著者
水野 博介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 = Saitama University Review. Faculty of Liberal Arts (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.159-164, 2014

1 はじめに2 リキッドモダンとは何か? ~近代史の現段階の比喩~ ① 近代の流動性 ② 自由と解放 ③ 個人化 ④ 人間的絆のネットワークの解体3 リキッドモダンにおけるメディアの現状4 リキッドモダンにおける「監視」の概要 ① パノプティコン時代 ② ポスト・パノプティコン時代5 結語
著者
岩崎 徹 イワサキ トオル Toru Iwasaki
雑誌
経済と経営
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.183-194, 2008-03
著者
工藤 実紗
雑誌
中京英文学
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.37-60, 2016-03-15
著者
横田(有田) 恵子(恵子)
雑誌
女性学評論 = Women's Studies Forum
巻号頁・発行日
vol.31, pp.155-170, 2017-03-20

現代日本社会は主として社会保障を持続的に維持する目的で、健康長寿の実現を最重要課題のひとつとしている。「健康日本21」は政府が推進する国家レベルの国民運動で、その目標は国民の健康状態を数値化し、指標に基づいて評価することにある。ヘルシズムの増大はとどまることを知らない。人びとは主体的な選択をしたつもりでも、実際には、健康行動を正しく選択するようにナッジされ、誘導されることが常態化している。その手法はリバタリアン・パターナリズムに依拠しており、私たちの日常の隅々にまでいきわたっている。本論では、このような現状を批判的に検討する場として、「公衆衛生の倫理学」の重要性をまず示し、次いでフェミニスト哲学、特に「ケアの正義論」が公衆衛生的な価値観に対抗可能かを考えるものである。
著者
岡本 洋幸 林 麗如 筑田 眞 Hiroyuki Okamoto Rijo Hayashi Makoto Chikuda 獨協医科大学越谷病院眼科 獨協医科大学越谷病院眼科 獨協医科大学越谷病院眼科 Department of Ophthalmology Koshigaya Hospital Dokkyo Medical University Department of Ophthalmology Koshigaya Hospital Dokkyo Medical University Department of Ophthalmology Koshigaya Hospital Dokkyo Medical University
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.185-188, 2013-10-25

Werner 症候群は老人様顔貌,強皮症様皮膚変化,若年性白内障を特徴とする疾患である.発症は100 万人あたり3~45 人とされている.今回,われわれは白内障術後10 年以上経過したにも関わらず強膜創の閉鎖不全が感染の原因と考えられる眼内炎の症例(41 歳,男性)を経験した.Werner 症候群には白内障を合併することが多く,術後も創傷治癒は遅延しやすいため感染のリスクが高い.眼科的な長期の経過観察が必要と考えた.
著者
長田 俊樹
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.179-226, 2001-03-31

さいきん、インドにおいて、ヒンドゥー・ナショナリズムの高まりのなかで、「アーリヤ人侵入説」に異議が唱えられている。そこで、小論では言語学、インド文献学、考古学の立場から、その「アーリヤ人侵入説」を検討する。
著者
高橋 あすみ 土田 毅 末木 新 伊藤 次郎 TAKAHASHI Asumi TSUCHIDA Takeshi SUEKI Hajime ITO Jiro
出版者
日本自殺予防学会
雑誌
自殺予防と危機介入 = Suicide prevention and crisis invervention
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.67-74, 2020

本研究では自殺関連語を検索する者の援助要請行動を促しやすいインターネット広告の内容を検討した。広告は基本的内容に加えて、見出しに直接的メッセージ(相談してください)か共感的メッセージ(つらかったですね)のどちらかを含め、説明文に相談手段と支援者情報を組み合わせて8種類を作成した。6種類の自殺関連語を検索した結果として広告一つがランダムに表示されるようにGoogle広告を設定した。広告のリンク先ページからボタンをクリックすると電話相談窓口へ発信することができた。ボタンクリックの有無を従属変数、広告の要素を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った結果、見出しは共感的メッセージよりも直接的メッセージの方が約1.6 倍、見出しが共感的メッセージの場合には相談手段を説明に含んだ方が約1.2 倍、ボタンクリックの割合が高くなった。すなわち、自殺の相談を促す広告には直接的メッセージと相談手段を含むことが望ましい。
著者
松本 知子 Tomoko MATSUMOTO
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.63-73, 2017-03

英語のコミュニケーション能力向上のための指導法についてはこれまで多く議論されてきたが、文法指導とコミュニカティブな学習とを統合する指導法についてはあまり議論されていない。これはコミュニケーション能力が文法の基礎力なしで向上することを暗示していると捉えられるかもしれない。また、このような見方で学習をする学習者は、文法学習を機械的な暗記による活動として捉えかねない。本研究は、「情報や考えを理解し、適切に伝えるコミュニケーション能力」の向上を目的とし、効果的なコミュニカティブ文法指導法について考察する。さらに、学習者にとって文脈の理解が助けとなる映画を利用した指導法について述べる。具体的には、過去形の「コア」である距離感に焦点をあて、助動詞 will と would や wonder を使った構文と wondered や was wondering を使った構文の丁寧さの度合いを理解できる方法について言及する。最後に、過去形のコアを活用して仮定法過去の指導法についても述べる。
著者
佐久間 千尋
雑誌
東京女子大学紀要論集
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.95-122, 2008-03

In Emily Bronte's Wuthering Heights (1847), most of the significant events occur in the kitchens. Heathcliff hears of Catherine's engagement in the kitchen in Wuthering Heights, and Heathcliff quarrels with Edgar in the presence of Catherine in the kitchen in Thrushcross Grange. At the beginning of the story, Lockwood describes the position of the kitchen in Wuthering Heights as follows: "I believe at Wuthering Heights the kitchen is forced to retreat altogether into another quarter" (5). It reveals that the kitchen is separated from the house, which suggests the kitchens are special spaces in the story. At this point, we should not ignore that Nelly Dean, one of the narrators, observes most of the events. She has served as a housekeeper in both Wuthering Heights and Thrushcross Grange. She tells of the past events to Lockwood who is the capricious tenant of Thrushcross Grange. Nelly is not merely the narrator but also an involved person. She sometimes intervenes in the incidents, but she is also an onlooker. A close look at the relationship between the kitchens and Nelly reveals that she intervenes mainly in the incidents that occur in the kitchens. All these things make it clear that Nelly Dean makes use of the kitchens for her own purposes. The purpose of this paper is to consider the meaning of the two kitchens, so that we will discover the connection with Nelly Dean. It also serves as evidence of the close relationship between the characters and the houses in Wuthering Heights.
著者
石川 義之 イシカワ ヨシユキ Yoshiyuki ISHIKAWA
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.105-127, 2005-01-31

この論文は、A県在住の男女を対象に実施したドメスティック・バイオレンスの調査データを統計的に解析したものである。統計解析は、女性調査と男性調査の2つがある中で、男性調査を中心に行われた。 分析によると、女性のDV被害経験率は男性のそれに比して顕著に高い。また、男性のDV加害経験率は女性のそれよりも高い。以上から、ドメスティック・バイオレンスは、事実上、男性から女性に対して向けられた暴力行為を指す現象であると捉えることができる。ただし、女性のDV被害経験率と男性のDV加害経験率との比較から、男性は自らの行ったDV加害行動の多くをそれとして自覚していないことが知られる。 無自覚的行為を含む男性のDV加害諸行為(DV加害経験)を規定する基礎要因を統計解析によって探った。この点に関して、以下のことが明らかとなった。 1.男性のDV加害経験と男性の現在の年齢 : 比較的に年齢の高い層のほうが低い層よりも男性のDV加害経験率が統計的に有意に高い。 2.男性のDV加害経験と男性の現在の仕事 : 男性の現在の仕事が「家族従業者」である場合男性のDV加害経験率は最も高く、「勤め人」である場合それが最も低い。 3.男性のDV加害経験と男性の現在の雇用形態(「勤め人」の場合): 男性の現在の雇用形態が「パートタイム、アルバイト、嘱託、臨時など」の非正規労働である場合のほうが「正社員、正職員」という正規労働である場合よりも男性のDV加害経験率は高い。 4.男性のDV加害経験と現在の同居家族の状況 : 「3世代以上の家族」に所属する男性においてDV加害経験率が最も高く、「同居家族なし」の単身男性においてそれが最も低かった。 5.男性のDV加害経験と現在の居住地域 : 居住地域による男性のDV加害経験率に統計的な有意差は認められなかった。このことは、DVが都市化現象であるとする見方に対する反証となる。 6.男性のDV加害経験と現在の家族の経済状況 : 「下」の経済階層に帰属する男性のDV加害経験率が最も高く、「上」の経済階層に帰属する男性のそれが最も低かった。 7.男性のDV加害経験と現在の妻(パートナー)の年齢 : 相対的に高年齢層に属する妻(パートナー)を持つ男性のほうが低年齢層に属する妻(パートナー)を持つ男性よりもDV加害経験率が高かった。 8.男性のDV加害経験と妻(パートナー)の現在の仕事 : (1)妻(パートナー)の現在の仕事が「家族従業者」である場合において男性のDV加害経験率が最も高く、「自営業主」である場合にそれが最も低い。(2)妻(パートナー)の現在の仕事が「雇用労働者」である場合と「家事専業」である場合とを比較すると、「雇用労働者」である場合のほうが男性のDV加害化率が高かった。 9.男性のDV加害経験とと妻(パートナー)の現在の雇用形態(「勤め人」の場合): 妻(パートナー)の 現在の雇用形態が「パートタイム、アルバイト、嘱託、臨時など」の非正規労働である場合のほうが「正社員、正職員」という正規労働である場合よりも男性のDV加害化率は高い。 10.男性のDV加害経験と妻及び夫の教育歴(学歴): 男性のDV加害経験率が最も高かったのは教育歴が「妻のほうが夫よりも長い」場合で、次いで「両者の教育歴はほぼ同じくらい」、「夫のほうが妻よりも長い」場合は最も低率となっている。 11.男性のDV加害経験と現在の回答者(夫)の家族の収入や家計の状況 : 夫・妻の「両者の収入はほぼ同じ」場合において男性のDV加害経験率は最も高く、次いで「妻の収入のほうが夫よりも多い」、「夫の収入のほうが妻よりも多い」場合にはそれが最も低くなっている。