著者
宮武 慶之 Yoshiyuki Miyatake
出版者
同志社大学文化情報学会
雑誌
文化情報学 = Journal of culture and information science (ISSN:18808603)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1-2, pp.154-140, 2022-03-31

江戸の地廻り酒問屋である鴻池屋永岡家が所蔵した「五節句図」(大倉集古館蔵)には抱一書簡二通が付属し従来、宛名の鴻儀とは作画を依頼した永岡伊三郎とされてきた。しかしながら鴻池屋歴代の活動時期は明らかにされていない。そこで鴻池屋が江戸町会所御用達であった点に着目し、御用達に関する記録から鴻池屋歴代の活動時期を区分し抱一書簡を再検討することで当時の周縁を明確にする。
著者
高橋 順一 加藤 啓一 工藤 孝志 一瀬 悦史 竹澤 雄基 髙間 晶子
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.597-601, 2017-08-31 (Released:2017-08-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1

背景:日本赤十字社は効率的にBLS教育を実施できる学校向けのプログラムとして,『救急蘇生法の指針2010(市民用・解説編)』 1) で設定された「入門講習」などに基づき,「児童・生徒のための救命手当短時間プログラム」を新設した。目的:本プログラムの受講者である小学生の受講前後の救助意欲とBLSに関する知識の変化について,比較評価を行うことである。方法:秋田県と大阪府の小学生に対して本プログラム(1単元:45分間)を開催し,受講児童に対し講習前後に同じアンケート調査を行った。結果:秋田県が286名,大阪府が405名の総計691名の小学生全員から調査票を回収し得た。救助意欲の変化は受講前の68%から97%となり,救助知識においても受講前に比べて,受講後は全体的に向上した。考察:小学生に対して45分間のBLS教育を行うことにより,BLSに関する基本的な知識を習得すること,救助意欲を向上させることは可能である。
著者
蛭子 洋介
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.57, no.Supplement, pp.s142_2, 2022 (Released:2023-02-23)

COVID-19の流行により日本を含む各国の移植医療は大打撃を受けたが、この2年間でCOVID-19の診断、治療、そして感染管理についての知見が蓄積された。診断ではSARS-CoV-2核酸増幅検査を使ったプロトコールが整理され、治療では抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体などが使われるようになり、さらにはワクチンの開発によってCOVID-19の予防が可能になった。これらの進歩によってCOVID-19の感染者数は減少している。日本移植学会 COVID-19対策委員会ではアップデートされる情報を元に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の移植医療における基本指針」を発表し、日本における移植患者のCOVID-19の対応策を示してきた。しかし、一部のモノクローナル抗体が効かない変異株の出現に加えて、移植患者に特有の問題である免疫抑制剤と抗ウイルス薬の相互作用や免疫抑制剤によるワクチン予防効果の低下など非移植患者と比べると解決すべき課題は多く、いまだに予断を許さない状況である。この状況下において安全に臓器提供を行い、臓器移植を続けていくためにできることについて議論する。
著者
Ishii Megumi Ishii Tetsuya
出版者
Elsevier
雑誌
Trends in Biotechnology (ISSN:01677799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.525-528, 2022-05
被引用文献数
5

A genome-edited agricultural product that is proven to contain no exogenous DNA is not subject to genetically modified organism (GMO) regulations in some countries. However, whether such proof is definitive is often disputed. We discuss the approaches to substantially proving that a genome-edited organism is not GMO, while considering social aspects.
著者
野中 健一 ノナカ ケンイチ
出版者
立教大学史学会
雑誌
史苑 (ISSN:03869318)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.91-95, 2008-03
著者
川崎英明著
出版者
日本評論社
巻号頁・発行日
1997
著者
小川信編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1991
著者
大浦 律子 吉川 清兵衛
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.183-188, 1986-03-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

過酸化系漂白剤なかでも過炭酸ナトリウムの分解速度はpHにより大きく影響される.この現象をさらに検討するため本報では, 過酸化水素の分解速度, 漂白力とpHの関係を測定し, 過酸化水素に炭?ナトリウムを加えた系 (モデル過炭酸ナトリウム) との比較を行った.さらに, 洗剤中に配合されている無機ビルダー (硫酸ナトリウム, リン酸ニナトリウム, メタケイ酸ナトリウム) を共存させた系についても検討した.また, 過炭酸ナトリウムに, これらの無機ビルダーを共存させた系で, 無機ビルダーが分解速度におよぼす影響について検討し, つぎのような結果を得た.過酸化水素に炭酸ナトリウムおよびメタケイ酸ナトリウムを加えると, 過酸化水素単独にくらべ, 分解速度は速くなり, これらの無機ビルダーは, 分解促進作用がある.しかし, 硫酸ナトリウムやリン酸ニナトリウムを加えても, 過酸化水素の分解速度には, ほとんど影響しない.過酸化水素に無機ビルダーを加えた場合の漂白力への影響は, 硫酸ナトリウムやリン酸ニナトリウムでは, 中性から弱アルカリ性域で, わずかに高くなるが, pH 11以上では, ほとんど変わらない.また炭酸ナトリウムでは中性~酸性域では相当の, また弱アルカリ域ではわずかの漂白効果の向上がみられた.またメタケイ酸ナトリウムを加えた場合は, 強アルカリ浴でも漂白力は低下しなかった.過炭酸ナトリウムにメタケイ酸ナトリウムを加えるとpH9.5までは分解が起こらず, 弱アルカリ浴では, 過炭酸ナトリウムの分解を抑制することが認められた.本研究の一部は昭和59年度日本家政学会年次大会 (第36回) で発表した.
著者
大熊 浩也 瀧田 愼 森井 昌克
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.987-992,

二次元コードとしての QR コードはウェブページへのアクセス,特に最近では決済への利用等,幅広い用途に用いられている.QR コードは高い認識率を誇るものの,その内容を人が直接解釈できないことから,悪意のあるものが偽装した QR コードを作成し,不用意な操作から悪性サイトに導かれることが問題となっている.偽装された QR コードは必ず悪性サイトに誘導されるがゆえに発見が容易であり,早い時点で対策が講じられる.著者らは既に誤り訂正符号の性質を用いて発見が困難な QR コードを開発している.前回の報告ではその具体的な作成方法において,一つのモジュールにドットを付加または輝度値を変更など,注意深く観察することにより通常の QR コードと識別できる例を与えた.一つのモジュールだけでなく,QRコード全体に変更を加えることで,通常のQRコードとの識別が困難な偽装QRコードを作成することも可能である.本稿では,そのような QR コードの作成方法を提案するとともに,偽装 QR コードの危険性を明示する.さらに,提案した偽装 QR コードに限らず,様々な方法で偽装される可能性がある QR コードについて,その対策を述べる.
著者
松尾 政輝 坂尻 正次
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.76-80, 2013-12

近年,数多くのコンピュータゲームが発売されているが,視覚障害者,特に画面を確認することができない全盲者がこれらを楽しむには多くの工夫と労力を必要とする。一方,視覚障害者向けのゲームも開発されているが,聴覚情報のみで遊ぶこのようなゲームは,健常者にとっては難易度が高いという側面がある。そのため,両者が十分に楽しむことのできるゲームはほとんど存在しない。したがって,視覚障害者は,健常者と同じゲームで遊び,話題を共有することが非常に困難な状況にある。そこで,健常者と視覚障害者の両者が十分に楽しむことのできる,音と触覚により視覚障害者も利用可能なバリアフリーゲームを開発した。本報告では,開発したバリアフリーゲームについて述べることとする。