著者
滝口 哲史 石河 睦生 保坂 寛 森田 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.357, pp.19-24, 2007-11-22
被引用文献数
3

非鉛系圧電材料の候補の一つとして有力視されているニオブ酸カリウム(KNbO_3)^<(1)>に注目し、水熱合成法による高品質材料粉末を利用して、KNbO_3及び、マンガンをドープしたKNbO_3-Mnセラミックスを試作した。マンガンをドープすることで、焼結性、圧電性の向上が期待できる。水熱合成法は、水溶液中の化学反応を使用したもので、低温(200℃)、自己集積による合成が特徴である。原料として、K_2CO_3を使わず、KOHを利用するため、吸湿性などの問題を回避できる。径方向共振、及び、厚み方向共振のアドミタンスの測定から、KNbO_3-Mnセラミックスの電気機械結合係数尾k_r、k_tを求めた結果、k_r=11%、k_t=19%であった。
著者
山本 経之
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

3-panel runway装置ならびに2-または3-lever operant装置を用いて、短期記憶における大脳辺縁系諸核の機能局在性を脳の局所破壊ならびに脳内微量注入法を用いて明らかにした。1)嗅球摘出によって3-panel runway taskでの参照記憶ならびに作業記憶は共に著しく障害された。また3-lever operant装置を用いての遅延見本合わせ課題(DMTS)および2-lever operant装置を用いての逆転学習は共に障害された。2)背側海馬(DH)破壊によって作業記憶及びDMTSは著しく障害されたが参照記憶には影響なかった。またmuscarinic antagonistスコポラミン、nicotinic antagonistメカミラミン、BZD/GABA_A agonistムシモールおよびクロルジアゼポキサイド、5-HT_<1A> agonist 8-OH DPAT、NMDA antagonist CGS 19755およびCPP、NO合成阻害剤L-NAMEのDH内微量注入によって、作業記憶は障害された。DH破壊による記憶障害はcholinesterase阻害剤フィゾスチグミンおよびテトラヒドロアミノアクリジン(THA)によって改善された。3)乳頭体(MB)破壊によって作業記憶・参照記憶は共に障害されたが、DMTSや逆転学習には影響なかった。一方、視床背内側核(DMT)破壊によってDMTSだけが著しく障害された。MBまたはDMT破壊によって惹起される記憶障害はTHAによって改善されなかった。4)扁桃体基底外側部(BLA)破壊によって作業記憶は著しく障害されたが、参照記憶は変化なかった。この障害は扁桃体皮質腹側部破壊では認められなかった。スコポラミンおよびCPPのBLA内微量注入により、参照記憶には影響なかったが作業記憶は障害された。5)大脳基底部破壊により作業記憶・参照記憶及びDMTSは著しく障害された。また逆転学習も障害された。このように脳の局所破壊によって、破壊部位に依存した特徴的な記憶障害が惹起された。これらの成果は脳における記憶の機能的局在性を理解する上において有用な糸口を与えてくれた。
著者
林田 敏子
出版者
摂南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

第一次世界大戦期のイギリスでは「カーキ・フィーバー」と呼ばれる制服熱が高まり、多くの女性が制服を着用する職業に殺到した。女性による制服の着用は、愛国心を表明する手段として社会の一定の理解を得る一方、男と女の境界を侵犯する行為として危険視された。本研究では、イギリス初の女性警察組織(Women Police Service:WPS)の制服をめぐっておこなわれた裁判を通して、大戦期におけるジェンダーとセクシュアリティの問題について考察した。裁きの主たる対象となったWPSの指導者M・アレンにとって、制服は旧来のジェンダー秩序を打ち破り、男性の領域に進出する道具であると同時に、自らの性的アイデンティティ(レズビアニズム)を表現する手段でもあった。本研究では、当時のイギリスで、レズビアニズムという概念がまだ流布していなかった事実に注目し、性科学の分野で女性同士のホモセクシュアル行為がどのようにとらえられていたのか分析するとともに、そうした概念が知的フィールドを越えて社会に広まった契機・背景・過程について考察した。制服裁判は、アレンのセクシュアリティを「暴露」することによって、レズビアニズムが概念化されるきっかけをつくるとともに、男性だけでなく女性のあいだにもホモセクシュアルの関係が成り立つとする点で「性的平等化」の契機にもなりうるものだった。第一次世界大戦は「レズビアニズムの発見」というもっとも極端なかたちで、女性のセクシュアリティに関する規範を破壊し、従来のジェンダー秩序に大きな修正を迫ったのである。以上の成果をもとに、研究会で口頭発表(於「越境する歴史学」2007年11月11日)をおこなった上で、論文「制服の時代-第一次世界大戦期イギリスにおけるジェンダーとセクシュアリティ-」を執筆し、『西洋史学』(日本西洋史学会)に投稿(2008年2月)した。
著者
皆川 晶
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学紀要 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.85-103, 2013

キャンパス内において、大学生が謝る場面でどのような言葉を使用しているか。また、その選択基準について調査した。大学1年生を対象に、同学年、上級生、親しい相手、教員に対して、直接謝る場合とメールで謝る場合とを調査した。対象が同学年や親しい相手では「ごめん」「ごめんね」の使用が多く、親近語として認識されている。上級生や教員に対しては、「すいません」「すみません」の使用が多く、学生にとって敬意を表すことばとして認識されている。直接に言う場合とメールの場合でも、ことばの選択に大きな違いはなかった。しかし、対象が教員の場合は、変化が見られ、より丁寧なことばが選択されていた。よって、キャンパス内において、学生が謝る場面では、年齢や親疎の関係などで、ことばを使い分けていることがわかった。
著者
大野 栄人
出版者
愛知学院大学
雑誌
禅研究所紀要 (ISSN:02859068)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.213-277, 2006-03-31