著者
藤原 静雄
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.564-568, 2006-12-01
参考文献数
4

文書にライフサイクルがあるように個人情報にもライフサイクルがある。文書・資料の管理はそのサイクルに合わせて考える必要がある。また,個人情報保護法制には「目的拘束」という法制度を貫く原則が存在するが,管理も当該文書を作成・取得した目的との関係で行う必要がある。個人情報保護法制の下での文書管理・資料管理,とりわけ文書の廃棄に際しては,民間部門のガイドライン等で用いられている基準を参考にすることが考えられる。さらに,文書管理・資料管理の問題は技術的な側面が強調されがちであるが,個人情報保護の観点からは,技術は手段であり,目的は個人の権利利益の保護にある点に留意すべきである。
著者
小谷 允志
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.559-563, 2006-12-01
参考文献数
4

オフィスでは膨大な数の文書が日々発生している。文書の氾濫を防ぎ,情報活用の生産性を向上させるためには,的確な文書のライフサイクル管理の仕組みが導入され,維持されなければならない。そして,そのプロセスの中で適切に廃棄が行われることが必要である。本稿では概括的な廃棄の基準と,保存期間満了後の廃棄基準とを区別し,的確なライフサイクル管理の中での廃棄と,その前提となる保存期間設定の考え方について述べる。併せて機密文書の廃棄方法にも触れる。
著者
鈴木 克彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.569-573, 2006-12-01
参考文献数
4
被引用文献数
1

図書館においては,現実問題として収容能力の限界から図書廃棄を優先して考えざるを得ない一面もあるが,この一局面だけに捉われ過ぎては危険である。本来ライブラリアンは,利用者の視点に立ち,その利便性を考慮し,図書館サービスの向上に努めることを,第一に考えるべきである。石川島播磨重工業(株)技術情報センターでは,この観点も含め資料ごとに廃棄基準を定めている。2006年4月の当社の新本社ビル完成に伴う廃棄作業では,この基準に従って約15,000冊の図書,雑誌等を廃棄した。なお当社は,廃棄にあたり,環境に十分考慮している。
著者
原田 康徳 宮本 衛市
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.664-665, 1988-09-12

近年、ハードウエアの価格の低下に伴い、様々な分野へのコンピュータの進出が著しく、プログラマのすそ野が広がっている。そこでは、小規模なソフトウェアを短時間で開発できるような環境が重要であり、様々な簡易言語(いわゆる第4世代言語)が開発されているが、種々の問題を抱えている。ここでは、インタプリタ言語 Laplas(Language Processor for Listing and Stacking)を紹介し、汎用的な簡易言語として備えるべき性質を満足していることを示す。
著者
三竹 直哉
出版者
駒澤大学
雑誌
政治学論集 (ISSN:02869888)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.71-104, 1997-09-30
著者
馬場 昌之 西川 博文 加藤 嘉明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.125, pp.71-76, 2007-12-14
被引用文献数
1

インターネットの普及と高速化に伴い,ビデオやオーディオなどのメディアデータをリアルタイムに IP 伝送するようになってきた.しかしながら利用するネットワーク環境により TCP しか使用できないこともある.本稿では,TCP を使用したリアルタイム伝送方法を提案する.既存の TCP を用いて,無線環境での使用にも耐えうるように,バーストパケットロスに対応できるようにパケット伝送方法を制御する.本提案方法では,複数の TCP コネクションを用意し,1パケットずつ異なるコネクションで送信する.これによりパケットロスが発生しても他のパケットに遅延を与えず,バーストロス時にもフロー制御によるレートの低下が発生しない.Real-time multimedia communication over UDP/IP has been put into practical use because of the popularization of the high-speed Internet. However there are some communication environments that can be used only TCP/IP. In this report, we propose a new real-time transmission method using general TCP/IP and dealing with some consecutive packet losses occurred in wireless communication environment. Our proposed method uses multiple TCP connections, and sends packets over different TCP connections. This method can recover some consecutive packet losses quickly and keep the throughput performance at a high level.
著者
米谷 千春
出版者
立教大学
雑誌
英米文学 (ISSN:03876764)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.235-260, 2003-03-10
著者
徐 忠傳 兵藤 宏 生駒 吉識 矢野 昌充 小川 一紀
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.192-194, 2000-03-15
被引用文献数
6

キウイフルーツ'魁密'(Actinidia chinensis)と'ヘイワード'(Acitinidia deliciosa)では果実の部位によって1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)合成酵素遺伝子の発現, ACC含量およびACC合成酵素活性に大きい差が認められた.エチレン生成能の低い'ヘイワード'においてはACC合成酵素mRNAのレベルは外果皮で一番高く, 部位の違いが明確であった.一方エチレン生成能の高い'魁密'においては外果皮, 内果皮, 果芯のすべてで高かった.ACC合成酵素mRNAの発現, ACC含量およびACC合成酵素活性は'魁密'の方が'ヘイワード'より高かった.これらの結果より, キウイフルーツのエチレン生成能の品種間差に関与する要因は主にACC合成酵素遺伝子の発現とACC合成酵素の活性であることが示された.
著者
佐藤 茂 和気 慶介
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.173-177, 2006-03-15
参考文献数
17
被引用文献数
8

カーネーションの ACC 合成酵素遺伝子 <i>DC-ACS1</i> は,花の老化時に雌ずいで少量発現し,花弁で大量に発現する.カーネーションの花の老化時には,雌ずいで生成したエチレンが花弁に作用して <i>DC-ACS1</i> と <i>DC-ACO1</i>(ACC 酸化酵素遺伝子)の発現を誘導し,花弁から大量のエチレンが生成する.<i>DC-ACS1</i> cDNA を導入した遺伝子組換えカーネーション(16-0-66系統)では,エチレン処理によって <i>DC-ACO1</i> 転写産物が雌ずいと花弁の両方で増加したが,<i>DC-ACS1</i> 転写産物は検出されず導入遺伝子による内生 <i>DC-ACS1</i> 遺伝子の発現抑制(コサプレッション)が推測された.他方,16-0-66 系統では花の老化時にエチレンが生成せず,同時に,雌ずいと花弁で <i>DC-ACS1</i> 転写産物が検出されなかった.また,<i>DC-ACO1</i> 転写産物は,雌ずいで検出されたが花弁では検出されなかった.これらの知見から,カーネーション花弁の老化時のエチレン生成において,雌ずいにおける <i>DC-ACS1</i> の発現が重要な役割を果たしていることが推測された.<br>
著者
星野 大輔 難波 一輝 北神 正人 伊藤 秀男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.539, pp.29-34, 2007-02-16

近年,家電や機能の多様化が進み,1家電でサービスを成すスタンドアローン型ではユーザに対する操作の負担が大きくなる.そのような観点から,家電連携動作による操作支援によって負担を削減させる研究が進められてきた.しかし,従来の研究では対象とする家電やその機能,および連携動作についての定義が十分ではない.本稿ではこの問題を解決した家電間の親和性・競合性に基づいた連携動作支援手法を提案している.提案法ではユーザ視点での家電連携動作を実現するために,家電を映像,音響,環境(照明,空調)機器に分類し,1家電の機能レベル毎に他の家電との親和・競合関係を考えて,家電連携動作を行う.シミュレーション実験をした結果,具体的なシナリオ例を当てはめて特定のアクションが発生した場合,オントロジーで構築した親和・競合関係に基づく家電連携動作が行えることを確認している.最後に,評価としてステップ数と拡張性と独立性の項目から従来手法と比較を行い,本研究の有効性を示している.
著者
高橋 雅治
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.9-28, 1997-06-30

本論文では、選択行動に関するオペラント研究における最近の展開が概観される。特に、対応法則、遅延低減仮説、セルフ・コントロール、および、リスク選択に関連する研究に重点が置かれる。これまでに提案された選択行動のモデルのいくつかは、人間以外の動物(ほとんどの場合、ハト)を被験体として行われた研究から得られたデータをうまく記述することができるように思われる。だが、人間を被験者として行われた研究から得られたデータのなかには、それらのモデルによって説明することができないものもある。従って、選択行動の定量的なモデル化に関する今後の研究は、人間と人間以外の動物の差異の説明に取り組んでいかなければならないことが示唆される。
著者
堀 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.74, pp.107-112, 2006-05-18

本稿では,映像中の人物の顔や身体の検出,追跡,認証および姿勢推定などの人物画像処理技術とその応用について述べる.人物は,コンピュータビジョン領域における画像監視システムやTV番組検索において,映像の中で最も関心の高いもののひとつである.よって,古くから数多くの人物画像処理に関する研究が行われてきた.顔の検出や認証は1990年代から世界で精力的に研究が進められ,近年では,歩行者の検出や認証へ関心が高まっている.我々も1995年頃から人物に関する研究をはじめ,顔位置検出・顔認証をはじめ多くの成果をあげてきた.それらの研究の軌跡をたどりながら,技術的課題と今後の方向性を考察する.