著者
三浦 洋子 Yoko Miura 千葉経済大学 CHIBA KEIZAI UNIVERSITY
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = The Chiba-Keizai ronso (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
no.40, pp.77-89,

北朝鮮は慢性的食料不足に陥っていて、韓国はじめ各国はさまざまな支援を行ってはいるが、実態がよくわからず、支援の方法も暗中模索の感がある。そこで、植民地時代の日本資本による「有畜畑作農業」でのじゃがいも栽培と、2000年代、いわゆる「金正日じゃがいも革命」の支援に赴いた日本人の経験を取上げて、北朝鮮の農業発展の方向性を考えてみた。その結果、北朝鮮の気候や土壌は、北海道式のじゃがいも栽培技術が十分適応可能であることがわかった。そこで、そうした技術を利用して、植民地時代、日本人によって行われたような、まず土つくりから始め、家畜を飼い、その糞尿を厩肥として畑にまき、じゃがいもやその他の畑作物を輪作体系で栽培して家畜の餌や人間の食料をつくり、可能であれば肉や乳を生産加工して販売する、といった「循環型農業」を目指すべきであり、こうした計画のもとに各国の支援を要請することが重要であると思われた。
著者
山口 淳
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.457-460, 2011 (Released:2012-01-17)
参考文献数
35

NGF(Nerve growth factor)は, 元来, 感覚神経や交感神経の発達・増殖や機能維持に必須の因子として同定された. 近年, NGFは炎症性・炎症性疼痛などの慢性疼痛に深く関わることが明らかとなってきた. NGFの阻害薬は, 既存の治療薬が効かない多くの患者に対する新規の治療法と期待されている.本概説では, NGFが疼痛を惹起するメカニズムやその治療応用についてこれまでの研究報告をまとめる.
著者
西川仁史
雑誌
臨床スポーツ医学
巻号頁・発行日
vol.9, pp.33-37, 1992
被引用文献数
1
著者
和田 歩美 島田 文美 渡邉 哲意
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.362, 2017 (Released:2017-06-29)

本制作は(株)水鳥工業と宝塚大学の産学連携プロジェクトとして、同社商品の擬人化キャラクターを制作、様々なメディア展開を通じて、キャラクターコンテンツの広報展開への活用から、企業商品の認知度、イメージアップを目指す企画である。同社は主な商品ターゲットを若年層と海外に焦点を当て、キャラクターを使用したマンガ、ラインスタンプ、グッズ製作などのメディア展開を通して広報ツールとして活用していく予定である。今回第1弾として、同社のフラッグシップモデルである「KOKON」(下駄)の擬人化を行なった。
著者
吉澤 和徳 吉冨 博之 上村 佳孝
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

標本収集:国内でのフィールド調査により,より幅広い範囲のチャタテムシの形態解析用サンプルが得られた.ヒョウモンチョウ,マルハナノミのサンプリングも継続して行い,追加サンプルが得られた.遺伝子解析:前年度解析したミトコンドリアゲノム情報に基づき,トリカヘチャタテの分子系統解析に必要な追加プライマーの設計を終え,データもほぼそろった.現在外群のデータを追加している状態である.予備解析ではトリカヘチャタテ内の系統関係の解像度も高く,また近縁な Afrotrogla, Sensitibilla, Spekeletor 属との系統関係に関しても良好な解析結果が得られている.トリカヘチャタテの親子判別,集団構造解析に必要なマイクロサテライトプライマーも完成し,それらを報告した論文が受理され,現在印刷中である.形態解析:SPring8での追加の形態解析を行い,十分なデータを集めた.特に,トリカヘチャタテの精子貯蔵構造に興味深い発見があり,それらの解析をほぼ終え,論文の執筆を開始している段階にある.雌ペニスに関連した構造の解析も進めており,現在は比較に必要な雌ペニスを持たない通常のチャタテムシの交尾器の状態の解析を進めている.加えて,共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析も進めており,これらの構造のタンパク質構成などについても解析を進めている.サブプロジェクト:プロジェクトを通して得られたトリカヘチャタテなどのサンプルを用いて,交尾器以外の形態の観察も行った.特に,前後翅を連結する構造の解析を行い,その結果を論文として出版した.この構造から,トリカヘチャタテの飛翔能力が弱いであろう事も傍証された.受賞:本プロジェクトでイグ・ノーベル賞生物学賞を受賞した.
著者
長妻篤暠 著
出版者
糧友会
巻号頁・発行日
1928
著者
菊池寛 著
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1925
著者
立川 隆治 平田 したう 福島 典之 平川 勝洋 夜陣 紘治
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.396-408, 1999-08-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
16

広島大学耳鼻咽喉科および関連施設耳鼻咽喉科外来を受診した慢性副鼻腔炎患者106例を対象として, 無作為にE群 (エリスロマイシン単独群) とEC群 (エリスロマイシン, カルボシステイン併用群) の2群に分けて8週間治療を行い, 臨床効果を検討するとともに投与前と投与8週後に後鼻漏を採取し, その成分の変化を検討した。1) エリスロマイシン単独およびカルボシステインとの併用投与により, いずれにおいても自覚症状, 他覚所見およびX線所見の改善が認められた。全般改善度において中等度以上の改善を認めた症例はE群で48.1%, EC群では42.3%であった。軽度改善以上で比較すると, E群の77.8%に対しEC群では92.3%とやや高い改善率であった。2) 慢性副鼻腔炎治療前の後鼻漏成分では, 重症例ほどシアル酸 (S), フコース (F) の濃度は高く, 治療後の改善度の高かった症例では, S/F値の低下, フコースの上昇が認められた。3) エリスロマイシン単独およびカルボシステイン併用投与による慢性副鼻腔炎の治療効果にはS/F値の低下が密接に関与することが示され, 慢性副鼻腔炎の治癒過程においてS/F値がその指標となりうることが示唆された。