著者
入日 茜 村上 克介 Irihi Akane Murakami Katsusuke
出版者
三重大学共通教育センター
雑誌
大学教育研究 : 三重大学授業研究交流誌
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-9, 2007-09

昨年の講演内容をこのように公刊誌に掲載いただき、誠に光栄に存じますと共に、いささか恐縮いたしております。大学時代に学んだ授業に触発され、私はシンガー・ソングライターを志しました。録音スタジオオーナーとの出会いを経て、オーディションに応募し、お誘いをいただきました。こだわりのある熱意を持ったプロダクションの所属となり、尊敬できる共演者たち、頼もしいスタッフ、温かいファンの方々に囲まれながら、華々しくはなくとも幸せな音楽人生を過ごして来ました。時には失敗や挫折も経験しながらの作詞、作曲、CD制作、ライブ活動、この約十年間を経て、オリジナリティは人生の中でとても大切なものであり、しかも、それは、個々人の感性によって作られることに気付きました。感性は、芸術鑑賞、恋愛や読書、旅などによっても磨かれますが、人とのつながりによる影響がとても大きいものです。本稿を読んで下さる皆様が、より良き感性を育まれ、生活においても仕事においても、より創造的な人生を歩まれるのなら、私にとってこんなにうれしいことはありません。The significance of indivisual originality in the activities of human life was reported from the perspective of a singer-songwriter by Ms. Akane Irihi in a special lecture on 12 December 2006, at the Common Education Center, Mie University. The 'musical' lessons that she recieved at Nara Education University encouraged her to become a musician and singer-songwriter. Thereafter she successfully auditioned her composition at a recording company in Tokyo. Numerous experiences in human co-relations (i.e. co-musicians, staffs and fans) helped her, to grow as a better musician. Through performances of her art (live performance, recordings and compositions of music) and life experiences over about 10 years, she found that originality in the activities of human life, including art, investigation and so on, is extremely important, and that originality is created by the unique sensitivities of each person, which are the result of human relations with other persons, appreciation of arts, book readings, travels and so on. It seems that young persons should be encouraged to grow the good sensitivities in their lives, thanking people for supporting them, in order to promote better dreams and happiness for their lives and works in the future.
著者
マレット ピーター J.
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Journal of the Faculty of Letters, Kobe Shoin Women's University = 文学部篇 : JOL (ISSN:21863830)
巻号頁・発行日
no.6, pp.37-47, 2017-03

ジェーン・オースティンは、作品名にもなっている主人公、エマについて、「私以外だれも好きになれそうにないヒロイン」と書いている。このように、文学作品では好感が持てるとは言い難い語り手や人物が登場する場合も多い。『嵐が丘』のヒースクリフ然り、さらには『ジーキル博士とハイド氏の怪事件』のハイド氏、『ロリータ』のハンバート・ハンバート、『華麗なるギャツビー』のジェイ・ギャツビー、『日の名残り』のスティーブンス、そして『ソーラー』のマイケル・ビアードもまた然りである。本稿は、2016 年10 月30 日に徳島大学で開催された第9 回Japan Writers Conference (JWC) で発表しており、今回は人から好かれにくい人々が登場する作品がどのように成功をおさめ、主人公が魅力的でないにもかかわらず、なぜ読者が物語に引き込まれるのかを考察する。"I am going to take a heroine whom no one but myself will much like," wrote Jane Austen of her eponymous protagonist Emma. Literature is populated with narrators and main characters who are not likeable: Heathcliff (Wuthering Heights), Mr Hyde (The Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde), Humbert Humbert (Lolita), Jay Gatsby (The Great Gatsby), Stevens (Remains of the Day) and Michael Beard (Solar). This paper, originally presented at the 9th Japan Writers' Conference at Tokushima University on 30 October 2016, will examine how the novels in which these characters appear achieve success, and why we care what happens, despite the unlikeable protagonists.
著者
森岡 正博
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.5, pp.p67-87, 1991-10

本論文は、パソコン通信のフリーチャットに典型的に見られる、匿名性のコミュニケーションを分析し、電子架空空間で成立する匿名性のコミュニティの諸性質について論じる。その際に、都市社会学の観点からの分析を試みる。パソコン通信を都市社会学の観点から議論する試みにはほとんど前例がない。本論文で提起されるいくつかの仮説は、今後のメディア論に一定の影響を与えると思われる。
著者
鹿野 利春
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.84-87, 2021-01-15

Society 5.0に向かう社会では,創造力と想像力を育み,課題解決を通じて価値創造をすることが求められている.そのための資質・能力を学校教育で育てることが必要である.高校では,全員が情報デザイン,プログラミング,データの活用などを含む「情報Ⅰ」を履修することになり,発展的な選択科目として「情報Ⅱ」も準備されている.これらを先生方が教えるために文部科学省や学会および民間企業から教員研修用教材が出されている.教科書ができてくる2021年の前半までには,科目の内容を把握し,1年間の授業イメージをもって教科書が選択できるように研修を進めていただきたい.
著者
中野 研也 Nakano Kenya
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間生活学部篇 (ISSN:21853363)
巻号頁・発行日
no.7, pp.117-125, 2015

フォーカル・ジストニアは,症状の程度によっては,その演奏活動を断念せざるを得ない程の深 刻な事態となる場合も少なくなく,楽器の演奏家や歌手にとって難しい問題となっている.フォー カル・ジストニアの認知度は,近年徐々に高くなっているが,病院は不明であり根本的な治療法や 解決法は未だ確立していない.本稿では,演奏家がフォーカル・ジストニアに罹患した場合におい て如何なる方法で克服したらよいのか,実践的対処法について演奏者の視点から考察する.

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出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, 2020
著者
酒井 理
出版者
法政大学キャリアデザイン学部
雑誌
法政大学キャリアデザイン学部紀要 = 法政大学キャリアデザイン学部紀要 (ISSN:13493043)
巻号頁・発行日
no.11, pp.133-149, 2014-03

The purpose of this paper is to clarify the structure of the negative image on the consumer finance. That people generally have a negative image for the consumer finance. It has been pointed out by the findings of several research papers. However, it is not clear negative images whether they are applied in any structure. Using the concept of stereotypes and analyzed the structure of the negative image on the consumer finance. Consumers, it became clear that, there is a possibility that you are aware of is divided into categories as consumer finances, small loans, banks. Consumer finance category is present as a stereotype image "scary" and "dark". It is tied to a negative image on the brand. Stereo type if present in consumer finance category, there is a limit to the image improvement efforts of individual companies. It is shown that In conclusion, let us consider a way to avoid recognition by the stereotype is a problem.
著者
中丸 禎子
出版者
東京大学大学院ドイツ語ドイツ文学研究会
雑誌
詩・言語 (ISSN:09120041)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.27-46, 2009-03-24

ラーゲルレーヴは、スウェーデンや日本においては、民話の語りを髣髴とさせる内容・文体から、「お話おばさん」(se: sagotante; de: Märchentante)として親しまれ、母性的な平和主義者として知られる。これに対して、ドイツでは、民話・農民・郷土・大地などを繰り返しテーマ化したことから、「郷土芸術運動」および「血と大地思想」によって積極的に受容され、後のナチズム思想形成の一端を担った。本論文では、ラーゲルレーヴ『エルサレム』における他者支配のあり方を、男性性・女性性のあり方と重ね合わせて論じることで、ラーゲルレーヴとナチズムとの共通点・相違点を考察する。同作では、富農一家の跡取りである主人公のアイデンティティの完成が、「父から子への名前(血)の継承」という構造および「農耕」のモチーフと強く結びついている。「農民」という人物像は、一見、原初的で無垢な人間性を表すようで、その実、「大地」を「農地」化するという、文明の持つ「暴力」の根源形態を体現する。作品内でそれは、「男性性」による「女性性」の「接収」という性暴力として描かれる。導入部では、主人公の父である農夫が、子殺しをした妻を赦し、彼女を自身の良き妻・子どもたちの良き母とする。子殺しをする女性は、生と死の両方を司る「大地母神」を連想させるが、ここでは、農夫が「荒地」を人間に恵みをもたらす「農地」に変えることと、「大地母神」が馴化され、農夫に跡取りをもたらす良妻となることがパラレルである。本編においては、宗教運動に反対して故郷に留まる主人公イングマルが健康な男性として、エルサレムに移住する姉カーリンが病気の女性として、対比的に描かれている。スウェーデンにおいて、同作は、「倫理的英雄としての農民像」を打ち立てた作品とされる(エードストレーム、2002)。主人公のアイデンティティの完成は、彼が数々の倫理的行為により、「大地」を獲得し、名前(血統)を継承することで示される。これに対して、カーリンは、エルサレムに移住することでダーラナの「大地」を追われるのみならず、随所で、「麻痺した女性」として描かれる。19世紀・20世紀のヨーロッパ文学では、しばしば、女性の障碍(特に脚部麻痺)が、その家への隷従の比喩として描かれた(キース、2001)。ラーゲルレーヴは、自身(実際に左足に軽い障碍があった)のことも、繰り返し障碍者あるいは病人として描いている。スウェーデンにおいて、彼女は、フェミニストとして知られるが、作品には、脚部障碍によって女性の家への隷従が象徴され、更に、その「女性性」が男性によって「克服」されるという、二重の「女性支配」の構造を見てとることができる。 一方、作品における「障碍」や「死」は、現実世界の常識や人智を超えたものとしても表象される。作家の自伝『モールバッカ』には、歩けない「セルマ」が脚のない「楽園の鳥」を見るために立って歩く場面がある。ここでは、脚部障碍が、逆説的に、この世から楽園への越境能力として描かれている。カーリンを最終的には死に至らしめる「病」もまた、彼女が目指す「唯一真のキリスト教」に至る道であり得る。「女性」に付与された「病」や「死」をはじめとする「ネガティヴなもの」は、ラーゲルレーヴ作品に、現世的な価値や枠組みを超えていく可能性を与えてもいる。
著者
中 正樹 日吉 昭彦 小林 直美
出版者
武蔵社会学会
雑誌
ソシオロジスト : 武蔵社会学論集 (ISSN:13446827)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.147-182, 2015

本研究の目的は,2012年に開催されたロンドンオリンピックの開催期間における日本のテレビニュースの報道傾向を明らかにすることである。そのために,ロンドンオリンピック開催期間に日本のキー局の代表的なニュース番組が提供したすべてのニュースを対象として量的分析を実施した。そして,(1)各ニュース番組の報道傾向,(2)各ニュース番組の英国に対する報道傾向,(3)ニュース番組全体からみた英国報道の傾向,以上の3点に焦点を絞って考察した。考察の結果,以下のような知見を得た。(1)フジテレビ「NEWS Japan+ すぽると!」およびテレビ朝日「報道ステーション」が特徴のある報道をしていた。(2)各ニュース番組の報道傾向は,TBS「NEWS23X」を除いて北京オリンピック開催期間における報道傾向と類似していた。(3)オリンピック開催期間中,ニュース番組が提供する英国ニュースはそのほとんどがロンドンオリンピック関係のニュースで占められていた。(4)ロンドンオリンピック開催期間における英国報道のフレームは,主に競技結果に関するスポーツニュースを選択・強調しており,社会や政治のニュースを選択する方向では機能しなかった。本研究は,先行研究として実施された北京オリンピック開催期間における研究と比較検討を重ねることによって,より大きな成果が期待できる。今後の課題である。