著者
海老田 大五朗 引地 達也
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.38-48, 2020-09

日本における知的障害児の後期中等教育卒業後の第三の選択肢として、福祉制度を利用した「学びの場」を構築する動きが全国に広まっている。しかしながら先行研究において、「学びの場」における教示内容の精査が十分なされてきたわけではない。そこで本研究では、「学びの場」のであるシャローム大学校とみんなの大学校でのメディア教育実践について、マクルーハンのメディア論を参照しながら記述した。とりわけ知的・発達障害者(精神障害者)に対して最適化された時間と空間のデザインを模索する。キーワードは、「コミュニケーション行為」、「同時間性」、「メディアを使用した遠隔授業の使用方法」である。「学びの場」であるシャローム大学校とみんなの大学校では、障害者を情報弱者にしないために、メディア教育はトラブル回避を念頭に置きつつ、メディア使用によってマクルーハンのいう人間の機能拡張が可能になることが目指されていた。本研究は、こうした教育実践の事例報告である。
著者
藤由 義昭 FUJIYOSHI Yoshiaki
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
The Institute of Space and Astronautical Science report. S.P. : Proceedings of the 2002 International Science Symposium on the Leonid Meteor Storms (ISSN:0288433X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.125-126, 2003-03

During the 2001 Leonids maximum, it was cloudy in the limited part of Tokyo.However, we were able to observe a lot of bright Leonid meteors through the thin clouds. We havenever experienced such a wonderfulshower. Here we will report on how the shower were seen.
著者
深川 裕佳
出版者
東洋大学法学会
雑誌
東洋法学 (ISSN:05640245)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.214-145, 2016-03
著者
高橋 雄太 音田 恭宏 藤本 まなと 荒川 豊
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.44-51, 2017-06-21

超高齢化社会の到来によりリハビリテーションでの人手が不足し,効果的なリハビリ支援が行えなくなる可能性がある.効果的なリハビリテーションを行うには,大がかりな装置や専用の環境による歩行評価が必要になるが,人手不足などの要因により高齢者や片麻痺患者のようなリハビリ患者の歩行評価を定期的に行うことは難しい.本研究では日常の歩行をセンサデバイスによってセンシングすることで歩行能力の評価を人手を介さずに行うシステムの構築を目指す.日常の歩行から歩行能力の評価が行えれば,歩行能力の低下の検知,歩行能力の改善度の把握,効果的なリハビリテーション計画が可能となり,リハビリテーションの支援に繋がる.日常の歩行をセンシングするにあたってセンサデバイスの装着位置が重要となるが,我々は利用者の装着時の負担が少なく,片麻痺患者のような非対称な歩行を行う患者の歩行動作の検出が容易となる理由から杖にセンサデバイスを装着することにした.杖に装着したセンサデバイスで歩行評価を行うため,本稿では歩行動作の検出をリアルタイムに行うアルゴリズムと歩行距離を推定する重回帰モデルの構築を行った.構築した歩行動作検出アルゴリズムと歩行距離の推定モデルを評価したところ,歩行動作の検出率は95.56%で,歩行距離の推定精度は83.79%となった.この結果から,杖に装着したセンサデバイスにより歩行動作をある程度の精度で認識できることがわかった.
著者
柏戸 佑介 吉田 健志 押領司 健介 鎌田 一億 水木 伸一 横田 英介
雑誌
松山赤十字病院医学雑誌 (ISSN:03853888)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.69-74, 2013-12

trisomy 8の出現に伴って腸管ベーチェット病様の病態を呈したと考えられる骨髄異形成症候群の一例を経験した。手技的に止血困難な大腸の潰瘍性病変に対してadalimumab(ADA)の投与を行い、潰瘍性病変の改善傾向と下部消化管出血の改善を認めた。腸管型ベーチェット病に対するADAの有効性は報告されているが、骨髄異形成症候群に合併したベーチェット病に対するADAの投与報告はない。最終的には感染症で死亡したが、治療反応性を認めており、選択肢の一つとして検討可能と考えられた。(著者抄録)
著者
米地 文夫 姜 奉植 ビスタ ベット.B
雑誌
総合政策 = Journal of policy studies (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.297-309, 2000-12-31

地名は音声と文字との二つの形で伝えられる地理的情報で、それぞれの人類集団が用いる言語と文字とで表現されるが、地名の読みないし発音と文字による表記との間に"ずれ"があって、他国を訪れた旅行者にとっては、表音文字の通りに読んでも通じない、というような不便さに直面することが少なくない。かなり多くの地名の表記にこのような問題点のあることは、これまでほとんど指摘されたことはなかったが、本稿はそのような綴りと発音との不一致の例として、英国のウスター、日本の東京、ネパールのカトマンドゥ、韓国の金海などを取り上げ、そのような事例が諸言語にみられること、また、その類いの"ずれ"が生じたのには、さまざまな原因があり、また、そのような"ずれ"による分かりにくさへの対応としては、発音に合わせたローマナイズ表記やかな表記の併用が望ましいことを論じた。
著者
野田 五十樹 篠田 孝祐 太田 正幸 中島 秀之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.242-252, 2008-01-15

利便性の高い公共交通手段としてデマンドバスは注目されているが,現状では小規模な運行にとどまっており,採算性や運行形態の自由度の問題をかかえている.本稿ではユビキタスコンピューティング環境を応用したデマンドバスの大規模運行の可能性を探るため,シミュレーションによりデマンドバスと従来の固定路線バスの利便性と採算性の関係を解析した.その結果,次のようなことが示された.(1) デマンド数とバスの運用台数を一定の比率に保つ場合,運行規模の拡大に従いデマンドバスの利便性は固定路線バスより早く改善し,十分な利用者がいる場合,同じ採算性でも固定路線バスよりデマンドバスの利便性を良くすることができる.(2) 利用者の分布が一極集中の場合はデマンドバスが,二極集中の場合は固定路線バスの方が利便性を改善しやすい.
著者
北野 友士
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY ECONOMIC AND BUSINESS REVIEW (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.141-166, 2020-03-10

Recently, financial education is being encouraged in Japan. However inother countries, various types of educational programs for financial literacyhave been developed for some time now. For example, the Bank ofEngland has been making efforts for improving communication strategiesregarding public financial literacy. On the other hand, the OECD or WorldBank has recognized the importance of financial literacy amongst SMEs’managers. Thus, this paper examines the effect of improvement of personalfinancial literacy on monetary policy, and the relationship between themanagers’ financial literacy and the SMEs’ performance.The author has conducted two types of research. One is a questionnairefor 627 students from 5 universities. The questionnaire consists of afinancial literacy survey and questions about expectations on economy andinflation in the near future. According to the research, the improvement ofpersonal financial literacy could encourage the public to understand theBank of Japan’s view of future economy and inflation. In addition, simplifiedillustrations like the BOE’s “visual summary” could help financially illiteratepeople understand the BOJ’s views and policy.The other one is a survey for 3,000 managers of SMEs about theirfinancial literacy and business performance. Based on this survey, themanagers who maintain and understand positive capital ratio or have amedium range management plan, tend to run their business well.Understanding the capital ratio or making their management plan relatesto financial literacy. In addition, respondents who have joined seminars forentrepreneurs tend to be interested in their capital ratio and mediumrange management plan. In other words, financial training programs forthe SME managers would indeed improve their performance.The conclusion is that the improvement of individual or managers’financial literary could have positive effects on monetary policy andfinancial systems. However, the potential of the effect of financial educationmay have been demonstrated by following research.
著者
馬場 貴成 長岡 晴子 小川 秀人
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, 2020-10-15

Society 5.0時代の社会課題解決には多様な主体の知見をデジタル技術で統合する価値協創型DXが求められる.価値協創には協創方法論,知識ベース,デジタルプラットフォームなどを要する.Lumadaは協創方法論NEXPERICE,ソリューションを蓄積するLumada Solution Hub,新たなソリューションを実現するNode-RED等からなり他社ソリューションとも連携し顧客協創DXを実現する.
著者
髙良 幸哉
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.305-328, 2016-12-30

児童ポルノ法が1999年に制定されて以降,児童ポルノ法制は現在まで拡大を続けており,2014年改正において児童ポルノの単純所持罪が規定されるに至っている。しかしながら,なおも未解決の問題も存する。CGや仮想児童を扱った描写物の児童ポルノ性をめぐる議論がその代表的なものであり,近年議論になっている。児童ポルノ性をめぐっては,東京地判平成28年3月15日判例集未登載において,CGに描写児童の実在性を認める判断が我が国においてはじめて示されるなど,実務上の動きもみられる。また,我が国の刑法が範とするドイツにおいても,2015年に性刑法をめぐる改正がなされたほか,2013年,2014年には児童ポルノをめぐる重要な判例が登場している。本稿は児童ポルノ性をめぐる我が国の議論とドイツを中心に国際的動向を概観する。また,児童ポルノには児童の実在性を要するかについて,児童ポルノの保護法益を児童ポルノマーケットの拡大防止に見出す市場説に立ち検討を行い,現実性の高い仮想児童ポルノについては規制の余地があると論じるものである。
著者
大野 淳也 白川 真一 大原 剛三 Ohno 1 Junya Shirakawa 2 Shinichi Ohara 2 Kouzou
雑誌
SIG-KBS = SIG-KBS
巻号頁・発行日
vol.B4, no.01, pp.1-7, 2014-07-24

In this report, we propose a neural network model for subjective contour perception. The contour perception has an important role in recognizing the shape of objects for human. Human can perceive a contour even when there is no change of the characteristic or brightness in the image. This type of contour is called subjective contour, and the mechanism of its perception has yet to be completely become clear. It is helpful from the viewpoint of the visual psychology and engineering application if the subject contour perception model can be constructed by the computer. We, therefore, attempt to construct the model of the subjective contour perception by using only input and output images based on a convolutional neural network (CNN). From the experimental results, we confirmed that our proposed model has the possibility of extracting the subjective contour from the given image, though the general model for the subjective contour perception could not be obtained.
著者
瀧澤 武信
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.92-95, 2011-10-28

数理ゲーム理論(Mathematical Game Theory)は組合せゲーム理論(Combinatorial Game Theory)とも呼ばれ,組合せ数学(Combinatorial Mathematics)の一分野である.この理論は1960 年代に本格的な研究が始められ,1970 年代にCalifornia 大学Berkeley 校のE.Berlekamp 教授,英国Cambridge 大学のJ.Conway 教授,カナダCalgary 大学のR.Guy教授らにより確立された. 筆者はBerlekamp 教授がこの理論を囲碁の最終盤に適用し始めた直後の1991 年から,同教授らの研究グループと共同研究を行ってきた. 本論文では数理ゲーム理論の囲碁の最終盤への適用について述べる.
著者
鹿島 正裕 Masahiro Kashima
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of The Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.125-139, 2016-03-25

1989年に東欧で起こった民主化の波は、ほとんどの諸国を平和裏に自由民主主義国へと導いたが、2011年に一部のアラブ諸国で起き始めた民主化の波は、4国で独裁政権の崩壊をもたらしたものの、多くのアラブ諸国においては政権の若干の譲歩か弾圧によって抑え込まれるか、内戦をもたらしてしまった。民主化し始めた4国でも、チュニジア以外では権威主義政権の復活や内戦に至り、今のところ失敗に終わっている。この両地域の顕著な相違を説明するために、民主化に関する近年の理論的研究を参照して比較の枠組みを設定したうえで、両地域の①民主化前の状況、②\n民主化の波、③その後の展開を概観する。そして統計的データも参照し、(1)国家のあり方──政治秩序の類型、政府の機能、民主的価値観の普及度、エリート層や軍部の内情、(2)社会のあり方──所得向上と中間層の増大、市民社会化、宗教的寛容度、ジェンダー間の平等度、天然資源への依存度、青年層の不満度、(3)外国の影響──大国の関与、近隣諸国の民主化、コミュニケーション手段の発達、の諸要因を比較する。東欧諸国の成功とアラブ諸国の失敗はそれらによってよく説明され、アラブ諸国の今後の民主化可能性にも示唆を得られる。
著者
紙 博文 カミ ヒロフミ Hirofumi Kami
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.29-46, 2007-07

本稿の目的は、株式会社の資本金(額)が""零""であることの考察することである。手順としては、まず、最低資本金制度廃止の論理を法的に、そして会計的に吟味し、資本金の意義及び純資産(資本)の部の役割を検討したうえで、制度廃止によるいくつかの疑義を問い、会社法と会計における資本(金)のあり方を検討することとする。ここで制度廃止による法的な論理をみると、資本金は、法的には配当規制上の概念として-それは配当における上限金額(単なる数額)を示すのみであるが-存在するだけで、債権者保護としてそれほど役立つものでもない、とされていることであり、このことから資本金の額は自由に設定でき、金額は""零""でもかまわないという論理が導かれている。こうした論理に対して、会計サイドからの意見はあまり聞くことはできない。それは、制度会計の名のもとで会計の独自性を発信できないからであろうか。会計は、適正な期間損益計算を行いその結果を公表することを目的としており、純資産(資本)の部では、資本の維持拘束性、資本と利益の区分を重視する。また、資本金に関してもその大きさは会社の事業規模をはかるモノサシとして、また、株主からの出資額として財産の存在を示すものとしても意義あるものである。しかしながら、立法サイドが、資本金を""零""にすることを可能とし、債権者保護機能も放棄したような状況では、いくら会計基準は会計サイドのものに従う、といっても会計にもっとも肝心な資本取引、損益取引等を含む会計一般理論を構築することは困難なことなのかもしれない。
著者
松村 幸子 二階堂 一枝 篠原 裕子 菅原 京子 花岡 晋平
出版者
新潟青陵大学
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.161-182, 2003-03

日本の四大公害病のlつである新潟水俣病に対する、行政に働く保健師の活動について、37年前の発生当初から現在までを時系列で整理した。その結果を1978年アルマ・アタ宣言のプライマリ・ヘルス・ケアの4原則1.住民のニーズ指向性 2.住民の主体的参加 3.資源の有効活用 4.協調、統合に照らして分析を試みた。先輩諸姉の語りや文献を通して、保健師は新潟水俣病発生以来今日まで、この問題にかかわり続けできたことが明らかとなった。複雑な社会的背景を持った問題であったが、さまざまな看護ケアが住民サイドに立って実施されていた。健康を人々の権利として位置づけたPHCの理念に沿って活動が進められていたが、住民の主体的参加、他専門職および住民組織との協調、統合については生かしきれず、今後の課題である。