著者
山下 由美子 Yumiko YAMASHITA
出版者
創価大学日本語日本文学会
雑誌
日本語日本文学 = Studies in Japanese Language and Japanese Literature (ISSN:09171762)
巻号頁・発行日
no.28, pp.57-71, 2018-03-18

学生のレポートにおける話し言葉の出現傾向を探るため,レポートの書き方に関する書籍で扱われる話し言葉を一覧表にまとめ,「学術文章作法Ⅰ」で課したレポートから出現数を調査した。最も多く出現したのは,接続表現の「そして」である。理由として,それを話し言葉と断定し,対応する書き言葉を明確に示しにくいことから,学生達は書き言葉であると認識し使用していると思われる。「じゃあ」「超」「~ちゃった」など口語としての話し言葉は全く出現していないため,ある程度は話し言葉と書き言葉の区別は身についていると言える。また,「ほとんど」「~と~」等,話し言葉と書き言葉の境界線があいまいなものも調査から明らかとなった。
著者
宮永 孝
出版者
法政大学社会学部学会
雑誌
社会志林 (ISSN:13445952)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.304-156, 2014-12
著者
林 衛 藤岡 毅 種市 靖行

科学技術社会論学会 第18回年次研究大会, 日程:2019年11月9日(土)~10日(日), 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス
著者
佐野 貴司 Sano Takashi 和田 秀樹 Wada Hideki 海野 進 Unimo Susumu 中村 俊夫 Nakamura Toshio
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター 天然放射性元素測定小委員会
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.3, pp.67-75, 1992-03

We obtained radiocarbon datings of 29,209±554 yrBP. for shell sample from Pukaki and 30,230±413 yrBP. for that from Motukorea in the Auckland Volcanoes, New Zealand. When we supply the ages of indivisual volcanoes and compositional change with time, it can be possible to elucidate the magma system of the Auckland Volcanic Field.

1 0 0 0 OA EPR法

著者
三野 広幸
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.473-481, 2009-03-31

本稿では,はじめにEPR法の原理を紹介し,次に,X-band汎用EPR機による測定法の使用を想定し,光合成研究への応用例を紹介している.また,最近のより進んだEPR測定法についても簡単に紹介している.

1 0 0 0 OA 群論マジック

著者
伊東 桂司
出版者
愛知教育大学数学教育講座
雑誌
イプシロン (ISSN:0289145X)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.87-92, 2013-12-07

毎年夏に開かれるオープンキャンパスにて「模擬授業」と称して数学マジックを生徒さんたちに見てもらっています.その一つのネタに手品師ボブ・ハマーが考案したといわれる「3つの品の手品」というのがあります(本論ではカードで説明していますが,普段は3匹のぬいぐるみで行っています).これは演じやすく,また観客にもルールは分かり易いのですが,なぜ観客が選んだ品を演者がすぐに当てられるのか,なかなか見破られないという数理論理の優れたネタです.ある日,伊東君に「このネタは長年やっているのだけど,これを4つ以上の品の手品にできないだろうか?」と何気なく問題提起したところ,クラインの四元群を利用したうまい手品を彼が思いつきました.それまで私は「背理法のパズル」のつもりでやっていたわけですが,彼はこれを置換の話題だと見抜き,その場で新しい手品を作り上げたのです!(数学教育講座 橋本行洋)
著者
北村 洋 笹川 慶子 KITAMURA Hiroshi SASAGAWA Keiko
出版者
名古屋大学大学院人文学研究科附属「アジアの中の日本文化」研究センター
雑誌
JunCture : 超域的日本文化研究 (ISSN:18844766)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.132-146, 2018-03-23

Since the 1890s, Japanese movie-goers have engaged American cinema in a wide consumer marketplace shaped by intense media competition. Early fandom grew around educated urban audiences, who avidly patronized action-packed serials and Universal’s freshly imported films in the 1910s. During the 1920s and 1930s, U.S. cinema continued to attract metropolitan consumers but struggled in the face of Japan’s soaring narrative output. In the years following World War II, movie-goers encountered American films in big cities as well as provincial communities through the Occupationbacked Central Motion Picture Exchange. After the Occupation, U.S. film consumption began to slow down in theaters because of Japanese cinematic competition, but the sites of reception extended into television. The momentum of American cinema revived on the big screen with the rise of the blockbuster, though the years after the 1970s witnessed an intense segmentation of consumer taste. While U.S. cinema culture has become widely available via television, amusement parks, consumer merchandise, and the Internet, the contemporary era has seen renewed challenges mounted by domestic productions and alternative sources of popular entertainment.
著者
清水 真一
巻号頁・発行日
1996-03-31

第1章 序 論 番付は、様々な部材を組み上げてモノを造る際に、各部材の据え付け位置を示す心覚えとして記される符丁である。木造建築は特に構成部材が多いことから、手仕事に伴う誤差に対処するために仮組をして部材調整をした後、改めて番付を頼りに組み上げることとなる。このように番付は建物の出来映えに直接関わる生産の技術として書要であるが、建物形態ばかりでなく生産工程や造営組織の在り方によっても番付の必要性や用い方は様々であったと考えられる。番付はモノと人を結びつける中心的な役割を担い、生産システムとしての性格を備えているといえる。番付は個々の建物の建立や修理の沿革を知る資料として重視されているに関わらず、番付そのものについての体系的な研究は行われずにきた。本研究は生産システムに関わる有用な資料としての番付について、その歴史的変遷とその背景について考察し、併せて番付からみた大工の系統や地域性など建築界の諸相を明らかにする。番付は見え隠れ部分に記されるのが常であり解体の機会を除いては確認は困難である。したがって基礎的な資料の収集については文化財建造物の保存修理工事の成果に負うところが大きい。対象とした時代は、古代から中世前期(鎌倉・室町前期)にかけてのもっぱら方位番付が用いられた時代と、中世後期(室町中・後期)から近世初斯の慶長年間にかけて各種の新しい番付形式が普及し地方色が形成された時代との二時期に大区分した。 第2章 古代・中世前期の番付 新築当初の組上番付は、法隆寺五重塔などの諸例から大和では古代以来用いられたことがわかる。極めて限られた部位に適用されたものであったが、中世前期にかけて次第に地方に普及するとともに側廻りの組物などを対象に用いられて、六技掛けの成立にも象徴されるような軒廻り整備の進展にとって重要な技術的裏付となったと考えられる。方位番付の形式は、塔婆や三間堂のような求心的平面の場合には中心からみた四面と四隅の方位で示すが、横長平面の場合には、唐招提寺講堂や法隆寺東大門では棟通りから前後に振分けて表記する形式が採られ、構造主体が前後対称な古代建築にふさわしいシステムといえる。また、中世前斯には密教本堂に代表される奥行の深い建物が現れたことから、四面の方位を記した上でさらに各面毎に一端からの数を追う形式が現れるなど、番付形式自身にも時代の要求に応じての変化をみることができる。 第3章 中世後期・近世初期の番付 14世紀末から15世紀初頭にかけて、数字のみで表記する回り番付・時香番付・組合番付の使用が相次いで確認できる。回り番付は、中世前期以来の軒廻り整備に対する技術的要求から考案きれたと考えられる。室町中期には京都を中心とする一帯を挟んで、東日本と西日本の広範な地域での使用が確認でき、本来は京都を中心に用いられた形式が地方に普及した結果と考えられる。南北朝の兵乱後、幕府の造営を中心に京都の造営活動が再び活性化するとともに、建物内部の各柱筋にも適用することを前提とする形式である時香番付が考案された。畿内から西は山陽道、東は東海道へと主要街道筋に沿って普及していった様相が窺える。京都では、近世初頭にはさらにイロハ組合番付という小屋雑専用の番付が考案される。一方、大和では古代以来の方位番付を踏襲し、地方においても方位番付は新番付の補助的役割にとどまることになる。番付には建築界の移り変わりが反映している。また、播磨や近江湖東地方では、直行座標によって位置を示す合理的な形式である数字組合番付が用いられた。中央の動向とは異なる独自の形式が考案された背景には、地方建築界の活発な造営活動があったことを示すものとして注目できる。 第4草 番付からみた中世後期と近世初期の建築界 生産システムとしての番付の在り方にも大きな変化が現れた15世紀前半までには、縦挽鋸の使用、請負工事の出現、職名としての「棟梁」の登場など建築生産に関わる諸事象が現れたことは既に知られており、これらは生産技術の向上と造営形態の組織化が進展したことを物語る。中世後期に登場した各種の新番付は、起点と進行方向を定めて数字のみで表示することから、抽象的、数学的思考方法の成熟が窺えるし、正面柱筋を優先とする形式は奥行の深い平面形態が現れて構造主体に正面性が芽生えたことを反映している。また、次第に野小屋にも規矩的な納まりが重視されて小屋組番付を用いるようになるが、近世初期には軸部とは異なった番付形式を充てるものが現れ、軸部と小屋組とが構造的な分離を遂げたことを示している。番付は工匠集団内で一定の形式が踏襲されるから作事の分担や工匠の交流があったことが確認できる。特に姫路城など近世初期の城郭建築の造営においては、地元工匠に加えて遠方の工匠を招いて建物毎、階毎の作事分担があったことがわかる。また、地域の中で番付形式の混在が著しい所は、概して工匠の交流など建築活動が活発であったことを示し、円教寺や大徳寺などでは番付から寺外工匠による活躍の様も窺える。中世新番付の分布状況をみるとそれぞれ地域性が認められる。番付形式と建築様式の地域性を比較してみると、直接的な関係を明らかにすることはできない。しかし、中部地方南部で西日本と関東の主流形が交錯すること、東日本では定型的であるのに対して、西日本では特に近畿から山陽にかけて混在傾向が著しいことなど、番付形式、様式ともに一致した傾向が見受けられる。 第5車 中世法隆寺大工とその造営形態本章では棟札や棟木銘のような銘文墨書ばかりでなく番付を含めた建築墨書全般についての総合的な資料分析を通じて、法隆寺大工の特異な造営形態である四箇末寺大工職と四人大工制度について、その成立から解体に至る経緯を追跡した。四人大工制度は、弘安元年(1278)に四箇末寺大工職を得た四姓の工匠達を構成員として四姓が対等な立場で参画して惣寺の作事を独占するものである。番付に併せ用いられた特有な用語を追跡することで、法隆寺大工が旧興福寺大工を主体として成り立っていることがわかる。治承兵火後の興福寺復興に続く時期に行われた法隆寺東院修造は興福寺工を主体として行われ、その後の作事の縮小に伴って職場独占の機運がおこり四人大工制度が成立したと考えられる。この制度は室町後期に末寺の大工職が消滅した後も維持されたが、中井家配下に組み込まれて行われた慶長大修理をもって解体に向かったことが知られる。これを契機に再び寺外工匠の参画と部位別作事分担が行われたことも番付から裏付けられる。 第6章 結 語 古代から近世初期にかけて、番付が限られた部位から次第に建物全体へと適用されるに至った経緯を追跡すると、整った納まりを追求したり、複雑化する建物形態への対処方法を模索し、あるいはより雑織的な造営形態を追求する申で、工匠達が様々に工夫を凝らしながら番付を様々に変化発展させてきたことが明かとなった。古代代以来の方位番付を頑なに踏襲しながら対処した大和の工匠、はた目にはやや不便なシステムであっても独自の番付形式を斯いた延暦寺工匠、時香番付、さらにはイロハ組合番付という進んだシステムを積極的に採用した大徳寺工匠を始めとする京都の工匠、中央での動向にとらわれずさらに進んだシステムを早くから採用した円教寺工匠をはじめとする播磨の工匠など、番付形式やその用い方には時代の要請に対する工匠例の対処の在り方が現れている。また、番付を通じて、建築活動の中心が移り変わり、あるいは地方建築界が勃興した様など、建築界の動向を時代や地域を越えて見通すとともに、工匠の交流や作事分担の様などモノ造りに直接関わった工匠達の動向をも描き出すことができた。本研究では、建築生産のシステムとしての重要な役割を担う番付について、その性格と研究の意義を明らかにし、歴史的な変遷課程をたどる基礎的な作業を通じて、番付を建築史研究の重要な方法論のひとつとして提示できたと考えている。
著者
新山 喜嗣 NIIYAMA Yoshitsugu
出版者
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
雑誌
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 (ISSN:18840167)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.1-13, 2016-10-31

地球上に生命が誕生してから37億年になるが, 実のところその半分以上を占める20億年の間は生物の死は絶対的なものではなかった. 生物に寿命としての絶対的な死が伴うようになったのは, 生物が原核生物から真核生物に進化してからのこの17億年間のことである. この絶対的な死をもたらす要因の一つに, ヘイフリック限界の名で呼ばれる細胞分裂の回数制限がある. さらに, 生物は加齢に伴って生存に不適切な細胞が増えるが, そのような細胞はアポトーシスと呼ばれるメカニズムによって秩序正しく除去される. このように, 生物には身体の内部に積極的に死をもたらす仕組みがあるが, 一定の期間を越えて個体が生存しないことが種の存続という点では有利であることから, そのような生物種のみが現在まで地球上に残っているのかもしれない. しかし, 将来には予想外の科学技術の進歩によって,生存期間に制限がない生物種が存在しても種の存続に不都合が生じない可能性がある. もっとも, 現代の宇宙物理学が示すところでは, 生物の身体を構成する原子が宇宙に存在できるのも永遠ではない. このことからすれば, 自然科学の中で生命を捉える限り, 「永遠の生命」はあくまで相対的なものとなる.
著者
渡辺 弘之 本間 弘行
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
看護研究交流センター事業活動・研究報告書
巻号頁・発行日
vol.15, pp.89-90, 2004-06

「こころの病い」は現代におけるキーワードの一つである。こころの病いから生じる生きにくさをどう捉え,受け入れているのか.回復まで過程において,自己の経験をどう客観化することは,自分にとっての病いの意味を考えるだけでなく,自分自身を知る手がかりともなる.「語り」を通した体験の共有化や,内面的世界を表現することは,病いを通して自己を捉える作業が回復の手がかりとなりうる.
著者
熊野 弘子
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.163-187, 2017-04-01

TCM (Traditional Chinese Medicine) features the bianzheng lunzhi system, a term that refers to diagnosis and treatment based on a general analysis of symptoms and signs. Manase Dosan (1507-1594) accepted this set of theories, which came to be called satsusho benchi in Japan. This paper considers the satsusho benchi of lumbago by taking a concrete look at medical books associated with Dosan's school (Dosan, Dosan's teachers, and disciples). The books quote Yuji Weiyi and others, emphasizing differential diagnosis, pulse examination, prescription drugs by Bianzheng (identifying cause of disease), and the Jingluo (meridians)