 朝倉 安彦 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.510, pp.91-95, 2000-12-08
参考文献数
12
被引用文献数
5

我々はすでに, エポキシ樹脂に酸化チタン32phrおよび炭素粒子1phrを含有した損失材料を用い, 50〜110GHz帯において, ミリ波用電波吸収体を実現している.本研究では, この材料を用い, さらに5GHz帯において複素比誘電率を測定し, 電波吸収体を実現することを試みた.この結果, 5GHz帯においてもその複素比誘電率は, ほぼ無反射曲線上にあることを確認するとともに, その結果から設計・製作した電波吸収体は, 暑さ3.82mmにおいて, 最大吸収量40〜45dB程度, およびTE・TM両偏波に対し, 0°〜35°程度の入射角度範囲において, 20dB以上の吸収量を示すことが確認できた.
著者
熊澤 光正
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.343-350, 2006-10-15
参考文献数
18
被引用文献数
3

近年,トヨタ生産方式で開発された多工程持ちの導入に伴い,歩行を伴う立位作業の導入が進んでいる.本研究は,歩行を伴う立位の縫製加工業に新規に従事した高卒女性従業員について,16週間にわたり「自覚症状しらべ」を用い経時的調査を行ったものである.同時に,経験者,他の作業姿勢との比較を行った.この結果,今回の分析対象者は自覚疲労の訴えは第1週が高くしだいに減少し,ゴールデンウイークで再度増加するものの,自覚疲労の側面からは,速やかな作業への適応がみられた.また,他の作業姿勢との比較では,自覚疲労の側面からは,立位より低く椅子座位とは同程度であった.
著者
三宅 真由美
出版者
信州大学経済学部
雑誌
信州大学経済学論集 = Economic review, Shinshu University (ISSN:02880466)
巻号頁・発行日
no.66, pp.11-18, 2015

近年のビジネスのグローバル化に伴い,日本の大学を卒業した留学生が日本において就職するケースが増加しつつある。法務省入国管理局(2014)によれば,2013年に日本企業への就職のため就労ビザを申請した留学生は12,793人であり,うち11,647人が許可された。高等教育レベルの日本語教育においては,留学生が大学卒業後,日本ないし母国において日本企業に就職することを明確に意識した就職準備教育の必要性が高まっていると言える。これを踏まえ,筆者が担当する経済学部留学生対象科目「日本の社会と日本語??」(2年生以上,後期2単位)において,2013年度以降はビジネス日本語授業を行っている。同科目では場面シラバスに基づくロールプレイを通じ,ビジネスマナー,日本の企業文化,敬語表現の習得をめざしている。本稿は同科目の実践報告とともに,学部留学生に対する就職準備教育としてのビジネス日本語教育について論じた。
著者
宮下 雅年
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

北原白秋の『フレップ・トリップ』(1928)の樺太イメージは、以後の樺太観光に道筋を付けた。本作における風物・風習・異民族の記述が島民の郷土の誇りに直結していった。戦後、その生まれ故郷は奪われてしまうが、だからこそ、望郷の念は募り、今もサハリン観光と言えば帰郷ツアーが中心である。そこにあるのはもはや白秋の「樺太」ではなく、往時の日常生活への思慕である。サハリン州政府も観光の好影響を重視して様々な対応を開始した。
著者
山内 裕 平本 毅
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.41-46, 2014-12-24 (Released:2014-12-18)
参考文献数
11

This study examines customer interactions at traditional-style sushi bars in Tokyo using an ethnomethodological and conversation analytic approach. Actual interactions were videotaped and analyzed in detail. The findings suggest that sushi chefs test customers by posing a difficult question, that less experienced customers show their orientation to whether their answer is appropriate, and that experienced customers produce a concise answer without such orientation. This is all done in a routine, mundane, and matter-of-fact way. The chefs define that their customers should be able to answer the question without any problem and customers demonstrate their competence through minimal and concise actions. The customer interaction is not only about exchanging information as to what the customers want but also about presentation and negotiation of selves. As an implication, it is briefly discussed that services can be seen as a struggle; beyond meeting customer needs and satisfying customers.
著者
神田 玲子 辻 さつき 米原 英典
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.68-78, 2014
被引用文献数
3

In general, the press is considered to have amplified the level of public's anxiety and perception of risk. In the present study, we analyzed newspaper article headlines and Internet contents that were released from March 11, 2011 to January 31, 2012 using text mining techniques. The aim is to reveal the particular characteristics of the information propagated regarding the Fukushima NPP Accident. The article headlines of the newspapers which had a largest circulation were chosen for analysis, and contents of Internet media were chosen based on the number of times they were linked or retweeted. According to our text mining analysis, newspapers frequently reported the “measurement, investigation and examination” of radiation/radioactive materials caused by the Fukushima Accident, and this information might be spread selectively via the social media. On the other hand, the words related to health effects of radiation exposure (i. e., cancer, hereditary effects) were rare in newspaper headlines. Instead, words like “anxiety” and “safe” were often used to convey the degree of health effects. Particularly in March of 2011, the concept of “danger” was used frequently in newspaper headlines. These indirect characterizations of the situation may have contributed more or less to the misunderstanding of the health effects and to the enhanced perception of risk felt by the public. In conclusion, there were found no evidence to suggest that newspapers or Internet media users released sensational information that increased the health anxiety of readers throughout the period of analysis.

2 0 0 0 OA [刀劍寫眞]

巻号頁・発行日
1000
著者
大坪草二郎 著
出版者
興亜書局
巻号頁・発行日
1941
著者
庄境 誠 中村 哲 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.2636-2644, 1997-10-25
被引用文献数
14 3

本論文では, 乗法性ひずみの補正に有効とされているケプストラム平均正規化法(CMN)について考察する. 従来のCMNは単一のケプストラム平均(CM)により正規化を行うため, 実環境に存在する多くの乗法性ひずみ要因を補正するには十分ではない. この問題を解決するため, 話者ごとにかつ音声/非音声で別々に求めたCMを入力ケプストラムから減じる, 新しい方法E-CMNを提案する. この方法は, さまざまな乗法性ひずみを一括して補正し, 入力スペクトルを正規化することが可能である. 更に, 加法性雑音と乗法性ひずみのある実環境に対応するため, E-CMNとHMM合成法を組み合わせた, 新しいモデル適応化手法E-CMN/PMCを提案する. 本方法は, 加法性雑音モデルに対する音声モデルの周波数帯域ごとのゲイン, すなわち, 乗法性ひずみをE-CMNにより音声のCMとして一意に推定できるため, 音声モデルと雑音モデルを繰返し計算なしに加算できるという意味で簡便な方法である. 最後に, E-CMN/PMCの自動車環境内での性能を評価する.